fate/little bitch ~煉鉄の小悪魔~   作:七草探偵事務所

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童女に惑う華の皇帝

睡眠から目を覚ましたトウマは、最初何の感慨もまく天井を見つめていた。

二度寝を所望する自堕落な精神と、窓から差し込む陽気な光がせめぎ合っている。高校生の頃の寝起きとあまり変わらないその感慨を抱いてから、トウマは、「現実だなぁ」と呟いた。

そう、これは現実である。目を覚ましてまず目に入る天井は、どう見ても現代日本の建築様式では無い。ベッドも見知らぬものであれば、寝具だってトウマが知っているものとはやや違う。宛がわれたゲストルームの家具も物珍しく。ここが、過去の世界であり、その上で違和感すら無い自然な現実感に、否が応もなくレイシフトという現象を思い出させずにはいられない。

事象記録電脳魔『ラプラス』を使用し、過去データを地球環境モデル『カルデアス』に再現。その上で仮想の地球にダイブすることで過去世界へと転移する。それが、疑似霊子転移(レイシフト)だ。端的に言って、それはタイムトラベルと同義であろう。ダ・ヴィンチや技術スタッフから言わせれば全くの別物で、実際にタイムスリップしているわけではないらしいが、実際レイシフトする身としては同じものとしか思えなかった。

元居た世界からこの世界に来てしまった時とは、また別種の感動とでも言おうか。そこまで考えるタイプの人間ではないだけに、トウマはごく質朴に「なんかすごいなぁ」とか考えてしまう。

そんなこんなで感慨と怠惰と自然の作用の3要素の間でゴロゴロしながらも、トウマは、ずっとそうしているばかりではいられずに、ベッドから抜け出した。

網膜上に、ディスプレイを呼び出す。バイタルデータや各種計器の表示、マップと一緒に並んだ時計を見れば、現在地緯度・経度とグリニッジ標準時がデジタル表示の堅い文字を絶えず変転させていた。

時刻は早朝、6時45分。扉の向こうは、未だ寝静まっているかのようだったが、トウマは胸郭から下にまとわりついた眠気をなんとか引き剥がして、身支度を整える。20分もせずにカルデアのユニフォームを身に纏うと、トウマは今日のスケジュールを思い浮かべた。

1世紀ローマにレイシフトして、実は既に中2日が経っている。あの戦闘から首都ローマに帰還すると、ネロは何度も謝罪しながらも実務の日々に戻っていかざるを得ず。それを補佐する司馬懿ことライネスもトウマたちに対応する暇なく、とりあえず時間が取れそうな今日まで、束の間の休養を得ることになっていたのだ。

繁栄を誇るローマの賑やかさにビックリし、民衆の活気に顔を綻ばせ、スマホすら使えない不便さに眉を顰め、それでも西暦60年のローマを楽しむだけ楽しんでその日を終え。今日、ネロとの会見の日を迎えた。

トウマはすっかり身支度を整えると、少し早いが、扉の前に立った。どうせなら寝具くらい直せばいいのだが、彼にはそうした綺麗好きの(サガ)はない。抱き枕みたいに丸まったままの寝具はそのままに、取ってへと手を伸ばしたトウマは、不意にドアを軽くたたく音で手を止めた。

「入るよぉ」

その声は、子供っぽさを通り越して、幼さすら感じる声だった。発話という行為にまだ慣れていないような声、と言ってもいい。言語的な営みそのものに未成熟な声色だ。

「あ、もう起きてる」

声の主は、トウマの確認もなくガバっとドアをあけ放った。ドアを開けるなり、目の前に立っていたトウマを見上げた人影は、びっくりしたように目を丸くすると、無邪気に破顔した。

小さな、女の子だった。漂白剤に漬け込んだかのような気味の悪い白子の髪に、無垢そうな顔と裏腹に顔中に奔る傷痕。不躾に縫われた痕跡は、酷く痛ましい。それでいて邪気の無い様子は、見る者の疚しさを喚起せずにはおかないだろう。綺麗に整えられた礼服だけが、救いだった。

