インフィニット・ストラトス 最強と天才の幼馴染 (更新終了) 作:灰崎 快人
ただそうなるとモチベーションが0になりそうで怖いです
四月某日、今日はIS学園の入学式である。桜の花びらが舞い新入生を歓迎しているような雰囲気の中、俺は学園へと足を踏み入れていた。元々女性しか扱えなかったISを学ぶ学園の為生徒のほとんどが女性である、そんなところに男性である俺が居ることは当然彼女たちにとっては不思議なことである。俺のことはすぐさま噂の男性搭乗者として広まり、周囲からの視線が集まっていた。
「これはなんとも言えないものがあるな……」
360度から伝わる視線が痛いほど刺さる、俺は耐え切れずに指定されている職員室にいた。前日の夜に千冬から「入学式を終えたら職員室へ来い」とだけ記されたメールが届いたからだ。何故呼ばれているのかは不明だが……とりあえず言われたからには行っておかなくてはいけない。。
「無事に入学できたようだな」
「無事って言えば無事だけど、視線がいてぇいてぇ……それで?ここに呼んだのは何か理由があるのか?」
ここに呼ばれた理由を俺は知らない、問題を起こしたとかそういったことは一切ない。しいて言うのであれば千冬に束から渡されたIDのことを話したくらいだろう。
「あぁそうだ、お前の所属するクラスだが、私が担当するクラスになると言うことだけ伝えたくてな」
「そうか、ちなみに一人目はどのクラスに所属するんだ?」
この学園には一学年につき、四クラス存在している。千冬が担当しているクラスはどうやら一組らしい。
「私のクラスだ」
「まぁそれが妥当なのかもな……」
男性搭乗者を二クラスに分けて監視するよりも、一クラスにまとめて監視した方が効率が良いと判断されたのであろう。
「私のクラスは問題児を押し付けられているだけなのだがな」
「俺もその問題児に含まれてるのか?」
「勿論そうだとも、世界でISを動かせるのは
「あいつと一緒の扱いはやめて欲しいんだけどな……」
正直言って気は乗らないが、決まってしまったことなのであれば仕方がない。
「仕方あるまい、私はこの学園の教師なのだ。生徒一人一人対等に扱う、私事で扱うことなんぞ出来んのさ」
「分かったよ、それでもう一つ聞きたいことがあるんだが」
ここに来てから一番に聞いておきたかったことが一つだけある。
「何だ?この学園についてなら参考書に書いておいたはずだが……」
「いや、この学園って寮生活だろ?なら俺の部屋はどこになるのかなって思ってな」
そう寮である。この学園には学生寮というものがあるのだが、女子と相部屋というわけにも行かないだろう。もしそうなのであれば俺はダンボールハウスで寝ることもやぶさかではない。
「そのことなら問題ない、既に決まっている」
それは実にありがたい、あの視線に耐え切った後すぐにシャワーを浴びて寝たいからな!もんだいは何処の部屋なのか。
「おぉ!で何処なんd「私の部屋だ」……はい?」
今なんて言った?聞き間違えでなければ千冬はいま「自分の部屋」だといったな……聞き間違いであってくれ。
「私の部屋だ、聞こえなかったか?」
聞き間違えではありませんでした、千冬の部屋でした……何故?何故そうなってしまったのだ?
