俺たちは無事今回の陛下とルミアに迫った危険の排除に成功した。その後、簡単な事情聴衆があったのでそれを終え聴衆の前に聞いていた今回の魔術競技祭の打ち上げ会場にルミアと待っていてくれたグレン先生にセラねぇと一緒に向かっていた。
「にしてもお前らは災難だったな。せっかくのイベントなのに面倒ごとに巻き込まれて。」
「まぁ、そうかもしれないですけどいつものことじゃないですか」
グレン先生は俺に災難だったなと言うが特務分室に入ってからと言えば災難続きであるためある意味では日常のことだと考えていた。
「でも先生。ルミアもちゃんと話せたので災難というのも違う気がしませんか?」
「フッ、違いねぇな」
「そうだね!何がともあれルミアちゃんは陛下とお話しできる機会ができてよかったね!」
俺がそう言うとグレン先生もセラねぇも同意してくれる。
「うん。いろいろとありがとうナハト君。先生たちも迷惑かけたのにありがとうございます。」
「どういたしましてルミア。」
「ガキがいっちょ前に何言ってんだよ。生徒は先生に迷惑かければいいんだよ」
「気にしないでルミアちゃん!これが私たちのお仕事だから」
俺たちはそんな会話をしながら歩いている。ルミアも前を向いて楽しそうにしているとルミアは不意に真剣な表情になり昔のことについて話し始める。
「ねぇ、ナハト君。”あの時”助けてくれたのってナハト君とグレン先生なんだよね?」
”あの時”というのはおそらくルミアがさらわれた時のことだろう。
「そうだよ。あの時のことがどうかしたのか?」
一応お互いに”あの時”のことを認知しているが一体どうしたんだろうからと不思議に思っているとその疑問にこたえるかのようにルミアが話始める。
「改めてお礼が言いたいの。あの時の君がかけてくれた言葉、温かさのおかげで私は今まで頑張ってこれた。うんうん、これからも頑張れる。でも、私が君とした約束はきっと君の負担になるのと思うの。申し訳ない気持ちがある。..............けどね、私それ以上にうれしいんだ。あの時私は味方してくれる人なんて誰もいないと思っていたから君が守ってくれて..................すべてから守ってくれるって言ってくれてすごくうれしかった。だから、ありがとうナハト君!そして、貴方の負担になってしまってごめんなさい。」
ルミア...............そんなことを考えていたのか。いや、俺も同じこと考えたことがあったな。俺も姉さんに負担をかけているんじゃないかって不安になっていたな。今だってそう思う。それで一回そのこと言ったら思いっきり平手打ちくらったけ。
俺は過去のルミアと自分を重ね合わせ、昔ことに思いはせていた。
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~数年前~
『姉さん、俺.........姉さんに迷惑ばっかかけているよね?ごめんなさい.............俺のせいで姉さんにばかり嫌な思いさせて。本来は俺が背負うはずのものだったのに...............俺のことはもうどうでも.........』
俺の生家は帝国でも有数の貴族であるイグナイト家だった。そして、俺は男として生まれてきたから当然次期当主の後継ぎと期待されていた。だけど、俺は異能のせいで家の者から殺さることが決定され、その場をたまたま姉さんが聞いてしまい、姉さんが知り合いだったバナードさんにその場での話と俺のことを頼み込んで俺が失踪したことにしてもらった。その結果姉さんはイグナイト家の後継ぎになるためにとてもつらく厳しい目にあった。日に日に優しかった姉さんが俺以外に冷たくあたるようになっていた。そしてついに、俺にばれないように隠れて涙を流している姉さんを見てしまい、俺は思わず姉さんにそう言ってしまった。
俺が申し訳なくなってそう言って姉さんに頭を下げて謝っていた。大好きな優しい姉さんの負担になるぐらいだったらと思い『俺のことはもうどうでもいいから』と伝えようとするとその発言の途中で姉さんは俯きながら俺の頬を平手で打った。
''パッンッ!!''