トウマもそんな暗い影を感じる少女の容貌に心を委縮させながらも、彼は正しくこの小さな存在の形質を理解し、想起していた。

ジャック・ザ・リッパー。それが、この少女の真名だった。

Fate/Apocryphaを原典とする、暗殺者のサーヴァント。サーヴァントそのもののスペックはさして強力ではない。しかし、暗殺に特化した宝具・スキルにより、最強の暗殺者とすら呼ぶに足るサーヴァント。それこそが、ジャック・ザ・リッパーという英霊だった。

原作の描写を鑑みるに、無邪気であっても無辜ではない。英霊というより怨霊の類ですらあるジャックは、間違いなく純粋な反英雄とすら言えよう。そんな残忍悪辣な暗殺者。無邪気に他者を殺戮する水子の亡霊が、ローマに逗留するトウマ付き案内人の1人だった。

「朝早いんだね」

感心するように言いながら、ジャックは不思議そうにトウマを見上げる。単一の声でありながら、奇妙にぶれて、その背後に泥濘が蠢動するような音が滲む。ジャックという存在者を形作る無数の霊が織成す声音の正体を知っていたトウマは正気が削れそうになりながらも、努めて自然に振る舞った。何せ、彼女は明らかに反英雄の類なのだが、その佇まいは穏やかな幼女のそれだからだ。

「本当はもっと寝てたいんだけどね」

「ねー」

「でもまぁそういうわけにもいかないから」

「チューカンカンリショクって奴だね」

「お得意先のちょっと難しい相談に乗る営業マンかな?」

「ふーん?」

首をかしげるジャックは、あんまりよく理解していない様子だった。まぁ当然と言えば当然か。アサシン、ジャック・ザ・リッパーに、現代社会の七面倒くさいしがらみを理解しろというのも、ちょっと難しい話である。

「行こう、トウマ」ジャックはトウマの手を取ると、ぐい、と引っ張った。「ネロが待ってるよ」

ジャックに手を引かれて連れられたトウマが目的の謁見場についたのは、大体10分くらい経ってからだった。時間がかかったのは宮殿の広大さのせいだった。それほどまでにローマ帝国首都に鎮座する宮殿は広く、また複雑だった。

結果的に、謁見場に入室したのは7時25分。残り5分というタイミングだった。

「お疲れ様ー」

扉の前の衛兵に気さくに挨拶をするジャック。がちゃりと姿勢を正して礼を返しながら、衛兵の表情はなんとも気難しい。小さな女の子が当然のように皇帝の命を受けていることも、どこともしれない奇抜な恰好の子供が謁見を拝することも。彼らが過ごしてきたであろう人生の中で、恐らく最も奇怪な出来事のはずだ。

衛兵の奇異にも似た好奇の目を受けながら入室したトウマが目にしたのは、しかし、予想していたよりもずっと呑気な光景だった。

「むうー、そう拗ねるではない。何が不満だと言うのだ」

金髪の美少女剣士とでも言うべきネロ・クラウディウスは、その友誼的な佇まいからは想像できぬ位に君臨する。即ち、ローマ帝国5代皇帝という尊厳である。その皇帝に拝謁する場こそが謁見場であり、であれば彼女の振舞はその尊厳に叶うべき厳粛を湛えるべきであった。

だが、彼女の振舞にはそんな厳かさは芥子粒(けしつぶ)ほどもありはしなかった。

「そう頬を膨れさせていては、余も何が何だかわからぬぞ。何が不満か申してみよ」

ふらふらと玉座の周囲を歩き回りながら、ネロは困ったように眉を寄せている。至尊に冠するローマ皇帝をして困惑をさせる人物こそは、彼女の腕の中で小さな頬を真ん丸と膨らませていた。

