インフィニット・ストラトス 最強と天才の幼馴染 (更新終了)   作:灰崎 快人

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かなり時間が空きました、もうそろそろ12月ですね。
次回はどのくらい時間が開くのでしょうか?


蒼雫と黒式 前

あれから二週間の時が流れた、思い返せば辛いトレーニングであった。しかしその運動もIDを動かす技術に役立つものであるのならばと思い、一切の妥協もせずに取り組んだところだ。さて話は変わるが本日はクラス代表決定戦である。模擬戦でより多く勝利した者の勝利となり、クラス代表の座に就くことが出来る……といっても俺は代表の座に就くつもりは一切無い。決して面倒だというわけではない、まぁこの模擬戦はとことんやらせて貰うつもりではあるけどな。

ところで再び話が変わりますが皆さんは隣に下着姿の女性が居たらどうしますか?起こしますか?驚いて大声を出しますか?悪戯をして相手を怒らせますか?ちなみに私の場合は―――

 

「毎回下着で寝るのやめろって言ってるよな?」

 

説教をします。

 

「全く、いい加減にしてくれよ?こっちの身が持たないからな」

 

「あぁ、善処する」

 

善処ね……二週間言い続けても何も変化がないんだけどな~?本当かな~?これで駄目だったらお酒制限させるか。

 

「どうだか?二週間も同じ事言われて直さないやつが言ったところでな……」

 

「それより今日はクラス代表者の決定を行うが心の準備は大丈夫か?」

 

話しそらしやがったな、心の準備か……そんなものとっくに決まってるっての。あとはこれまで積み重ねてきた知識をどれだけ生かせるか、たったそれだけだ。

 

「それなら問題ない、あとは千冬との模擬戦を生かせるかどうかだ。相手は未知の領域だからな……どんな行動をしてくるか考えて動かなくては、使えるものも使えない」

 

「相変わらず真面目な性格は変わらないな……」

 

そうか?自分で言うのは何だが俺は不真面目な部類に入ると思うぞ。挫折したことが幾度と無くあったからな。

 

「相手の戦術をいち早く理解し欠点を見つけてそこを突く、基本中の基本だろ?モンド・グロッソで優勝した千冬だってそうだっただろ?」

 

「まぁそうだな、相手の動きを理解するのは大切だが……私の場合はあの単一仕様能力で勝利したといっても過言ではないんだがな」

 

まぁ確かに千冬の搭乗していたISの単一仕様能力は凄まじかった。『零落白夜(れいらくびゃくや)』、千冬が以前に搭乗していたIS『暮桜(くられざくら)』に搭載されていた仕様能力である。これは相手のエネルギー兵器による攻撃を無効化したり、シールドバリアーを斬り裂くことで相手のシールドエネルギーに直接ダメージを与えられるという代物である。しかし、自身のシールドエネルギーを消費して稼動する諸刃の剣となりうる代物でもある。

 

「その改良型が俺のIDに組み込まれてるんだが?」

 

「……まぁそれはあいつの遊び心だからな、なんともならん」

 

それはそう。束の気分次第では今のISをはるかに凌駕してしまう機体を創ってしまうかもしれないのだからな、下手に動かしたくない才能の持ち主でもある。

 

「まぁいい、それじゃあさっさと飯食ってアリーナに行くか」

 

「あぁ、ちなみに模擬戦を行うアリーナは第3アリーナだ。遅れるなよ?ただでさえ一夏のISが届いていないんだからな……」

 

「了解、それじゃあまた後でな」

 

何故ISが届いていないのかは疑問ではあるが、そこまで深い理由はないだろう。倉持技研での開発製作を行っているらしいがどうせデータを取るための機械を埋め込んでいるんだろう……それか束が何か厄介なことをしでかしてるんだろうな。

 


 

「それで?未だにあいつのISが届かないのか?」

 

「あぁ、予定では先日に届くはずだったんだが……」

 

第三アリーナへとやってきて既に待機命令が出されているものの、未だに試合開始まで至っていない。原因はやはり織斑一夏の専用機が届いていないことだ、やっぱり束が絡んできているのか?それにしては遅すぎる。束が関わっていたとしてもここまで時間が掛かったことはない。

 

「その通りだ、束のやつが何かしら仕組んだらしくてな。予定よりも長引いてしまった、全く何をしてくれたんだか……」

 

