インフィニット・ストラトス 最強と天才の幼馴染 (更新終了) 作:灰崎 快人
更新は遅いですが何とか続けて生きたい所存です。
再会からの始まり
IS―――正式名称は「インフィニット・ストラトス」
今から約10年ほど前に篠ノ之束と言う人物によって開発された、宇宙空間での活動を想定されたマルチフォーム・スーツである。
開発当初は全く注目されなかったが、その一ヵ月後に引き起こされた事件―――通称「白騎士事件」によって、ISは従来の兵器を凌駕するほどの性能を所持していることが世界へと知れ渡ることとなった。それにより、宇宙進出よりも飛行可能なパワード・スーツとして軍事転用が始まってしまった。
しかし、現在ではアラスカ条約を結んだことによりISの軍事利用は禁止され、スポーツの一種として楽しまれている状態だ。
ISの最大の特徴は先ほど述べた従来の兵器を凌駕する性能ではない、ISの最大の特徴は『女性にしか扱うことが出来ない』という事である。ISが何故女性にしか反応しないのかは今も謎に包まれている。
しかし近日、ISを稼動させることができたという男性が現れたとニュースになっている。どういった原理で反応してしまったのかそれを知る為に何十万人の科学者が情報を得ようとIS学園の代表に質問攻めをしていた、また世界中では他にも男性操縦者が居るかもしれないとIS適性検査が行われている。しかしそう簡単に適正のある男性が現れるはずも無く、検査は難航しつつあった……はずだったのだが。
「ISの起動を確認しました!直ちに連れ出してください!」
なにも特徴の無いさえない男性がISを起動することに成功した。名前は
「あぁ、やっちまった……」
ぽつぽつと言葉を漏らしながら項垂れていた俺を、黒いスーツを着込んだ方々が抱え込んで個室へと引っ張られていく。
「嘆いていても仕方ないか……俺はどうなるんだろうな……?」
スーツの方々に質問してみたが、特に何も反応が無かった。どうやらただの屍のよう……ではないです、めっちゃ睨まれました。
特に何もすることが無いのでずっと下を向いていると、少しずつだがコツコツ……足音が聞こえきた。足音が近づいてきた時、ついに扉が開かれた。
そこにはスーツを着こなした凛々しい女性の姿があった、つり目の女性はこちらを見て何かを考え込んでいた。奇遇なことに俺も彼女を見て何かを思い出せそうで居た、どこかで見たことがあるのだが記憶が薄れているのか思い出せない。ぶつぶつと考えていると目の前に設置されているソファーに彼女が腰を下ろす、重々しいプレッシャーが俺の体にのしかかる。
(ちくしょう、まるで圧迫面接みたいだ)
心の中で悪態をつきながらも彼女に視線を合わせる、少しの沈黙が続いた後ゆっくりと彼女の口が開いた。
「突然連れ出して申し訳ないな、私の名は
織斑千冬。俺の聞き間違いで無ければ彼女は確かにそういった。その名前には聞き覚えがある、少し懐かしい名だ。
「貴方の名を教えていただきたい」
彼女は俺の名前を伝えられていないのだろうか?知っていて聞いているのだろうか?だが聞かれたからには答えなければならない。
「俺……私の名前は
そう言うと彼女は驚いたような表情を見せる、やはり俺のことは一切伝えられていなかったんだな。
「黒神……千春だと?本当なのか?」
「本当だよ。会うのは一年ぶりくらいだな千冬、元気だったか?」
「あぁ体に特に問題はない、いつも通り万全な状態だ。そう何度も体調を崩すほうがまれだからな、それにメールでも定期的に連絡を取り合っていただろ」
互いに久しく会えた喜びを感じながらも話を進めていく。千春とは約二年前にドイツで別れて以来会ってはいなかったものの、メールなどを使ってやり取りをしていた。何故ドイツで別れたのかという話はまた後日することにしよう。
「まさかこんなところで再び会うことになるとはな……」
「もう少しまともな再会をしたかったがな」
改めて彼女の紹介をしよう。織斑千冬。第一回、第二回IS世界大会通称「モンド・グロッソ」での総合優勝および格闘部門優勝者である。大会で優勝したことで誰もが認める世界最強のIS操縦者「ブリュンヒルデ」の称号を所持しており、IS操縦者の憧れの人物とされている。また俺の幼馴染の一人である。
「いきなりで悪いのだが、千春には一人目同様IS学園に通って貰う形になるのだが……大丈夫そうか?」
「大丈夫だと思うか?成人してる男性がいきなり女子校にぶち込まれる時点で大丈夫ではない。そういえば一人目が居たな、そいつの名前はなんて言うんだ?」
「
織斑一夏、千冬の弟であり男性操縦者一人目となっている。まぁこいつに関しても後日話すこととしよう。
「―――俺大丈夫かな?」
「出来の悪い弟で申し訳ない、しかし男性の中で最初にISを動かすことが出来たのはあいつなんだ」
やはり何故起動できたのかはわからないみたいだな。俺が何故起動できたか?いや分からないな、そんなことは今までなかったかもしれないし。
「わかった、なるべくの努力はしてみるさ」
こうなってしまった以上やるべきことをするまでだ。また二度目の高校生活が送れるとは思わなかったが、気分転換にはいいのかもしれないな。
