インフィニット・ストラトス 最強と天才の幼馴染 (更新終了) 作:灰崎 快人
ゆっくりと待ってくれた読者には感謝を、投稿しなかった期間にこの話を読んでくれた読者の方にも感謝を。
だいぶゆっくりの投稿になってしまいました。
許してくれたまえ☆
ごめんなさい……
翌日。SHRと一限目の半分を使って全校集会が行われた。
内容はもちろん、今月中程にある学園祭についてである。
(しかしこれだけの女子が集まると……)
騒がしい。それを通り越してやかましい。
「それでは、生徒会長から説明させていただきます」
静かに告げたのは生徒会役員の1人、その声でざわつきが一瞬で静寂へと変わった。
「やあ皆おはよう」
「はっ!?な――」
「待て、何も言うな」
壇上で挨拶をしている女子。二年のリボンをしたその人は、昨日ロッカールームに乗り込んできた人物だった。
俺は思わず声を上げるがその前に千春によって防がれたことで事なきを得ることが出来た。
「ふふっ」
一瞬だけ目が合って、笑みを浮かべられる。
「動揺してる所悪いが、大人しくしてろ」
動揺を悟られないように、大人しく生徒会長の言葉に耳を傾ける。
「さてさて、今年は色々と立て込んでいてちゃんとした挨拶がまだだったわね。私の名前は
にっこりと微笑みを浮かべて言う生徒会長は、異性同性を問わず魅了するらしく、列のあちこちから熱っぽいため息が漏れていた。
「では、今月の一大イベントである学園祭だけど、今回に限り特別ルールを導入するわ。その内容というのは」
閉じた扇子を慣れた手つきで取り出し、横へとスライドさせる。それに応じるように空間投影ディスプレイから浮かび上がった。
「名付けて!『各部対抗織斑一夏・黒神千春争奪戦』!」
ぱんっ!と小気味のいい音を立てて、扇子が開く。それに合わせてディスプレイに俺と千春の写真がデカデカと映し出された。
「「は?」」
「えええええええぇぇ~~~~!?」
割れんばかりの叫び声に、ホールが揺れた。鼓膜は逝った。
ほかんとしていると、一斉に俺たちの方へと視線が集まってくる。
「静かに。学園祭では毎年各部活動ごとの催し物を出し、それに対して投票を行うわ。上位組は部費に特別助成金が出る仕組みでした。しかし、今回はそれではつまらないと思い――」
ピシッ、と扇子でこちらを指す生徒会長。
「織斑一夏、黒神千春を一位の部活動に強制入部させましょう!」
再度雄叫びが上がる。
「うおおおおおおっ!」
「素晴らしい!流石生徒会長!」
「こうなったらやってやる!やってやるぞ!」
「たかが文化祭の一つ!ISで押し返してやる!」
「正気か!?」
「今すぐに準備を始めるわよ!秋季大会なんてほっとけ!あんなもの!」
あんなもの扱いされる秋季大会。いや秋季大会あんなもの扱いはやべえだろ!全力で取り組めや……
しかしそれ程までに必要なモノなのだろうか?そもそも俺は学生ではあるが成人男性だから大会とかは一切出られないぞ?いや一夏ならなんとかなるのかも知れないな。いや無いわ、無い無い。
仮に部活動に所属できたとしてもマネージャーとかでしか活躍できない気がするな……
「そもそも俺らに了承とか何も無かった気が……」
そういえば昨日生徒会の件でって声かけて来てたな。もしかしてこれのことだったのか!?クソ!完全にぬかったな!
そう思って生徒会長に目をやると
「ふふっ♪」
ウインクを返された。
いやまあ確かに話を聞きに行かなかったこっちが悪いんだけどさ!