純白の髪は、よく手入れされた上質な羊毛とでも言おうか。健やかさな小麦色の肌も相まって、その小さな少女は牧歌的な草原の薫りを感じさせずにはいられない。

ただ一つ。異星から発掘された未知の鉱石の如き赤い目だけが、異質な雰囲気を醸し出している。

「ネロは嘘つきだ。遊んでくれるって言ったのに仕事ばっかりだ。一昨日だって、戦いに行って約束を破った」

ばっさりと拒絶の意を表明した少女は、困り顔のネロからぷい、と顔をそむける。駄々っ子そのものと言うほかない仕草をする少女は、しかし実際のところ―――サーヴァント、である。真名は不明。ただ彼女は、自らのことをアルテラと名乗っている。

(うーん、まぁそういうこともある、のかなぁ)

とは、昨日ロマニが放った言葉である。宮廷内部にサーヴァントの反応がある、とてんやわんやしてみれば、実際出てきたのがこの頑是ない少女なのだから思考も停止するのも仕方ないと言えば仕方ない。しかもその少女が、フン族の大王を名乗るのだから、なぁにこれ、と言いたくなるのもまぁ……うん、わかる。

後世、暴君の評価を受けることとなる皇帝ネロ。そんな人物が子供をあやす姿はみょうちきりんでもあり、微笑ましくもあった。Fate/Extraでも、そんな姿は見ない。

「であるから、それは仕方なくであってだな」

「ふん!」

再び顔をそむけたアルテラが、入室したジャックを見るなりに顔を可愛らしく綻ばせると、ネロの腕から抜け出した。

とてとて、なんて漫画的な表現が本当に聞こえてきそうな素振りで駆け寄るアルテラを、ジャックは笑顔で迎えた。そうして2人、ちっこい子供が戯れ始める様を、ネロは複雑ながらも穏やかな表情で眺めていた。

「すまぬな、時間を指定したのはこちらだというのに」

「や、それは特に」

応えたのは、先に入室していたリツカだった。ね、と話を振られたトウマも、まぁ、と曖昧に首肯する。それぞれのマスターのサーヴァント、マシュもクロも、うんうんと頷いていた。

「子どもの躾けもできんとは、名君の名折れでしょう。全ローマ市民の失笑ものですぞ」

だが、ずばり、と口を挟んだのは、ネロの傍に控えるように佇立していた司馬懿だ。その言葉遣いからして、ライネスの方ではないらしい。

ふと、トウマは司馬懿の隣に―――というか背後に立つ姿を認めた。

給仕服を着た、女性。それだけなら取り立てて注目すべき人物ではなかったが、その女性は、一言で表すのなら異様だった。何せ、肌の色が銀色なのだから。顕在化した人種的差異に乏しい国に住んでいたトウマにとって、白人や黒人はそれだけで目を向けるアイデンティティなのである。まして銀色の肌ともなれば、普通に凝視するのも致し方の無いことだった。

そんなトウマの視線に気づいてか、銀色の肌の給仕の女性は、小さく頭を下げた。礼儀正しい。

「むぅ、言ってくれるな。いくら至上の名君たる余でも、経験のないことは勝手がわからぬ。子育てなど見たこともされたこともないのだ」

ネロは少し、きまり悪そうだった。僅かに司馬懿が嗜虐心じみた表情を覗かせた―――というより覗かせたのはライネスだろうか―――が、それ以上司馬懿は踏み込まなかった。職務が閊えている以上、やるべきことは素早くこなすに越したことはないとでも言いたげだった。

