エロいことしようとしてたら最強の魔導師になっていた 作:100000
──今日のラッキーパーソンは〜恋人です!特に魔導師の方だったりすると今日一日は最高のひとときを過ごせるでしょう!できてなくても今日アタックすればもしかすると⋯!
「⋯⋯えぇ」
なんだこの占い。朝ニュースを確認しようとテレビつけたら一発目からこれかよ。絶対リア充爆発しろ民が文字通り爆発するだろこれ。
『ちなみにこのテレビ局のスポンサーは管理局です』
出来レースじゃないですかヤダー!
「てかそんなに印象悪いのか⋯管理局」
『マスターやなのはさんの活躍で世間的には良い方向に進んでますが、汚職や横領が無いわけではありませんからね』
「あぁ⋯」
そういえばこの前捕まえた次元犯罪者に催眠かけて全部吐かせたら、高官の名前出てきて現場凍りついたなそういえば。まぁ速攻で証拠揃えて牢屋送りにはしたけど。
まぁなんにせよこの占いは俺には関係ないな、彼女いないし。まぁ⋯好かれてはいるけど。
『今日は告白の嵐かもしれませんね』
えぇ〜まじぃ〜?いやー、困っちゃうなー俺は誰のものでもないんだけどな〜。でも世界中の俺のファンを落胆させるのもな〜。
「⋯スコル、世界中のレディーのためにも今日は仕事休むか」
『はよ行けカス』
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──おはようございます!
「おはよ」
元気よく挨拶してくる
『慕ってくれる人にそれはないでしょ』
うるさい、どう思うと俺の勝手だろ。別に尊敬のまなざし向けられるのや大衆にキャーキャー言われるのは大好きだけど朝イチでそういうの向けられるとテンションについていけないんだよ。
「あ、おはようあきと君」
「ん、なのはか。昨日も遅かったのに朝から教導か?」
「うん。皆が頑張ってるのに私だけ休むなんてできないからね」
「⋯せやな」
なあなあスコル、なのはが真面目すぎるんだけど。これまた過労と疲弊でリンカーコア破損とかならないよね?
『彼女も前のように限界を超えて酷使してるわけではないようですし問題ないかと。それにダメになったらなったでまたマスターが支えればいいじゃないですか。楽しかったですか?二日で三時間しか寝れないあの日々』
おいやめろ、確かに決めたのは俺だが、病室で人知れず泣くアイツを見てられなくて、なのはが背負ってた仕事全部を消化し尽くしたあの地獄の日々を思い出させるんじゃない。
「ま、無理はしないようにな」
「うん、もう迷惑かけないから」
そう言って明るく微笑むなのはの顔に疲労の色は見られない。まぁ大丈夫そうならいいかな。
「そうだ、あきと君お昼時間空いてる?」
昼は暇になったっけ?
『先の汚職の件の取り調べ次第かと』
まぁそれは催眠かけて吐かせればいいし。
「問題ない。昼飯食う時間ならいくらでもあるぞ」
「よかった、じゃあ久しぶりに一緒に食べようよ」
そう言ってなのはは肩にかけたバッグからやや小さめの箱を取り出す。
「これ、まさか」
「うん、お弁当作ってみたんだけど⋯迷惑だったかな?」
いやそんな上目遣いで悲しそうな表情作るなよ、わざとか?わざとなのか?可愛いぞもっとやれ。
「そんなわけないだろ、俺がなのはが作ってくれた物を拒んだことがあったか?」
「⋯!ありがとう!」
ぱあっと花が咲いたように笑うなのは。そこだけは出会った頃から変わっていない。かわいい(脳死)。
『本音は?』
正直お弁当じゃなくてラーメン食いたかった。
『どうして素直に喜べないんですか』
そうは言うが、何事にもタイミングはあるだろ。急に来られても対応に困る。スコルだっていきなり俺から「たまには他のデバイス使ってみるよ」って言われたら反応に困るだろ?