『えっ………』
俺は叩かれて呆然としながら姉さんのほうを見ると涙を流していた。俺はなぜ姉さんが涙を流しているのかわからなかった。でも、またこの人を苦しめてしまったんだと思うと叩かれた痛みよりも後悔とやるせなさで一杯になっていると姉さんが俺をやさしく胸に抱きしめ頭に手を置いて撫でてくれた。
『馬鹿..............私は貴方が大切だから助けるの。どんなに大変で辛くても貴方が............私の弟が愛おしいから助けるの。だから貴方は自分のことなんかどうでもいいなんて言わないで。.............私はねナハト、貴方が無事でいてくれれば本当にそれだけでいいの。貴方が元気でいてくれるのが何よりも幸せなの。だから私はイグナイト家の人間として頑張れるの。』
俺はその言葉に涙がボロボロととめどなく流れていた。俺は姉さんに”大切”と”愛おしい”と、そう言ってもらえてうれしくて仕方がなかった。そして、姉さんの想いを知って自分の失言を後悔していた。
『ありがとう............グスッ.....姉さん。............いつも.......本当にありがとう.......グスッ......俺も姉さんが大好きで、大切だから..........いつか必ず..........姉さんを助ける!』
俺はそれからも嗚咽交じりに”ありがとう”を精一杯伝え続けた。そして、いつか姉さんを俺が助けると姉さんに..........この時の想いにかけて誓った。そう俺が言い切ると姉さんはそのまま俺が泣き止むまでずっと抱きしめ頭を撫でてくれた。
『................えぇ、どういたしましてナハト。そして、私を好きと.........大切と言ってくれてありがとう。』
それから俺は今まで以上に魔術や剣術に武術の鍛錬に精を出すようになった。勉強だって頑張った。いつになるかわからないけど姉さんを助けられるように少しでも助けられるようにと思いながら一生懸命努力した。
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そんな昔の俺のことを考えていると自然と俺は隣にいるルミアの手を握り話し始めていた。
「俺もさルミアと同じで異能のせいで家から殺されることになっていた。それを姉さんが先んじて助けてくれたんだ。でも、そのせいで俺は姉さんに負担をかけていんじゃないか不安になり、ある日それを伝えて『俺のことはどうでもいいから』と伝えようとしたらぶたれてな。『あなたが大切だから頑張れる』そう言われたんだ。」
「そう..........なんだ」
「だから今のルミアの気持ちもわかる。でもね………俺もルミアが”大切”だから守るんだ。最初は同情からだったかもしれない。だけど今は確実に違う。ルミアが俺にとって”大切な人”だから助けるんだ。辛くても大変だろうとルミアを俺が守りたいから守る。だからルミアが負い目を感じることはないよ。俺を頼ってくれると嬉しいな」
俺はそういってルミアを見て笑いかけた。俺も昔は同じ事を考えていたから何とも言えないけど今なら姉さんの想いもよくわかる。謝ってほしいから守るんじゃなく、”守りたいから守る”ということが。
「////////////.........ありがとうナハト君。そうだよね..........謝るよりこういう時は”ありがとう”だよね。」
なぜかルミアは顔を少し赤くしながらそう言った。ん~?俺なんか変なこと言った...............な。普通にこれってシスコンですよと風潮してるみたいだな。そりゃキモイよな.................
(手...............繋いでる////////////こ、恋人つなぎにしてもいいかな?)
お互い全く反対のことを考えながら打ち上げ会場の場所に向かって夜道を歩いていくのであった。
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あれから少し歩くと目的地に着き、店の中に入ったのはいいんだが........................どういう状況コレ?
俺たちは目の前に広がる状況に困惑していたなぜなら........................
「「「「いえぇぇぇぃい!!!!」」」」
クラスメイトが顔を赤くしながらグラスをもってハイテンションでどんちゃん騒ぎをしているからだ。
いや、祝勝会なんだしハイテンションでもおかしくないだろうが絶対におかしいい。だってあのギイブルもハイテンションなんだぞ?まるでこれじゃあ酔っぱらっているみたいな.......................
そんなことを考えているとよく知った顔が俺に飛びついて絡んできた。
「ナハトぉ~今回もぉ~ナハトがルミアを助けてくれたんでしょ~やっぱりさすがよねナハトはぁ~かっこよかったわよ~」
なんか酒臭い.....................間違いないなコレ、クラスの奴全員酒飲んでやがる。いや、法的に問題はないけどどんだけ飲んだんだよこいつら...............
「し、システィ!?」
このシスティーナの様子にはルミアも大変驚いているようだ。
「ふっふーナハトにはぁ~特別にぃ~ルミアを娶る権利を上げま~す!あっ、私ももらってくれてもいいのよぉ~?アハハハハハハハハハ」
「わぁ~それは嬉しいな。でも、その前にいったん落ち着いてね?ほら水を飲んで」
システィーナって酔うと面倒なんだな..................てかその発言は淑女としてどうなんですかね?
「ち、ちょ...システィ!!//////////それにナハト君もデレデレしたら駄目だよ!///////」
(わ、私を娶れるの嬉しいんだ////////)
「えっ!?えっと、ごめんルミア」
ルミアは照れたようにそう言った。俺はそれにどうすればいいかわからずとりあえず謝ると、抱き着いてきているシスティーナをルミアと一緒に近くの席まで連れていき座らせ水を飲ませた。
俺はあまりにもカオスな状況に頭をおさえながら先生にどうするか聞いてみた。
「先生これどうするんですか..................って先生どうしたんですか?」
先生は地面に転がっていたみんなが飲んだであろう空き瓶を見て顔を青ざめていた。セラねぇもそんな先生に同情したような表情を浮かべていた。俺は空き瓶なんか眺めてどうしてその表情と不思議に思っていたがその瓶のラベルに見覚えがある気がした。
「コレ、〝リュ=サフィーレ〟なんだけど........................しかもこんなにも沢山そこら辺に転がってるし.............」
「リ、〝リュ=サフィーレ〟!?道理で見覚えあると思ったらまさか〝リュ=サフィーレ〟ですか!?ちょ、先生これ絶対にまずいんじゃ................」
〝リュ=サフィーレ〟は簡単に言ってしまえば超がつく高級ワインである。この地面に転がってる分だけ見ても先生がかけで手に入れたハー何とか先生の三か月分の給料+報奨金はそこにつくレベルだろうに...............俺は任務とかでこういうものの知識を身に着けているので見覚えがある便だとは思ったがまさかこんな高級ワインだったとは思いもしなかった。
「俺の.................給料3ヶ月分が......................」
俺とセラねぇはそんな先生にしばらくの間昼は用意してあげることとを約束していた。だってこれはあまりにも先生が不憫すぎる.............................
