インフィニット・ストラトス 最強と天才の幼馴染 (更新終了) 作:灰崎 快人
翌日、俺は整備室の床から体を上げる。ふかふかのベットで寝ていないだけで体はバキバキだ、それにシャワーも浴びていないから臭いがひどいな……しっかりシャワー浴びないと臭い取れそうにないな。
「さてそんなことは置いておいて、黒式の修理始めるか!」
黒式の状態を見てみよう、損傷部分は腕アーマー、脚部アーマー、リアアーマー、そしてスラスターだ。幸いなことに装備は腐るほど予備がある、だが装甲だけは限りがあり損傷した部分によっては修復不可能まで達してしまっていた。下手に処分するわけにも行かないので完全に溶鉱炉で溶かした、そうすればなにも問題ないだろう。
「ISとIDでは装甲の大きさが異なるな、ならばその通りに作り変えてしまおう。レーゲンの装備は……オミットでいいかな」
AICは正直扱いづらいしプラズマ手刀を搭載するとワイヤーが使えなくなる。大型スラスターにはレールガンが搭載されているが、使ってみた感想としては装填が異常に遅い。束から送られてきたものよりは扱いやすいのかも知れないが、手持ち武器に作り変えたほうが扱いやすくなるだろう。いやでも固定させたほうがいいのか?まあいいだろう。
「装甲の最適化、装備の改良……時間かかるかもしれないな」
正直言って昨日より掛かるかもしれない。最適な形に形成するのには時間はかからないが、システムの構築には時間がかかるだろう。それに最適化を完了させるための時間がかかる、かといって適当にしたら被害がすごいからな。しっかりと完成させよう。
「さて!はじめますか!」
俺はレーゲンの予備パーツを使い黒式の修理を始めた。
ISの修理に時間を割いているせいで、黒神さんと話せませんわ……それに近日見かけませんし。どこにいらっしゃるのでしょうか?休日とはいえここまで見かけないのはおかしいですわね。シャルロットさんに伺ってみましたが彼女もどこにいるかわからないみたいですし。他に伺ってもわからないかもしれませんね。後行っていないところは整備室くらいでしょうか?そういえば黒神さんの機体が大破していましたわね、もしかしたら修理しているのでしょうか?
「これは確かめるしかありませんわね」
私は黒神さんに会いに私は整備室へと走り出した。
このところ千春さんと話せてない、それは一夏とも話せてないけど……千春さんにはあれを止めてくれたことを感謝しないと私の面子が立たない。早く千春さんに会いたいんだけどどこにいるか見当もつかない。私二組だからあまり話せる機会がないのよね、だからこうして話せる機会を作らないと卒業までこのままかもしれないし。
「とにかく手当たり次第に探すわよ!千春さんといえば!」
千春さんがいそうな場所……教室と整備室?
「とりあえず整備室から行ってみようかしら?」
私は千春さんに感謝の気持ちを伝えるために走り出した。
さてとりあえず形としては問題なさそうだ、だがスラスターを大型に換装したせいで当たり判定が大きくなってしまったな。基本的な黒式の装甲も作って置かないとだめかもしれない、レーゲンの装甲で作ったパーツを全てパッケージにするというのも手かもしれない。「Kパッケージ」か「Tパッケージ」や「Rパッケージ」、「Sパッケージ」……試作品は多くデータを取れたほうがいいからな。これから先が楽しみだ。
「目に見えない衝撃弾、無線式ビット、大容量の追加装備、パイルバンカー、AIC……いや誰にも扱えなくなるかもしれないからやめよう」
それぞれ特性のある機体だからこそ面白いのだ、全部乗せはロマンでピーキー過ぎる。そんなもの必要ないだろう。
「造るんだったら近中遠距離全てに対応できる機体を作りたいな~」
まぁそれだけの機体を造るほどのセンスは生憎持ち合わせていないわけだが。
「千春さん!」
どこからか声をかけられた、視線を移してみると肩で息をしている凰の姿があった。ここまで走ってきたのか?それにしてもなぜ俺に?
