インフィニット・ストラトス 最強と天才の幼馴染 (更新終了)   作:灰崎 快人

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青い海!白い砂浜!「七月」
臨海学校


「海が見えたっ!」

 

トンネルを抜けたところでバスの中にいる女子が声を上げる。

今日は臨海学校初日、天候は恵まれて無事晴天だった。こうでなければ折角新調した水着が無駄になってしまうからな。有り難味を感じながら心地よい潮風にあおられていた。

 

「晴れてよかったな、これなら海でのんびり出来そうだ」

 

「そうですね!」

 

隣に座っている山田先生もゆったりとこの臨海学校を楽しみにしていたようだ、気持ちは分からなくもないがしっかり教師として立場を考えなくてはな。

 

「そういえば千春さんはどうしたんですか?バスには乗っていませんでしたけど……」

 

「バスの乗車人数が千春を入れると超えてしまったんだ、だからあいつには自家用の車で移動してもらう事にした。案外すんなり受け入れてくれたときは驚いたがな。」

 

正直申し訳ないと思うが、簡単に済ませるにはこれしかなかった。バスの後ろでは千春の愛車である「ハチロク」と呼ばれる車が走っている、この道はあまり車通りがない為はぐれる事はまずないだろう。

 

「でもそれを聞いた子達が、千春さんの車に同乗しようとしてましたね~」

 

「全く馬鹿者共が、そんなこと許すわけないだろうに……私だって我慢したのだから」

 

「織斑先生、本音が駄々漏れですよ」

 

おっと済まなかったな山田君、しかしこれは事実だ。二人っきりの空間で思い出話をしたいじゃないか。これくらいは許してほしかったな。

 

「そろそろ目的地に着く。全員ちゃんと席に座れ」

 

落ち着きない生徒たちを席に座らせ、バスが旅館に着くのを待った。

 


 

まさかバス四台あって一台も乗り込むことが出来ないとは思わなかったな。まぁもともと俺と織斑は居ないはずだからな、それは計画に狂いが出ても仕方がないだろう。前日の買い物から車を連続で走らせることになるとは思いもしなかったが、愛車と共に遠くに出かけるのは悪くはないな。気分転換にもなる。

 

「だが車の中に荷物を置いていったことは許さんぞ千冬!」

 

俺の車に勝手に荷物入れやがって、山田先生も苦笑いしていたぞ?しかもそのあと助手席に乗ろうとしていたな。これは山田先生が止めてくれたから良かったが……あまりこういったことを生徒の目の前ですべきことではないと思うぞ。

 

「それにしても随分と大きい荷物だな、人一人入れるくらいの大きさのバックだぞ?」

 

こんなに荷物が必要だとは思えない。二泊三日、たったこれだけだ。いや昔の修学旅行だな……臨海学校だけでも二泊三日は羨ましいものだ。とは言うものの一日目を過ぎて二日目になってしまえばISの装備試験だから実際にのんびり出来るのは一日だけだな。

 

「まぁ俺の目的は二日目にあるからな……楽しみだ」

 

そうして車を走らせていると目的地である旅館前に到着した、バスの駐車場と普通車の駐車場が少し異なる為離れてしまった。千冬と俺の荷物を持って旅館へと移動すると、四台のバスからIS学園の一年生がわらわらと出てきた。こう見るとやっぱり人数多いな……

 


 

「それでは、ここが今日から三日間お世話になる花月(かげつ)荘だ。全員、従業員の仕事を増やさないように注意しろ」

 

「「「よろしくおねがいします!」」」

 

千冬の言葉の後、一年生全員が挨拶をした。花月荘、毎年この旅館にはお世話になっているらしい。着物姿の女将さんが丁寧にお辞儀をした。

 

「今年の一年生も元気があってよろしいですね」

 

歳は俺より少し上だな、しっかりとした女将さんという雰囲気がしっかり出ている。仕事柄笑顔を絶やさずにしっかりとお勤めしている。

 

「あら、こちらが噂の?」

 

織斑と目があったようで千冬に訪ねていた。やはり織斑の知名度は広いようだな。

 

「ええ、まぁそうです。今年は二人男子がいるせいで浴場分けが難しくなってしまって申し訳ありません」

 

「いえいえ、いい男の子じゃありませんか。しっかりしていそうな感じで」

 

「感じがするだけですよ」

 

酷いな、実の弟をもう少しちゃんと見てやれ。少しはちゃんと成長しているからね?あのときのテストでは少々頭がクラッシュしてしまったが、よくよく考えてしまえば幼いころ俺と千冬で勉強を教えていたな。だからある程度の知識は持っていて当然だった。原因はISについての情報が多すぎて頭が暴発してしまったことだろう。

 

「不出来の弟でご迷惑をおかけします」

 

「織斑先生ったら、弟さんには随分と厳しいんですね」

 

「日々手を焼かされているので」

 

「それでそちらの男性は?もしかして彼氏さん?」

 

彼氏ではない。一応このIS学園一年生だ、24歳だが……学生なんだ。

 

「黒神千春です、千冬がお世話になっています」

 

「お前は保護者か。彼は二人目の男性操縦者で私の幼馴染です」

 

「なるぼど~よく話に出てくる気になる彼ですか」

 

なにそれ聞いたことない。千冬は俺のことを話していたりするのか?あとで山田先生にも聞いてみるとしよう。

 

