インフィニット・ストラトス 最強と天才の幼馴染 (更新終了) 作:灰崎 快人
三日目。今日から千冬とのトレーニングが始まる……がその前にやっておかなければならないことがある、それは何かというと―――
「何でまた下着で寝てるんだよ、そこまで気を許してるのか?それとも単純に学習能力がないのか?」
下着姿で寝ている織斑千冬の目を覚まさせ、説教を喰らわせるということだ。本当にコイツは直す気があるのだろうか?本当に俺が千冬と籍を入れることになりそうだ……
「起きろ!もう朝だぞ、この痴女が!」
「誰が痴女だぁ!!!」
「おまえじゃあぁぁ!!!」
1つのベッドに男女二人って良く聞くけど、女のほうが脱いでて男の方が真面目なのってあまり聞いた事無いよね(偏見かもしれない)。千冬に説教を喰らわした俺はIS学園の指定ジャージに着替える。ジャージが配布されているのはありがたい、デザインとしては白と黒を基本としていて腕と脚に沿って赤いラインが入っている。千冬のジャージは白を基本としており一部に黒いラインが入っている。指定ジャージとか言う割にはデザイン結構あるんだな。
「全く……さっさと着替えて軽くランニングしに行くか」
着替えを終え部屋を後にしグラウンドへと移動する、早朝ということもあるが部活動をし始めている生徒が数名見られる程度だ。この学園では部活動も盛んに行われているためIS以外でも活躍の場がある、だがほとんどの生徒はISの道を歩んでいく。操縦者でなくても整備士などで活躍が出来るが、基本的には男性が整備士を勤めることが多い。力仕事や面倒ごとは男性が行うというのが今の社会の現状だ。
「最初はグラウンドを十周するぞ。それから腕立て伏せ100回、上体起こし100回、スクワット100回、そして最後に私と組み手をしてもらう」
軽くストレッチを行いつつも話を進めていく、ジャージ姿の千冬に目を移してみるときれいな身体のラインがジャージへと浮き出ている。いやらしい目で見ていたのがバレたのか少し睨まれた。悪かったってば。
「了解、グラウンド十周か……この学園のグラウンドって一周何kmだ?」
「大体だが一周25kmだな」
話を進めながらもグラウンドを周回し始める、はじめは軽くウォーキングをしつつも少しずつ走る速度を上げていく。
「250kmか……それは流石に厳しいな。五周にしてくれ。それで組み手の内容はどうする?回避型か?それとも攻めなどの戦術を練る感じか?」
実際千冬との組み手はかなりいいものである。どうすれば相手に有効打を与えられるのか、どう立ち回れば良いかなどを検証できる。相手は世界最強、こちらの考えが手に取るかのように戦術を仕掛けてくる。組み手の相手としては良いが敵には回したくない相手である。
「そうだな……時間によるな、汗かいたまま授業に出るのは嫌だろう?ならシャワーを浴びる時間も必要だからな」
「まぁ汗かいたまま授業に出るのは嫌だな。それにしても周囲の視線がきついな、人気者の隣に居ることがここまできついとはね」
千冬自身が毎朝行っていることもあってか見に来る生徒が後を絶たないらしい、本来この時間は部活動を行う時間であるのだがこっそり抜け出して見に来るそうだ。隠れているつもりなのだろうが千冬には全てばれている状態だ、黙っていてくれているだけありがたいのかもしれないな。
「まぁ私の影響もあるが、お前の影響もあるんじゃないか?そこらに居る小娘の話に耳を傾けてみろ」
そう言われたため物陰からこっそりと見ている三人組へと耳を傾けてみる、盗み聞きは得意なんでな。
「隣で走ってる男の人が織斑先生の幼馴染?」
「なかなかかっこいいわね!」
「そう?それにしても織斑先生の隣に居られるなんて……」
「「「うらやましい~~!!!」」」
俺のことも話しているみたいだな、それにしてもかっこいいか~照れるな。昔はそんなこと言われたことも無いからな……何故か隣に居る千冬に睨まれている。どうしてだ?少し走っていると木の影からこちらを睨んでいる四人組みの生徒の姿が見えた、さっきのグループとは空気感が違うな。千冬の表情が一変したのもあのグループが原因か?あそこにも耳を傾けてみるとしよう。
「ふーんあれが千冬様の幼馴染ね~?」
「あんなのが千冬様と隣に居るなんて……理解できないわね」
「あんな男ごときが私たちよりも勝っているとは思えないわ。何かあるのかしらね?」
「幼馴染ということを利用して傍に居るのかもしれないわね?何も出来ないのかもしれないし」
「それよそれ!どうせISを動かせてもそこまで実力がないから千冬様に土下座して頼んだに違いないわ!」
「「「「あははははははは!」」」」
どうやらこの学園も女尊男卑が広まっているようだ、まぁISの実力もそこまでないからあながち間違いではないではないんだよな。それにしても俺と千冬が幼馴染ってこと何処でばれ……そう言えば食堂で幼馴染だってこと話したら大声でばらされたな。それが原因か。
「全く……やはりお前からだったか、私とお前が幼馴染ということはそこまで知られないと思っていたが。本人が話していてはな」
そうそうこう簡単に千冬は人の心を読んでくる、何故か俺と束だけと限定されているのだがな。
「まぁそこまで気にしなくていいだろ、たかが幼馴染なんだから」
すると千冬が背後から殴ってきた、その顔はとても不満そうであった。幼馴染だけでは不満なのか?
