D.C. AnotherFinalChildren   作:蒼石 梢

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D.C.は私の始まりです。
拙いですが、義之たちをどうか見守ってくださると嬉しいです。


春の始まり

ひらりはらり。桜の花びらが辺り一面に舞い降りる。散った枝からはすぐ新たな花が咲く。

世界には桜しかないんじゃないかと思えるような量が視界いっぱいにしんしんと降り続ける。

 

まるで雪が降り積もったように地面に散りばめられたそれは、歩くたび、ザクザクと音をたてて響いた。

圧倒的な光景に息を呑むのと同時にこれは夢だと理解する。昔の初音島ならいざ知れず、桜が咲いては散り続ける異常な光景はあり得ないからだ。

 

大きなため息をつく。こんな夢を見せる張本人に向けて、だ。

俺、朝倉義之は他人の夢を覗きみることが出来る。いや、夢を見せられるというのが正しいか。

他人と違う能力を持っているといえば聞こえはいいが、持ってる側からすればいいものではない。支離滅裂でご都合主義な映画なのに、こっちは目を背けたり、寝ることさえ出来ない。かったるいなと思いながら頭をかく。

 

しかし、こんなにも自分の形を保っている夢も珍しい。いつもなら本当に映像を垂れ流しにされてる感じなのだから。

この夢の主は俺をよく知っている人物なのだろうが、こんな幻想的な夢を見る知り合いなんていただろうか?

親しい友人たちを頭で思い浮かべながら、夢の中の桜並木を進んでいく。狂い咲く桜の向こうに、一際大きな木が見えてきた。

 

枯れない桜。かつてそう呼ばれていた存在。今もさくら公園の奥に鎮座するただの大きな桜の木。

その木の根元にちょこんと座っている少女に目がいった。整った容姿は西洋人形を思い浮かべさせる。

悪魔か天使か。少なくてもまともな感じはしない。

遠目からでもはっきりと目立つ金髪を2つに結んでいてその両端は肩までかかっている。歳は小学中学年ほどだろうか。それくらいの歳の知り合いはいないはずだが、その少女をずっと昔から知っているような懐かしさを感じた。

「おや、こんなところに客人なんて珍しいね」

およそ少女とは思えないような口振りで彼女は言う。他に誰かいるのかと辺りを見回してみたが、誰もいない。

「何をキョロキョロとしているんだい。ああ、夢で話しかけられたことに驚いているんだね。別にいいじゃないか」

「いや、驚くだろう。あんたなんなんだ」

「こんな可愛い子を捕まえてあんた呼ばわりとはね、まったく」

少女は呆れたというように両手を前に広げてみせる。

「お前がここに来たのは偶然だよ。少なくても今はね。おおかた力が戻ってきてチャンネルが合ったんだろうさ」

「力? チャンネルって?」

「こっちの話だよ、あたしの口からは言えない。っと時間のようだね。義之、春がやって来るよ。もし、奇跡のような出来事が起きたのなら、そのときにまた会いましょう」

少女がいうやいなや、視界が白くぼやけていく。目が醒めるのだと、感覚でわかる。色々聞きたいことがあるのに、体が動かない。そして、景色が暗転した。

 

これはこの時点ではなんの意味もない、ダカーポのような繰り返される日々の一瞬の出来事だった。

 




当分は原作を知っていると、お約束だなと思うところもありますが、まだ共通ルートです。
どのルートになるのか。ぜひお楽しみに。
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