「どうした凰、珍しいこともあるものだな」
「千春さんにお礼をしっかり言いたくて!」
「お礼?」
お礼など言われることをした覚えはないのだが?無自覚のうちに何かしただろうか?
「アタシとセシリアをあの暴君から助けてくれたこと、まだしっかりお礼言えていなかったから」
あぁラウラのことか。あれは必要以上の犠牲を出さないための最低限の行動だったと思う、それ以外にも何かできることはあったのかもしれないけどな。ライフルを展開して狙い撃つのは今考えれば外した時のリスクが大きかったかもしれない、威嚇射撃ということにも出来たかもしれないが……あのレールガンを阻止できただけ良しとしよう。
「問題ない。謝らなければいけないのはこちらの方だ、俺たちの教育がもう少しまともだったら……あんなことにはならなかったかもしれない」
「それでも阻止してくれただけ感謝するわよ!ありがとう」
凰がそう言うのであれば素直に言葉を受け取ることとしよう。しかしそれだけのためにここまで来たのか、流石の行動力だな。
「黒神さん!」
「セシリア?」
整備室の扉が開かれそこからセシリアが入室してくる、セシリアまでここに来るなんて……もしかして知らないだけで二人ともここに足を多く運んでいるのか?
「セシリアもどうした?」
「黒神さんに感謝しなくてはいけないと思いまして」
「ラウラの件か?なら問題ない。気にするな」
「ですが……」
「俺が気にするなといっているんだ、大丈夫だから。な?」
「―――わかりました」
二人とも根はしっかりとしているから有難い、織斑もこうして立派な男として育ってほしいものだな。いや傍観しているだけでは駄目だ、しっかりと向き合いぶつかり合わなければ伝わらないこともあるのだから。
「二人とも機体の修理は終わっているのか?」
「まだ細かいのは終わってないです。模擬、実践を経験して細かいのを直したいところではあるけど……」
「体が鈍ってしまっているかもしれませんし、ある程度取り戻したいですわね」
二人とも復帰してから間もないが機体はまだ不完全か、気持ちはわかるがISの成長には必要だな。
「俺の機体も今仕上がったところだ、良ければ模擬戦してもらえないだろうか?」
「構いませんわ」
「もちろん大丈夫よ」
「じゃあ二対一でよろしくな、手加減は……互いに必要ないだろう?」
全力でやったほうが取り戻せるというものだ。二対一と聞いて二人が「二人のほうか」と呟いた、もちろん一人になるのは俺のほうだ。改修型とはいえ未知数だからな、使ってみて他にも策が思いつくかもしれない。
「では……準備はいいかな?」
「「問題ありませんわ!」ないわよ!」
「このくらいかな?ある程度データも取れたから助かるよ」
「それはこっちもよ、おかげで設定も完全にすることができたし」
「ビットの感度も終わりましたわね、これならいつでも前線に出れそうですわね」
前線……まぁ確かにISは兵器として扱われているからな、その例えはあながち間違いではないかもしれない。ただその状態は束が望んだものではない。
黒式・Rパッケージはレーゲンの大型スラスターにより推進力などが向上したが、その分運動性が低下してしまっている。出力を抑えるか……あとはレールガンだが、小型化したとはいえリチャージに時間がかかる。ライフルと似たようなものになってしまった、はっきり言ってしまえばそんな武装は二つもいらない。さらに言ってしまえばライフルのほうが出力調整もできるので使い勝手がいい、完全に使いどころのない装備になってしまった。
「二人とも感謝するよ」
「「こちらこそ!」」
これでレーゲン、黒式、甲龍、ティアーズの修理が終わった。これで全ての処理が終わった、次の月からは臨海学校が始まる。しっかりと準備しておかなければいけないな……千冬に何が必要かだけ聞いておくとしよう。それにしても何か忘れているような?学生といえばのことだった気がしたのだが、なんだったかな?
「あっ……来月からテストだ」
「「忘れてた!」ましたわ!」
あぁ二人も忘れてたのか……これは早く勉強しないとな!