「申し訳ない……それでなのだが、IS学園には来週から来てもらうのだが」
「この参考書を出来るだけ把握しておいて欲しい」
そう言って取り出したのはIS機密事項と書かれている分厚い辞書のような本である。ザ・参考書って感じだな、第3世代型IS開発の企画書並みに分厚いぞこれ。
「ISに関する仕事には就いていたが……万が一として受け取っておく」
「一週間と短い期間だがなるべく覚えておいて欲しい」
一週間でこれをすべて見るのか、基礎中の基礎が書かれているということだろう。俺の知っているIS情報と違う可能性もあるからな。
「了解、あと一週間だがその間は何処に身を潜めておけばいい?」
実はIS適正が発覚してしまった時、倉持技研に連絡を取ったのだが……「明日からもう来なくていいから」とクビ宣言をされてしまった。俺は一人暮らしをしていたが、こうなってしまっては帰る場所がない。
「それはこちらで既に手配してある。マスコミ対策としてでもあるが……一番の理由は研究所送りにされない為だ」
確かにあの連中だったら何処よりも良い待遇である事を表向きにして、裏では俺のことを実験材料としか見ていないだろうからな。
「まぁ……撃退くらいはできるけどな」
「とりあえず一週間後に迎えに来る、それまではこのホテルに泊まっていてほしい」
「了解、それじゃあまた一週間後にな」
一週間後―――
俺は読み終えた参考書をキャリーケースへと戻し、明日への準備を始めていた。千冬から学園の状態やある程度の見取り図、それから状態や生徒の人数など今年度の情報を提示して貰うと共に、こちらからは彼女から提示指示のあったものを提出してある。
「持っていける物に限りはあるが……一応こいつだけは持っていくか」
そう言って机の引き出しから取り出したのはドイツで作られたマシンピストル「H&K VP70」である。この銃はドイツ内で失敗作として有名であり、現在ではコレクター要素の高い代物となっている。
とある事情により千冬とドイツに渡った時、偶然千春が発見し譲り受けた物になる。本来の仕様では軍事用に可変ユニットを取り付けることで
「あとは心の準備をしておくだけ―――」
ガラガラ―――
ホテルの窓が突然音を立てて開いた。
「誰だ!」
恐る恐る銃口を突きつける、大体の見当が付いているのだが万が一に備えての対応である。
「その物騒な物をこっちに向けないでよ、何もしないからさぁ~」
「まぁお前だよな……久しぶり、それで何のようだ?
篠ノ之束、ISのコアを開発した「
「本当に久しぶりだねくろち~、まさかまたISを動かすとは思わなかったけど……まぁいいや、早速本題に入ろう」
俺が何かを言いたそうにしているのを感じ取ったのか、すぐさま話を進めていく。というかまたって言ったな?俺は今回が初めてだぞ
「本題、それで何しに来たんだ?」
束の持ち込んでくる話は大体問題のあることが多い、今回も問題は避けられないだろう。
「うん、くろちーIS学園に入るんでしょ?だったら専用機をこの篠ノ之博士がプレゼントしようと言うことにしました~パチパチ~!」
「良いのか?ISのコアは467個しかないのに……」
束の手によって造られたISのコアは世界に467個しか存在しない、その為専用機を持つ者は特別扱いされることが多い。そんなものを一般人の俺に渡そうとしている、うん問題しかないよな。
「大丈夫!この機体はISのコアを使用しないから!」
「どういうことだ?」
ISコアを使用しない、それはISと呼べるのだろうか?それはISではなくただのパワードスーツなのではないだろうか?
「この機体は正確にはISの姉妹機でID、通称「インフィニット・ドライブ」っていうんだ。これはISよりも装甲を小型化して防御力を削って機動力を向上できたんだ、でも色々とシステムが不安定で永久凍結扱いしてたんだけど、とあるシステムを省くことでシステムの安定化を図ることが出来たんだ」
さらっと恐ろしいことを言っている。防御を捨てて機動力に回しただと?なんと恐ろしいことをしてくれたんだこいつは。
「ほぅ?そのシステムは何だ?カスタム・ウィングか?それとも
「どっちも不正解~!正解は絶対防御でした!」
絶対防御、搭乗者の命を守る為の機能である。万が一のために備わっている「生体維持機能」もその分類になっている、つまり絶対防御が無いと言うことは……
「いやいやいや!絶対防御は省いたら駄目だろ!搭乗者の命に関わるわ!」
「でもくろちーなら大丈夫でしょ?それじゃあこれ渡しておくね~」
何をもって大丈夫だと言っているのか理解できない、束はそう言ってこちらに何かを投げてくる。受け取り確認してみると渡されたのは黒色の勾玉が刻まれた携帯電話のようなものである。
「これは?」
そう言って束の方に向き直ると、既に彼女の姿は無かった。
「ちょ―――束ぇ!!!」
勝手に面倒ごとを押し付けて勝手に去っていった、どうあれ俺は
初っ端からオリジナル機体、設定です。
おかしな部分等ありましたら指摘お願いいたいます。(やさしめに)