D.C. AnotherFinalChildren   作:蒼石 梢

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寒くなって来ましたね。
今年も終わると思うとゾッとしますが。

読みやすさを目指して、今日も短めにスタートです。


必然的な偶然

教室を出て、すれ違いざまに知り合いに挨拶なんかをしながら昇降口までやってくる。

靴を履き替え、帰ろうと思って前を見れば、校門に見慣れた姿があった。夢恵だ。

校門を背に遠い空を眺めている。寒いだろうに何やってるんだかとは思ったが、見て見ぬふりも出来ないしな。

「お前、こんなとことで何やってんだよ」

「や、偶然ですね、兄さん」

同じ学校の校門の前にいて何が偶然なものかと思ったが、言えばややこしいので黙っておく。

「俺は帰るけど、お前はどうするよ」

「もちろん帰りますよ。たまたま、空を見ていたら兄さんに会っただけですから」

これ以上立っててもただ寒いだけだ。夢恵の照れ隠しに付き合いつつ、桜並木を歩き出す。

「俺はこれから食材調達に商店街まで行くけどどうする? ついてくるか?」

「うーん、兄さんがどうしてもって言うならついていってあげてもいいですよ」

まったく、素直じゃないな。そんなところが猫っぽいんだけど。置いていったら後でむくれるだろうしな。

「どうしても、どうしてもだ。これでいいか?」

「しょうがないな、兄さんは」

そう言う夢恵はどことなしに嬉しそうだ。こうして買い出しはおまけが1人つくことになった。

 

風見下商店街。初音島の中心にあり、たいていのものはここで揃うと言われている。

ゲームセンターやカラオケなどもあり、学生も多く見かける場所だ。困ったらここに集まれば問題ない。

夕飯の食材を調達し、アーケードを通って家を目指す。

夕方だけあって、アーケード内は主婦や学生が多く見られ賑わいを保っている。中でも一際、行列を作っている店があった。並んでいるのは若い女性が多い。

「なあ、夢恵。あんなところに店なんてあったか?」

「兄さんしらないんですか? 最近出来たクレープ屋さんなんですよ。美味しいってクラスでも評判なんだから」

信じられないというようにこちらを見る夢恵。さすが女子。甘いものの話題は好きらしい。ん? 待てよ、普段面倒くさがるこいつがついてきた理由って。

「ねえ、兄さん。私、お腹空いてきちゃったなあ」

チラッとこちらを見る夢恵。ここは気づかないふりだ。

「ねえ、に・い・さ・ん? 私、お腹空いてきたんだけど」

「そっか、急いで帰って夕飯作るからな」

「もー、兄さんの意地悪。こんな可愛い妹と一緒に帰れるんですから、クレープの一つくらい奢っても罰は当たりませんよ」

「自分で言うか、それ。兄は今、資金難に苦しんでるのだ」

新作のゲームに漫画に、ときどきカラオケ。ほら出費が大変だ。

「朝、約束しましたよね」

むっとむくれる夢恵。怒っているというよりは拗ねている感じだ。

「起こしてくれて感謝してるって。その時に何か奢ってくださいって言いましたよ? 忘れちゃいましたか?」

言われてみれば、そんなこともあった気がする。まさかこんなに早く来るとは思いもしなかったが。

「約束は守るものですよね?」

「わかりましたよ、お嬢様。奢らせていただきます」

「やったぁ。さすが兄さん、話がわかる」

妹の天使のごとき笑みが、今だけは小悪魔の微笑に見えた。

 

 

 




偶然って便利ですよね。
同じクラスじゃないから、こういうことがあっても多少はね

まだ1日が終わりそうにないですが、お付き合いいただければ。


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なんでもまってまーーーす
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