『困るっていうかそのデバイスを破壊しますね』
⋯⋯⋯え
『私を扱えるのはマスターだけですし、マスターを御せるのも私だけなので』
え、あ、うん。
どうやら地雷を踏んでしまったようだ。声は無機質だが圧に似たものを胸元の宝石から感じる。これは怒らせてしまったかもしれない。デバイスからしてみればお前もういらないって意味合いになるのか?それだったら流石に悪いな。
スコル、冗談だ。お前の言う通りだし、そもそもお前以外のデバイスを使うつもりは無いよ。
『⋯⋯⋯軽率な言葉は控えてください』
声色は分からないが、圧が引いたのでひとまず治めてくれたようだ。スコルが居ないとマジで俺何もできないからな、唯一の相棒としてこれからもよろしくな。
『マスターは卑怯です』
卑怯者とは言われるけど俺今回は何も卑怯なことしてなくね?
『してます』
えぇ⋯⋯。
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よし、アタック成功!いや、まだ成功じゃない⋯⋯まだあきと君にお弁当をあげただけじゃないか。まだまだ気が抜けない。今日のお弁当にはハンバーグとかあきと君が好きな物を入れてみたけど⋯大丈夫かな?好み、前と変わってたりしないよね?一応味見したけど美味しいって言ってくれるかな?
まさか、たまたまあきと君へお弁当を作ってみたらその日の占いで効果的と言われるとは思わなかった。これはきっと天啓、そう、神様が今日はいけると言ってるに違いない。
お昼までまだ時間があり、そもそも仕事はまだ沢山ある。もしお昼までに仕事が終わらなかったらあきと君と一緒にお弁当を食べれなくなってしまう。
「よし!頑張るぞ、私!」
今日はアタックし続けるんだ、占いにもそう書いてあったし。なにより、最近私負けヒロインとか言われがちだからここらで挽回しないと!
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「〜♪」
『今日はご機嫌ですね』
「そりゃあな」
なにせ、朝からわざわざなのはが俺に弁当を作ってくれたんだからな。これ絶対俺のこと好きだろ、絶対そうだぞ。
『⋯前々から思ってましたがマスターは周囲に好かれてる自覚はあるんですね』
え?そりゃあお前、こんな顔良し、性格良し、収入良しなパーフェクトイケメン超人である俺に惚れない女なんていないでしょ?スコルさん冷静に考えてくださいよ。
『⋯⋯私はマスターのことを鈍感クソ野郎といままで思っていましたが』
おい待て今悪口言っただろ?
『実際は自惚れ鈍感クズ野郎だったんですね』
おいもう悪口とかのレベルじゃねえぞ。笑いで済ますとかそんなもんじゃなくなってるぞ。
『好かれてる自覚があるならさっさとくっついてしまえばいいじゃないですか』
え、だって違ったら恥ずかしいじゃん。
『………頭が痛くなってきました』
いやいや、心が読めるならまだしも向こうが俺をどう思ってるかなんて分からないだろ!?
『今お弁当渡されたじゃないですか』
あ、やっぱりこれってそういうこと?
『はぁ…』
おい、そのどうしようもないやつだなっていう感じのため息やめろ。
『どうしようもないやつだな』
………ほぅ、そこまで言うか。
なら、今日一日、俺が決して鈍感ではないことを証明してやるからな!
『期待してますよ、マスター』
よし!見とけよ見とけよ!
あ、そうだ。スコル、今度の生体デバイスの運用試験日、ちょっと俺用事あるから一人で頼む。適当に管理局の仕事振り分けておくからそれやっといてくれ。
『…………-100ポイントです』
!?!?!?!!!???
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「あ、あきと…」
「お、フェイト」
仕事の休憩中、屋上でのんびりと空を見上げてボーッとしてると横からフェイトに声をかけられる。
「今休憩中?」
「ちょうどな」
「そ、そうなんだ…」
「「………」」
なんだこの間は。言いたいことがあるならさっさと言ってほしいのだが…。
『そういうところを待ってあげないといけないんですよ。-1ポイントです』
はぁ!?今のサイン関係ないやろ!
『相手の思いを汲み取れてません。というかこちらから話しかければいいじゃないですか』
理不尽だぁ……
「あのね、あきと。お昼って時間空いてる?」
「あ〜、すまん。先客がいるわ」
「あ……そうなの。ごめんね、やっぱりなんでもない」
『………』
ちょっと待って。そんなに落ち込まれると凄い気になるんだが。
「何か用事か?」
「え!?うんうん…なんでもないよ、あはは」
そう言うとフェイトはパッと振り向き立ち去ろうとする。振り向きざまに見えたが何か箱のようなものを持っているな。
「ストップ、フェイト」
「きゃ…!」
去ろうとするフェイトを呼び止め、肩を掴みくるっと回転させる。
「さて、その小さな箱は何かな?」
「え…えっと、これは…その……」
フェイトが持っていたのは箱というよりは小さなお弁当箱だった。もしかしなくてもこれ俺に作ってくれた説ある?
