ロクでなしとチート主人公   作:graphite

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愚者の叫び 

 

 

「待ってろナハト!もう着くからな!」

 

「.............はい..............でも大声は傷に響くんで控えてくださいね?」

 

俺は先生に抱えられながら宿屋に目指す。恐らくはもうルミアは連れ去られているだろう。アルベルトさんが今どんな動きをしているだろうかと考えながら俺は先生に運ばれる。

 

「着いた!......ってアルベルト!?」

 

「遅かったなグレン...............ナハトの状態は?」

 

「アルベルトさんこっちに来てましたか....................右の肺の状態が怖いですが、ある程度治療さえしてもらえば戦えます.............すいません足引っ張ってしまって......」

 

「構わん.............俺もまんまと相手の術中にはまったいたからな。すぐに治療するぞ」

 

アルベルトさんを先頭に俺はグレン先生に抱えられた状態で宿に入る。複数の生徒に俺が大量の血を流がしてぐったりしているところを見られ軽く混乱が起きたもののすぐに先生が治療するからと言うと落ち着いたっ様子だ。

 

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「ここだな............」

 

アルベルトさんはとある部屋の扉の前でそう呟くとその扉を開けて入っていく。俺はぼんやりと確かこの部屋はルミアたちの部屋だったなと考えていた。

 

「邪魔するぞ..........お前がシスティーナ=フィーベルだな?俺は帝国宮廷魔導士のアルベルト=フレイザーだ。緊急のためお前にも協力を要請する」

 

俺はアルベルトさんがそう言う中部屋の様子を見る。その部屋の様子は酷く荒らされており誰のものかわからないが血が付着しており俺は少しばかり焦燥感を感じる。そんな中先生はアルベルトさんから俺をベッドに移せと言われ俺は寝かされる。そしてその様子を見たシスティーナは............

 

「うそ.........でしょ............大丈夫なのナハト!?ねぇナハトってば!!」

 

システィーナは血で汚れた制服といまだに流れる血を見て大きな声でナハトの名を叫びかけよる。あまりの光景にシスティーナはパニック状態で涙を流している。

 

「泣くなよ...…システィーナ。別に死にやしないからさ.......な?」

 

俺はそういうシスティーナに血で汚れていない右手で頭を撫でる。ただけがは右側なので結構痛む。

 

「フィーベル..........今のこいつは驚異的な生命力で意識を保っている状態だが放置すれば命に危険があるのには変わりない」

 

「え?...........ナハト........死なないって...........」

 

システィーナはアルベルトさんが言っていることとナハトが言ったことと違い呆然とする。

 

「アルベルトさん?別に...........そこまでじゃないですよ?治癒魔術で............」

 

「強がるな戯け。...........すぐには死なんだろうが激痛で意識が朦朧としていることぐらいわかる」

 

アルベルトさんの言うことは正しい。正直今すぐどうこうはないとは思うが意識があまりはっきりしない。

 

「フィーベルお前に協力を要請する。グレンじゃ使い物にならんからな」

 

「ちょっと待ておい!俺そいつらの教師だぞ?」

 

「教師が生徒に守られてどうする戯け...........まぁ、いい。お前は外で索敵していろ。万が一攻めてこられてはかなわん」

 

グレン先生はそう言われて一瞬不貞腐れるも事実で言い返しようのないためそのままいう通りに席を外す。

 

「待ってください!アルベルトさん!!私なんかじゃ..............そうだ!セラ先生を呼びましょう!セラ先生なら............」

 

「無理だ。今からやることの負担にセラの体はもう耐えられる体でない」

 

アルベルトの言う通りセラは完全に魔術が使えないわけではないが昔のようにはできない。アルベルトは白魔儀【トランスファー・ライフ】をするつもりだ。この魔術は大きなけがを負った際生命力を譲渡して治療する魔術だ。ナハトは幸い急所を外しているため生命力を増幅させ譲渡する白魔儀【リヴァイヴァー】を使うほどではない。だが、【リヴァイヴァー】ほどではないが莫大な魔力を使うことは変わりなく、これをセラがやろうとすればセラはその魔力消費に耐えられず命の危険だ。だが、アルベルト一人では不可能なため潜在的な魔力量の多いシスティーナと二人で行おうということだった。

 

「で、でも...............」

 

だがシスティーナはいまだに躊躇している。システィーナは先程リィエルがルミアをさらっていったとき何もできなかったのが事もあり完全に自信を喪失していた。

 

「............システィーナ午前中言ったこと覚えてる?」

 

「え?」

 

「システィーナなら大丈夫だぞ?システィーナは俺よりすごい才能を持ってる。だから自身もちなよ..........な?」

 

俺はもう一度手をシスティーナの頭に乗せ励ます。そしてついに.........

 

「ナハト..............うん!わかった!アルベルトさん私は何をすればいいですか?」

 

アルベルトはシスティーナの覚悟が決まったのを確認するとすぐに今から行う【トランスファー・ライフ】のやり方を手短に説明し準備を始める。システィーナにも指示を出し手早く進めすぐさま儀式が行われる。

 

(お願い!うまくいって!!!)

