エロいことしようとしてたら最強の魔導師になっていた   作:100000

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エロいことをしたかった男の話です。


プロローグ
理想と現実は違ったようです


エロいことをしたい…

 

そうだ、エロいことをしよう!

 

どんな能力が欲しいか?

 

決まっている!

 

『時間停止』『催眠』『認識改変』だぁぁぁ!

 

神様がくれたこのチャンス、俺は絶対にものにする…絶対になぁ!(ベジータ並感)

 

────────────────────

 

神様転生という一時期アニメやラノベでは見ない日はなかったある意味カルト的信仰を集めてたジャンルがあった。

 

当時は俺もそれらを信仰していたし、実際に死んだらワンチャン神様転生して異世界で女の子とキャッキャウフフできるんじゃねえかと考えてしまうほどにはハマっていた。

 

 

 

 

 

でもまさか自分が異世界転生、それも案外見知ったアニメの世界に転生することになるとは思わなかった。

 

 

 

 

神様的なのに能力を選べと言われた俺は最強チート能力!を選択することはなかった。

 

その頃、というより死ぬ直前の俺は性に盛んなお年頃らしく日本の…海外ではHENTAIと恐れ慄かれるエロ本文化に傾倒しており、さらに憧れの神様転生を味わえたことで有頂天になってた俺は神様に

 

「『催眠』『時間停止』『認識改変』!!!」

 

と計画性のない、私利私欲まみれの特典をお願いした

 

 

 

そしてこの世界、『魔法少女リリカルなのは』の世界に転生した俺は紆余曲折あって魔導師という魔法使い的なポジションにつき、さらに主人公につけられる『エースオブエース』のように二つ名がつけられる程に有名になってしまった。

 

魔法少女リリカルなのはは知っている……しかしそれはエロ同人誌という超極端な知識でのみだった。

 

なので、エロ能力を手にしても幼い頃から見境なく、なんてことはなくそもそも原作の展開を知らないので、下手に介入して取り返しがつかなくなるのを避けるためにエロいことはしていなかった。

 

原作キャラに出会っても、「あ、触手に犯されてた子だ」と思ったくらいで交友関係は持ってもそういうことは全くしてなかった。

 

でもせっかく原作キャラと仲良くなったし、邪魔にならない程度に関わってみようかな

 

とサービスっていうならせっかくだし〜、とデパートの押し売りにありそうなことを思いながら日々を過ごし、魔法と出会ってリリカル〜してたら一つ誤算が生じた。

 

 

このエロ能力の戦闘への応用の効き方が尋常ではなかったことだ。

 

相手スピード速いな『時間停止』

 

俺は敵じゃないよ『催眠』

 

パワー凄いけど殴ってるそれ俺じゃないんだよな『認識改変』

 

とあれ?これって敵の中でも強キャラが使うやつじゃんと戦闘に参加してようやく認識してしまった。

 

そして気づけば俺のポジションは『友だち』から『お前がいれば絶対に勝てる』という孫悟空的なポジションになり、故郷の地球を離れ、この管理世界、いわゆる魔法がオカルトではなく技術として確立された世界で『魔導師』という毎日が平日、休日も非番で緊急出動あり、お金たくさんあげるね!でも使う機会あるのかな?というブラック企業に就職することになった。

 

……………………………………………

 

 

……………………………

 

 

………………

 

 

………

 

「はぁ〜、あの頃が懐かしいな」

 

学生時代の楽しかった日々に思いを馳せながらカタカタと報告書に本日の成果を打ち込んでいく。インテリジェンスデバイスっていう自立思考型あるんだし、念話もできるんだからこういうの自動でやってくれればいいのに…と魔法という便利な物に頼ってただでさえ堕落した思考がさらに堕落しようとする。

 

「久々に同人誌買いに行こうかな〜」

 

「な〜にを買いに行くって〜?」

 

ドンッといきなりど突かれたと思ったら幼なじみ、仕事場では上官の女性が後ろに立っていた。

 

「……何も言ってないぞ、はやて」

 

