インフィニット・ストラトス 最強と天才の幼馴染 (更新終了)   作:灰崎 快人

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雪片対決は試合終わりの会話も含めての製作とした結果長くなってしまうことが分かった為、前後編に分けさせていただきます。



白と黒 前

『織斑、黒神こちらの準備が整った。ISに搭乗し準備しておけ』

 

「わかった」 「了解」

 

白式と黒式、どちらも束の手が入っている機体。基礎・スペック共に違うが同じ時期に創られたと考えている。雪片を両機に搭載した理由はおそらく何かを創るために試験的に組み込んだと考えても良いだろう。全く面倒なことをしてくれたな……修理めんどくさかったな。

 

『相手は私の弟だが手加減はせずに戦って欲しい』

 

千冬から突然連絡が入った、何を言うかといえば実の弟である織斑に対して手加減をするなと言ってきた。そんな事言われても俺には手加減するほどの力はない、と言うかもう力尽きてるといっても過言ではない。この機体にもあまり慣れていない同士の戦いだからこそ手加減などそんなもの無いと思うのだが?

 

『少なくともお前は一夏よりは強いはずだ、私が鍛えたのだからな。あと少しだ頑張れ」

 

またナチュラルに心読んできたな……まぁ確かにこの時の為に鍛えてもらったんだからな、死なない程度に全力で行かせてもらうとしますか!

 

『あぁ。勝って来い千春!』

 

千冬は実弟に勝ってほしくないのだろうか?普通ならばそう思うはずなのだが、彼女は弟よりも俺に檄を飛ばしている。千冬との通信が切れ、カタパルトのハッチが開く。本日二度目の出撃だコツは大体理解しているつもりだ、後はこの試合に勝利すれば良いだけだ。あとは死ななければいい。

 

「黒神千春、黒式出撃する!」

 

さぁ!最後の試合を楽しむとするか!

 


 

千春が千冬と通信していた頃、同じく一夏も箒と会話をしていた。

 

「相手はセシリアと互角の勝負をした、油断するなよ一夏!」

 

「そのくらい分かってるって、大丈夫今度は勝って戻ってくるからさ!」

 

この白式を貰ったんだ、今度こそ勝利を手に入れて千冬姉の弟のである俺の実力を知らしめないとな!俺の実力はこんなもんじゃない!

 

「あぁ!期待しているぞ一夏!

 

カタパルトに機体を接続させ射出準備に備える。赤いライトが青になった瞬間に飛び出す。

 

「織斑一夏、白式行きます!」

 

織斑千冬の弟として無様な姿はもう見せられないと意気込みながら最後の試合へと飛び出した。

 


 

白と黒、正反対の色をした機体がカタパルトから射出される。二つの機体は空中で姿勢を安定させながら試合が始まるまで待機しはじめる。すると黒の機体を纏っている千春が話を振ってきた。

 

「ISの操作には慣れたか?」

 

先の試合でISの操縦に慣れてきたのかと聞いてきた、勿論操縦し始めたばかりの俺は横に顔を振る。すると千春は何かを納得したような顔をし、続けてこう言ってきた。

 

「それなら先ほどの試合の動きはまぐれということか、そんなもので良く守るとか言えるな」

 

セシリアとの試合で見せた動きはまぐれであり、この試合では全く動けない弱者だと思われたという事だ。姉である織斑千冬の力を授かっても弱く、本当に守るという意識があるのか疑問である。これは明らかに俺を煽りに来ているが、挑発が軽すぎる。こんなもので俺がムキになると思って―――

 

「言葉で言うのは簡単だが、実力が無くては守りたいものも守れない。千冬の弟は口だけの軟弱者、そんなレッテルを貼られることになるな」

 

「まぐれなんかじゃない、軟弱者なんかじゃないって証明してやるさ!それに千冬姉から受け継いだ力もあるんだ、負けてたまるかよ!」

意外にもこんな安い挑発に乗ってきた、どうやら沸点はかなり低いらしい。受け継いだ力ね……それはこっちも同じなのかもしれないな、違いがあるとすれば頼るか頼らないかだな。

 

「まぐれでない事に期待している、千冬の―――最強の弟としてな」

 

俺も心のどこかでこいつに期待している、千冬の弟だから?白式に選ばれた者だから?それもあるだろうが一番の理由は……ということ単純だろ? 

 


 

「それでは最終試合、織斑一夏対黒神千春を開始します」

 

最後の試合のアナウンスが入ってくる、先の戦いで疲れている一夏。少し休憩を挟んでいた千春。白式に千春の搭乗している黒式のデータが表示される。白式とは全く異なるスペック、武装……唯一同じなのは雪片を搭載していることだけ。一通り目を通し表示されているパネル互いに消す、後は気持ちの整理をつけるのみだ。

 

『試合開始まで五秒前……」

 

こんなにも五秒間が長く感じることがあっただろうか?人によっては五秒などあっという間だと思うことがあるだろう。例を上げるとするなら、走馬灯を見るときに世界が遅く感じるときのような感覚である。そう言えばこの試合に勝ったとしても俺にメリットが特にないな……しいて言えば黒式の操縦特性をもっと理解できるくらいだろう、それにクラス代表は俺のような成人ではなく学生であるセシリアに譲ってしまえば良いだけだし。ささっと終わらせてしまうとするか。