 

システィーナは強く儀式の成功を祈る。

 

そして、俺は儀式が始まるのを確認するとそこで意識が途切れた。

 

 

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「うぅ~.............痛い、けどこれなら問題ない........か」

 

「目が覚めたようだな」

 

俺は胸にまかれた包帯の上から傷のある部分をさすり傷の具合を確認した。さすがに痛むがこれなら剣も振れるし問題なく戦えるだろう。すると窓辺のほうからアルベルトさんの声が聞こえた。

 

「すいませんどのくらい寝てましたか?」

 

「数分だ............お前と言いグレンと言いお前らの生命力には驚かされる」

 

「そうですか................ルミアの場所わかりますか?」

 

「問題ない。エレノア=シャーレットに隠密性の高い魔力発信を付呪した。大方エルミアナ王女のものは使えんだろうからな」

 

俺はそう言われたので念のため探ってみる。だが予想通り......

 

「はい。探ってみたけどダメでした」

 

俺は護衛の都合上ルミアに魔力発信を付呪していた(ストーカーじゃないからね?)。だが、さすがに連中がつぶしており追えなかった。

 

俺はすぐにでも救出に向かえるよう魔術で特務分室の礼装といつものフード付きローブ、双剣を呼び出し着替えていると......

 

「アルベルト来たぞ...........って起きたかナハト」

 

グレン先生が部屋に来た。多分先生は治療を終えたアルベルトさんが呼んだのだろう。

 

「すまねぇ............俺のせいでけがさせちまった」

 

先生がそう言い、とても申し訳なさそうに謝ってくる。

 

「気にしないでください先生。俺体は頑丈なので」

 

俺はそう先生に言う。それでも申し訳なさそうにしているがひとまずは納得したようで「そうか。すまねぇな」ともう一度謝りこの件は終わった。

 

そして少しして俺が完全に装備を整え終えた。そして俺とアルベルトさんは現状の確認と作戦を考え始める。

 

「アルベルトさん恐らく敵は白金魔導研究所......またはその付近にいますよね?」

 

「あぁ、エレノア=シャーレットに付呪したものはそこから反応を示している」

 

「そうですよね..............となると大きな障害はエレノア=シャーレットですかね。」

 

「そうだろうな。付け加えて言えば寝返ったリィエル。そして、バークスは合成獣の研究もしていると聞く。ならばそれも相手は使ってくるかもしれない」

 

俺たちがそう話していると............

 

「待ってくれ!リィエルはまだどうにかできる!!あいつが相手側なんて決めつけるのは早いだろ!!」

 

だがそんなグレンの提言にアルベルトは..........

 

「俺とナハトの任務は王女の護衛だ。そして今から俺とナハトは王女の奪還に向かう。その際リィエルが敵対する可能性がある。こうなっては俺も容赦はしない。やつを排除..........いや、言い方がぬるかったな。奴を殺す」

 

「待て俺も行く!俺が奴を正して連れ戻す!..........それが俺が二年前アイツを拾った責任だ」

 

「いまさら聞くのかお前の言葉を?」

 

「聞かせる!無理やりでも聞せんだよ!!」

 

その様子を俺は黙って見つめる。そしてアルベルトさんはそのグレン先生の訴えに鼻を鳴らす。

 

「お前が帝国宮廷魔導師団を去った理由は大体見当がついてる。お前は現実を理解しながら同時に理想も捨てきれず時に敵にすら手を指し伸ばす真性の甘ったれだ。お前があの世界で破綻するのは分かり切ってた」

 

「そ........それは..........すまないと思って」

 

「勘違いするなグレン。別に俺はそんなお前を否定などできないししない。お前みたいな魔術師が一人位いてもいい。早々に見切りをつけた俺にはお前の生き方が疎ましく思う反面、眩しくすら思う」

 

そう、誰もが先生の理想を笑い、蔑んだ。そして今でも悪く言う人はいる。だけど、俺やアルベルトさんはその理想を笑うつもりもましてや否定する気はない。俺もアルベルトさん同様にいつからか必要のためなら切り捨てることを覚えた。多分それは軍人として至極当然なのだろう。だからこそ本当に先生のそれは眩しくあこがれさえ抱いた。

 

「だが............お前は逃げた」

 

一瞬置きアルベルトさんは鋭い目を向けそう言い放つ。

 

「お前の身勝手な都合で、今まで共に戦ってきた戦友を見捨てて逃げた。何の相談なしにだ。今回のリィエルの裏切りも間接的にはお前が逃げたことが原因だろう。そんなお前に俺の戦闘方針を変えさせる権利があると?今更リィエルを救う資格があるのか?答えろグレン=レーダス!」

 

「権利も資格なんてねぇよ!あぁ、そうだよド正論だよド畜生が!これは俺の我がままだ!それが嫌だってんなら殴るなり殺すなりしやがれ!俺はそれでもリィエルを助ける!!」

 

「話にならんな餓鬼かお前は」

 

「餓鬼でいい.........だがな!あいつは..........リィエルは俺の生徒だ!!」

 

 

その強く言い切ったグレン先生を鋭く見据えるアルベルトさん。しばらくの間、両者は沈黙を貫く。そして........

