俺らリはすぐに森を駆け抜けある場所に来ていた。
「おいアルベルトここでいいのか?」
「あぁ、ここでリィエルを見失った。恐らくこの先に奴らの根城があるのだろう」
アルベルトさんはエレノア=シャーレットだけでなく俺が刺された後遠見の魔術で追跡していたがこのポイントで見失ったらしい。その場所と言うのが.....................
「湖ですか................となると地下につながってるんでしょうね。」
そう湖の前に来ているのである。すると俺がそう言うとアルベルトさんは一足早く【エア・スクリーン】で空気を周囲に纏い湖に飛び込む。俺と先生も魔術を使った後アルベルトさんの続いて飛び込む。
潜ってからわかるが不自然な水の流れをしている場所がある。それに気づいた俺たちはそちらに向かって泳いでいくと不自然な横穴がありそこをくぐり移動してしばらくすると............
「当たりだな........」
先生がそう言いながら陸地に上がる。俺たちは横穴をくぐっていくとそれなりの広さの池のようなところに出た。陸上もそれなりに広く、先に奥は少し暗いが一本道があるのがわかる。
アルベルトさんは手早く使い魔を出してまずは進路を把握しようとした瞬間..............
「まずはこいつを.........来たな」
「そうですね.................俺がやるのでお二人は下がっていてください」
そう言うと先生も遅れながらも気配に気づいた。アルベルトさんと先生は俺が言ったように数歩後ろに下がり待機する。するとその瞬間大きな揺れを感じる。揺れは下から感じ、恐らく出てくる場所は................
そう考えていると大きな水柱を上げ池のような場所から飛び出てきたのは左右二対の立派なハサミに鋭い足が5本ある横長のカニのようなものだった。これがバークスの研究である
そんなことを考えているとそれは俺を敵対者と認識したのか大きなハサミを振り上げ今にも俺を叩き潰そうとしている。だが.....................
「《紅蓮の暴竜よ・大いなる逆鱗もって・悉く消し飛ばせ》」
俺が今使用した魔術は黒魔改【ドラゴン・ボルケイノ】。俺が以前先生に見せた【ドラゴン・フレア】を軽く超える超超極太の赤い炎の熱線。尋常じゃない熱量を持ったそれは敵を灰一つ残さずに焼き尽くす。
「雑魚いなコイツ...............終わりましたお二人とも」
「成程............任務に出てからも腕は衰えてないようで安心だナハト」
「お、おう..............お疲れさん」
アルベルトさんは俺の魔術を見てそう冷静に感想述べるのに対し先生はどこか呆然としているようだがどうでもいいだろうと思い、とにかく今は早く向かうことに頭を切り替える。
(前見たやつよりもスゲェ..............あれもだったが今のはとりわけ尋常じゃねぇ。それこそ【イクスティンクション・レイ】にだって引けを取らないんじゃ...........)
グレンは自身生徒であるナハトの強さを改めて再認識する。ナハトが放った魔術の威力は自身放て得る最高火力に匹敵するようなものだと考えて戦慄する。
(頼りにはなるが教師として立つ瀬がねぇな)
そんなことを考え歩き始めると..................
「今度は団体様ですか...............」
そう俺がつぶやくと次から次へとわらわら出てくる出てくる。先と同じものから進路の先から歩み寄るものと、数は十を超えるだろうか。
全員が臨戦態勢をとる。
俺は今度は双剣に手をかけ、アルベルトさんは左手を構え油断なく見据える。
そして、先生も銃を構えいつでも対応できるように構える。
それぞれ敵を突破しようとそなえる俺達。
こんなものは前哨戦だ。俺たちの目的はその先だ。
俺達に止まっている猶予はない。
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「止まりませんわね?」
エレノアはバークスにナハトらの蹂躙劇の感想を皮肉気な笑みを浮かべそう伝える。
「クソ!......アイツ等め!!」
バークスは自身の作品ならば止められると過信していた。その結果は侵入してきた三人にまるで作品はただの木偶人形と言わんばかりに軽く殲滅されていく。
(流石帝国の《星》と《月》と言ったところでしょうか。そしてかの《愚者》も。この三人に付け入る隙が見えませんわ)
帝国のエースたる《星》のアルベルトと元《愚者》のグレンの二人の抜群のコンビネーションに加え、アルベルトにすら引けを取らない魔術センスに爆発的な火力、帝国内でもトップクラスの剣技による近接戦闘能力を誇る《月》のフレイ改めナハト=イグナイト。その三者はあまりにも強すぎた。
「特にあのナハト=イグナイトめ!!儂の
(ナハト様の評価は間違っていないのでしょうが彼が強すぎますわね...........それにしてもそろそろ潮時でしょうか............)
