蛇睨み 【All For 『All For One』】   作:ゼノアplus+

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ここまで滾る戦いはいつぶりだろう?父さんは強すぎるし、ギガントマキアには工夫もクソもあったもんじゃない、ただのゴリ押し。黒霧さんは戦闘雑魚だし脳無はサンドバッグにしかならない。

 

 

 

「『目を醒ます』」

 

「ッッ、なんだよそれ!?」

 

 

今までは省略して蛇達を内側でだけ出させて体を治したり強化していた。でも今は最高に気分がいい。見せてあげるよ爆豪。

 

私の内側から這い出る黒い蛇達が全身を包み込む。ほんのちょっとだけ必要な時間も、呆気に取られてる爆豪のおかげでもーまんたい。

 

 

【後で怒られてもしらねぇからなァ】

 

 

良いよ別に。父さんならむしろ褒めてくれるんじゃないかな?あの日、私を自由にしてくれたのは他ならぬ父さんなんだから。

 

 

「爆豪」

 

「ッ!!」

 

「どうか死なないことを祈ってるよ」

 

 

さあ、第二ラウンドだよ爆豪。

 

 

『おおっと!?起き上がった陽炎。全身が蛇?みたいなやつに包まれたと思いきや今までと違う構えになったぜ!?あれなんだよイレイザー!!』

 

『…………知らん。だがふざけているようには見えん』

 

『八極拳ってこういうのあったっけ!?』

 

 

「テメェ……ふざけてんのか!!」

 

「いいや……むしろ貴方を脅威だと認めてるからこそこれを使う」

 

 

マイク先生や爆豪、さらには会場の人たちが呆気に取られている。何故か?

 

 

『陽炎、ポケットに両手を突っ込んだまま仁王立ちダァァァ!!!!』

 

 

無音拳。

知っている人は知っているだろう。某10歳の魔法先生が活躍する漫画(サルベージ超頑張った)に出てくる技である。詳しくは説明しないけど、拳を剣、ポケットを剣の鞘に見立て剣術の居合の要領で振るう。原作だと魔力やら気やら色々超常的なことしているが私にそんな力はもちろんない。なので純粋な力だけでの再現になったけどめちゃくちゃに難しかった。ただいたずらに殴るだけだと服が大変なことになったし父さん曰く、無音になっていないとの事。なので不本意だけど『目を醒ます』で一段階身体能力を強化してやっと無音拳()()()が使える程度まで持ってこれた。

 

 

「脅威だと……だったら今までの半分野郎までずっと脅威だとも思ってなかったってのかよッ!?」

 

「そうだけど?」

 

「ッ!!」

 

「……だから今、すっごく楽しい。さあ、まずは一撃」

 

「アァ……ガッ!?」

 

 

ゴンッという音ともに爆豪の体が地面に沈んだ。おそらく誰にも理解できていない。

 

 

『エェ!?爆豪が突然地面に崩れ落ちたァ!?いや、どっちかっていうと打たれたのか?』

 

『……わからない。おそらく陽炎が何かしたんだろうが、見えなかったな』

 

 

 

今のはそこまで威力は高くない牽制の一撃。なによりも無音拳を要注意させるための警告。

 

 

「衝撃だけでかいけど、威力はそうでもないはずだよ爆豪。起きなよ」

 

「チィ……ッ!!」

 

 

ああ、倒れてる時間で考えてたんだ。ごめんね邪魔して。せっかくだし少し聞いてみようかな。『目を盗む』

 

 

(いつ構えやがった……!!いや、わざわざポケットに手を突っ込む意味があるんだろうなァ……すぐ解き明かしてやる!!)

 

 

「出来る物ならねぇ……おっとと」

 

 

追撃を繰り出す前に爆豪の爆破で体勢が崩されそうになるけど縮地で離脱。あ、そうだった。今ギア上げてるから力加減気をつけないと……思わず地面陥没させちゃった。

 

 

「ていうかさ、爆豪の最大火力も受けきれたし貴方に私を倒す術はもう無いよね?降参しないの?」

 

「誰がするかよクソが!!その余裕そうな面、今すぐ燃えカスにしてやるわ!!」

 

「ふうん……後悔しないでね」

 

「あぐっ!?」

 

 

肩をど突いた。爆破だって自分に衝撃が返ってこないはずがないのでその重要な部分である肩に攻撃する。結構痛そうだね。

 

 

「ッッッッッッッッ!!!!」

 

 