 

「なるほど、お前は変わらんな。心を叩き折られ少しマシになったかと思えば、本質は何も変わなかったということか。まったくもって忌々しい」

 

「は??」

 

「しかしだからこそ............俺はお前に〝期待するのだろう〟」

 

そういうが同時にアルベルトさんはグレン先生に向け拳を振るう。

 

「グアァ!?」

 

(わ~痛そう........)

 

「俺に何も言わず去った落とし前はこれで勘弁してやる。後これをくれてやる」

 

そう冷たく言い放つとアルベルトさんはグレン先生の足元にあるものを放りつける。それは........

 

「お前........コレ」

 

先生に投げつけられたものは先生が軍属時代の愛銃である『魔銃ペネトレイター』だった。グレン先生はアルベルトさんの真意がわからず視線を向けると........

 

「条件は二つだ。一つ、俺はあくまで王女救出を優先させてもらう。二つ、状況がリィエル排除を背ざる負えない状況になれば俺はためらいなくリィエルを殺す。文句は受け付けん。以上の二点について俺の邪魔しない限りリィエルに関してはお前に任せる」

 

「お前.........」

 

今まで黙っていたが俺もここで口を開く。

 

「先生俺も概ね同じです。俺にとっての最優先事項はルミアの無事です。ですが、ルミアはリィエルも助けてほしいと言うでしょう。だからリィエルのことは頼みますよ?ぶっちゃけリィエルを殺すのは俺もいやですしね」

 

俺もアルベルトさんも率先してリィエルを手にかけたいわけではない。俺もリィエルと仕事をすること自体は少なかったが任務のない日は二人で訓練したりすることもあったため情もある。アルベルトさんも根はやさしい人なのでリィエルのことはよく気にかけていた。

 

俺たちは最後の確認をしっかりすると部屋を出る。ただ俺はその前に疲れて寝ているシスティーナに一言感謝を伝える。

 

「ありがとうなシスティーナ。お前のおかげで助かった」

 

すると、システィーナは眠りが浅かったのかはたまた偶然なのかは分からないが呟く。

 

「ナハト.........お願い..........二人を..」

 

俺は予備のローブを魔術で取り出しシスティーナにかける。

 

「あぁ、任せろ。すぐに終わらせる」

 

そう言って俺は先に出た先生達を追うべく窓から飛び降り夜の街をかけていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり白金魔導研究所地下。

 

そこには本性を現し薄汚い笑みを浮かべ何かを操作しているバークスがいる。そして、ルミアは縛られたうえで『Project : Revive Life』の完成のため異能を無理やり行使されている。そのためルミアの体は悲鳴を上げているもののルミアは気丈にふるまい弱みを見せまいとしている。

 

そしてそんな様子を見ているリィエルは自身の腕を力一杯握りしめ顔をそらしていた。

 

「大丈夫かいリィエル?」

 

そんなリィエルに青い髪の〝リィエルの兄〟が声を掛ける。

 

「............大丈夫」

 

そんなやり取りをしている二人を見ているバークスは不満そうな声で文句を言い始める。

 

「まったく.........あのナハト=リュンヌ...........いやナハト=イグナイトだったか?アイツを殺しおって.......奴の魔力特性や詳細が一切わかってないうえ既存の資料にはない奴の異能はいい研究材料になると思っていたのだがな......」

 

 

バークスらは逃げたナハトのことをあれだけの負傷ならば死んだだろうと思い殺したことになっている。

 

 

だが...........

 

(ナハト君は死んでない.............絶対に私を........うんうん、リィエルだって助けてくれる!だから信じて耐えないと!)

 

ルミアはナハトが死んでいないことを信じていた。彼は強い。それこそ誰も彼を殺すことなんてできないと思うくらいにはルミアはナハトを信じていた。

 

 

(ナハト君は私の............想い人だから。あの日助けてくれた私の『英雄』だから)

 

 

だから...........お願い!たすけてナハト君!!

 

 

 





次回からようやく戦闘に入ります。今回は少し簡略化したとこもありますが主にグレンとアルベルトのやり取りメインでした。自分は腐っているわけではないですがグレンとアルベルトの関係は好きです。あの二人って喧嘩をたくさんするけど根本が似通っているからなんだかんだ相性がよくて二人の活躍するシーンとかはすごくかっこいいからアニメでもっと見たかったですよね。


今回もここまで読んでくださりありがとうございました。また、お気に入り登録をしてくださる皆様本当にありがとうございます!






再計:システィーナのヒロイン追加について

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