「それしゃあ皆さん、お部屋の方にどうぞ。海に行かれる方は別館の方で着替えられるようになっていますので、そちらをご利用なさってください。場所が分からなければいつでも従業員にお聞きください」

女子一同は返事をした後、すぐさま旅館の中へと向かっていった。とりあえず荷物を置いていかないことには海を楽しめないからな。

 

ちなみに現在時刻は11時。ここまで来るのに時間がかかってしまったが皆お腹のほうは大丈夫だろうか?食事は旅館の食堂にて各自とるようにとの事なのだが、俺はここに来るまでに車の中でおにぎりを頬張っていたのでお腹は減っていない。

 

「あっ、クロさん~」

 

この呼び方をするのは本音だな。振り向くと重たそうな荷物を持ちながらゆっくりと近づいてきた、荷物を一回置けって……いや置いたとしても日常生活からゆっくりか。

 

「クロさんの部屋ってどこなんですか~?一覧に名前が書いてなかったので~」

 

そういえばしおりに名前書いてなかったな。それは織斑もそうだったが、実際どこなのか俺は知らされていない。それに周りにいた女子が一斉に聞き耳を立てていた。わかりやすいな。さっきまでにぎやかだったのに急に静かになったからな。

 

「俺も知らない。もしかしたら書き忘れなのか、それとも車中泊かもしれないな」

 

「車の中で寝るの~?じゃあお邪魔しよう~」

 

いやこの夏に車中泊はきついぞ、夜は少し寒いし起きたら起きたで熱いからな?それに蚊に刺されるからな!マジで蚊だけはきつい!

まぁそれは冗談で、どうやら俺の部屋は別で用意されているらしい。らしいというのは山田先生にそう伝えられえたからだ、伝えられただけであり明確な場所は一切教えてもらっていない。

 

「黒神、織斑お前たちの部屋はこっちだ。ついてこい」

 

どうやら織斑と同じ部屋のようだな、まぁそれが妥当だろう。本音に「またあとで」と伝えて千冬の後を追った。

 

「千冬姉、俺の部屋ってどこなんだ?」

 

「黙ってついて来い、それと織斑先生だ」

 

相変わらずだ。旅館の中はとてもきれいで広かった。一学年全員を丸々収容できるな、内装は歴史のある旅館と言う感じだが装飾と最新設備が融合していた。本当にしっかりとした旅館だ、長旅で疲れたときによれば疲れもあっという間に取れるかもしれない。

 

「織斑はここだ、黒神はその隣の部屋だ」

 

その部屋のドアには「教員室」とかかれた紙が張られていた。

 

「え?千春と同じ部屋じゃないのか?」

 

てっきり織斑と同じ部屋だと思っていたがそうではないらしい、いや本当になんで?男子同士なら問題はないだろうに。

 

「最初はそうしようと考えていたのだが、それだと絶対に就寝時間を無視した女子が押しかけて来るだろうということになってな」

 

千冬がため息をついてしまっている、かなりの策を練ったのだろう。まさか男子のみの部屋が駄目になるとは思わなかったが、個室であっても代わりはしなかったのだろう。ならば教員がいる部屋ならば押しかけてくることもないだろうと言うことだろう。

 

「その通りだ」

 

「ナチュラルに心読むな」

 

山田先生のほうには何人か行きそうだけどな……大丈夫だろうか?

 

「織斑の方は山田先生、黒神の方には私が入る。文句は言うなよ」

 

「「はい」」

 

部屋の中は二人部屋用だというのには広々とした間取りになっていた、外側の壁が一面窓になっていてそこから綺麗な青い海を見渡すことが出来る。これなら日の出もしっかりと見えるだろう。ISの過程を撮るためだけのカメラを持ってきて正解だった。

 

「凄いな……」

 

それ以外にもトイレやセパレート型のバス、洗面台までも専用の個室となっている。IS学園の寮より質がいい。当たり前か。

 

「大浴場も使えるが男のお前は時間交替だ。本来なら男女別になっているが、何せ人数が人数一学年全員だからな。男二人のために残りの全員が窮屈な思いをするはおかしいだろう?よって一部の時間のみ使用可能だ。深夜や早朝に入りたければこの部屋のを使え」

 

いやそれだったら男子はセパレートだけでよかったんじゃないか?それなら問題なかったと思うが……

 

「さて、今日は一日自由時間だ。荷物を置いて好きにしろ」

 

「千冬は?」

 

「私は他の先生方との連絡なり色々とあるからな、合流するのは少し跡になる」

 

なんだ、ちゃんと海で遊ぶのか。買い物に行ったときには泳がないと言っていたのに……

 

「お前が選んでくれたんだ、着なければ失礼だろ?」

 

あぁあの水着買ったのか、気に入ったのか?

 

「うるさい」

 

全く……心読むなよな?さとり妖怪じゃないんだから

 

コンコン。と部屋の扉がノックされた、山田先生だろう

 

「織斑先生、ちょっとよろしいですか?」

 

「えぇどうぞ」

 

山田先生が入ってくるのと入れ替わりで俺は部屋を出て行く、教員同士の話に生徒である俺はいないほうが良いからな。さて水着とタオル、変えの下着を小さなサックに入れて更衣室へと移動した。

海ではしゃげるのも久しぶりだからな!全力で楽しむとするか!

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