エレノアは冷めたようにバークスの怒号を聞き流していた。もっともエレノアからしてみればバークスなんてどうだっていいのだ。『Project : Revive Life』さえ完成してしまえばあとはどうでもいい。
「こうなったらわしの最高傑作を送り込んでやる!!これで葬り去ってくれるわ!!」
バークスは負けるはずがないと嬉々とした表情で状況を見守っているがそれに対しエレノアは「無理でしょうね」と心のなかで呟く。エレノアはその勘を信じて疑わなかった。そして、しばらくしてそれは現実のものとなる..................
「なッ!.......【イクスティンクション・レイ】だと!?あれはセリカ=アルフォネアとかいう阿婆擦れの固有魔術オリジナルではないのか!?」
グレンが放った【イクスティンクション・レイ】はバークス渾身の最高傑作をなぎ倒す。バークスの最高傑作と言うのは宝石の合成魔獣キメラのことでそれはほとんどの攻性呪文が効かず皮膚はとてつもなく固い。だからナハトに取っては相性がいいとは言えない。勿論ナハトにはあの固有魔術があるため一人でも突破可能だろうが。ただ、流石に【イクスティンクション・レイ】の前には無力だった。
「ッく!……なぜこうもうまくいかん!こうなったらエレノア殿!我々であ奴らを駆逐しますぞ!!」
バークスは最高傑作とやらが倒され怒り心頭のようで自ら出るという。またエレノアにも戦えと言い始める。エレノアは少し考えこむ。
(正直戦いたくない方たちですわね...........ですがここで断るのは無理でしょうね。それにナハト様には個人的に用がありますしここは乗りましょうか)
「わかりました。申し訳ないですが先に向かってもらってもよろしいですか?少々準備がありますので」
そういうとバークスはすぐに出ていった。バークスにできるのはよくて足止め。ナハトは王女のことを大切に思っているのは知っているためアルベルトらを残して一人でも突破してくるだろうと予測した。なのでエレノアはわざと遅れていくことを選択。最も一番の理由はバークスと二人でもあの三人をまとめて相手などしたくないからだ。
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「あれ?もう打ち止めですかね?」
俺たちは最後に倒した宝石の合成魔獣キメラの後しばらく先に進んでも何も出てこなかった。
「のようだな...............となるとエレノアあたりが来るかもしれん」
そうやって次ぎ来るであろう敵に警戒しながら進むと先程とは毛色の違う場所に来た。アルベルトさんたちもどういう場所か気になり軽く探るように周りをうかがう。すると気づいてしまったのだ。ここがどれほど醜いことをされている場所なのかを。
「な、なんだよコレ!?アイツはどこまで………!」
先生が叫ぶその先にあるものを見た俺とアルベルトさんもあまりの光景に息をのむ。そこにあったのは生きた人からとったと思われる脳髄があった。それも一つだけじゃなく複数個もそれらはあり、ガラスの筒のようなものに入れられて保管されている。それらの近くにはどれにも『感応増幅』『発火』『発電』など異能の持ち主のものだということがわかった。あの時バークスがルミアに向けた視線から予想はしていたがまさかここまでだとは思っていなかった。
(胸糞悪いことこの上ない!!早くルミアのとこに行かないと!!)