咳払いを一つ。さて、と述べたネロは、玉座へと腰を下ろした。

「其方らを呼びやったのは他でもない。其方らの力を余に貸してもらえぬか、という話だ」

重々しく、ネロは口にした。

―――曰く。

現在、ローマ帝国は“外敵”による侵攻を受けており、軍事的危機に瀕している。

“外敵”の正体は不明。ただその構成される兵力は異様であり、土で作り上げられた人形の兵士たちに、それを統率する一騎当千の強者―――サーヴァント―――だけで編成されている。兵力の規模で言えば論評にも値しないが、その強大さはローマ帝国の軍団を以てしても比肩しがたいものである。ローマ帝国にもサーヴァントたちが何騎かいるようだが、それだけでは対抗し得る戦力足り得ない。故に、一時的にでも構わないから客将になってもらえないか―――という内容だった。

「聞けば、其方らの目的もあの敵を打倒することだと聞く。無論、この戦役が終局を迎えた暁には、其方ら4人には望むだけの報酬も授けよう。む、5人か。姿の見えない魔術師殿も居たな」

「1匹もいるわよ」

ほら、とクロが白いけむくじゃらを持ち上げる。じたばたと身体をくねらせると、フォウは「ムー」と謎の声を漏らした。

「む、そうであったな。すまぬ」

「フォン」

とりあえず満足したように、フォウは頷いた。

「魅力的な提案です、皇帝ネロ。ですがわからないことがあります。マシュとクロは戦力として確かに優れている。ドクターも戦術運用においては必要でしょう。ですが、私とトーマ君は必要ないのでは?」

答えたリツカは、穏やかな表情で、当たり前のように言った。

確かに、その通りではある。サーヴァントであるマシュとクロは、実戦力として魅力的だろう。いわゆる索敵警戒を一手に行えるロマニ―――というよりカルデアという組織の力は必要不可欠だ。だが、マスターではあるがマスターでしかないトウマとリツカは、普通に考えて必要不可欠の存在ではない。

「必要か不必要かで言えば必要だ。リツカ、其方の戦術・戦略眼の高さはこのシバイめも評しておったぞ。味方にできぬのであれば、謀略で殺すべきだとも言っておった」

へ、とリツカは目を白黒させた。言われた司馬懿は特段何か反応するでもなく、静かに瞑目している様子だ。

「それにトウマ」

ひた、とネロの青い目がトウマを捉えた。

「正直に言って、其方には軍事的価値はほぼ無い」

あんまりにバッサリだった。「えぇ……」と言葉を漏らすトウマの後ろで、ジャックがくすくす笑ったのも仕方ないことではある。

「だが、余は其方にも興味はある。其方のような凡庸な人間が唱える覇業、どのようなものか見てみたい。その最後まで見届けることは叶わぬだろうが」

ふふん、とネロは目を細めた。褒められているのか貶されているのか―――居心地悪そうに居住まいを糺しながら、トウマは「はぁ」と如何にも覇気無さげに声を漏らした。

「そういうことでしたら、私たちは一時ネロ陛下の友となりましょう」

「うむ! 余も其方らとは友好的に行きたい」

ネロはそういうなり、勢いよく立ち上がった。意気揚々、といったように広間に降り立つと、気さくにもリツカと手を握り交わした。無論、と言うべきか、ネロはマシュともクロとも厚く手を交わしながら、そうしてトウマともきちんと手を握り合った。

ネロと握手してる。あのネロと。小さい手はなんか柔らかいし、近くにいるだけでなんか気品のある匂いがする。あぁこれがネロちゃま……。

「むむ、何故泣いておる! 余の先ほどの言葉か!?」

「あー気にしないでネロ、トーマはその……泣き上戸なのよ」

「そうなのか。いや、しかし酔っておらぬではないか」

おそらく心情を察したらしいクロは、ドン引きを通り越して呆れていた。

「いやなんでもないです。花粉症です」

(花粉症か、それなら仕方ないね。よくアルェーグラァーを飲むんだよ)

