fate/little bitch ~煉鉄の小悪魔~ 作:七草探偵事務所
付随するフレーバーテキストを読みつつ、立ち絵を見て楽しんで頂ければと思います。
今回も薄荷矢キナリ様(X:@kinari_13)に描いていただきました。
追記:2025年より、szkure.様(@illust_szkure)にも描いていただいております(2025年11月15日)
【開発沿革──人的資源をいかに保護するか】
本装備は、国際連合専門機関『
当初、人理定礎崩壊事由解決のために選抜された魔術師たちは各魔術師の家系の名家・実力者から募っており、魔術礼装の調達も各々に任されていた。これは魔術師・魔術使いにとって魔術礼装は個々人のために最適化されたものであるため、補給性を度外視して調達することは却って各魔術師の能力を低劣にさせる可能性が高かったためである。
しかし、特異点fへのレイシフト直前に発生した自爆テロにより、レイシフト選抜チームは軒並み死亡。生存していた魔術師も昏睡状態になったことで、繰り上がりにより選抜チームの予備役として登録されていたスタッフ2名によるレイシフトを強行せざるを得なくなった。
特異点fは無事解決したものの、カルデア技術部・戦闘用先進魔術礼装開発チーム“ウィング・ワークス”は当初より難問に直面することとなった。予備役として登録されていたスタッフは両名とも魔術師としての技術に優れず、特に登録ナンバー48bは魔術師としては素人と大差ないことが発覚。技術的に未熟なマスターを運用せざるを得ないカルデア管理部は、”ウィング・ワークス”に当該マスターの生存を最優先にしつつも、サーヴァントへの支援も可能とした魔術礼装の開発を指示した。
”ウィング・ワークス”はこれに対し、既存技術を応用した魔術礼装の改修による解決策『MERP:F』を提案。人理焼却により半永久的に補給物資が得られないという状況に加え、早期開発のために既存技術を元にした改修案を取らざるを得なかった。
まず、”ウィング・ワークス”が開発に着手したのは、レイシフトを行う際コフィン内で装着。特異点において、霊子展開による仮想装備により運用される霊子強化装備の改修であった。既に緊急時の生命維持機能等や被弾時の生存性を担っていた当装備の機能は、顕性型令呪の持つ機能と併せて、マスターのサバイバビリティ向上を大きく担うものと目されていたためである。問題はマスターの魔術回路不足による魔力生成速度の低さによる、魔術行為の運用性の低さであり、この点さえ解決すれば第一の問題解決は可能であると判断された。
”ウィング・ワークス”は第一の問題解決にあたり、顕性型令呪が持つ疑似魔術刻印としての機能に着目。令呪に内蔵されたヴォーダイム家の魔術刻印機能を再精査し再建。さらに、冷凍保存される魔術師たちの魔術刻印も参照し、早々にマスター2名分の疑似魔術刻印の生産に至った。これを霊子強化装備に移植。統一されたアセットとして運用することでのマスターの魔術行為運用性の低さをカバー。さらに、疑似魔術刻印に組み込んだ
霊子強化装備完成の直後、”ウィング・ワークス”は即座に次の魔術礼装の開発に着手した。霊子強化装備はマスターの生存性・攻撃性能を大きく向上させることを成功させた一方で、非戦闘時には過剰すぎる機能を有しており、それに伴う魔力消費も大きく、常時礼装を起動させることはマスター本人、ないしカルデアへの負担が無視できなかったためである。戦闘時に運用する霊子強化装備の代わりに、日常においてマスターの魔術行使のバックアップを行う魔術礼装が必要である──『MERP:F』スタート時点から、”ウィング・ワークス”はこの問題に気づいていた。
霊子強化装備完成から僅か2日後に改修計画『MERP:S』を管理部に提案。当日中に、魔術礼装改修はスタートした。
【その銘は
”ウィング・ワークス”は改修ベースモデルとして、マスター選抜チームの内、Bチーム以下に支給されていた魔術礼装を選考。これは、既に当礼装がマスターの魔術行使をサポートする術式を主に構築されていたため、魔術に未熟なマスターに最も適していると判断されたためである