俺は何も言っていない…無駄に頭が回るコイツを前に無駄な足掻きとは分かっているが、もうそろそろ仕事が終わる頃であり俺の思考はいわゆる脳死状態になっていた。

 

「おうおう、よう言うわ。この耳はバッチリあんたのエッチな声聞こえとったで〜」

 

「…おい、勘違いを引き起こすようなことを言うんじゃない」

 

それではまるで俺が職場で人目もはばからず致しているように聞こえるだろ。いや実際に『常識改変』で俺がナニやっても気にしないようにしたけどアレむしろ誰も反応してくれなくて寂しいだけだったんだぞ。あ、おいコラそこの君、俺を不審者を見るような目で見つめるんじゃない。その見解で概ね合っているが今この場では俺は何もやっていないだろ。

 

「なぁもう仕事終わりやろ?」

 

「あー、待て待て。…………今終わったぞ」

 

「よっしゃ!じゃあ久々に飲みに行くで!」

 

「えぇ〜」

 

「なんでや!こんな美女と飲みに行けるのに断るやつおるかあ!?」

 

別にはやてと飲みに行くのは嫌じゃない……嫌ではないのだが、俺はコイツ…のみならずその周辺の人物には苦手意識を持ってしまっている。

 

その理由だが………

 

「なあなあ!ええやろ?遠慮せんでええで、金ないならわたしが奢ったる!」

 

その目をやめて欲しいんだよなぁ。その、憧れを見るような、小さい頃に子どもがヒーローに向けていたような眼差しでこちらを見つめないでほしい。俺そういう人間じゃないから。

 

そもそも原作キャラは軒並み過去が重くて、それを可能な限り明るく、楽しくしてあげようとしたのが悪かった。まさか魔法少女っていうプリキュアみたいなジャンルの物語のキャラがまあまあ暗い過去を持ってるとは思いもしなかった。

 

そして気づけばなんかめちゃくちゃ原作に関わってるっぽいし、その都度原作キャラを助けてたらなんか憧れの存在的な眼差しで捉えられるようになってしまった。

 

そんな目で見てくる人に外道なことができるほど俺も人間やめてなかったので結局何も出来ずに今に至る。

 

エロいことが出来ずに不満が溜まっているが、悪いことばかりでもない。例えば

 

「美女なのは分かっている、言われなくてもな」

 

「え!?そ、そないな…えへへ……」

 

かわいい(ブロリー)

 

憧れの存在である俺から褒められた彼女らはこんな風に普段の凛々しさからかけ離れた可愛さを発揮する。かわいい、そのギャップかわいい。現実ならぶりっ子すんなって言われるだろうけど全くわざとらしくない。かわいい。かわいい。

 

かわいい(思考停止)

 

「あー、ずるい!私も行く!」

 

と横から同じ教導官として職場を、そして戦場を共にし、なにより原作主人公である高町なのはが入ってきた。

 

「ええやん、知ってるんやで!この前アキトと一緒に洋服買いに行ったやろ!」

 

「違うもん!下着だから洋服じゃないもん!」

 

「余計悪いわ!アホ!」

 

「…一緒でいいだろ」

 

「せやな!」「うん!」

 

「……………」

 

俺の名前は剣崎暁斗(けんざきあきと)

 

二回目の生を絶賛堪能中でこの世界、魔法少女リリカルなのはでは魔導師をしています。

 

「……」

 

「……」

 

火花散らすな、さっさと飯行くぞ。




剣崎暁斗(けんざきあきと)
ランク:オールS
レアスキル:超催眠(認識改変+催眠)
シークレットスキル:時間停止

かわいい女の子にエロいことしたかったのに、向けられる純粋な眼差しとリアルでやってしまった時の罪悪感で何も出来なくなった可哀想な男の子。
それでもいつか落ち着いた時にはやりたい放題やろうと虎視眈々と状況を伺っている(見誤っている)

次回番外編登場キャラ

  • いつもの3人
  • 大天使ヴィータちゃん
  • 戦闘狂シグナム
  • スバルとかティアナとか(その他)
  • (できる限り)突っ込めって言ってんだよ!

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