インフィニット・ストラトス 最強と天才の幼馴染 (更新終了) 作:灰崎 快人
「あれ?千春さん?」
「副教官!」
水着売り場に入るとそこにはシャルロットとラウラが水着を手にしていた。どうやら二人も水着を新調しにきたようだな。
「二人とも偶然だな、臨海学校の準備か?」
「はい、千春さんはどうしてここに?ここは女性用ですよ?」
「俺は付き添い。ここに来た理由はあそこにいる二人を連れてくるため」
そう言って後ろを指差す、そこには水着を選んでいる千冬と山田先生の姿があった。彼女たちを見たときシャルロットが少し不満げな表情を見せたが、何か気に入らなかっただろうか?
「教官とご一緒でしたか、ということは副教官も水着を?」
「あぁ、正直買う理由はあまりなかったんだがな。海辺で水着でないのは目立つと言われたんだ、だから仕方なくということだ」
水着でなくとも濡れていい服装であれば構わないと思っていたのだが、どうもそれは彼女たちが許さないようだった。何故かって?俺が知るわけないだろう
「そうでしたか」
それにしても二人の水着を選ぶことになってしまうとは……これは難しいぞ。千冬は黒がぴったりだと思うんだが山田先生は本当にどうしたものか?二人とも水着を漁って自分に合いそうなものを探しているな、さてと俺も二人にぴったりなのを探してみるか。
とは言うものの、女性物売りばだから目立つ目立つ。回りの女性がすぐに気がつくと共に不敵な笑みを浮かべていた。
「そこのあなた」
話しかけられたがこう言ったものには一切手を出さないのが先決だ、というか女尊男卑に染まったやつとはあまり話したくもない。
「男のあなたに言ってるのよ!」
俺は男ではあるが「あなた」という名前ではない、それに男ならば織斑もいるみたいだしな。そっちかもしれないし俺は応えるのは控えるとしよう。
「ちょっと!」
そう言って女が俺の肩を叩く。あぁめんどくさいのに絡まれた。
「なんですか」
「さっきから私のこと無視して!ふざけるの!?」
ふざけていない、面倒だから応えないだけだ。お前みたいなやつに時間を使う必要がどこにある?いやそんな必要はない時間の無駄だ。
「それでなんですか?」
「そこの水着、片付けておいて!」
「は?嫌ですよ、なんで貴女みたいな人の言葉を聞かなくてはいけないんですか?時間の無駄なんですよ、さっさと自分でやれ」
少々口が悪くなってしまったが問題ないだろう、この程度言われて当然だと思うのが普通ではないのだろうか?そもそもこの社会が起きた原因はISにあるのだが、そのISは数が限られいている。つまりISを扱えるのは極僅かであり、一般人には無用なものであるということだ。それをどういうことか拡大解釈したのがこの社会、この世界だからな……くそくらえ
「そんなこと言うの?自分の立場をわかっていないようね?」
「少なくともお前よりは高い地位だろうな」
女性客は警備員を呼び出し、俺に『いきなり暴力を振るわれた』などと言い出した。警備員が俺を連れて行こうとするが、千冬が『私の連れだ』と言った途端職場へと戻っていった。俺の連れがあの織斑千冬であったことにこの馬鹿女も戸惑っていたが、ぶつぶつ言いながら立ち去っていった。もう二度と会いたくないタイプだな。
「全くお前ってやつは……」
「何だよ、別に俺何もしていないからな?」
「それはそうだがな?」
俺は悪くねぇ!俺は悪くねぇ!自分にそう言い聞かせ彼女の水着選びを再開した。千冬にはスポーティーな黒水着を、山田先生には紐で固定する緑色の水着を手渡した。千冬にはやっぱり黒が似合うと思うし、山田先生には緑というイメージがある為この水着を選ばさせていただいた。勿論彼女たちがこれを拒むのであらば彼女たちに任せるとしよう、俺のセンスに任せたのが悪いからな。
「とりあえずこれが似合うかと、サイズはわからないが」
「ありがとうございます黒神さん、ちょっと試着してきますね~」
山田先生が先に試着室へと入っていった、千冬は水着を少し眺め試着室に入ろうとはしなかった。やっぱりセンスが悪かっただろうか?それとも純粋に気に入らなかったか?不安そうな俺の表情を見た彼女はこちらをまっすぐ見てきた。
