腐り目、戦後の艦娘とともに   作:やっとぅー

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前回の続きです。




時刻は午後6時。太陽が沈むのもあと少しだろう。

段々と空だけではなく海も段々と赤みがかってくる。

 

そんな海の上で戦う、駆逐艦吹雪。

戦っているのは封印されたはずだった深海棲艦。

北上姉や大井姉によると、艦娘や深海棲艦については機密事項であることも多く、世に余り情報が出回らなかったとのこと。

ただ少しでもその様子を法に触れないように映したマスコミや、実際に襲撃を経験している俺は一般の人より少しだけ、わかる。

 

あれは確か……駆逐イ級だった気がする。それも3隻。

駆逐イ級自体はそこまで脅威では無いはずだが、3隻もいるのに対しこちらは吹雪ただ1人。

明らかに劣勢になると思っていたが……。

 

「ふっ…!」

「ギィィィィ!!」

「今だ!主砲撃てー!」

 

ドォン!

 

「ガァァァァァァッ!」

 

全然そんなことはなかった。流石は艦娘だ。

スケートのように滑らかに海上を滑って敵の攻撃を躱し、一瞬の隙をついて砲撃をする。

昔襲撃された際も艦娘との戦闘を見たが、あの時はもっと砲撃戦だった。インファイトで深海棲艦と人間離れした戦いをする吹雪を見て。

 

「すげぇ…」

 

どうやら声にも出てしまっていたようだ。

でも辺りには誰もいなそうだし……

 

「ふふん!わたしたちのふぶきはすごいんだ!」

「おそれをなすがよい!しんかいせいかんめ!」

「うおっ!なんだお前ら!」

 

気付いたら手の上とかにちっこい人の形をした生物がいた。

両手を腰に当てて、……多分さっきのセリフを聞くに胸を張っているのだろう。

ってそこのお前「おそれをなすがよい!」で俺を指差したよね?

俺、深海棲艦じゃないからね??

 

するとチビ達はビシッと俺に向かって敬礼をする。

てかさっきより数が増えてる。うじゃうじゃいすぎだよ。

 

「われわれは」

「ようせいです!」

「かんむすの」

「みかたー」

 

「じゃあアレはお前達が動かしてるってことでいいのか?」

そう言って吹雪の艤装を指さして見せる。

妖精達はうんうんと頷く。

 

「そうだぞ!」

「げんみつにいえばわたしたちとていとく」

「ふぶきのていとくはあなたです!」

 

なるほどなるほど。「司令官になってください」に応じたことで俺は吹雪の提督になったと言うことか。こいつらが見えるようになったのもその影響なのかもしれん。

 

「まあ、よろしく頼む」

 

「まかされたー」

「がってんしょうち」

「さすがにきぶんがこうようします」

「ていとくはたたかいのしじもだすよー」

 

「え?マジ?俺何もわからないんだけど」

 

俺海軍用語とか全く知らないんだけど。

やれやれー!はやくーなどとと妖精がうるさいのでとりあえず戦闘の様子を見る。

俺たちが話している間に一隻撃沈させ、2対1で交戦中の吹雪。

深海棲艦の駆逐艦は口内に主砲があり、その主砲で攻撃しているが吹雪は巧みに躱して次々とダメージを与えていく。

 

「いけっ!」

ドォン!

「ギッ!!」

「よし!まともに戦えるのはあと一隻!」

 

吹雪の攻撃が命中し、一隻が大破する。

…いやほんとに何もない。むしろ下手に突っ込まない方がいいまである。

とにかく、これで残り一隻と一騎討ちだ。

今の様子を見ていて吹雪の方が圧倒的に強い。素人目線だが、勝つのは時間の問題だろう。

 

「っ!」

 

と思っていたらあとさっき大破したイ級が沈みながらも吹雪に標準を当てているように見える。

吹雪は最後の駆逐艦に集中しているため気付いていない。

 

「吹雪!右後ろから攻撃来るぞ!!」

「!」

「ギギギ!!!」

 

思ったより簡単に指示、とは言えないかも知れないが、吹雪に気づかせることができた。

俺が言ったあとすぐに駆逐艦が発砲するが、不意打ちは失敗だ。

やろうと思えばできるもんだな、と思いながらなんとか間に合ったことに安堵する。そこ、ただ声出しただけとか言わない。

ボッチには声を出すのでさえ難しいんだよ。

 

「いっけぇぇー!!」

 

吹雪は不意打ち(失敗)を避け、大破艦には魚雷、もう一隻には主砲を浴びせる。今日一番とも言える直撃の爆発音が聞こえた。

流石にあの攻撃を喰らって仕舞えば、撃沈したに違いない。

 

…それにしても

 

これが、艦娘。

あの人間では手のつけようがなかった深海棲艦と渡り合った力。

 

「八幡兄さん!」

「おう、ふぶ…」

 

初めて体験することが多くて頭が混乱しかけたが、吹雪に呼ばれて彼女の方をみて返事をしようと思った時。声が止まってしまった。

 

時刻は恐らく6時半ごろ。

太陽が水平線に沈みかけ、空は赤く。

海に沈んでいく深海棲艦の血が広がって海は紅く。

俺の視界全体が一瞬真っ赤に染まったように見えた。

俺のような一般人が見ることができないような世界の残酷な一面。

 

しかし、彼女だけは違った。

吹雪は顔をこちらに向けて微笑んでいる。

 

声は届くが手はどれだけ伸ばして届かないだろう。

そんな感覚に胸が苦しくなるが、夕焼けの中の彼女の笑顔を見るだけで苦しさが麻痺する。

 

簡単に言えば彼女に見惚れていた。

奉仕部の部室で本を読む雪ノ下、人を想って泣きながら笑う由比ヶ浜。

彼女たちとも別次元にあるように感じてしまった。

 

「八幡兄さん!」

 

もう一度、吹雪は俺を呼ぶ。

今回も声は出なかったが、吹雪は水平線を指差し続ける。

 

「暁の水平線に勝利を刻みなさい!」

 

そういう彼女を見て、誰かに『今回ばかりは言い訳できないぞ』と言われてるような気がした。




まずはすみません。
…戦闘描写、マジで無理です。
書いててこんなに虚しくなるとは思っていませんでした()
今回ばかりは駄文でほんと申し訳ないっす。内容も超薄いし。

本当は9話はもう少し長めの予定でしたが、戦闘描写の拙さと区切りの問題で少し短いですがここで切らせていただきます。

…いやーマジで戦闘描写やべぇ

代わりに次回の内容はある程度決まっていますので、なるべく早く投稿できるように頑張ります。
というか、ある程度の流れは自分の中で決まっているので、あとはうまく文章でまとめられるかになりますね。はい。

…マジで戦闘びょ(ry
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