俺はもしものことを考えてしまいはらわたが煮えくり返りそうになりつつも、努めて冷静を保つ。
「おい!こっち来てくれ!」
グレン先生がそう叫ぶので俺とアルベルトさんは向かう。するとそこには四肢を切り離されそこに様々なチューブを植えつかされた年端も行かない少女がいた。彼女は生きているようだがその表現は的確ではないだろう。正確には『無理やり生かされている』と表現するべくものだった。
「まだこの子なら.......」
先生はそういうが俺とアルベルトさんは助からないと伝えた。ここから出してしまっては最後、この子はどのみち生きてはいられないだろう。
「..................アルベルトさん聖句を。俺がやります」
「...................あぁ」
俺がそう言うとアルベルトさんは成句を唱え始める俺はその傍ら小さな声で呪文を唱える。
「《聖なる送り火よ・我は希う・幸福と健やかなる来世を・彼らを導き給え・正しく幸せの楽園へ》」
そすると俺は今までとは違うすべてを消し炭にする炎ではなく、暖かく包み込む赤い炎を周りの脳髄の入ったケースや目の前の少女を包み込ませる。この魔術は黒魔改【聖炎の導き】これは高位司祭などが使う【セイント・ファイア】を改変させ痛みなく生者を天へ送るための祈りを込めた魔術。アルベルトさんに勧められ司祭の勉強をしていた時に作り出したものでこれは主にこういった場面で使ってきた。思えばこういった機会に多く出くわす仕事だったからなんだろう。俺はこういった場面でそのたびに自分だけ生きていることに罪悪感を感じつつもそうしてきた。
(ごめんな………助けられなくて..........俺は幸せに生きてきてごめんな。.............でも俺にはやることがある。果たさなくてはいけない約束がある。だから、すまない.............せめて、祈ることだけは許してくれ)
俺はそう心の中で思いながら炎を操り彼らを送る。そして終わったのを確認すると三人の間には少しの間沈黙が流れる。
「........すまねぇナハト。お前にこんなことさせて」
「いいんです。これは俺がするべきことなんだと思ってますから」
俺も異能の持ち主。だからこそ俺が彼らの後悔も苦しみも背負わなくてはいけない。
俺たちがそろそろ向かおうと思っていると...................
「貴様らぁぁぁぁぁぁぁ!!大切な研究資料に何してくれている!!」
「バークスか..........」
俺は怒気を隠しこんだ冷たい声でそう呟く。
「お前がナハト=イグナイトとかいう餓鬼だな!よくも研究資料を!!」
「知るか屑。それで………お前は何をお思ってこんなことしたんだ?一応聞いといてやるよ」
「生意気な小僧め!!フンッ、そんなの決まっておるだろう?偉大なる魔術師たる私に役に立つんだぞ?そうなればこれは必然の行い!!研究資料達には感謝してほしいものだな!!」
グレン先生もアルベルトさんも鋭い視線を向け今にも殺さんとする。そして.................
「そうか........ならお前...............
―殺していいんだよな―」
バークスはナハトにそう言われ数歩下がった。
バークスは今まで殺してきたのは無力な異能者たちだった。
だがナハトは違う。ナハトが殺して聞いたのは凶悪なテロリスト達。
明確な敵意をもってかかってくるものを相手に戦ってきたのだ。
バークスなんかのちゃちな殺気とはわけが違う。
(クッソ!この餓鬼がどこまでも!!)
「いいか?んじゃお前を殺させてもらう。《煉獄の―......」
俺が呪文を唱えようと左手を突き出すだが...............