「いや、聞こえたけど何で千冬の部屋なんだ?」
「………」
返答がない、もしや時間が無くて決めることが出来なかったのか?それなら仕方の無いことだが・・・・・・
「あぁ……すまない」
「最初からそう言ってくれ、てっきり部屋の掃除が出来ないからやらせようとしたのかと―――」
次の瞬間、左頬を何かが掠めていった……視線を移すとそこには鬼のような表情を浮かべる千冬の姿があった。頬を掠めたのは千冬の拳である、すぐこうやって黙らせようとするんだから仕方がない。
「あぁ?」
「いや、なんでもないよ!うん!!!」
二度とこの事は話さないようにしようと俺は心に強く願ったのであった。
「そうかならそれで良い、もうすぐ時間だ教室へ向かうとしよう」
「了解」
「それからこの学園内では私のことを「織斑先生」と呼べ、わかったな?」
「了解だよ、織斑先生」
さて、教室の前に着いたわけだが……なんか騒がしいな、少し覗いて見るか。
「織斑君?自己紹介してもらえるかな?駄目かな?」
「いえ!大丈夫です!」
「ありがとう、それじゃあ自己紹介お願いしますね」
自己紹介の途中だったのか、さてと少しは成長したのか見せてもらおうか……
「えっと、織斑一夏です………………以上です!!!」
いやいや全然成長してねぇな!何でそんなことしかいえないんだよ!もっと他にあるだろ、例えば趣味とか得意な事とか……あれ?俺も人のこと言えない感じか?
「うわぁ……」
「あの馬鹿者が……」
実姉も引いてるじゃねえか、どうして優秀な姉が居ると弟はポンコツってジンクスがあるんだろうな?理論とかでもあるらしいけど。千冬は「少し待っていろ」とだけ伝えて教室へと入っていった、一応自己紹介考えておくか。同じ轍を踏みたくないからな。うーんどうしようか?ここはやはり年上としての立場を―――
「満足に自己紹介もできないのかお前は?」
「げぇっ!千冬ねぇ!」
「織斑先生だ馬鹿者が」
早速千冬とあの馬鹿が姉弟だってことがクラス内に広まったな……さてさて千冬が教師をしてる姿を拝みますか。
「遅れすまないな山田君―――私がこのクラスの担任を務める織斑千冬だ。お前たち若干15歳の小娘をこの一年で使い物になるようにするのが私の仕事だ」
「「「「「「「「「キャアアアアアアァァァアァアァ!!!!!」」」」」」」」」
おうぁぁぁ!鼓膜がやられる!千冬ってこんなに人気なのかよ、知らなかったなぁ~次回から耳栓持ってくるとしよう。
「あの~教室前で何してるんですか?」
突然背後から話しかけられる、振り返るとそこには扇子を手にしている少女が立っていた。いつ居たのかわからないが怪しい人ではなさそうだ。
「あぁ、なんか入るタイミングがあるらしく。今待機しているところです……」
怪しいものでなければ事情を話すことに躊躇いは無いだろう、それにしても彼女はいったい何をしているのだろうか?少し考えたように仕草を取ったあと、はっとした表情でこちらに視線を合わせる。
「もしかして二人目の黒神千春さんですか?」
「えぇ、そういうあなたは一体?」
「失礼いたしました、私の名前は
「これはご丁寧にどうも。この学園に席を置くことになりました黒神千春と申します、これからよろしくお願いいたします」
このIS学園の生徒会長さんだった、話を聞くに新一年生の様子を見に来たらしい。生徒会長さんはそんな事までするんだな。
「慣れない環境下での生活になりますが、楽しんでくださいね」
「えぇ、ありがとうございます。困ったことがあれば相談に乗らせていただきますね」
更識さんと会話を終えた辺りで、騒がしいのが終わったらしい。結構短い時間で収まったんだな。
「さてと、
俺の番か、歳上としての威厳を見せておくとするか……だがこの視線だけは慣れないだろうな、きついものはきつい。
「緊急でこの学園に入学することになった黒神千春だ。黒神、自己紹介を頼む」
生徒の前では千春とは呼ばないんだな、気にしないけど。
「織斑先生からご紹介に与りました、黒神千春と言います。入学の一週間前にIS適性があることが判明した為この学園に身を置くこととなりました。倉持技研においてISの設計・開発を行っていました。皆さんとはかなり歳が離れていますが、仲良く出来たらと思います」
よし、このくらいでいいだろう。え?趣味とか特技は言わないのかって?気にしたら負けだよ。と言うか長々話する必要はないだろう?