そう言えば俺のIDに零落白夜の改良型を実験的に仕込んだとか言っていたが、まさかあいつのISに零落白夜を入れたのか?やっぱり天災の考えていることは分からないな。

 

「それで?あいつ等は何を揉めているんだ?」

 

そこには口喧嘩をしている織斑と篠ノ之の姿があった、この二週間授業以外で顔を見たことがないからな……何をしていたのか何も分からないんだよな。

 

「俺ISについて教えてくれって言った気がするんだけど……」

「お前はIS以前の問題だったのだ」

「まぁたしかにそうかもしれないけど、基礎くらいは教えてくれても……」

 

「どうやらこの二週間ロクにISの事を学ばずに剣道だけをやっていたらしい、全く資料くらいは目を通すと思っていたのだがな」

 

「……それって俺とあまり変わらないような?」

 

実際にIS関連の事はほとんど目を通してないし、トレーニングを二週間してただけだぞ?

 

「というわけで先にお前とオルコットの試合になるが大丈夫か?」

 

話そらしたな、まぁISがなければ試合もできないからな。それならば先に機体を持っている同士で戦って、時間を稼いだ方が効率的だろう。

 

「いつでもいけるように準備はしておいたぞ。にしても観客が多い気がするんだが?」

 

「どうやら他のクラスの連中が来ているらしい、それに上級生も何人か見に来ているようだがな」

 

「問題はないのか?」

 

「問題しか無いな、本来ならばこの模擬戦には一組だけしか入れないのだからな」

 

ならさっさと退去させるべきなのではないか?それに下手に見せびらかすものでもないだろうに。

 

「入ってきた理由は男性搭乗者の品定めか?それとも圧倒的不利なのを理解して嘲笑いに来たか?」

 

「どちらもだろうな、実際に来ている上級生の中には代表生がいるからな」

 

代表生がそんな事していいのかよ、評価がた落ちするぞ?

 

「それなら舐められないように頑張らないとな」

 

「ではオルコットにも連絡を入れておく、お前はカタパルトに搭乗して待機してくれ。アナウンスが入ったと同時に出撃し、双方の機体が出撃した十秒後に試合開始のブザーが鳴る。理解できたか?」

 

アラームがなったらここを飛び出して出撃、再びアラームがなった瞬間戦闘開始。了解だ。

 

「問題ない、あとはどれだけ自分の力が出せるかどうかに掛かっている……セシリアは候補生だ、ハッキリ言って勝てるかどうかすら怪しいんだよな~」

 

「お前なら大丈夫だ、気にせずに行って来い」

 

その自信は一体何処からやってくるんだ、何を持って確信を得ているんだ?俺は今冷や汗を垂らしながら待機してるからな?

 

「了解、それじゃあ合図は頼んだぞ」

 

カタパルトってのはこの甲板らしいが俺は一回も使ったことがないんだぞ?気合で行けってか?やってやるよ!

 

「黒神千春……この機体なんて名前だったけ?えっと~黒式か。黒式!出撃する!」

 

カタパルトから射出され機体制御に集中する、この機体で飛んだことはほとんど無いため飛び方にも問題がありすぎる。フラフラとした状態の中俺はなんとか機体を安定させようと必死である。

 

「随分と小型なISですのね、フラフラしていますけれど問題はないのですか?」

 

そこには鮮やかな青色の機体『ブルー・ティアーズ』に搭乗していたセシリア・オルコットの姿があった。外見から分かる特徴は四枚の大きなフィン・アーマーと呼ばれるものを背に従えていること。またセシリアの手元には青色のライフルが握られている、スコープが付いている事からスナイパーライフルだと思われる。ISに装備されている銃器は主に実弾系統とレーザー系統の二種に分かれている。風の影響を受け偏差撃ちができる実弾型、直線状に放たれる代わりにエネルギーの消費が激しいレーザー型。個人の好みによって分かれる物だがセシリアはどちらだろうか?

 

「まぁ試作機だから問題は少々あるよ、でもないよりはマシみたいなところあるから……」

 

制御機構はほとんどISと同じだから大丈夫だと思いたいが、爆発するかもしれないと言われてるからな……畜生、機体が安定しねえ!