全身を連打する。どうやらまだ爆豪は仕組みに気づいたわけでもなさそうだしまあこのままやっても良いでしょ。あ、ちなみにこの技の弱点として接近されるのが苦手だよ。大体1から2メートルくらい距離を空けるのがちょうど良い。

 

 

『爆豪、陽炎からの不可視の攻撃を避けることができず次々にHIT!!先程とは打って変わって爆豪防戦一方だ!!』

 

『……おそらくだが、剣術の居合まがいの事を拳でやってんだろ。何故遠距離攻撃が発生してるかは分からないが……まあ自分の課題を良く対策できているという事だ』

 

『yeahイレイザー!!真面目に解説くれんのはありがたいけど無理しなくていいんダゼ!?』

 

 

すごいね相澤先生、大正解だよ。もしかしてあの漫画読んだ?ってレベルであってる。

 

 

「はぁっ……はぁっ……テメェ……似合ってねぇんだよ。八極拳も……それも……!!」

 

「……自覚はある」

 

 

ポケットに手を突っ込んでる私とかほんとに似合ってない。でもさ、何をしようとしてるのか丸わかりなのに何されてるか分からないっていう状況、すごく好み。圧倒的な理不尽を相手に押し付けるのは本当に楽しい。でも最近父さんはパワーisパワー系が楽しいらしくて趣味の不一致が悲しい。

 

痛いとこつかれたわけだけども何にも問題はない。何故かって?爆豪が虚勢張ってるだけだからね。どれだけ爆豪が煽り続けようと私に対する決定打が無い以上私の勝ちは確定……完全勝利なのだよ。ふふふ……ああ、楽しいなぁッ!!

 

【いや勝つなよ。アイツの言ってたこと忘れたのかァ?】

 

 

 

 

 

…………あっ。勝っちゃダメじゃん。え、どうしよう。ヤバい、急に冷静になった。あれ、本当にどうすればいいのかな……相棒…………どうすればいいの?

 

【知るかよ。自分のミスくらい自分でなんとかしろバカ野郎】

 

スゥーーーー…………まぁいいか。最悪私が自分で弔君の成長を促せばいいんだ。

 

【諦めんなよォ……】

 

 

 

「よそ見すんなやァ!!榴弾砲着弾(ハウザー・インパクト)!!!!」

 

「………効かないのに」

 

 

相棒との会話に割り込んでくるように爆豪が最大火力を私に向けて放ってきた。ぶっちゃけ棒立ちで受け切ってもいい。でもそれじゃあ芸がないよね?

 

 

色々省略するけど射程ぎりぎりで無音拳を使い打ち消した。すごい音が鳴り爆風がステージを覆い隠す。きっとこの間に死角を取ろうとしてくるに違いないからもちろん『目を凝らす』。ふむふむ……後ろだね。

 

 

「もう辞めた方がいいn「榴弾砲着弾(ハウザー・インパクト)!!!」……またそれ?」

 

 

もう一度打ち消す。何がしたいのだろう?数打てばいつかは……なんて考える性格じゃないはず。

 

 

「そろそろ食らっとけやッ!!」

 

「ダメージ無いしどうでもいい」

 

「ハッ!!そうかよ!!ハウz……ぐぁっ……!!榴弾砲着弾(ハウザー・インパクト)!!!」

 

 

嗚咽?煙で爆豪の姿は見えない。でも今確かに聞こえた……まさか反動がある?すぐに、聞こえてきた右へ向けて無音拳を叩きつける。

 

 

「打ち消すってさ、それだけでパフォーマンスになるの。いいよね、使う事で目立つ派手な個性は」

 

「はぁ……はぁ…るっせんだよっ!!榴弾砲着弾(ハウザー・インパクト)!!!」

 

 

気合の乗った今までで1番の火力が爆豪から放たれた。でもそれじゃあ足りない。

 

 

「無音拳……いや『豪殺居合拳』」

 

 

今までのがピストルの着弾だとしたらこれは大砲の着弾。予備動作がなく攻撃のタイミングが悟られにくい無音拳とは違って、バレバレだが圧倒的な威力が出る豪殺居合拳……ちなみに通常の無音拳と併用可能なので実質弱点はない。

 

豪殺という物騒な名前に恥じない威力の拳圧が爆豪の榴弾砲着弾(ハウザー・インパクト)を消し飛ばしその勢いのまま爆豪を飲み込み場外の壁へと押し込んだ。

 

 

『OH!!!!陽炎の放った一撃が爆豪の技を一蹴ゥゥゥ!!!!そのまま爆豪ごと場外へ!!って、壁に穴あけんのやめてくれィ陽炎!?ついに優勝者が決まったかぁ!?』

 