”ウィング・ワークス”は当該礼装を改修するにあたり、大胆な改修計画を策定した。それは、攻撃補助の術式を全面的にオミット。魔術師としては極めて性能の劣るマスターが、サーヴァントの各種性能補助の魔術を行うことは極めて無駄が多く、消費魔力に対して得られる効果が少ないと判断したためであった。代わりに、マスターの恒常性維持機能の補助や平時でのバイタルデータ走査機能等を補助する術式へと切り替え、日常においてマスター本人の健康診断を行いつつ、軽度の生命維持機能に消費する魔力を低減するための礼装開発が行われた。さらに、霊子強化装備・疑似魔術刻印の統一アセットとは別に、マスターのオドをベースにして運用される魔術礼装として独立させることで、仮に霊子強化装備に不備が発生したとしても、マスターの生存性低下のリスクを下げる方策が執られた。
『MERP:S』スタートから1週間。霊子強化装備よりもさらに短期間にてプロトタイプが完成。さらにもう一体の改修モデルPME-02を経た後、極地対応型魔術礼装、通称”トレミィ”は完成した。
【サーヴァントへの”トレミィ”対応】
マスターの日常時のステータスケアを行うために開発された”トレミィ”は当初マスターナンバー48bのために開発された魔術礼装だったものの、その汎用性の高さはサーヴァントにも活用し得るものだった。サーヴァントは現界するだけで大きく魔力を消費し、その大半がサーヴァントの基礎生命活動維持であったため、その消費魔力を抑えつつもサーヴァントのステータスケアを行える魔術礼装は、人理焼却下、スタンドアロンで活動せざるを得ないフィニス・カルデアには必要なものだった。
『MERP:S』完了後。第二特異点セプテムの人理定礎修復と同時にカルデアのサーヴァントとして司馬懿仲達が現界するに併せ、”ウィング・ワークス”は”トレミィ”を各サーヴァントに対応したカスタムモデルの開発案『PD:GLCME』を提案した。
【
アーチャーのサーヴァント、クロエに対応したモデル。クロエにとって本装備の意義は、ベースモデル“トレミィ”と同様、非戦闘時に着用。戦闘霊衣展開によるマスター、及び炉心への魔力負担を低減。さらには、低脅威度エネミーとの戦闘時に着用することで、戦闘時でも魔力消費削減を狙うものとして定められた(※①)
基本機能は“トレミィ”と変わらないものの、接近戦を多用するサーヴァントが戦闘時に装備する都合、防御性能付与は必須であった。他方、フィニス・カルデアの現状からかけられるコストは限られていた。
どの程度の防御性能を付与すべきか。“ウィング・ワークス”は特異点および施設内模擬戦闘のデータを精査。サーヴァントとして小柄なクロエは被弾率がそもそも低いことから、防御性能付与は後述する司馬懿の“ソンブレロ”に比して最低限で問題ないと結論付け、胴体部、すなわち
※①“ウィング・ワークス”は当初クロエの投影魔術のサポート機能付与も念頭にあったものの、彼女の投影魔術極めて独自なものであり、それを補助する魔術式を構築することは不可能であると断念された。また、”ソンブレロ”に開発リソースを割かなければならなかったため、あくまで最低限度の改修に留まらざるを得なかった。
【
第二特異点制圧後、カルデアの戦力として召喚された司馬懿仲達に対応したモデル。
司馬懿にとって本装備の意義はクロエのものとは全く別のものであり、日常から戦闘時まで広く運用されることが想定された。これは、第二特異点で司馬懿の戦闘時の根幹を支えていた魔術礼装:月霊髄液の大部分が機能喪失し、戦闘霊衣を展開していても消費される魔力に対して本人の戦闘能力が見合ったものではなかったため、戦闘用の魔術礼装が必要だったのである。
戦闘時も、カルデアで開発された魔術礼装を装備した方が効果が大きい。技術部長を務めるレオナルド・ダ・ヴィンチ、“ウィング・ワークス”の開発主査。そして司馬懿仲達の三者はその結論に至ったのち、”トレミィ”の大規模改修を敢行。本礼装は誕生した。
戦闘にも対応する改修をするにあたり、“ウィング・ワークス”及び司馬懿仲達が、“トレミィ”の改修点を以下2点に定めた。
⑴:防御性能及びそれに伴う生存性能の向上
⑵:各種宝具・スキル発動を支援する魔術礼装の追加
《⑴:防御性能・生存性向上による自衛力の確保》