 

「いきなりの試合変更だったが大丈夫か?」

 

「問題ありませんわ、黒神さんこそ問題は無いのですか?」

 

流石代表候補生、余裕そうだな……それなら大丈夫そうだ。

 

「まぁ大体の状況は少し前に聞いていたからな、問題はないよ。それじゃあ始めよう」

 

機体制御を安定させながらもブザーが鳴るのを待つ。

 

「それでは第一試合、セシリア・オルコット対黒神千春を開始します」

 

『試合開始まで10秒前―――――5、4、3、2、1』

 

カウントが始まる、この10秒の間に覚悟を決めておく……負けたら千冬に色々言われるんだろうな。

 

『試合開始!』

 

「先手必勝ですわ!」

 

頭部のバイザーから瞬時に警戒注意が表示されるのと同時に、セシリアが握っている青いライフル『スターライトMKⅡ』の銃口から圧縮されたレーザーが発射される、レーザーは黒式の右肩アーマーをかすめて地面へと着弾した。

 

(あのライフルはレーザーか、ということは近接ブレードでは切れないな。雪片はなるべく使わないようにしたいところ、何も策がなければのはなしだが……いやそれよりも右肩アーマー持ってかれた!もう被弾は出来ないな……)

 

「わざと直撃させなかったな?初弾外しは慢心だぞ?」

 

先手必勝といいながらもあえて直撃させずに様子見をしたか?だがその武装の特性はだいたい理解した、というか嫌でも理解できる。

 

「……失礼いたしました、それでは本気で行かせていただきますわ!」

 

「全力で来い!」

 

全力で来てもらわなくてはこちらとしても困る、この機体の癖や欠点を補う戦術を作る必要があるからな。セシリアのISは中遠距離型、俺のIDは近中距離型……実力としても機体性能としても分が悪いことは俺が一番よくわかってる、相手との距離をどう埋めるか考えなければいけないからな。

 

「カノン!」

 

装備名を叫ぶと同時に千春の右手にリボルバー型の銃が展開される。装備名を叫ぶと相手に次の手がバレるという欠点があるがこれは単純に俺の技術不足だ、本来ならば武装名を言わずとも展開が可能となる。しかしそこまでの技量を鍛える時間はなかったためこの様な形になってしまった。要は初心者がよくやることだ。

 

『カノン』黒式に搭載されている初期武装。装弾数六発の実弾系リボルバー型の銃である、そこまで射程距離はないが牽制用には十分だろう。問題は俺がこの系統の銃を扱ったこと無いことくらいである。

 

「遠距離武器がないなら間合いを詰めるだけだ!」

 

照準をセシリアに定め発砲していく、しかしセシリアはいともたやすく回避行動に移る。

 

「ならばその前に撃ち落として差し上げますわ!」

 

先ほども言ったようにレーザー系統は直線状に放たれる、つまり射線が読みやすい。しかし未だにIDを使いこなせていない俺にとっては完全に避けることは至難の業だった……代表候補生だけあって俺の回避先を予測して撃ってくる、しかし同じようにセシリアの回避行動を予測しながらの射撃戦に持ち込んでいるため、俺が放っている銃弾が何発かあたっているのは確認できる。

 

「黒神さんは射撃が得意のようですわね!しかし―――」

 

カチッ……

 

銃口から弾が出ず、空しい音が響いた。その音は『カノン』のシリンダー内に発砲できる銃弾がないことを表していた。やっぱり扱い慣れていないのはきついな。

 

「残弾数をあまり理解していないようですね、その隙に撃ち込ませてもらいます!」

 

(クソッ!流石に撃ちすぎたか、こいつの再装填(リロード)には時間がかかる。他に武装はないか!?)

 

黒式のデータをバイザーに表示し武装を再確認する。近接ブレードはこの状況では使えない、雪片も同じく使えないというか使いたくないと言う事が本音である。補助的にワイヤーブレードが二機ついているが……これは活用できるのか?それでも使ってみるしか無い!

 

「いけぇ!」

 

セシリアが放つレーザーに向けて薙ぎ払う形で射出する、こいつに対レーザーコーティングされているかは不明だが無いよりかはマシだろう。

 

「レーザーが切られた!一体何を……」

 

「どうやらコーティングはされているようだな、しかし―――」

 

一度しか使っていないのにも関わらず刃先がズタボロになっている……そこまで耐久性はないか、酷使はできないな。

 

「どんな手を使ったかはわかりませんが……そろそろ終わりにいたしましょう!」

 

すると背後から四機のユニットが展開される、あれは一体何だ!?

 

「行きなさい!ブルー・ティアーズ!千春さんを徹底的に追い詰めて差し上げますわ!」




本来の主人公の一夏君が全く出てこないね、あともう少ししたら出すから我慢してくれ。
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