『いいや、まだだよ。上だ』

 

『え?』

 

 

相澤先生の声に弾かれるように私も上を見上げる。するとそこにはボロボロの腕のまま爆破で空中を飛んでいる爆豪の姿があった。

 

 

「避けたんだ……すごい」

 

 

『目を合わせる』をここからは常時発動しておく。爆豪のいる地点までは煙が登っていないため姿が丸見えだからね。一瞬でも私を見れば負けだよ。

 

 

「俺が1番だッ!!」

 

「あははっ、白目剥いてる」

 

 

ちゃんと見れば爆豪が白目を剥いてる。どうやらさっきの技で心身共に限界らしい。戦闘訓練の時に普通に緑谷に普通に使ってたし、サポートアイテムがないと反動があるんだね爆豪。こうなってるとわかればあとはもう簡単、小突くだけで爆豪の意識はなくなる。

 

 

「終わりだね爆豪……えっ」

 

 

改めて両手をポケットに突っ込み無音拳を使った刹那、爆豪が視界から消えた。

 

 

「違う、急降下して……まずい」

 

 

接近された、無音拳の射程範囲外だ。

 

 

「テメェを倒して!!1位とって!!俺が最強になるんだよォ!!」

 

 

あの叫びはもう無意識のレベルだろう、ほとんど意識なんて残ってないはず……なのになんで動ける……いや、分かってる。あれが爆豪を突き動かすオリジン!!

 

 

「凄いよ爆豪……ここまで私を楽しませたのはいつ以来かなぁ!!『肘撃・轟破……ッ!?」

 

 

私が八極拳の構えを取り、腰を入れた瞬間……地面が崩れ始めた。

 

 

「うそ、なん………「俺の勝ちだ蛇女ァ!!榴弾砲着弾(ハウザー・インパクト)!!!!!!!」……効かないって言ってるでしょ!!」

 

 

今度は上からの爆破。私はすぐ構えを時防御姿勢に移った。いや、()()()()()()()()()。それに気づいたのは攻撃を受ける瞬間、地面が崩れた事で少し焦っちゃったんだろう。

 

 

「……ケホッ、ケホッ……受け切った。もう動けないでしょ爆豪、これで私の勝ちだ」

 

 

予想外の攻撃を受けてしまった。ちょっと屈辱……!!『目を凝らす』で爆豪の位置は把握しているけど、どうやらぶっ倒れてるらしい。聞こえてるかも怪しい爆豪に向けて話しかけるけど返事がない。ただの屍のようだ(一度言ってみたかった)

 

 

「……爆豪?」

 

「……れの…………………だ」

 

「なんて……?」

 

 

煙が晴れた。見下ろす先には、さっき見えた通りうつ伏せで倒れ伏す爆豪の姿がある。つまり、

 

 

「私の勝ち」

 

『陽炎さん場外!!よって爆豪君の勝利!!』

 

 

 

「………………は?」

 

 

場外、私が?

すぐに審判を見る。揺るぎない表情……間違いじゃない。

すぐに実況席を見る。2人とも納得の表情。なんで。

 

 

「し……た……」

 

「下?…………ッ!?」

 

 

爆豪から声が聞こえてきた。振り返ると、体はプルプルと震えているけどなんとか意識があると言うことを示している。そして何より……人差し指が私の足元を指している。

 

 

「ステージが……!!」

 

 

私の足元が綺麗に崩壊している。どうして?そんな床が壊れるような負荷はかけてないは……ず…… 榴弾砲着弾(ハウザー・インパクト)!?

 

 

「最大火力の連発は、攻撃じゃなくてステージに負荷を与えるため……四方と上空からだったのはその補助……全部、考えて……!?」

 

 

圧倒的な勝利への執念、麗日戦で見せたステージすら武器にするという戦法をこのさっきの今で物にして、私に気づかせずにやったって事……?

 

 

「負けた……私が?『先生』の、父さんの娘なのに……ッ!!!!」

 

 

あり得ない、あり得てはいけない。私は父さんの娘なんだ……それなのに……()()()()()()じゃないだろ!?何を今更思い出してるんだ!!ふざけるなよ自分……!!結果的には父さんの指示通り……でも結果論じゃないか!?まじめにやって負けましたなんて、言えるわけがない……!!

 

【落ち着けよォ、審判がこっちに来てるぜェ】

 

うるさい、黙っててよ相棒!!ていうか相棒、爆豪の狙いを分かってたでしょ、分かってて言わなかったでしょ。なんで!!

