D.C. AnotherFinalChildren   作:蒼石 梢

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前回の続きかなあ。
文体が安定してない気がする。

ともかく7話スタートです。


お味はいかが

暦の上では春とはいっても見晴らしのよい屋上は肌寒さを感じる。

他の生徒もそうなのだろう。屋上は貸切状態だった。

「巡姉、本当にこんなところで食べるのかよ?」

「もちろんですよ、義之さん。これをこうしてっと」

巡姉はそういいながら、レジャーシートを広げる。あっという間に特等席の出来上がりだ。

真ん中には先ほどの風呂敷が置かれている。

なんだかピクニックみたいだな。

「巡お姉ちゃん、気合い入れすぎじゃない?」

「そうですか? でも、床に直接は嫌でしょう?」

「や、そうなんだけど。兄さん」

夢恵が助けを求めるようにこちらを見る。諦めろ、妹よ。母さんもそうだが、こうなった巡姉はどうにもできん。

「さあさあ、2人ともそんなところに立ってないで座って。お昼休み終わっちゃいますから」

レジャーシートをポンポンと叩いて、こっちへおいでと促してくる。

空腹のままあと数時間は持たないし、ごねる理由はない。誘われるがままにレジャーシートの上に腰をおろした。

 

風呂敷の中から出てきたのは、漆塗りのお重だった。1段目にはほうれん草のおひたしや、黒豆の煮付け、昆布巻きなど和食の数々、2段目には俵型のおにぎりが敷き詰められており、どれも美味しそうだった。

「いただきます」

そう言って手を合わせると

「召し上がれ。どんどん食べてね」

巡姉は嬉しそうにそう言った。さっそくと昆布巻きを一口つまむ。うん、出汁がよく染みていて美味しい。巡姉は料理は絶品なのだ。

「今日も美味しいよ、巡姉。夢恵もそう思うだろ?」

「うん。兄さんの言うとおり。」

「え? 本当ですか。まだまだお母様には叶いませんけど」

巡姉のお母さん、胡ノ宮環さんは胡ノ宮神社の巫女さんをしている。おっとりとしているけど、優雅な振る舞いでまさに大和撫子といった感じだ。

「それにしても、急にお弁当なんてどうしたんだよ」

「うん、それは私も思いました。まあ巡お姉ちゃんが突飛なことをするのは珍しくないですけど」

俺の言葉に追従するように夢恵も疑問を投げ掛ける。

「もう、夢恵さん。私、そんなに突飛なことばかりしてませんよ。ただ最近、義之さんたちは学食や購買ばかりで一緒に食べれなかったじゃありませんか」

俺も夢恵も弁当は作らないから、必然的にそのどちらかになる。約束をしていれば合わせるけど、そうじゃないならクラスの連中と食べることが多くなるだろう。

「それで巡姉は寂しくなったから、作った……と。昼は友達と食べればいいじゃん」

「いつもはそうなのですけど、やっぱり義之さん何してるかなとか考えるじゃないですか」

ですかと言われても、返事に困るし。

「それに夢恵さんは大丈夫でしょうけど、義之さんは私が見ていないとすぐに不摂生を働きますからね」

「いやいや、俺だってちゃんとしてるさ」

「や、嘘ですね。兄さんのことだから夜食にとか言ってカップ麺とか食べてそうだし。夜遅くまで電気ついてることあるじゃないですか」

黙々とご飯を食べていた夢恵が余計なことを言う。案の定、巡姉が困ったように眉を潜める。

「やっぱり、そうなのですね。いけませんよ、義之さん」

話が不味い方にいこうとしてる。このままじゃお昼休みは説教の時間になってしまう。

「ところで、巡姉、今日の夕飯もうちに来るの?」

「何かごまかされた気がしますが、まあいいでしょう。もちろん今日も行きますよ。今のところはお務めもお稽古も落ち着いていますし」

巡姉の家は決して近くはないが、夕飯はだいたいうちでとることが多い。次の日が休日だったりするとそのまま、夢恵の家に泊まったりもする。

「りょーかい。今日は俺が作ろうと思ってたからさ、夢恵も食べに来るだろ?」

「うん。音夢さん今日は夜勤だって言ってたし」

音夢さんというのは、夢恵の保護者にして、俺の叔母さんにあたる人だ。真面目で優しい人で、本島の病院で看護師長をしている。仕事柄、盆暮れ正月がないため家を空けることが多い。

「そっか。本当に働き者って感じだよなあ」

「うん。本人もやりがい感じてバリバリって感じだし。そういえば純一さんはどうなの?」

「うちの父さんも相変わらず海外の方に出張だってさ。今どこにいるんだっけかな。いい加減帰ってこないと、また母さんが突撃しにいっちゃいそうだよ」

「さくらさんは純一さんのこと好きだもんね。いつまでも新婚さんみたいというか」

「息子からすればどうなのって思うときはあるけどな」

「そんなこと言って、義之さんは寂しいのではないのですか?」

「ないない。よく電話はくるし、離れてるって感じしないな」

「私が同じ立場なら、寂しいと思ってしまいますね。うちは家柄上、同じところに身を寄せていますから」

「巡姉のところは神社の神主さんだもんな。まあ、環さんたちがいないのって想像つかないし」

「そうですね。でも臨時で入ったりはするんですよ」

「そうなの?」

「ご年齢を重ねて、代替わりするときに跡継ぎがいなかったりすると困るじゃないですか。お社はなくすわけにはいきませんしね。うちも祖父様や父様がいつまでも出きるわけじゃありませんから婿入りさせないといつかはそうなるかもしれませんね」

そういいながら、こちらを見る巡姉。

それを気づかないふりしながら、俺は重箱を空にすることに専念した。

 

 




書き直したりしているのは作品としてどうなのって思いますが、出来るだけ速度重視で参ります。
今回も説明回といった感じですけど。

物語はまだまだ序盤というかプロローグ。
全キャラまだ出てないというか、まだ半日しかたってないね。

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