インフィニット・ストラトス 最強と天才の幼馴染 (更新終了) 作:灰崎 快人
僕が勝ったら千春さんに……そのことをずっと考えながら僕は彼と戦いを続ける。好きにできるという魅力的な考えは僕の思考回路を鮮明にしてくれる、勝ったら「なんでも」出来るんだから勿論頑張るよね。
「……いきます」
「よし来い」
千春さんはアサルトライフルを手に身構えている、どうやら中距離から仕掛けるみたいだね。それならこっちもアサルトカノン《ガルム》を展開させてもらう、万が一距離が詰まったときは連装ショットガン《レイン・オブ・サタデイ》を展開しよう。そして近接戦闘が可能ならパイルバンカーを体にねじ込んでもいい。そう例え彼の体に衝撃が走ってしまったとしても問題は無いんだから。
シャルロットのIS装備はそこまで把握しているわけではない、だがほとんどがリヴァイヴと同じものだと考えている。ただあの機体は一部の基本装備が外されている、だからこそその分新たな装備が使用されている。戦闘を交わしながら相手の装備を見極めるのは当たり前だが、十以上の数であればさすがに俺でも対応できそうにない。そうなった場合は展開させる前に墜とせばいい、そうすれば賭けにも勝てる。というか今考えたら俺とんでもない賭けしてるよな!負けたら何されるかわからないのに。
お互いに銃口から火を噴く。銃弾は確実に相手を捕らえてはいるものの千春さんはスマートな機体、当てるのにはちょっと工夫が必要かもしれない。
「千春さん……やっぱり手加減してたんですね?」
「手加減?まさか~俺なりに訓練してたんだよ」
もう驚きはしない、彼がどれだけの技量を持っているのか僕が知らないことの方が多い。千春さんは近中遠なんでもいけるオールラウンダー、もしあの機体に遠隔操作のものがあったりしたら……考えたくもない。
「貴様程度では話にならん」
私は両手に内蔵されているプラズマ手刀を展開、さらにワイヤーブレードでの波状攻撃を行っていた。既にワイヤーの1つはあいつの右腕にかかっている。
「それはどうかな、凡人でも磨けば立派な操縦者になるんだからな!」
それは違うな。凡人は何をしても凡人なことに変わりない、特別な潜在能力を持っていた人物でなければ天才にはならない。それは副教官も同じだ。あの人は凡人でありながらも二人の天才に出会えた、だからこそ自身の力を最大限まで引き出すことが出来た。あの人は運命に恵まれている、そしてあの人に出会えた私たちも恵まれているのだろう。
「貴様の武器はそのブレードのみ。近接戦でなければダメージを与えられないからな」
こいつはなんとか近接戦闘を維持しようとしている、だがそれ以上離れれば大口径レールガンの的になる。さらにワイヤーブレードがこちらにはある、一度距離をとればそれを取り戻すのに時間を奪われるだろう。だが勿論私はそこまで甘くない、徹底的に相手を潰す戦いを続ける。
「うおおおおっ!」
意地でも食らいつくつもりか、もはやこいつに勝機は無いのにも関わらず無駄な努力をするものだな。
零距離での高速格闘戦。いつかは途切れてしまうであろう相手の集中力を削り取るように押し切る。
「そろそろ終わらせるか」
私はあいつを吹き飛ばしプラズマ手刀を解除し大型レールカノンの照準を合わせ終える。
「とどめだ」
レールカノンの砲口から瞬間的にあふれた炎を纏い、そしてそれを突き破りながら進む砲弾。しかもこれは対ISアーマー用特殊徹甲弾だ。当たり所が悪ければ相手は一発で退場する代物だ。それを今まさに撃ちだしている。
こいつは回避が間に合わないと悟ったのだろう、右手に握り締められたブレードで叩き斬ろうとしている。もちろんそんな事させるわけが無い、私はワイヤーを引っ張りあいつの右腕の動きを止めた。
そして弾丸が直撃―――しなかった。
「お待たせ!」
ガギンッ!と重い音を響かせてフランスの操縦者が盾でそれを防いだのだ。そして直ぐに私のワイヤーを切断、あいつの腕を引いてその場から離脱していった。
「シャルル、助かったぜ。ありがとよ」