 

【戦闘については口出ししないっていう約束だったじゃねェかァ】

 

…………そうだった、ごめん。怒鳴って。

 

【よくあるから気にしてねェよ】

 

 

落ち着いた。ああもう、失態だ。これ以上ない失態だ……はぁ……仕方ないか。負けたものは負けたんだし。これで課題がはっきりしたね……自制だよ。

 

爆豪は救護ロボが運んでいった。目を覚まし次第、表彰式だってさ。

 

 

「陽炎さん、ステージの補修があるから控え室に戻ってくれるかい?」

 

 

ああ、そういえばこのステージ作ったのセメントス先生だっけ……もうちょっと耐久力のあるステージ作れなかったのかなぁ?いや、コンクリなら仕方ないの?はぁ……ギアを一段階上げた時、地面が陥没したの完全に忘れてた。

 

 

「?おーい、陽炎さん?」

 

「…………あ、ごめんなさい」

 

 

思考に夢中でセメントス先生に気づかなかった。んん、なぜだろう……今顔を見られるのが無性に恥ずかしい。

 

 

「ええ!?……ああ、縮地か。直近で見ると凄いな……」

 

 

…………時間までトイレに居よう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「それではこれより!!表彰式に移ります!」

 

 

体育祭の終わりを知らせる花火が打ち上げられ、ミッドナイトが表彰台を指し示すとクラスメイト達は引いていた。私はといえば、2位の表彰台で隣の奴を眺めている。

 

 

「何アレ…」

 

「起きてからずっと暴れてんだと。しっかし、まあ……締まんねー表彰式だな」

 

「しょうがないけど一位があれのなのはなんかね〜?」

 

 

耳郎が露骨に引き、切島と葉隠が苦笑いを浮かべている。

 

 

「ん゛ん゛〜〜〜〜!!」

 

「もはや悪鬼羅刹」

 

 

1位の表彰台でミッドナイトの拘束具で拘束されていた爆豪は、叫び声を上げながら暴れていた。その様子を、三位の表彰台に立つ轟と常闇が呆れた様子で見ていた。見た目でもまだボロボロなのによくもまあここまで暴れる元気があるね。ていうか皆ひどい言い様。まあ、気持ちは分かるけど。

 

 

「メダル授与よ!!今年メダルを贈呈するのはもちろんこの人!!」

 

「私が、メダルを持って来t「我らがヒーロー、オールマイトォ!!」

 

 

せっかくの登場シーンでの台詞がミッドナイトの声にかき消されたためオールマイトが少ししょげて震えていると、ミッドナイトが手を合わせて苦笑いを浮かべながら謝罪する。この姿今すぐ父さんに伝えてあげたい。オールマイトは、三位の常闇の首に銅メダルをかけて言った。

 

 

「常闇少年おめでとう!強いな君は!」

 

「勿体無いお言葉」

 

「ただ!相性差を覆すには個性に頼りっきりじゃダメだ。もっと地力を鍛えれば取れる択が増すだろう」

 

 

オールマイトは、常闇を抱きしめ軽く背中を叩いた。すると常闇は、自分へ言い聞かせるように銅メダルを見つめた。なるほどね、ダークシャドウでの戦闘に頼りきりだったのか。

 

 

「……御意」

 

 

オールマイトは、次に轟の首に銅メダルをかけた。それまではずっと俯いていたけど、メダルがかけられると顔を上げた。

 

 

「轟少年、おめでとう。なにやら思わしくない結果だったかな?」

 

「…ええ。緑谷戦できっかけを貰って…わからなくなってしまいました。それで……陽炎の言葉を聞いたあと、ずっと考えてました。ヒーローってなんだろうって……一応、俺なりに答えは出たつもりです。ただ…俺だけが吹っ切れてそれで終わりというわけにはいきません。精算しなきゃならないものがまだある」

 

「……以前と全然顔が違う。深くは聞くまいよ。今の君ならきっと精算できる。後で陽炎少女とも話をしてみるといい」

 

「はい」

 

 

オールマイトは、轟を抱きしめて背中を叩いた。???なんか轟スッキリした顔してない?あれだけボロクソ言ったのにどうして?え、もしかしてそっちの趣味なのかな?父さんが「特殊な趣味の人は今時珍しくないし敬遠してはいけないよ」って言ってたけど、流石にちょっと付き合い考えたいな……

 

とか考えてると、私の首に銀メダルがかけられた。

 

 

「2位おめでとう陽炎少女!!君は色々なものを持っているな」

 

「…………鍛えてるので」

 

