インフィニット・ストラトス 最強と天才の幼馴染 (更新終了) 作:灰崎 快人
「痛てぇ……やっぱり一人で処置しておけばよかった……」
包帯でぐるぐる巻きにされた箇所の苦痛に耐えながらそう呟く、ぐいぐいと傷口に包帯を巻かれているときが一番の地獄であった。
「これでも少しは上手くなったんだ、文句は言うな」
これで上手くなった!?包帯でぐるぐる巻きにされて全然動かせないんだけど!まぁ動かすと痛いから極力動かさないようにしてるんだけどな。
「あっ、もうこんな時間か……夕食済ませて無かったから行って来る〜」
「あぁ、私は先にシャワーを浴びさせてもらうぞ」
そう言いながらさらっと服を脱ぎ始める千冬、どうして脱衣所で着替えないんですかね!?こっち見るなよ……
「ご自由にどうぞと言うかこの部屋は千冬の部屋だろ?千冬が優先でいいさ、それじゃあ行ってくる」
逃げるように部屋を後にし食堂に向かっていく。
「さてと、何を食べようかな………」
食券機を前に悩んでいるが、それよりも視線がすごい。だが気にしないことにしよう。原因はだいたい察しているしな……
「黒神さん、お話が……」
「ん?セシリア……あぁ代表の話か?」
さらっと隣に現れるセシリア、何でそんなに静かに近づけるのだろうか?いや俺が悩んでいて気がつかなかっただけなのかもしれないな。
「そうです、失礼ですが場所を変えられませんか?」
こういった話はなるべく誰も居ないところで話したいものだがな、この食堂では一組の生徒も勿論居る。聞かれたら面倒なことになるのは間違いないだろう。
「大丈夫だが食事をしながらでも構わないかい?」
「構いません、ちょうど私も済ませようとしていたところですし」
「それじゃあ頼みに行くか」
俺はしょうが焼き定食を注文すえる。この学園で出されるしょうが焼きは甘辛のたれで調理されている、お味噌汁にはアサリが入っており健康に良さそうだ。セシリアはイギリス出身と言うこともあり食事もイギリス料理の魚料理であるフィッシュ・アンド・チップスにサンドイッチ、そして紅茶をチョイスしたようだ。イギリス料理は不味いと言われているが実際はそこまで不味くは無い、一部の人の味覚が狂っているだけだろう。俺はなるべく人目が付かないテーブルを探し出し、食事を始めながら本題の話を始める。
「さてと……どうしたものかな?はっきり言って俺は代表を辞退したいんだがな」
「理由を伺っても?」
「大人の俺よりもこの学園に所属しているセシリアのほうが立場的に良いと思ったんだ、大人に言われるのは嫌だろ?こういったことは生徒たちでやったほうが楽しいだろ?だから俺はこの権利を蹴り飛ばすつもりだ」
「そうかもしれません、ですが黒神さんの実力は高いほうだと思います。なので私は黒神さんを推薦したいのですが……」
「あれは偶然だ、セシリアが最初から本気を出していればあっという間に終わっていた。接近戦においてはこちらが勝っていたがそれ以外はすべて劣っていた。だからセシリア、俺が強いというわけではないんだ」
「ですが……」
煮え切らないところがあるみたいだが俺は断固として拒否する。決してめんどくさいとかではない、そうめんどくさいとかではない。
「―――セシリアも代表になる気は無いってことで良いか?」
「はい、私は代表にはなる気はございません」
セシリアが代表を降りるとは思わなかったな、セシリアならクラス代表も勤まると思っていたんだけどな……
「そうか、ならあいつでいいんじゃないか?」
「あいつ?……まさか織斑さんを!?」
「そうだよ、まぁ二人が辞退したら残ったあいつに押し付けられるからな」
「そうですけど……織斑先生が承諾してくださるかどうかわかりません」
「大丈夫、上手く説明しておくから。万が一あいつがなにかしら問題を起こしたときにはいつでも行動できるよう準備はしておくからな」
「わかりました、ありがとうございます」
話を終わらせ食事も済ませた、そのあと別の話を少々しながらセシリアと別れた。
さて……どう説明したものかな。適当に誤魔化したりしたら叱られるの確定だろうし……全部話すのが手っ取り早いよな。
「と言うわけで俺とセシリアはクラス代表を辞退する」