「よし、黒神の席は一番後ろだ。ではここでHRを終わりとする、少し早いだろうが今のうちに授業の準備をしておけ。いいな?」
さてと、今のうちに準備しておきますかね。クラスメイトとの会話?いやいやいきなりそんな事は出来ないだろ、誰も話しかけてこないからな。今の教室は全てデジタル化してあるんだな、便利なこった。
「あの、ちょっとよろしいでしょうか?」
そんな事考えていたら早速話しかけられましたね、どちら様ですかね?そう思いながら声をかけてきた少女に視線を移す、うーん?どこかで見たことあるような?あの子かな?
「はい、どうかなされましたか?セシリア・オルコットさん」
確証があるというわけではないが、彼女を見た瞬間に何処か面影があることからセシリア・オルコットという名を言ってみた。彼女は驚いた表情を浮かべたが、すぐにやわらかい笑みへと表情を変えた。そして嬉しそうに―――
「まぁ!憶えていてくださったのですね!お久しぶりですわ、黒神千春様」
と言葉を返してくれた。セシリア・オルコット、イギリスの名門貴族の出自である。過去に一度イギリスに渡った際に出会ったことがある程度だが、色々とあったため記憶に残りやすかった。
「憶えていてくれたんだね、嬉しいよ」
「えぇ、私も黒神様に憶えていただけて光栄ですわ」
「千春でいいよ、様ってのもいらないからね」
正直~様と呼ばれるのは好きではない、なんか体がむずむずする。
「ありがとうございます、しかし目上ですのでせめて「黒神さん」とお呼びになられてもよろしいでしょうか?」
「それでも全然いいよ、それじゃあこれからよろしくねセシリアさん」
「私のことはセシリアで大丈夫ですわ、よろしくお願いいたします黒神さん」
二人は笑顔で手と手を取り合っていた、そんな中男子生徒がこちらをチラチラと見ているが無視する。何かしてほしいのならばまずはコンタクトを取ることが大切だからな。
「元気に育ってくれているみたいで安心した、親御さんは元気か?」
「いえ、数年前に列車の事故により……」
「そうか、辛い過去を思い出させて申し訳ない」
「いえ、大丈夫ですわ……」
「あれ以来は普通の家族として時間を過ごせたか?」
過去に一度俺はセシリアの家族と会っている、一週間という短い時間ではあるものの充実したイギリス旅行を過ごすことが出来た。
「えぇ、とても有意義な時間を過ごせたと思いますわ」
「そうか、それは良かったよ。この学園に来たってことはかなりの勉学を重ねてきたんだな」
「それが唯一両親の遺産を守る手段でしたから……そのお陰もあって今ではイギリスの代表候補生に」
代表候補生、それはIS操縦者の中でも優れた人物だけがなれるものである。その更に上には代表操縦者というものがある、これは候補生の中でも優れている人物がなることができる最頂点のものである。簡単に言えば一般がノーマル・候補生がエリート・代表操縦者がプロという形になるだろう。
「おぉ!凄いじゃないか、代表候補生になるだけでもとてつもない努力が必要になるのに。ともあれこれからよろしくセシリア」
「はい!よろしくお願いいたしますわ、黒神さん」
親しげに話している二人の姿を見て、周囲の女子生徒はほんわかとした気持ちになるものも居れば、先に接触しておけばよかったと落胆するものもいた。そんな中とある生徒が二人に近づいてきた。
「なぁ、ちょっと良いか?」
「あぁ、良いですよ。織斑一夏君」
男性搭乗者一人目であり千冬の弟である織斑一夏がそこに立っていた。
さて少しだけセシリアと千春の過去に触れましたが……そこまで深く考えていないのでこの設定は無くなるかもしれませんね。(追記 無くなることはありませんでした。)
本来の主人公である織斑一夏とであった千春、どうやら顔見知りの様子。