「どういたしまして」
「千春は?」
「ちょっとお休み中」
そう言って地上に視線を向けるシャルルに従って俺もそちらをみる。アリーナの隅では機体から煙が出ており再起動中と表示されている、千春はどこか苦しそうに膝をついていた。
「なにがあったんだ?」
「ISに装備してあった電流が流れるグレネードを当てたんだ、そしたら急に機体各部から煙が上がって―――」
「まあいいやこれで人数有利なことには変わりないからな」
シャルルは何か言いたそうな表情を浮かべるものの、両手に持っていたアサルトライフルを捨てて新たな武装を呼び出す。ショットガンとマシンガンだな。
「千春さんがいつ復帰してくるかわからないよ!」
「それまでに俺たちのコンビネーションであいつを倒すぞ!」
どうしよう。確実に僕では彼に勝つことが出来ない、二人で攻め込めればなんとかなるかもしれないけどそれはあっちも同じだろう。無謀にも織斑君はボーデヴィッヒさんに突撃している、はやくあっちに援護しに行かないと。
「あいつが気になるのか?」
「無謀すぎて頭が痛くなってくるよ!」
僕と千春さんはお互いの刃をぶつけ合っていた、時には零距離からの射撃を行い距離をとる。これは
ちなみにこの戦法は『
なかなかいい戦法を取って来るな、正直俺が苦手な相手だ。ここまでしっかりと戦法があるとやりずらくて仕方が無い。
『お前が勝ったら俺にどんな命令をするんだ?』
ふと気になったので聞いてみる、たぶんデートとかお出かけなんだろうけど。
『いろいろです、たとえばデートとか~それからホテルに―――』
デートって……俺と付き合ってないだろうが。デートってまず付き合うところから始まるんじゃないのか?それともデートしてから付き合うのか?まあどちらにしろ俺よりもいい人に出会えると思うから、お付き合いまでは発展しないだろうな。
『デュノア。そこまでする必要はないと思うが?それに万が一ということもあるだろ、俺よりもやさしくてイケメンで貴女を大切にしてくれる人はいるはずだ。今急がなくても問題ない』
『えっ何で急に……』
『まぁ、デュノアが望み続けるのであれば……叶うのかもな!』
そうして俺は
大体わかってはいたが、まさかここまでだとは思わなかった。俺は彼女に応えられるほどの器を持ってはいない、それはこれからも変わらないだろう。そう思い悩んでいた時。
「千春さん、勝負は少しお預けさせてもらうね!」
そういって突然彼女がこちらに何かを投げてきた、筒状の物体……おそらくグレネードだろう。だがそんなものを黙って食らうほど俺は甘くない。刃でグレネードを破壊する。その瞬間俺の体に電撃が走る。もしかしてこれはフェイクなのか?そう思い彼女のほうを見ると手に別タイプのグレネードが握られていた。
「電撃グレネード……そんなものまであったのか」
俺の体に直接電撃が流れた為、地上に脚をつけてしまう。こういったエネルギー系は搭乗者の俺に直撃する、まぁ物理的なものも俺に来るんだけどな。これだけは回避するすべを考えておいた方がよかったな。
「千春さんの機体特性を利用しました、ごめんなさい……千春さんにもダメージが伝わるのはなんとなく分かっていたんですけど、一旦引かせるにはこの手しかなくって」
「くっ……さっさと助けにいってやれ。俺は少し休憩している、機体も少し不味いみたいだからな」
よく見ると機体の各部から煙が上がっている、回路系統に問題が起きたのかそれとも別の何かが起きているのか。よくわからないけど今は織斑くんを救わないと!
まいったな、身体のダメージもあるが機体の回路がやられてる。これは緊急で処理しないとな……それまで耐えてくれよラウラ。今更だが今回俺が使用しているのは束から送られてきたデータの中にあった名前の無い薙刀だ。そう簪が使っているのを見たら使いたくなってしまったと言うことだ、だって格好良かったんだ。色々と言われそうだが俺は気にしないことにしよう。それより今はラウラとVTシステムか。いやそれにしても遊びすぎたな!