D.C. AnotherFinalChildren   作:蒼石 梢

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少し担当のプロデュース業務で一週間ほど時間とれなくて、遅れました。
あと、短いです。少し加筆です。


鋼鉄の後輩

「兄さん、行きますよ?」

「分かってる。今鍵閉めたところだ」

 

鍵がかかっているかを確認すると、鞄を肩にかける。2月も終わりとはいえまだまだ寒い。

こんな寒い日は布団にくるまるべきなのになぜ外にでないといけないのか。世の中の理不尽について考えているというのに、前を歩く夢恵はどこか機嫌よさそうに見えた。

「なあ、夢恵。お前なんか良いことあったか?」

「え? いえ、別にないですけど」

振り返った夢恵は不思議そうな顔している。でも、なんか笑顔なんだよなあ。いや、不機嫌よりいいんだが。

「それにしちゃ、うかれてるというか」

「や、ないですから。強いて言うなら、兄さんと一緒に登校って久しぶりってことかな」

言われて、頭で思い浮かべる。

「まあ、一週間ぶりくらいか? 風紀委員あったもんな」

こいつはご苦労なことに学園の秩序を守る立場なのだ。俺からすれば、何が楽しいのかさっぱりだが。

「行事ごとはともかく、朝の強化週間は誰かさんみたいな人がいなきゃやらなくていいんですけどね。ま、1人より誰かと一緒の朝の方がいいじゃない」

その誰かさんを追求するとやぶ蛇になりそうだったからやめた。

今日も平穏無事に進んでいる。それでいいじゃないか。人類平和万歳ってやつだな。

桜並木の途中にある、分かれ道差し掛かる。風見学園は島の中央に位置するため、島の反対側に住んでいる生徒なんかとはここで待ち合わせすることが多い。おはようなんて挨拶がそこらじゅうで交わされている。

巡姉とも一緒に登校するときはここで待ってたりするんだが、今日はいないようだ。

「ふぁー。眠い」

まだ体が起ききっていないのか、大きなあくびが出る。起こすために伸びをしているとーー

「朝倉先輩、夢恵先輩おはようございます」

背後からずいぶんと落ち着いていた声がかけられた。

振り替えると、オレンジ色のショートボブが似合う少女が立っていた。天枷春香(あまかせはるか)だ。

俺と夢恵の後輩にして、もう一人の幼なじみ。春香の母親が父さんたちの後輩らしく、その繋がりでちょくちょく会っておりよく遊んでいた。狭い島だしこういうことは結構珍しくはない。

 

そんな彼女はこの島でも有名な天枷研究所の所長の孫であり、母もまた職員というその道のエリートなのだが、そういったことに鼻をかけた素振りはない。

ただ、少し人見知りなところもあって、知らない人とはあまり話しているところは見たことがない。鋼鉄の美少女なる渾名があるとかないとか。なんだそりゃって思うけど。

まあ、俺にとってはもう一人の妹分といったところだな。

 

「よ、春香くん。今日も元気そうでなによりだ」

「何目線なのよ、それ。おはよう、春香」

「何ってそりゃ、兄目線?」

多分、それ以外ないと思うが。

「私は朝倉先輩の妹になったつもりないですけど?」

淡々と否定する春香。

「春香は俺が兄貴じゃ嫌か?」

「別にそうはいってませんけど」

チラッと夢恵を見る春香。なんかあったのか? つい先ほどまでご機嫌だった夢恵はどことなく不機嫌そうだ。

「妹が嫌なら、そうだな。わんことかどうだ」

元気にしっぽを振る感じじゃなくて、少しクールなシベリアンハスキーとか似合いそうだ。

「人じゃなくなりましたよ。ペット扱いなんてもっと酷いです。夢恵先輩もそう思いますよね」

「え? まあ、うん。そうよね」

きゅうに同意を求められた夢恵は、あははと愛想笑いを浮かべているが、目が泳いでる。まあ、こいつは俺よか夢恵にべったりだしな。そういう意味では飼い主とわんこはしっくり来る。

思った返事がなかったことが不満なのか、頬を膨らましている。

鋼鉄とか言われてるけど、結構感情表現豊かなんだよ、こいつは。

春香は贔屓抜きにしても可愛いし、それなのに浮いた話は聞かないのはこの人見知りな性格のせいなんだろうな、とぼんやり考えていると白い校舎が見えてきた。この並木道もそろそろ終わりだ。

 

さて今日も、お勤め頑張りますかね。

 




朝倉、天枷、胡ノ宮。懐かしい名字です。都合上、芳乃はでませんが。
D.C.Ⅳのアフター楽しみですね。
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