「何だよ、怒ってるのか?それとも幼馴染としてもっと意識して欲しかったのか?」
「……うるさい馬鹿者」
そう言って走るペースを上げた、少しずつ差が開いていく……流石に追いつけなくなってきたな、やはりブランクがあった分きついものがあるな。
「はぁはぁ……流石に疲れたな、昔のようには行かないか」
「何をしている、次は腕立て伏せだぞ。ちなみに私が上に乗るからな」
「マジか、ちなみに千冬は何kgだ?」
その言葉を口に出した瞬間、千冬の背後から阿修羅のようなものが浮かび上がった。どうやらとんでもないことを言ってしまったらしい。
「よし、今から重り背負ってくるから待っていろ」
背後に阿修羅がしっかりと見える……風塵雷神も見える見える、あと何故か束が黒い笑みを浮かべているのが見える。なんでだ、束にはなにも言っていないだろうに。
「悪かった、勘弁してくれ」
だがしかし千冬は20kg重りを背負って乗ってきた……二度と体重の話はしないと心に強く誓ったのだった。それから上体起こし100回、スクワット100回を終えた頃時刻は既に8時を過ぎていた。
「最後は私との組み手だ……と言いたいところだが、残念なことに時間間近だ。今日はここまでにしておこう」
「これがあと二週間続くのか……まぁ少しは鍛えられるよな」
嘘です、正直言ってかなり身体にガタが来てます……しんどい。
「ほら、流石にきつかったのだろう?」
そう言って手を差し出してくる、流石にばれてるよな。ここは素直に甘えておくとしますかね。
「それにしてもよく分かるよな、俺の事とか束の事とか……何も言っていないのに」
「当たり前だ、私はお前たちの幼馴染なんだぞ?これくらい分かって当然だ」
当然なのかな……それはよくわからないが千冬が言うのであればそうなのかもしれないな。
「……そっか」
千冬の肩を借りて自室へと戻る。距離が近いから千冬の匂いがする、少し甘いようなそんな感じの匂いだ。ちょっと汗臭いということもあるが、それでも千冬独特の匂いがしっかりと伝わっていた。
「へんなこと考えるな馬鹿者」
「ごめん、なんか意識しちゃってね」
やっぱり心は読まれるよな、無心になるのが一番だな……
「シャワーを浴びたら食堂で飯を食え、軽く食べる程度なら間に合うぞ」
「あぁ、千冬はどうするんだ?シャワーも浴びるんだろ?」
「あぁお前が食事を取っているうちにシャワーを頂くとしよう。食事に関しては問題ない、昼に沢山食べるからな」
「そっか……」
一気に食べると太るぞ?っと思ったが再び地獄を拝みたくない俺は、心を殺してその考えを押しつぶした。
結局朝食に間に合わずに授業に出ることになったよ、シャワーは浴びれたけど部屋に戻る時間が遅すぎた。そういえば部屋に戻るときに穴だらけのドアの部屋があったがあれは何があったんだろうな?織斑と篠ノ之の雰囲気もどういうわけか悪いし……まるで昔の千冬と束を見ているかのようだったよ。
2週間分のトレーニングは過ぎたことにします。
なぜ過ぎたことにするかと言うとそこまで技術がないからです()