「この水着を選んだ理由は?」
「千冬に似合いそうだと思ったからだが?」
「何故似合うと思った?」
それを俺に言わせるつもりか!?無理に決まっているだろう……言うのであればまず千冬の下着などが黒だからとか、普通の水着では千冬の魅力が伝わらないと思ったのでこれを選択した理由がある。正直白い水着とも迷ったが、やっぱり黒のほうが似合うと思ったのでこのチョイスにさせて貰った。
「なるほど」
うんもう心読まれているよね勝てる分けないよね。何考えようが彼女には筒抜けだ……プライバシーも糞もない
「身体に合うかどうかだけ確認させて貰う、お前が選んでくれたものだからな」
そう言って彼女は試着室へと消えていった、全く相変わらず心を読まれるのは見透かされているようで気味が悪い。
私は今から千春が選び渡してきた水着を手に試着室へと入っている。私の考えとしてはもう少し控えめ、または派手めな水着を選んでくるかと思ったが……そんなことはなかったようだ。彼なりに私に配慮して選んでくれたようだ、それは山田君も同様かな?いや私のほうが上だろう。山田君にも私にも配慮してくれているあたり彼の優しさがにじみ出ているな。心の声は表情を見ればすぐにわかってしまうがな。
「ふむ……ぴったりだ、私のことを知り尽くしていたか?」
いや確か私が水着を探しているところを目撃していたな、そこでサイズを知ったか。それ以外で知っていたのであれば聞きだしてやる。
「千春、そばにいるか?」
「一応いるぞ」
試着室の外で待っている千春に声をかける、似合っているかどうか確認をしてほしかったが……流石に恥ずかしいな。この姿を披露するのは臨海学校当日と言うことにしよう、その方が期待度も高まる。
「そうか、山田君は?」
「もう試着室から出て会計済みだぞ」
どうやら彼女は既に買い物を終わらせてしまっていたようだ、私も早く終わらせなくてはいけないな。この後三人で食事をして満喫した後、バーへと行く予定だからな。あいつは酒が飲めん、だから行き返りはあいつに任せてこの僅かな休日を満喫させて貰うとしよう。
「わかった、千春は山田君と先に店を出ていて待っていろ」
「了解」
私が彼の選んだ水着を気に入ったとはあまり知られたくないからな、こっそりと試着室から出た私は水着を購入して彼らが待つであろう場所へと移動した。
「あれ?千冬姉、水着買いに来てたんだ」
「新調する必要があったからな、それでお前は何をしている?」
「箒たちと買い物だよ。「付き合ってくれ」って言ったらすんなり受けてくれてさ」
全くこいつは……あいつらを勘違いさせるような言葉を選びやすいものだな、その辺もう少しどうにかならないものなのか?ただでさえ昔から被害が出ていると言うのに、今でもこのような対応ましてや学園に二人だけの存在の男性。拡大解釈されても仕方がないだろう。こいつの後ろでため息をついている箒と凰の姿が目に映る、もう少しは乙女心を一から理解してほしいものだ。
「まぁいい、とりあえずお前がそれでいいのであれば構わないがな」
「千冬姉はこれからどこかに行くのか?」
あいつと一緒に来たと言うことは知られていないようだな、まぁそれはそれでいいのだががはっきり言って知られたくはないな。
「あぁ、お前はどうする?」
「俺はもう少しあいつらと一緒にいるよ、何か買うかもしれないし」
そうだな、こいつにはあいつらのことを深く知ってもらう必要があるからな。時間をかけなければならないだろう。もっともそれは私たちにも言えることなのかもしれないがな。
その後、私は彼の元に戻りゲームセンターのパンチングマシーンで勝負した。
結果は五分というところだった、意外だったのは山田先生が100点を取れたことだろうか。クレーンゲームもした、そこで千春のぬいぐるみを見つけたが本人は「許可は出していない」とのことだった。あとで苦情がいくだろうが、こっそりとそれを回収して宝物にしたのはまた別の話だ。