インフィニット・ストラトス 最強と天才の幼馴染 (更新終了) 作:灰崎 快人
「デュノア!」
「わかってます!」
こちらを確認した福音は真っ先に向かってくる。無機物なのにもかかわらずその行動からは殺意を感じ取ることが出来る、やっぱり俺を殺すつもりだな。
全員戦闘続行は可能そうではあるが問題は白式だ。アレにばかり頼るわけにも行かないがアレしか対抗手段を持っていない、そして紅椿は未だに全力を発揮できていないようだ。あいつの単一仕様能力はぶっ壊れだった気がしたが、それすら発動していないように見える。本当は紅椿を利用する算段だったがやはり計画は狂ってしまうものだった。
「簪!ミサイルでかく乱してやれ!」
「はい!」
簪の搭乗している打鉄弐式にはある程度改良が施してある。一つ目は彼女の要望でもあった「マルチロックオン・システム」の搭載である。これは標的を瞬時にロックオンすることが出来、確実にあいてを追い詰めるミサイルを放つことが出来るようになった。これにより弐式の最大火力兵装である「
ミサイルが破壊されようが問題は無い、多少爆煙で不可視に出来る程度だ。
「ラウラとセシリアはそのまま援護射撃!凰は無理するなよ!」
『『『了解!』』』
俺の指示通りに彼女達は動いてくれるがこれはあくまでも足止めに過ぎない、肝心なのは紅椿と白式を上手く活用する方法だ。
確たる確信がある中そこまでの段階に進んでいないのであれば、無理矢理にでも次のステップに進めてやるだけだ。
「篠ノ之!織斑!」
『『はっはい!』』
「お前らは本来の力を発揮できていない!もっとISを信用してやれ、ISはお前達がやりたいことに答えてくれる」
ISと心を通わせなければISはこちらがやりたいとを見通してはくれない、しっかりと通わせる必要がある。それは人間社会でも同じだからな。
「あと織斑、これ使え」
「なんだこれ!?」
俺は織斑に対してライフルを投げ渡す。流石に重かったのだろうか?少し悲鳴を上げていた。しかしこの程度で音を上げてしまってはいけない、これよりもキツい物など世界中にたくさんある。例えばIS一機丸々持ち上げるとかな。
「雪片のエネルギーが切れたとき、もしくは相手が遠くに逃げたときに使え」
「わかった……」
「篠ノ之、俺の知る限りではその機体は恐ろしい可能性を秘めている。お前の想定など遙かに超えるほどのな、しっかりと対話しろそして真の力を引き出してやれ」
「わかりました!」
本当は俺もその能力に縋りたいところなのだが、黒式の損傷レベルはDを超えてしまっている。はっきり言ってエネルギーが回復したとしても戦闘が出来るわけではない。
「うぐっ……」
「千春さん無理しないでくださいね!」
「わかっているさ」
止血したはずの場所から赤い液体がにじみ出している、この程度いつもならば問題は無いのだが貧血気味の現状では回復できないようだ。参ったな。骨折も完治はしていないようだがある程度馴染んできている、動かなければ問題は無いのだろうがこうしてしまってる以上完治は遅いだろうな。
「お前達が唯一の手段だ、頼んだぞ」
「「はい!」」
二人と離れた後デュノアから銃を借りて福音を押さえ込むのに参加する、簪は「
残った右腕のみIDが装着されている状態、補助的な機能もあるので助かってはいるがIS用のショットガンは反動が大きすぎるな……腕がしびれてくる。早くあいつらが戦闘可能になってくれれば助かるのだが。
紅椿を私は信用しているつもりだった、しかし「だった」だけであって本心からは信用できていなかったということなのだろう。確たる自信があった。しかしその中でも最も信用しなければならなかったISを信用仕切れていなかった。それが敗因といい手も限らないだろう。
(姉さんが手塩にかけてくれたこの機体で今度こそ、私は私の思い人を守りたい!協力してあの敵を倒したい!)
そう強く願ったとき。その願いに応えるかのように紅椿にかけられていた制限が全て解除され、展開装甲から赤い光が放出されはじめた。次第にその光は黄金の粒子となり溢れ出していた。
「こ、これは一体!?」
「紅椿が黄金に!?」
ハイパーセンサーからの情報で、機体の制限解除とエネルギーが急激に回復していく様子がわかる。
《『絢爛舞踏』発動。展開装甲とエネルギーのバイパス構築……完了!》
項目には
(まだ、戦えるのか?まだ動けるのだな!ならば!)
黄金の粒子を得た篠ノ之はその光を、隣に居た織斑に授け始めた。次の瞬間白式と織斑に不思議なことが起き始めた。
全身に電流が流れているような衝撃と炎のような熱が走って行く。
「白式のエネルギーが回復していく!?これは……」
「今は考えるな!行くぞ一夏!」
「お、おう!」
再度意識を集中させ、雪片弐型のエネルギー刃を最大火力まで高めた。形成された巨大な光の刃を両腕で構えて相手を見据えた。
千春がこちらに気がついたようで、セシリア達にも指示を出し始めた。ラウラと千春がワイヤーで相手の動きを封じ始める所業はまるで芸術のようだった、まさに師弟子だからこそ出来る荒技なのかもしれないな。それによくデュノアもあの動きについていける。流石だ。
「さっさととどめを刺せ織斑!」
「うおおおおっ!」
福音は俺からの攻撃を避けようと必死にもがき苦しんでいるが、そう簡単にワイヤーは切断されることなくしっかりと相手を束縛していた。
「せりゃあああ!」
エネルギーの刃を胴体へと突き刺し、確実に戦闘不能へと追い詰める。光の刃がワイヤーを切り裂いてしまうがここまでの手応えを逃がさないようにしっかり突き立てた。
刃を抜けば腹部に大穴があいた状態で痙攣状態を引き起こしている、最後のとどめとして千春から受け取ったライフルで跡形もなく消してやる!
『コアの確保は完了、機体は完全破壊だが文句はないな?』
『あぁ問題ない確実に破壊しろ』
『了解』
千春さんは誰かと会話をしているようで、こちらの声に一切応えてくれない。一体誰と?この様子だと千冬さんかな……それとも篠ノ之博士かな?どちらにしても今回の事後報告をしているのだろう。それと本来の福音の操縦者の保護確認をしていたりするのかな?
「ビームマグナム!」
勝手に名前つけてるけど良いのかな?ビームマグナムじゃなかったはずなんだけど……
そのビームマグナムを受けた福音の装甲は、跡形もなく溶けていった。機密だったから証拠も全て消し去った方がデータの悪用とかされなかいだろうし、問題はないでしょ。
「はぁっ、はぁっ……」
「終わったな」
「あぁ、やっとな」
福音のコアの確保と情報の保持と消滅は完了した、あとは帰還するだけだけど……気がつけば千春さんは身体に限界が来ていたのか眠っていた、この作戦で一番身を削ったのは千春さんと黒式。僕たちは感謝しなければいけないね……