インフィニット・ストラトス 最強と天才の幼馴染 (更新終了)   作:灰崎 快人

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番外編の休日明けです。
今回はラウラについても少し触れていきたいと思います。また今のIS学園についても少しだけ触れます。


妙な噂

「それは本当ですの!?」

 

「う、ウソついてないでしょうね!?」

 

月曜の朝、教室に向かっていた俺は廊下にまで聞こえる声にしばたたかせた。

 

「なんだ?」

 

「さぁ?」

 

隣にいるのはルームメイトのシャルロット――今はシャルルである。

 

「本当だってば!この噂、学園中で持ちきりなのよ?月末の学年別トーナメントで優勝したら、織斑君かデュノア君か黒神さんと交際でき―――」

 

「俺たちが何だって?」

 

「「「きゃああっ!?」」」

 

クラスに入って普通に声をかけたつもりなんだが?そこまで取り乱すか、しかも悲鳴まで上げて。反応がゴキブリを見つけたレベルなんだが、鼓膜ナイナイになるから叫ぶのはなるべくやめてほしいだけど。

 

「それで何の話だ?俺達の名前が出ていたが……」

 

「うん?そうだっけ?」

 

「さあ?どうだったかしら?」

 

鳳とセシリアが笑いながら話を逸らそうとする。そこまで隠したいことなのか?

 

「じゃあ!あたし自分のクラスに戻るから!」

 

「そうですわね!わたくしも自分の席につきませんと。」

 

二人に続いて他のところで集まっていた女子達の集まりも散っていく、自分のクラス・席に戻っていく。

 

「また面倒なことが起きそうだ。」

 

「…………?」

 

「今日も頑張ろうな。」

 

デュノアの頭を撫でて自分の席に座る。彼女は「もうっ」と言って自分の席に座った。ちなみにシャルロットは俺の席の隣である。

 


 

「ふぅ……この距離だけはどうにもならないな」

 

学園内に男子が使えるトイレが三ヶ所しかないという現状、授業終了のチャイムと同時に中距離走が始まる。もちろん帰りも走らなければ授業に間に合わない。織斑が先日『廊下を走るな!』とお叱りを受けている。まぁあれは運が悪かったと言うしかない。

だがこれが1番辛いのはシャルロットだろう。女子なのに男としてこの学園に入っている、それで男子トイレまで連れて行くのにも苦労する。特にお互いにトイレに行きたいときは―――なんともいえない雰囲気になりながら帰ってくる。そのせいで俺とシャルルの薄い本が作られているらしい、シャルロットに聞かれたときにどう説明したらいいか悩んだからな。他にも「春と夏」とか「白いマカロン」とかあるらしい。どこに需要があるんだよ。

それにこんなこと考えている暇は無い、次の授業はISの格闘技能に関する基礎知識と応用だ。俺に利益がある話しに代わりは無いだろう。

 

「何故こんなところで教師など!」

 

「やれやれ……」

 

ふと曲がり角の先から声が聞こえてくる、そのほうへと注意を向ける。なにせ聞いたことの声なのである。一人はラウラ、もう一人は千冬で間違いないだろう。それにしてもここで何を話しているんだ?

 

「何度も言わせるな、私には私の役目がある。それだけだ。」

 

「このような極東の地で何の役目があると言うのですか!」

 

ラウラがここまで声を荒げていることは珍しい、話の内容はどうやら千冬の現在の仕事についての不満や思いの丈をラウラがぶつけているようだった。

 

「お願いです教官。我がドイツで再びご指導を。ここであなたの能力は半分も生かされません」

 

「ほう?」

 

「大体この学園の生徒など、教官が教えるにたる人間ではありません」

 

「何故そういえる?」

 

「意識が甘く、危機感に疎く、ISをファッションか何かだと勘違いしている。そのような程度の低いものたちに教官が時間を割るなど―――」

 

「―――そこまでにしろ、ボーデヴィッヒ」

 

「っ!?」

 