司馬懿仲達の存在意義の多くはスキル・宝具、ひいては本人の思考力によるものであり、直接的なサーヴァントのステータスに現れない場面で優秀なサーヴァントと言える。他方、低い各種ステータス値から、戦闘に巻き込まれた際の脆弱性が懸念される。後方支援に努める司馬懿であればある程度無視できる要素ではあるものの、宝具・スキルの有効射程が短く、敵性キャスター、アーチャーの射程内に留まらざるを得ない状況も考えられていた。
効果的に司馬懿仲達というサーヴァントを運用するには、後方支援ながらある程度戦域を観測できる地点に陣取らなければならないが、前線が近づけばそれだけ彼女の脆弱性は際立ってしまう。このジレンマを解決する必要があったのである。
当初、本人の戦闘能力向上等も案に上がったものの、これまでの戦闘データを再精査した結果、戦闘能力に劣る司馬懿を、限られた資材だけで開発する魔術礼装だけで許容値まで底上げすることは現実的ではないと判断。直接的な敵との戦闘は直掩に任せる、という自衛方法が最適であると判断した上で、味方が敵を排除するまで生存するだけの防御性能を付与するという手法が最も適当であるとの結論に至った。
”ウィング・ワークス”は防御性能向上策を施すにあたり、
技術部の威信をかけて、かの大英雄が纏う鎧を上回る──”ウィング・ワークス”主査手動の下、改修はスタートした。
防御性能においては
さらに、防御性能に付随し、新機軸の礼装、これの搭載を決定した。他計画のために進展していた、司馬懿仲達の霊基に残存する月霊髄液の管制プログラムのリバース・エンジニアリングによる復元作業とその成果たる魔術礼装、“ケルキオン”の搭載するに至ったのである。
頭部アクセサリとして搭載された当該礼装の役割は主に⑵を目的としていたものの、同時に防御面にも応用。敵性体の攻撃、特に頭部・心臓部霊核への被弾を察知すると同時に本人の魔力を使用し、防御フィールドを展開。極めて小規模ながら、ピンポイントでの相転移装甲フィールドを展開することで、致命的一撃への対処能力底上げを図った。さらに”ケルキオン”の搭載によりキル・宝具の効率的運用を可能とすることで、耐久値を引き上げる自身のスキル効果をさらに向上させることに成功。集中配備された魔術礼装、ピンポイントバリアフィールド発生による局所防御。さらにスキルによる耐久値の向上、という三要素の重ね掛けをした際の、瞬間防御性能は極めて高く、Aランクの宝具を受けきることすら可能であるとの試算もあった。
恒常的な防御性能こそ劣るものの、瞬間的防御能力においては物理・魔力双方ともにAランク以下の宝具を受けきることを可能とし、総合的な防御性能において『
《⑵:魔術礼装の追加》
後方支援型のサーヴァントに分類される司馬懿仲達にとって、スキルの回転数は他サーヴァントと比して重要であった。攻撃性能を引き上げる【宣帝の指揮:A】、【狼相のカリスマ:A】【軍略:A+】に加え、耐久値を引き上げる【軍師の忠言:A】、さらに【戦略:B】はそれぞれ宝具回転率・ランク向上の効果もあり、これらを他者付与することで戦況全体の安定を行うだけでなく、直掩のサーヴァントの性能底上げによる自衛という観点からも、その継続性の延伸・発動回転数増加は重要な要素であった。
司馬懿、そして依り代であるライネス・エルメロイ・アーチゾルテの霊基から復元された月霊髄液の管制プログラムを基幹に据えた魔術行使支援型演算プログラム“ケルキオン”を利用し、本来魔術師ではなく、魔術行使を得手としない司馬懿のスキル・宝具発動を支援。スキル・宝具の並列発動に加え、疑似的な高速詠唱によるスキル発動にかかる時間の15%短縮を成功。迅速かつ多重の魔術行使を可能とすることで、司馬懿の強みであるスキルによる味方への支援の質をさらに底上げすることに成功した。(※②)
高い生存性能により戦場に居座り、各種スキルを駆使して自軍全体を強力に補助する──カルデアの魔術礼装”ソンブレロ”を纏う司馬懿仲達は、
(※②)月霊髄液再建にあたっては物資不足などもあり、根幹たる演算器としての機能のみの復元となった。
“ウィング・ワークス”の責任者及び技術部長を務めるレオナルド・ダ・ヴィンチをして、「この礼装の開発者は稀代の天才であろう」と称されるほどのものであった、という
No access rights.
パールヴァティー(キャスター)
ネロ・クラウディウス(キャスター)
バーヴァン・シー(キャスター)
メリュジーヌ(セイヴァー)