「セシリアが辞退するとは、お前も辞退すると言うことはわかったが……残った一夏が代表となるが大丈夫か?」
髪を乾かしながら問いかけてくる。姉である千冬も一抹の不安があるらしい、まぁあれを見てしまってはね……それより服をきてくれ、目のやり場に困るんだよ。
「たぶん大丈夫なんじゃないかな?クラスメイトが何て言うかわからないけど、多分千冬の弟ってことでなんとかなるんじゃないかな?」
「試合でぼろ負けしているが?」
「まあ……これからの伸び代に期待ということで、白式もまだ伸び代がありそうだしね」
正直なところ、あいつは白式のスペックを活かせていないだろう。まぁ動かすことも慣れていないんだからそうだ、慣れ始めたらあの雪片も器用に扱うことが出来るだろう。問題はどのくらいで慣れるかなんだけどな。
「お前の黒式もそうだけどな」
「それを言ってはいけない」
確かに黒式のスペックを活かせていないだろう……俺も早いところ
そういえば束に追加武装頼むの忘れてた。
「もしもし束?」
なるべく早いうちに盾がほしいところだ、あんなもの人体が耐えられるわけ無いだろ!いいかげんにしろ!ということで俺は束にコンタクトをとることにした。
『どうしたのくろち~黒式に不具合でも出た?』
「いやそれは無いんだが、流石に相手の攻撃を防ぐ盾が欲しいと思ってね。死ぬかと思ったから……」
『わかったよ~今USBメモリー持ってる?』
「持っているが、どうすればいい?」
『それを端末に刺してくれればいいよ、あとはこっちでやるからさ〜 』
こんな安物のUSBメモリーでなんとかなるのか?それだったら買い足ししておくとしよう、だがかさ張るのもいかんな……大容量のものを買うとしよう。
『データ送信…………っと!はい、頼まれてた追加の武装だよ〜全て試作品だからデータ収集も兼ねてるからよろしくね〜』
端末に複数の武装が入ったファイルが表示される……これどうなってるんだ?すでに完成品として送られているのもある、これならばすぐに使用することが可能だろう。これはありがたいな。
「ありがとう束、これで少しは安定するだろう。データ収集はそっちで勝手にやるのか?」
『そうだよ〜だから改良品とかも作ってあげるね〜』
「わかった、楽しみにしておく」
『それじゃあね〜』
俺は束との通信を解除して、送られてきたデータの入ったUSBメモリーをパソコンへと移動させる。
「さてと……送られてきた武装は何かな?」
ファイルを選択して送られてきた武装を確認する。こんなに武装いらないしなんなら盾だけでよかった……実弾のマシンガンや試作ビームライフル、バスターライフルと書かれているものもある。こんなもの使わないだろ!適当に送ってるんじゃないか!?まぁいい、盾の性能だけ知っておければいいんだ。
『ヴォイド』
反射……そのまんま対ビーム用だろうな。近接は技量で補えってか?まぁいいけどさ……
『試作型バスターライフル』
なになに?従来のビーム兵器を凌駕する威力を誇るライフル、一発撃つのにチャージが必要である。なるほどな……これは使えそうだが、人間相手に向けるものじゃないな。細かいことは書かれていないが、凌駕する威力を誇っていることから恐ろしいものに変わりは無いだろう。
「束のやつ……まぁいいや、送ってもらっただけ感謝しよう」
「資料に目を通すのは感心するが、この時間だ就寝するとしよう」
「そうだな……千冬、一つ聞いていいか?」
「―――なんだ?」
「下着姿のままで寒くないのか?」
「寒くは無い、部屋の室温を一定にしているからな」
「そうか……だが目のやり場に困る、服をきてくれ。千冬だって俺が下着姿で部屋に居たら嫌だろ?」
「嫌ではないが?」
「……そうですか」
なんでさらっとそんな事が言えるんですかねこの人は!自分の魅力に気づかないんですかね!?
魅力はあっても整理整頓する力はなかったな、前からわかっていたけど。
「うるさいぞ」
「脱ぎっぱなしにするなよ……襲われたりしたらどうするんだよ」
千冬が脱いだ衣類は全て俺が片付けることになった……あっ良い匂いする。これじゃあ変態だな、もう気にせずさっさと洗濯籠に入れてしまおう。
次回は何月だろう……