「涙が出る持病とは。未来も難儀なものよ」

ネロは労わるようにトウマの背を撫でた。一層逆効果であることなど、無論ネロには知る由もないこではあった。

「ウオォンウオォン」と滂沱の感涙を流すトウマをとりあえず放置して、ネロは微妙な顔のまま「そこでだ」と話を進めた。

「早速だが、其方らに行ってもらいたいのはここより北西600kmに位置するメディオラヌムだ」

「メディオラヌムって?」

「今でいう、ミラノだね」クロに応えると、リツカはふむ、と思案した。「ドクター、マップ映せる?」

(はいはい、ちょっと待ってね)

ロマニがそう言うと、不意に空間上に青白い空中投影型ディスプレイが立ち上がった。

表示はいわゆるイタリアの長靴を中心にしたマップで、現在地としての光点とは別に、北西地点に赤い点が別に表示されている。

びっくりしたのは、ネロだった。立ち上がるなり絶句しながら、くるくるとマップの周囲を歩き回ると、一言。「これは―――地図か?」

「そうですね」

「君たち、何年から来たんだい?」

もう一人、目を白黒させた人物が入た。

わらわらと駆け寄ってマップを見上げる司馬懿―――ではなくライネスは、マジかぁこんなことできんのか、などと言いながら、目を丸くしていた。

「うーん、メディオラヌムの防衛戦に参加。戦線の瓦解を防ぐのが私たちの目的、かな?」

「流石に察しが善いではないか」

「いえ、なんとなくですけれど」

「うむ。リツカよ、其方の言う通りだ。現在、メディオラヌムは戦闘状態にある。敵の進駐を赦せば、一挙に敵の侵攻を赦すことになろう。それだけは防がねばならぬ。ならぬのだが、強力なサーヴァントとやらが敵におってな。こちらもサーヴァント2騎を派遣、指揮を執って貰っておるのだが、旗色が良くない」

「そこで私たちに前線に行ってもらいたい、と」

「いや、其方たちだけではない。司馬懿にも行ってもらう」

視線が一斉に司馬懿へと集中した。きょろきょろとマップを見上げていたライネスは、おっと、とでも言いたげに肩を竦めた。

リツカは一瞬だけ目を見開いたが、すぐに手慰みとばかりに顎へと手を伸ばした。

思案は、実に5秒ほど。こくりと自答すると、リツカは「それは、司馬懿殿に従え、という意味ですか?」と声を発した。

「いや、其方らはあくまで其方らの判断で動いてもらって良い。シバイの派遣は、事の趨勢を決定づけたいだけ故な」

「承知いたしました。であれば、至急メディオラヌムへと向かいましょう」

ぱっと顔を明るくすると、ネロはうむ、と威勢よく相槌を打った。

「いや、しかし残念だ。皆、余のハレムに加えてやりたい美少女ばかりだというのに。誰1人とて余の物にならんとは」

ネロはどかりと玉座に身体を預けると、ずるっぽい目をトウマへと向けた。

「其方はそうだな、ハレムの末席になら……まぁ加えてやることも考えても良いかな?」

「マジすか」

「こら」

べち。

「いった!?」

そんなトウマとクロを見下ろしながら、ネロの表情に、僅かに影が滲む。陰鬱というよりは悲し気な目は、仲睦まじい2人を見届けているようだった。

「余も、いずれ奏者に相応しい人物に会いたいものだが」

僅かな、独り言。呟くような言葉は、周囲の誰にも聞こえなかっただろう。無論、ネロも誰かに聞かせたくて述べたわけではない。つい口をついて出ながらも、私的な情動を誰かに聞かせるほど、彼女は自由な身ではないのだ。皇帝になるとはそういうことだ、と延髄まで染みるほどに彼女は理解している。ネロが「私」と無邪気に自分を呼びやるのを止めて「余」という一人称を使い始めたのは、皇帝の位を引き継いでからのことだった。

「では頼むぞ」

ネロは何かを振り払うように首を振った。

「現地の指揮官には、既に其方らのことは伝えてある。ブーディカと、エミヤと言うものだ」

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