D.C. AnotherFinalChildren   作:蒼石 梢

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プロットはありますけど、亀進行です。あらかじめ。
一応後でも書くでしょうが、西暦2025年の初音島です。


妹と朝

目を開けると、そこに見慣れた天井があった。

「やっと起きたんですね」

聞きなれた声が自分のすぐそばで聞こえる。視線を向けると一緒の布団に見慣れた姿がある。

朝倉夢恵(あさくら ゆえ)。一つ下の俺の従姉。ちっさい頃から隣通しで住んでいる妹みたいな女の子。

「もうお寝坊さんだよ、お兄ちゃん」

お兄ちゃん? ついぞ聞くことのなかった呼び方に首をかしげる。いや、そもそもなんで隣に住んでいるはずのこいつがここにいる?

「夢恵さんや、なんでパジャマ姿で俺の部屋にいるんだ。しかも、一緒のベットで!」

「何言ってるの、お兄ちゃん。いつも一緒に寝てるじゃない」

ハ? ダレガダレトイツドコデ?

「お兄ちゃんと私が、いつも一緒に、ベットで」

当たり前のように言ってくる我が妹さまからは甘い匂いすらしてきそうだ。

「ねえ、まだ寝ぼけてるの? それよりもいつものあれ、早くしてほしいな?」

いつものと言われてもなんのことだか分からないが、目を閉じて待っているこの状況は一つしかない。

これは夢だ。

その瞬間、俺は完全、無敵、最強、いや神だ。据え膳食わぬはなんとやら。

「いただきます」

近づけた唇へ固く冷たい感触がやってきた。それはガチガチで歯さえ折れそうなーー

「おはようございます、兄さん」

今度こそ目が覚めたとき、付属の制服を身に纏った夢恵がこちらにニッコリと笑って迎えてくれる。

肩に掛からないくらいに切り揃えられた髪がゆらりと揺れた。

「美味しかったですか? 」

口からカチカチと音を立てて響く。所定の位置に目覚まし時計はない。つまりそういうことだろう。

異物を口から取り出すと顎を擦りながら元凶を睨み付ける。まったくとんでもないことをする。そう、我が妹はこういうやつなのだ。

「お前なあ、もうちょっとまともな起こし方は知らんのか」

「や、兄さんがいやらしい顔してたからです。どーせ、スケベな夢でも見てたんでしょ?」

少し軽蔑するような目でこちらを見る。あんな夢を見たせいか、どうにも比べてしまいそうになるが、あれは夢だと自分に言い聞かせる。

「やっぱり。兄さんがいやらしいのは今に始まった事じゃないですからいいですけど、早く起きてくださいね? さくらさん、もう行っちゃいましたよ」

「マジか」

「マジです。遅刻したくないから、さっさと居間に来てくださいね」

そう言うと夢恵は部屋を出ていった。ちなみにさくらさんとは俺の母さんの名前だ。

 

ベットから立ち上がると、掛けてあった制服に袖を通す。眠い頭を強引にふって覚醒させ、夢恵の待つ居間へ降りていく。

畳の上に置かれた机には2人分の食パンと目玉焼き、それとジャムの瓶がいくつか並んでいた。

「夢恵、お前まさか?」

「なにがまさかなのかが気になりますが、これはさくらさんが作ったやつだから」

返答次第では朝抜きも覚悟したが、取り越し苦労らしい。ぶすっと不服そうな妹さまは見なかったことにして、朝食をとり始める。

「そういや、別に起こさず先行ってもいいんだぞ」

「や、それだと兄さん絶対遅刻するじゃない。遅れても私はいいけど、後で巡お姉ちゃんに何言われるかわからないし」

「あー、ね。確かにそうか」

夢恵が口にした巡姉さんこと胡ノ宮巡(このみや めぐる)を脳裏に思い浮かべる。胡ノ宮神社の一人娘にして巫女さん。当然血は繋がっちゃいないが、昔からよく遊んでいたし、2人して胡ノ宮家にはよく泊めてもらってたから姉みたいなもので、俺も巡姉と呼んでいる。

巡姉は家柄もあって、大和撫子って感じなんだけど、真面目でもあるから、だらけてるとよく小言を貰ってしまう。遅刻などしようものならどうなるか分かりきっていた。

というか、実際一度遅刻したときには毎日起こしに来るなどと言っていて、実際に何度か来ている。

「巡お姉ちゃんもよくやるよね。わたしだったら無理だもん」

「お前にも感謝してるけどな。巡姉もだが、母さん困らせたくないし」

自分で起きればいいとはいうが、難しい。夜は予定がいっぱいだから。ゲームに漫画にときどきテレビ。ほら予定がいっぱい。

「本当に感謝してるなら、今度何か奢ってくれればいいよ」

「その件につきましては前向きに検討させていただきます」

「何それ? 胡散臭い政治家みたい」

こんな他愛のない話をしながら、朝の時間は過ぎていった。

 




やっぱりD.C.の最初はこの夢ですよね。
誤字とかあれば教えていただけると速攻で直します。

感想も待ってますよ。
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