突然の声に驚きを隠せないラウラ、千冬の方は気がついていたようだな。だが顔が凄いことになってるぞ。俺は恐らくだが軽い覇気を出してしまっているのだろう、言葉を途切れたまま続きが出てこない。

 

「少し見ない間に偉くなったようだな?十五歳で選ばれた人間気取りとは恐れ入る。お前はこんな「極東」と言ったが、俺や千冬にとってこの極東は祖国だ。それがどういう意味なのか……わかるよな?」

 

「わ、私は―――」

 

その声が震えているのがわかる。俺や千冬から恐怖を感じているのだろう。圧倒的威圧の前に感じる恐怖と嫌われてしまうという恐怖。そのどちらも襲ってくるのだ、それは怖いだろうな。

 

「そこまでだ、授業が始まる。さっさと教室に戻れ」

 

千冬がせかす。ラウラは黙ったまま早足で去っていった。

 

「全く、いつから見ていた?」

 

「こんなところで教師など!からだな」

 

「抜け目の無いやつだ……お前も戻れ授業が始まる」

 

「わかってる」

 

「それと千春」

 

「なんだ?」

 

「ラウラを少し見てくれ、何かしでかしそうなんでな」

 

「了解」

 


 

ラウラが何かするかもしれないか、嫌な予感しかしないな。それにシャルロットのこともある、今月は厳しくなりそうだ。刹那、目の前に物が飛んでくる。鋭い先端上のもの恐らくコンパスだろう、だが簡単に避けることは出来る。コンパスが投げられたであろう方向を見ると、数人の女子生徒が立っていた。全員一年よりは上だろう、リボンの色が違う。

 

「まだこういうやつらいるんだな?」

 

これは授業に間に合わないだろうな……だが遊んでやる分にはちょうどいいのかもしれないな。

 

「男がIS学園にいるだけでも汚らわしいと言うのに、ましてやあのブリュン・ヒルデと仲良く相見えるとは……貴様は生かしておけない。」

 

「なんだ?千冬と軽い話をしていただけで嫉妬したのか?くだらないな……」

 

今も昔も嫉妬心によるいじめの問題は変わらないか……世の中そんなものなのかもしれないな。

 

「何だと!?」

 

「話したいなら話しかけに行けよ、そんな事が出来ない時点でお前は弱者だ。もういいか?俺は急がなくちゃならないんでな」

 

正直こんなガキ共と相手をしている暇は無い、さっさと引いて欲しいんだが?

 

「悪いけど、行かせる気はさらさら無いわ。私達のおもちゃになってもらうのだから」

 

ウゼェ……まぁいいや軽くもんでやるとするか。昔みたいに。

 

「さっさと来いよ、軽く――――――現実を教えてやる」

 


 

「授業を始める……黒神はどうした?」

 

「トイレに行くと言ってましたけど、帰ってきてません」

 

デュノアが手を上げてそう応える。全く何処で道草をくっているんだあいつは、仕方が無い探しに行くとするか。大方分かれたところで何かしているのだろう。

 

「山田先生、少しの間代わりを頼みます」

 

「わかりました」

 

副担任の山田先生に授業を預け、私は千春を探しに教室を出た。私と彼が別れたのはあの木の付近だったはずだ、そこで何かしらのトラブルに巻き込まれていないといいのだが……この学園には未だに男性を受け入れない生徒がいる、そいつらに見つかっている可能性が高いかもしれない。だが千春ならば軽く無視して教室に来るはずだ、となれば気分が変わったか他に何か問題が起きたかのどちらかだ。

 


 

織斑先生が教室を抜け出した後、教室でもある生徒が抜け出そうとしていた。

 

「―――であるからしてISはこのような機能が生まれます、これを利用することで様々な戦略を練ることも可能です」

 

山田先生が授業を進めている中、眼帯をした銀髪の生徒が立ち上がる。

 

「どうかしましたかボーデヴィッヒさん?」

 

しかしラウラは山田先生の言葉に反応せず、教室の窓を開き足をかける。そしてそのまま飛び降りていった。

 

