蛇睨み 【All For 『All For One』】 作:ゼノアplus+
5話
雄英高校入学2日目
午前中は退屈な授業だった。入試の時にテンション高いなあと思っていたヒーロー、プレゼントマイクという人の英語の授業はなんというか……普通。テンションが異様に高いことを除けばただ英語を教えてもらってるだけだ。ヒーロー科は午前中に普通の授業をして、午後からヒーロー関連の授業をやるらしい。
……だるい。
【諦めろ。学生のほとんどはそう思ってる】
くそ……相棒が正論言ってる……
【なんてこと言いやがる】
今は昼休憩中。ずっと前から気になってた食堂に来てみた。お金を入れてボタンを押したらセイリケン?が出てきて、それを渡したら料理をくれるんだって。クックヒーロー……アンタ最高だよ……こんな……こんなに美味しい鳥の唐揚げは初めて食べた!!
【おい、サムズアップしてるぞ。返してやれ】
「……ッ!!」
相棒の声で振り返れば、私に向かって親指を立てているクックヒーロー……ヒーローの中でアンタだけは気に入ったよッ!!
「おい……しいッ!!」
【人生……謳歌してんなァ……】
色々あるけど鶏肉食べてる時が2番めに幸せ。1番め?先生に頭を撫でてもらえる時だよ。
◆
「私がぁ………普通にドアから入ってきたぁ!!」
オールマイトがドアを開けてきた。HAHAHA!!という背景がつきそうな感じだ。
【画風が違うってこんな事言うんだなァ……】
幸せだったお昼の時間が過ぎた。午後からはヒーロー基礎学……ヒーローになるためのあれこれを学ぶ時間。
「早速だが今日はコレ!!戦闘訓練!!」
早速なんだね。嫌いじゃない。
オールマイトが手に持ったリモコン?を壁に向けた。
「そしてそいつに伴って……こちら!!入学前に送ってもらった『個性届』と『要望』に沿ってあつらえた……コスチューム!!」
「「「「「「おお!!!!」」」」」」
ピッと音が響いて、出席番号が書かれた箱が一人一人手渡された。
「着替えたら順次グラウンドβに集まるんだ!!格好から入るってのも大悦な事だぜ少年少女!!自覚するのだ!!今日から自分は……ヒーローなんだと!!」
【偶然……じゃあねェんだろうなァ……『受け入れろよ、これが運命だ』……なんて、オレが翻弄されてどうするんだよ。アザミの服……なんか、似てきやがったなァ……あの女に】
着替えた。着易かった。不思議と体に馴染む……なんでだろうね。この服を作った会社さんって結構すごいのかな?
グラウンドに集まった私達。みんな個性豊かな装いだね。私だけ普通にお洒落したみたいだけど、何故だかこれが1番動きやすい。真っ黒な着物っぽい衣装だ。なんかチビの人が鋭い目でこっち見てるけどどうしたんだろう……ていうか、私まだこのクラスで2人しか名前知らないね。とりあえず威圧の視線で睨み返すと、チビ君は顔を青くして顔を背けた。よし、個性以外でちゃんと威圧できた。
【あのチビ……コイツにそんな視線向けても無駄だろうに……】
なんか言いましたかね相棒?
私達がそんなことをしてる間に、オールマイトによって色々説明があった。曰く、ヒーローチームとヴィランチームに分かれて、ヴィランが建物の中で守る核兵器(偽物)をヒーローチームが回収するという内容だ。まあ妥当でしょ。ただ……戦闘の『せ』の字も知らないような元一般人が突然出来ることじゃないだろうけど。
さて、今回は2対2らしい。でもこのクラスは21人、1人余る。そして、くじで決まった余りは……
「私じゃん」
「むむ!!すまない陽炎少女!!1人余るのを忘れていたよ。さて……どうしたものか……」
1人だけあぶれてしまった私に、オールマイトが頭を押さえながら考えている。無駄にリアクションが大袈裟だね……
「1人でいい」
「なに?しかしそれは……」
「ヒーローはどんな時でも2人以上で行動するの?」
「……HAHAHA!!痛いところを突かれてしまったな!!その通り、プロヒーローは基本サイドキックなどがいるとはいえ1人で戦闘しないわけじゃない。まあ……陽炎少女なら問題ないか?……分かった!!陽炎少女は1人チームとする!!」
オールマイトの宣言で周りが動揺の声を上げた。特にうるさかったのは……
「オールマイト先生!!それは流石に不公平かと!!」
「飯田少年、ごもっともだよ。しかしだな……陽炎少女は入試首席になるほどの実力がある。ヴィランポイント然り、救助ポイント然りだ。私も試験は見ていたが……おそらく劣ることはないよ」