 

『試合開始!』

 

試合開始の合図がアリーナに響き渡る、二人は瞬時に武器を展開し接近戦を開始した。俺は近接ブレードの『黒龍』を、織斑は唯一の装備である『雪片弐型』を握り締め相手へと振り下ろす。何度も何度も鍔迫り合いを行いつつも相手のSEを削る為に刀を振るう、このままでは埒が明かないと考えた俺は左手に『カノン』を展開する。照準を瞬時に合わせる、放たれた弾丸は白式の右肩のアーマーに直撃し弾痕を残す。

 

「そう言えばそのIS銃装備してたな!完全に油断してたぜ!」

 

「……ちゃんと試合見てたんだな?さっきあったばかりだぞ?本気で言ってるなら頭大丈夫か?」

 

セシリアの特性は覚えていたみたいだが何故俺のIDの特徴は忘れたのか理解できない、どうでも良いと思われたのか?それともセシリアへの対処で頭が回らなかったのか?おそらく後者なんだろう……まったく姉は優秀なのになんで弟はこんなにも馬鹿なんだ。

 

「面倒だな、さっさと終わらせるか」

 

「それはこっちの台詞だ、とっととケリをつけようぜ!」

 

カノンを再装填し銃口を一夏に向ける、それに対抗するように零落白夜を起動し突貫して来る織斑。確かに零落白夜によって発生する青い刃は実弾やレーザーをかき消すことが出来る、しかしそれが出来るのは技量があり弾道を見切ることが出来るやつだけだ。それに零落白夜は自身のSEを消費して行くというデメリットがある。それを利用させてもらうとしよう。俺が真正面から撃ち合う気はない、織斑の目の前から後退し急降下を行う。真下からなら銃弾も消せまいと考えた、あくまで予測だが雪片単体で防げていないのならば、背後などの死角からは全く防げないだろう。

 

「逃げるな!」

 

「これは逃げではない、作戦だ!」

 

弾丸を発射しながらも確実にSEを削り取る。しかしあいつは雪片で弾丸をかき消さずに防いでいる、未だに単一仕様能力が扱いきれていないようだ。白式の能力とカノンの放つ弾丸によって確実に相手のSEは削れてきている、このまま行けば白式のSEは0になり俺の勝ちとなるが……折角だしあいつを使ってみるとするか。地面ギリギリで機体を急転回させる、俺を追うのに必死だった織斑は目の前から消えた俺の背後に地面が迫ってきてたことに気がつかずに突っ込んでしまう。大きな爆音と砂煙を上げ地面に追突する、勢いを抑え切れなかった為大きなクレーターが出来ておりその中心にはボロボロになった白式と織斑の姿があった。

 

「起き上がる前にトドメをさすとするか、何やかんや十五分も戦ってしまったな」

 

カノンを待機状態に戻し、馬鹿の突っ込んでいったクレーターへと歩いていく。ISには操縦者を守る機能が備わっている為操縦者である織斑は無事だと思うが一応の確認である、クレーターを覗いて見ると純白であった白式は地面に叩きつけられたことによって所々に土が付いており美しい白色は見るも耐えないほど汚れてしまった。

 

「生きてるかい~?それとも気絶してるのかい~?」

 

「なんとか生きてるよ……クソッ、完全にやられた」

 

「降参するかい?それとも続けるかい?」

 

一応こいつの意志を聞いておく、降参してくれればこれで終わり楽になれるのだが……続けてもらっても雪片の餌食になってもらうだけだ。さぁ織斑一夏(主人公)どちらを選ぶ?どちらを選んでも敗北ということに変わりはないがね。

 

「続けるに決まってる、俺のSEはまだ残ってるからな」

 

「そうか。ならさっさと上がって来い、上がってくるまでは待ってやる」

 

ボロボロになった白式を起き上がらせクレーター内からゆっくりと出てくる、よくもまぁこんなボロボロになりながらも続けたいと思えるな……しかし雪片を試すには絶好の的だな。

 

「全く……タフさは姉譲りか、もっとほかの事を引き継いで欲しかったんだがな」

 

「何言ってるんだよ?さぁ、続けようぜ!」

 

未だに零落白夜を使用しているのか、ただでさえ残り少ないSEを消費してまで発動する必要があるのか?そんな事を思いつつも俺は黒式に搭載されているもう一つの近接戦闘用武装を展開する。

 

「来い!雪片改……終わりにするぞ」

 

そう言って俺の手に光りの粒子が集まる、光りが一つとなり物として形成されていく。形成されたものを見た彼は、ハッと驚いたような表情を浮かべる。それはそうだろう。自分自身だけが受け継いだ力と思い込んでいたものが、目の前の敵である俺の手に形成されていたのだから。

 

「これを使うことまた運命なのかもしれないな……まったく厄介なものを押し付けられたものだな。」

 

自身の手に握られた雪片を見つめながらそう呟く。

 


 

「やっと使う気になったのかうつけ者め」

 

この状況下の中たった一人頬をゆるめる人物が、ひっそりと千春の姿を眺めていた。

 

「私を失望させるなよ?黒神千春」




次回は本当に雪片でケリをつけます。
メリークリスマス!(過ぎてる)
あけましておめでとうございます!今年もどうかよろしくお願いいたします!(まだ早い)
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