「ボーデヴィッヒさん!?」

 

あまりにも突然なことに、山田先生を含めた生徒の皆が驚く。ここは校内の三階であり、ある程度の高さがある。一般人はそうそう飛び降りようとは思わないだろう。だがラウラは軍人。この程度の高さなど、どうと言うことは無かった。

 

(わたしの考えが正しければ教官、副長官と別れたあの場の付近で何かが起きている。副教官にはまだ教えていただきたい事が沢山ある、まだ逃がしたくは無い)

 

少女は走りながら目的地へ到着する。しかしそこには千春の姿は無かった。

 

「なにをしているボーデヴィッヒ、お前は教室にいたはずだが?」

 

丁度同じ時刻、千冬も同じように目的地へとついていた。

 

「教官!副教官はどこに!?」

 

「わからん、だがそう遠くには行っていないはずだ。周囲を捜索、発見し次第報告せよ」

 

「Ja(ヤー)!!!」

 

ラウラは敬礼し周囲の捜索に向かう、千冬は反対方向に捜索を開始する。

 


 

「避けているばかりで、攻めてこないのね?ビビッてるのかしら?」

 

何を言ってるんだこいつは、俺はやる気になれば簡単に殺せる。お前達と遊んでやってるだけだ。ISが無ければお前たちは男と同類だ、その事実がわからず高圧的な態度を取っているだけに過ぎない。昔からごみの掃除は得意だったんだ、それは今でも変わらないけどな。

 

「はぁ……もういいか?今度はこっちから行くが?」

 

さて彼女達が手に持っているものを確認しよう。コンパスにカッター、果物ナイフなど手軽に手に入るものばかりだ。果物ナイフがこの中だと危険か、それだけは奪っておくとしよう。

 

「来るわよ!」

 

彼女達が構える、だが遅い。瞬時に手を掴み関節を外す、痛みで悲鳴を上げるが俺にはどうでも良い。こいつが持っているナイフを奪って首元に当ててしまえばこいつは無様に怖気づく、絶望している表情を浮かべるだろうがどうでもいい。彼女達の生活はここで終わるのだから。

 

「千春!」

 

「副教官!」

 

千冬とラウラが駆け寄ってくる、随分と早く見つかったものだな。それと同時に周囲にいた女子が逃げようとする、もちろん逃がす気はさらさら無い。ワイヤーを展開し一人残さず縛り付ける。誰一人逃がすわけが無いだろう?

 

「怪我は無いのか?」

 

「ない。こいつだけにはあるけどな」

 

「それならいい、こいつらの処理は私に任せろ。ラウラと共に教室にもどれ」

 

「わかった。ラウラ行くぞ」

 

「はい、副教官」

 

ラウラと共に教室に戻っていく、千冬にこの場は任せて大丈夫だろう。名の知れた教師だからな。

 


 

ラウラと千春が去ったのを確認した後、私は生徒達に処分を言い渡す。全くまさかここまで行動してくるとは思わなかったが、一夏と千春の影響がそれだけ大きいと言うことか。

 

「貴様らの処分は既に決まっている、安心して地獄に落ちろ」

 

わたしの大切なものを傷つけようとするやつは許さん、それが例えこの学園の生徒だったとしてもな。

 

「私達は!」

 

「黙れ、何を言っても無駄だ。貴様らが仕出かしたことは上に報告させてもらう、こんなくだらないことで未来をつぶしてしまうなど……哀れだな」




この後教室へと戻った千春とラウラが怒られたのは言うまでも無かった。
社会観はそんなに簡単には変わらないですね。
躾のコツはもっとも屈辱的なことをすること。
これを含んだ残り4話で一旦更新を停止するかもしれません。理由としましては、私自身のリアルが忙しくなり始めたことが原因です。それともうひとつ、私自身のボキャブラリーが少なく戦闘描写が乏しいため、そこに時間がかかるということです。
力がないということを自覚しているので、このように報告させていただきました。
と言うことで、十月の更新は44話で一旦停止となります。
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