「よしよしっ、盛り上がって来たぁ!」
「今日の放課後から集会するわよ!意見の出し合いで多数決取るから!」
「最高で一位、最低でも一位よ!」
そうして、一度火が付いてしまった女子の群れは止まることをしらない。
かくして初耳&未承のまま、俺たちの争奪戦は始まったのだった。
同日、教室にて放課後の特別HR。今はクラスの出し物を決めるため、わいわいのと盛り上がっていた。千春はどこか行った。
「えっと……」
クラスの代表として、俺は意見をまとめる立場にあるわけだ。千春は俺を置いて何処かへ言ってしまったが。
(内容が『織斑一夏、黒神千春のホストクラブ』『織斑一夏とのツイスターゲーム』『黒神千春とのポッキーゲーム』『男性二人と王様ゲーム』……って俺らメインじゃん)
「全部却下」
ええええええ-!!と大音量サウンドでブーイングが響き渡る。
「アホか!誰が嬉しいんだ!こんなもん!」
「私は嬉しいけどね、断言できる!」
「そうだそうだ!女子を喜ばせる義務を全うせよ!」
「織斑一夏と黒神千春は共有財産である!」
「他のクラスから散々言われちゃうんだってば!うちの部活の先輩もうるさいし……」
「だから助けると思って!」
そう言われても……というのが俺の率直な感想だった。
助けを求めて視線を動かすものの、千春は居らず最後の頼みでもある千冬姉もこの教室にはいない。
『時間がかかりそうだから、私は職員室に戻る。あとで結果報告にだけ来い』
優しいお姉さまですね。そんなわけないな。
「山田先生、流石にこうおかしな企画はダメですよね」
「わ、私に振るんですか!?え、えっと……」
あーなんとなくわかったかもしれない。
「うーん、わ、私はポッキーゲームとかいいと思いますよ……」
やや頬を赤らめながら答える副担任。山田真耶先生。完全に地雷だった……
「とにかくもっと普通の意見をだな!」
「悪い少し野暮用で抜けていた、それで?どうなってる?」
やっと戻ってきた千春に今まで出た案を全て話すと、俺と同じように頭をかかえていた。よかった、俺がおかしいのかと思った。
「ひとまずこれ全部ダメだな。ツイスターゲームとポッキーゲームは完全に俺と一夏だけがメイン、ホストクラブは女子も男装するということを考えても客足は主に一夏に向かうだろう。王様ゲームは何があっても責任をとれないから完全アウトだな……」
出た案を尽くぶち壊していく千春。俺もちゃんと理由を言って反対すればよかった。
「じゃあどうする?」
「千春さんが学生の頃はどんな出し物してたんですか~?」
そういえば千冬姉も学祭の出し物ってなにをしていたんだろう?俺なにもしらないんだよな……
「俺が学生時代の時はお化け屋敷とか射的、あとは喫茶店とかだな。基本的に客受けがよくって経費の回収が出来るのがよかった。それに役割分担が出来て暇になるやつがいなくなるからな。まぁそれ以外なら演劇とかな」
演劇……演劇は流石に厳しいだろうな。それに演劇になったら絶対俺と千春が組まされる。なんかそんな気がする。
「では「じゃあ『メイド喫茶は』どうだろう?」どうだ?」
そう言ってきたのはシャルロット、そしてなんとラウラだった……え?ラウラ?
千春を除いたクラスの全員がぽかんとしている。千春は千春で少し笑っていたような気がした。
「客受けはいいだろう。それに、飲食店は経費の回収が行える。確か招待券制で外部からも入れるのだろう?」
いつもと変わらず淡々とした口調だったが、あまりにも本人のキャラにそぐわない言葉が出てきた。滅茶苦茶失礼だろうけど。
「あぁ。少数ではあるが確かに招き入れることは可能だ」
「それなら休憩場所としての需要も少なからずありそうだし、お客さんは入ってきてくれるんじゃないかな?」
シャルロットが緩和剤の役割を担ってくれたため、俺もクラスの皆も理解するのにそんなに時間を要さなかった。
「えっと……み、皆はどう思う?」
意見は出たがとりあえず多数決を取らないことには始まらない。反応を見なければ仕方の無いことだ。
しかし急に振られたせいかクラスの女子全員がきょとんとしてしまった。これは流石に俺が悪かったか。
「俺は二人の提案は悪くないと思っている。客足が多くなったときの対処が出来ればまともに動くだろう。まぁそれは俺と一夏が厨房に入れば問題無いと思うけどな」
「え?二人は執事で担当してくれないの?」
そんな爆弾発言をしたのはシャルロットだった。この案を通すための援護射撃だと思われるそれは、見事に一組女子全員にクリティカルヒットした。
「織斑君、千春さん、執事……いい!!!」
「それでそれで!」
「メイド服はどうする!?私一応演劇部衣装係だから縫えるけど!」
一気に盛り上がりを見せたクラス女子一同。流石にこれを鎮めるというか、水を差すのはためらってしまう。
(変わった衣装の喫茶店だと思えばまだいいか……)
そう思い千春の方を見ると、何かを思い出したのか少し目が死んでいた。なにがあったのだろうか。
「メイド服なら私とシャルロットにツテがある。執事服も含めて貸してもらえるか聞いてみよう」
そう言ったのはまたもやラウラだった。一同が目を丸くする中、シャルロットと千春はあれかと何処か納得した表情だった。
「訊いてはみるだけ訊いてみるけど、無理だったらごめんね」
不安げに告げるシャルロットに、クラスの女子は声を合わせて『大丈夫だ、問題無い』と断言する。
かくして、一年一組の出し物はメイド喫茶改め『ご奉仕喫茶』に決まった。
(…………別に喫茶店で良かったのでは?)
ストックなし!ヨシ!(現場ネコ)