「「「「「「マジで!?」」」」」」
「……そんなに弱くない」
うるささが大きくなった。しかも、金髪トゲトゲ君と、紅白髪君から鋭い視線が向けられてるし……わかりやすい敵意だね。
「まあそれでも不利なのは確か。陽炎少女は1番最後にしよう」
「……個性、見ていいの?」
「今日は訓練だからね!!個性を見た上での対策方法、期待しているよ!!」
なるほど。でも個性把握テストでなんとなく他の人の個性は確認したし、正直負けることはないと思う。地力の差ではね?頭脳が加わったら分からないけど。
説明の後もう一回くじをして私以外の組み合わせが決まった……名前覚えてないから誰と誰がやるのか分かんない。
最後まで暇なのは嫌だけど、色んな個性が見れるからまあいいや。もしかしたら先生が欲しがるような個性があるかもしれないし。
1組目、緑谷&麗日VS爆豪&飯田
『クソデクゥゥゥゥゥ!!!!』
麗日お茶子は昨日話したから覚えてる。個性は確か……無重力。触った物を無重力状態にして浮かすことができる……かな。ペアの緑谷は多分増強系。増強が強すぎるのか腕がぶっ壊れる代物。多分先生が欲しがる。ああいうシンプルなのすきだからね。
相手の金髪トゲトゲ……爆豪は両手から爆発が出せる。火力もなかなかだし結構強い個性。今戦ってるのを見てるけど頭も回るし敵にしたら面倒。努力の成果もあるんだけど、何より戦闘の才能がヤバイ。油断してたら私もやられる。ペアの飯田……クソ真面目君は昨日のテストを見た感じだと、足についてるエンジンでの高速移動かな?あの勢いで蹴られたら痛そう。
【痛いで済むのは基本お前だけだァ】
「うお!?授業だぞこれ!?」
「なに?」
誰かの悲鳴がモニタールームの中に響く。考え事をしていた私も思わず呟いて見てしまった。
「爆豪少年。次それ撃ったら強制終了で君らの負けとする」
オールマイトがそこまで言う何かを爆豪が撃ったらしい。画面を見れば、ビルの一部が恐らく爆発によって穴が開いていた。昨日のと威力が段違い……恐らくコスチュームに何か仕込んでるんだろうけど……まああの威力なら直撃でも大丈夫でしょ。
そのあと、あの超威力のパンチを天井に撃った緑谷は倒れた。だけどパンチで出来た小さな瓦礫を麗日が無重力にした大きな柱で打ち飛ばし飯田が怯んだ間に核を回収して勝った。今は保健室に搬送された緑谷以外の3人が戻って来て講評の時間だ。
露出がすごく多い……えっと、八百万?がオールマイトからの指名によってMVPを語っている。確かに八百万の言う通り、正直意味が無い。訓練だから出来たこと。勝ったAチーム、片方はボロボロで気絶。もう片方は個性の過負荷で動けない。負けたDチームはなんと無傷。爆豪は一撃を受けたが異常なし。もし私が本当のヴィランだったらとっとと動けない2人を殺して核を再回収してる。
「質問……いい?」
「む?言ってみたまえ陽炎少女」
私が手を挙げると、オールマイトは笑って快く許可してくれた。今までほとんど喋らなかった私が突然積極的な姿勢を見せたからか周りのみんなが驚いてる。
「訓練なのは分かってるのを承知で言う。ボロボロのAチームって核を回収した後、どうやって無傷のDチームを掻い潜り、尚且つ大きな核を持って脱出するの?」
「「「「「「ッ!?!?」」」」」」
「…………ふむ。確かに、これが訓練ではなく、本当の対ヴィラン戦ならヒーロー2人は殉職。ヴィランチームの2人は勝手に自滅してくれたヒーローを嘲り笑いながら核を使って悪事を働くだろう。よく考えているね陽炎少女」
「……気になっただけ」
冷静に私の言ったことを分析しながらも笑顔が眩しい。私達にはちょっと眩しすぎて直視できない。これが平和の象徴。先生の敵……
「そっか……確かに」
「訓練だからと甘えていたのは……私達も同じだったのですね」
「陽炎って言ったっけ?アイツ……すげぇな……」
「うーんナイーブッ!!陽炎少女!!
「「「「「「プルスウルトラ!!!!」」」」」」
みんな、元気良いね。あと、皮肉で言ったつもりなのにうまくかわされた上に他の人の士気向上しちゃったよ。ー
【うるせェなァ……10代】
睨美のヒーロー名(かっこ付きは花言葉)
-
アザミ
-
クロハ
-
カゲロウデイズ
-
メデューサ
-
ゴルゴン
-
スネーク・アイ
-
カンナ(永遠)
-
サルビア(家族愛)
-
エーデルワイス(大切な思い出)
-
モミジ(大切な思い出)
-
カエデ(大切な思い出)