『ノーコメントで』
むむ、スコルからの意見は得られないか。でもわざわざお弁当箱持って……いや、これは弁当箱はフェイトのもので一緒にご飯食べようってことか?そうかもしれないな、だってフェイトはお弁当箱一つしか持ってないし。
『まだ向こうも昼食時間ではありませんよ。もっとちゃんと考えろボケカス』
あ、そうか。ならやっぱりこれは俺に?てかなんか言葉厳しくない?
「これ……どうぞ」
小さな声でその手に持った弁当箱をこっちに差し出してくるフェイト。どうやら本当に俺宛てに作ってくれたようだ。
しかし顔真っ赤で渡す姿可愛いな。これもう少し待機して様子見していいかな?
『鬼畜ですか?早く受けとってあげてください』
いやもうなのはのお弁当あるんだけど……あ、そういうことか!
『ん?』
「フェイトは自分の弁当あるのか?」
「え、うん」
「じゃあお昼一緒に食べるか?」
「…!うん!」
満面の笑みを浮かべるフェイト。フェイトのことだから弁当渡して終わるつもりだったんだろうがきっと心の中では一緒に食事したかったはずだ。どうよ、この気遣い!
『本来なら褒められるべきでしたが、今の状況では驚く程悪手でしたね』
………え?
「じゃあまた、お昼に連絡するね!」
凄いご機嫌な様子で去っていくフェイト。スキップでもしそうなところを見ると別に俺の判断は間違ってない気がするのだが。
『本当に言ってるんですか?マスターはお昼なのはさんと一緒に食べるおつもりではなかったのですか?』
え?だからなのはとフェイトの三人で食べるんだろ?
『……………マスター、刺されても文句は言えないですよ』
え、誰に?まぁ仮に襲ってきたとしても返り討ちにしてやるがな!
『……………』
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うう……朝、占いを見たから急いでお弁当作っちゃったけど…どうしよう美味しくなかったら。
あきとの好みって何だったのかな、あきとはいつもなんでも美味しそうに食べるから分からないし。
でも、スコルさんはマスターはなんでもよく食べてくれると言ってくれてたから好き嫌いはないってことなんだろうけどやっぱり好みの食べ物くらいは把握しておくべきだったかな。
正直、お弁当渡すだけで限界だったけどあきとからお昼誘ってくれるのは嬉しかったな……。
あきとって私をちゃんと異性として見てくれてるのかな?昔みたいに友だち感覚だったらちょっと悲しいな…
ううん、弱気になっちゃダメ…!あきとに振り向いて欲しいなら自分から行動しないと…!
「あきと、待った?」
「あきと君おまたせ!」
「おぉー、二人同時か。ちょうどよかったな、じゃあ行くか」
「「……え?」」
『はぁ…』
ん?なんでみんな止まってるんだ、スコルもため息までついて。話だったら聞くぞ?
「えーと…あきと君?」
「どうしたなのは?」
「フェイトちゃんも?」
「あー、実はフェイトからも弁当貰ってな。せっかくだから三人で食べようと思ってな」
「そ、そんな〜」
ガーンといったエフェクトが出てきそうなぐらいガッカリするなのは。うん?もしかしなくても二人きりで食べたかった感じか。
『ようやくわか──』
たしかに、味比べみたいになるからちょっとこれは不適切だったかも。
『ってないですね。どう捻じれればそういう考察になるんですか』
え、なんでそんな呆れてるんだ?
「あきと……聞いてないよ」
「いやすまん。せっかくだから三人で食べようと思ってな」
「……いいよ、私もなのはと一緒に食事できるし」
「だろ!?よし、じゃあ屋上行くか!」
話もまとまった所で屋上へ向けて俺は歩き出す。
「「……はぁ」」
後ろからため息が聞こえるし、なんかジト目を向けられているような気がしなくもないが、ともかく歩き出す。
『…で、結局気づくことはできましたか?鈍感マスター』
うん、100点!
『そんなわけあるか』
うーん、不完全
次回番外編登場キャラ
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(できる限り)突っ込めって言ってんだよ!