「素晴らしい!!その向上心を忘れないように。しかし、勝てる試合だと思って油断したね?」

 

「うっ……」

 

「HAHAHA!!覚えておくといいよ陽炎少女、ヒーローはどんなヴィランが相手でも諦めちゃいけない。慢心せず、なにもさせずがベストだ。真面目な場面で私情に囚われすぎないようにな」

 

「…………分かった」

 

 

私の反省点、全部言われた。教師は向いてないけど……ヒーローとしては流石としか言いようがない。力で爆豪に、口でオールマイトに……2回もヒーローに負けちゃった。

 

 

「さて爆豪少年!!っと、こりゃあんまりだ…」

 

オールマイトは、若干呆れつつ爆豪の猿轡を外した。すると爆豪は怒りで顔を歪めながら恨み言を吐いた。めっちゃツバ飛んでる……きたなっ。

 

 

「オールマイトォ!!こんな1位、俺ァ認めねェ!!俺が欲しいのは完膚なきまでの1位だけなんだよ!!俺が倒れて、蛇女は無傷で、それで俺が勝ったとか死んでも認めねぇ!!!!」

 

「うむ!素晴らしい向上心だな!相対評価に晒され続けるこの世界で、不変の絶対評価を持ち続けられる人間はそう多くない。受け取っとけよ!傷として!忘れぬよう!」

 

「要らねぇっつってんだろが!!」

 

 

オールマイトは、嫌がる爆豪の鼻に金メダルの紐を引っ掛けそのまま滑らせるように下の歯に紐を引っ掛けた。え、器用……

 

 

「さァ!!今回は彼らだった!!しかし皆さん!この場の誰にもここに立つ可能性はあった!!ご覧頂いた通りだ!競い!高め合い!さらに先へと登っていくその姿!!次代のヒーローは確実にその芽を伸ばしている!!てな感じで最後に一言!!皆さんご唱和ください!!せーの…」

 

「「「プルス…「お疲れ様でした!!!」」」」

 

 

オールマイトが空気を読まず叫ぶとブーイングが巻き起こった。いや、それはない。本当に無い。私も最近ようやくノリというものを理解してきたけど……それでも今のはないって言える。

 

【アァ、逆にここまで綺麗にスベんのももはや才能の域だろ】

 

 

「そこはプルスウルトラでしょ、オールマイト!!」

 

「ああいや…疲れたろうなと思って……」

 

 

そんなこんなで、体育祭は終わった。そのあとホームルームがあったけど特に語るようなことはないので省略する。だけど、帰り支度をしている時に轟が話しかけてきた。

 

 

「陽炎、ちょっといいか」

 

「……なに」

 

「今日の試合のことだ」

 

「?」

 

 

え、どうしよう。もっと強い言葉使ってくださいとか言ってこないよね?流石にあの変態オヤジの子供だからってそんなことないよね???

 

 

「俺のプライドのせいで何人もの人が犠牲になる。……言われた時、正直ショックだった」

 

「そう。でも事実」

 

「……ああ。だけど陽炎が気づかせてくれた。ありがとな」

 

「別にお礼を言われるほどじゃない。私にとってはどうでもいいことだから」

 

「そうか……」

 

「……まあ、気づいて成長出来たのなら、次はもっと強くなってよ」

 

 

凄いしゅんとするじゃん。え、待って???なんかこう、凄い、もやもやしてくるんだけど???

 

【罪悪感って言うんだよ。まあ今回の場合は完全に普段とのギャップでそう感じるだけだろうがなァ……】

 

 

「次は本気でやろう。私を楽しませてよ」

 

 

それだけ言って、私は返事を聞くことなくその場を後にした。実はこっそり『目を凝らす』で轟の様子を見てたけど、なんかニヤニヤした瀬呂が肘でつついてた。なんでだろう?

 

 

あ、峰田と上鳴は相澤先生の捕縛布で簀巻きにされて天井から吊るされてるよ。被害者の女子6人に好きにしろって言われてから、耳郎と芦田に説得された八百万が辛味パウダー入りの霧吹きを『創造』してシュッシュしてた。

 

流石にアレは可哀想だった、上鳴が。

 

 

睨美のヒーロー名(かっこ付きは花言葉)

  • アザミ
  • クロハ
  • カゲロウデイズ
  • メデューサ
  • ゴルゴン
  • スネーク・アイ
  • カンナ(永遠)
  • サルビア(家族愛)
  • エーデルワイス(大切な思い出)
  • モミジ(大切な思い出)
  • カエデ(大切な思い出)
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