「止せ............................俺がやる」
俺の左腕をつかみ静止したのはアルベルトさんだった。
「お前の気持ちもわかるが冷静になれ。お前のすべきことはなんだ?」
俺はそうアルベルトさんに諭される。そうだ俺がするべきなのはここでこの男を殺すことではない。ルミアを助けることだ。どうやら怒りをコントロールできていると思っていたが出来ていなかったようだ。
「すいません冷静さを欠いてました.............アルベルトさん頼みます」
「任せろ...............最も怒っているのはお前だけではない。お前の怒りは俺が預かろう..............行け!」
そう言われて俺とグレン先生は走り出す。
「馬鹿め!!」
俺たちが無防備に走りこんでくる様にバークスは下卑た笑みでそう言い放つ。なら俺はあえてこう言わせてもらおう〝お前のほうこそ馬鹿だろ?〟と。
「《気高く吠えろ・炎獅子》」
「馬鹿め【ブレイズ・バースト】とは............何!?」
バークスは見方すら巻き込むであろう【ブレイズ・バースト】に嘲笑する。だが、アルベルトさんによって放たれたそれはすさまじい魔力制御により俺たちにあたることなくただの目くらましとなり俺たちは先へ急ぐ。
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俺たちは全力でかけていく。早くルミアのもとにたどり着こうとの一心に走り続ける。
「!止まってください先生」
「一体どうした............」
俺が先生を制止して臨戦態勢に入る。先生も気配を感じ取り同じく戦闘態勢に入る。
(誰だ?リィエルか?それとも.............)
「うふふふ、流石でございますわ《月》のフレイ=モーネ様.............いえ、ナハト=イグナイト様。それに元《愚者》のグレン様も」
「エレノア=シャーレットか................で、俺たちは貴方の相手をすれば?」
俺がそう問いかけるとエレノアは不気味な笑みを深める。
「いえ、私はナハト様に用があります。グレン様はどうぞお通りください」
「俺か.....................先生先に行ってください」
「は?ここは二人で奴を...........」
「ルミアを頼みます」
俺がそう先生の目を正面から見て強く頼み込む。
「............わかった。危なくなったら連絡しろ」
先生は納得してくれたようでそれだけ言い残すと先に行った。
「さて、俺に用と言うのは勧誘ですか?」
「えぇ、貴方のその実力、そして何より貴方様のその特異な異能に、神のごとく
俺の
「お断りですね。と言ううか論外なんですよ。俺はこの力を振るうのは大切なものを護るため。そしてお前らを倒すためだ」
「そうですか............それはとても残念です」
「だが、俺も貴方に聞きたいことがある」
「はて?なんでしょうか?私に答えられる範囲であればお答えしましょう」
「貴方...............いったい〝何者〟ですか?」
「.............................」
「貴方とアルベルトさんの戦いは少し見ていました。だから問いたい。貴方は何者か」
その戦いのさなかエレノアは何回も致命傷を負っているはずだ。少ししか見てないがそれでも数回はあった。なのにへでもないように戦い、気づけば再生している。明らかに異常だ。
「ふふふ、残念ですがそれはお答えできませんわ。淑女に秘密はつきものですわ。それに女性の秘密を暴こうとは感心いたしませんわ」
そうおかしそうに笑うエレノア
「それもそうですね.................それじゃ始めますか」
俺がそう言った瞬間俺とエレノア=シャーレットを包み込むように周囲に赤い炎と黒い炎がほとばしる
「!(すでに領域指定を.............私との会話は時間稼ぎでしたか。やはり相手はせざるおえませんか......)」
「簡単に逃さない。ここであんたを殺す」
ナハトの
「俺はこれを基本使わないことがポリシーだけど正直もう本名もある程度知れ渡っているだろうし問題も今となっては特にない..................
だから存分に振るわせてもらう!」
俺は赤い炎を左手の剣に、黒い炎を右の剣に纏わせそう宣言する。
そして..........
「私、殿方に尽くすのが大好きですの。精一杯ご奉仕させていただきますわ!」
「貴方は美人でもタイプじゃないのでお断りします。その代わりあんたを骨の髄まで焼き尽くす!」
ここに死霊魔術師と月との戦いの火蓋が切って落とされたのであった
今回はここまでです。ナハトのチート魔力特性を公開しました。なんというかかなりチートでいささか不安ですがとりあえずはいいということにします。戦闘シーンはもっと先まで行きたかったのですが長くなりすぎるのでここまでにします。次回はエレノア対ナハトの決着まで書きたいと思っています。
今回もここまで読んでくださりありがとうございました!コメント、お気に入り登録、評価をしてくださる方々は本当にありがとうございます!
再計:システィーナのヒロイン追加について
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