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それから俺たちは手分けして生徒たちのお世話を済ませると状況が状況なだけに気疲れしていたのか俺は置いてあったグラスを持ち中身を確認せずに飲んだ。普段ならしないが俺は飲んでから後悔する。なぜなら.............
(!?コレお酒じゃん!閉まった確認し忘れて飲んじまった..........意識が......遠のいて.............)
ドサッ!!
「あれ?なんか大きな音が.......................えっ、ナハト君!?」
ルミアはクラスメイトの世話が終わったので戻ってくるとそこでグラス片手に倒れているナハトがいて大声を上げてその場に駆け寄ると、ルミアの声を聞きつけグレンたちも戻ってきた。
「どうしたルミア……ってナハト!?おい、大丈夫か?」
「ナーくん!?.............ってもしかしてこのグラス.............あ~、ナーくんうっかりしてお酒飲んじゃったのね」
「ん?セラどうゆうことだ?」
「ナーくんすっごいお酒弱いの。少しだけなら甘えん坊になって私やイヴに甘えてくるんだけど、でも今回グラス一杯飲んでるからしばらく起きないかも。」
実は昔、甘えてくるのナハトがかわいくてセラとイヴはわざとナハトにお酒の入ったものとかを食べさせようとしていたこともあったりする。
「要するに酒に弱いのかこいつ.................確かにイヴの奴も弱くて雰囲気とかで酔える奴だったもんな~」
「セラ先生大丈夫なんですか?」
「ん~とりあえず移動させないといけないかな。でも帰るまでに目を覚まさないだろうな~」
「あ!私も手伝います!」
そういってセラとルミアはナハトを支えながら休ませられそうな場所に運んだ。セラ先生はそのまま少しグレン先生と飲むようで離れていったので残されたのはルミアと寝ているナハトだけになった。
ルミアは寝ているナハトの隣に寄り添うように座った。普段ならできないが寝ているからこそ取れる大胆な行動にルミアは少しずるをしているような罪悪感を感じつつもナハトの温度を感じて緊張していた。
(卑怯かもだけどこうしてると安心する...........でも、すごい心臓が鳴ってる//////////)
赤らめた顔をしながらルミアはそのままナハトの顔を見つめる。今の姿は変装の姿だけどその姿も魅力的に見えてしまうのは惚れた弱みだろう。勿論、一度だけ見た赤髪の本当の素顔もかっこいいと思っているあたりルミアは本当にナハトに意識させられぱなっしだ。向こうもこちらが攻めると少しは照れた様子を見せることもあるがそんなことはほとんどなく、まるで意識されていないようで少し傷つくなと思っていた。
だから..............
「どうしたら貴方は私を意識してくれますか?」
(なんて................何言ってるんだろ私////////////)
そんな独り言にルミアは何を言っているんだと恥ずかしがっていると..............
「...................ルミア............す.............き……だぞ...........」
「へ?///////////お、お、お、お、起きてるのナハト君!?//////////」
途切れ途切れそんなことを言うナハトにまさかさっきの独り言聞こえていたのか?今言ったことは本当のことなのか?とルミアはいろんなことを妄想して困惑しながらナハトの様子をうかがうと...............
「」スースー
「寝てる............また、ナハト君は...........本当にずるい////////」
ナハトに対して意識してもらおうと少し攻めたりしても今みたいにすぐに自分に返ってきて自分のほうがどうしようもなく魅了されてばかりで本当にずるい。
「...................今日のことも、あの時のことも、本当にありがとうナハト君。」
ルミアはそう感謝を伝えナハトの手を握りそのままナハトの肩に頭を乗せ寄りかかる。今の寝ているナハトにならずるいけど”好き”の二文字を言える。でも、それだけは言わない。なぜなら...............
(”好き”はちゃんと面と向かって言いたいなナハト君。……できればナハト君に言ってほしいけど////////)
そうしてルミアはナハトに寄り添いながらやわらかい微笑みを浮かべながらこれからに思いはせる。
隣のナハトもどこか幸せそうで、二人から出る雰囲気はまるで優しく照らす木漏れ日のようであった。
次回はリィエルの登場とその日常です。もしかしたら追想日誌にある話を書くかもしれませんけど予定ではリィエル登場予定です。追想日誌に出てくる話は面白いものも、シリアスなものもどれも好きな話なのでできればいつか書きたいと思います。特に変態男爵、オーウェル、セリカが絡んでくる話は毎回面白すぎですよね?
今回もこの駄作をここまで読んでくださりありがとうございました!!
再計:システィーナのヒロイン追加について
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