(本当に冗談がキツイお方ですわね..................)
エレノアはナハトとの戦いが始めってからエレノアはずっと劣勢だった。
ナハトは
「《いでよ赤き獣の王よ》!」
エレノアはナハトに【ブレイズ・バースト】を放つもナハトはB級軍用魔術の【プロミネンス・ピラー】で防ぐ。普通ならやや過剰防御ではあるが、ナハトはそのまま【プロミネンス・ピラー】を茨に形を改変させ余剰分の威力をすべて攻撃に返還させる。そして無数の炎の茨が全方位からが一点めがけてエレノアに襲いかかる。
「ッく!《疾風よ》!」
無数の茨が襲い来る寸前で【ラピッド・ストリーム】による【疾風脚】で緊急回避するも全方位から襲い来るそれに完全には回避できず右脇腹、左肩、右腿を穿たれる。エレノアは着地すると右腿をやられたせいで動きを止めてしまう。そしてそんな隙を近接戦闘の得意なナハトが見逃すわけなく.................
「【絶影・神千斬り】!!」
ナハトは高速でそのまま詰め寄り漆黒の炎纏う右手の剣と紅蓮の炎纏う左手の剣でエレノアを斬りつける。エレノアは体にクロスの斬撃を刻まれその時に両の腕と胴体を切断される。ナハトはそのままエレノアを完全に消し飛ばそうと《獄炎》を熱線にし放つ。だが気づくとそこには斬ったはずのエレノアの体はなくエレノアの使役する下僕どもだった。少し離れたところを見ると斬撃の傷が再生しているエレノアがいた。
(本当に厄介ですわ............ナハト様は無傷でこれまで私は何度もやられている。イグナイト家の秘術に剣術、自身の異能を掛け合わせた異常な火力.............私のこの体に刻まれた黒炎は再生しても消える様子がないですし………切除するしかないですね)
エレノアは少し考え黒炎で燃えている部分を自ら抉り取り対処する。その傷もすぐに再生されていく。
(確かに《獄炎》は対処するなら燃えている部分を切除するのが手っ取り早いがそれをやる奴なんているとは思わなかったな)
そもそも《獄炎》を使って生きて逃げられたっことは今までなかったのでやや驚いていた。確かに対処する方法が皆無と言うわけではない。考えられるもので今エレノアがしたように燃えた部分の切除、または封印術による封印。
(それにしてもこの人全然死なないな...........もう5~6回殺してる気がするんだけどな。致命傷に至ってはもう十回は負わせたはずなのに......薬ではないだろうし、異能か固有魔術か?)
薬ならここまで血を流せば薬の成分が抜け出して効果が効かなくなっているはずだ。だとすれば考えうる可能性は異能か固有魔術だろう。
ナハトがエレノアの不死性を考察しているとエレノアが何かの詠唱を開始する
「《おいでませ》-《嗚呼・おいでませ》ー《おいでませ》」
「《夜霊の呼び声に・応じませ》-《応じませ》ー《応じませ》」
燃え狂う足元に開かれる奈落のごとく闇深い門。溢れ出る瘴気。門より出は無数の人影。むせかえるほどの死臭。ナハトの周囲に現れたのは新たなエレノアの下僕たち。それはとどまることはないかと思わされるほどに出てくる。
「《彼の血が肉が・汝らを慰みたもう・潤したもう》ー《いざ・いざ・召され》!!」
エレノアがそう唱え終えると一斉に津波のごとく屍肉の敵が押し寄せる。だがナハトはそれを見ても一切慌てずに詠唱を開始する。
「《真なる業火よ・我は原初の炎の担い手・原初の焔をここに灯そう》」
ナハトが唱え終えた次の瞬間。ナハトの周囲の地面は広がるように炎の海へと変る。いや、それは正しくない。もはやそれは地面を焼き、大気をも焼き、海すら消し飛ばすただの破壊の波動。何もかもを灰燼に還していく様子は、まさに始まりの大地のごとく周囲を塗り替えていく。エレノアの呼び出した下僕は存在したのが嘘のように焼き消される。
ナハトの
(これは...............まさかここまでとは........)
もはやエレノアは呆然としていた。最初から殺すつもりはなくダメージさえ与えられれば良しと考えていた。だが結果は大幅に想定と違い怪我を負わせることなどできず悉くを焼き尽くされていた。
「本当に嫌に………グッ....肺が!?」
エレノアは嫌になる戦力差に愚痴をこぼすと肺が焼けるように痛む。いや実際に焼けているのだろう。
「………」
ナハトは何かを口元に何か取り付け冷静にこちらをにらんでいた。
(まさか.........少し息を吸うだけで肺が...........いえ、肺だけじゃないそれ以外の内臓までもが焼けていく!)
この魔術が発する熱量は尋常がないのが術者のデメリットだ。いくら術者であるナハトも自身の周囲の熱操作しても独自の酸素マスクを咥えてなければ息を吸うことさえできない。ならば当然ナハトの中心以外ならば息を吸ったら瞬間からすぐに内臓から焼かれ死に至る。
(これでも再生するか..............だが塵すらも残さず消し飛ばせばどうだ?)
エレノアは苦悶の表情を浮かべ口元をおさえ徐々に下がっていく。だがナハトはそれを許さない。
(後ろからも炎が不味いですわね......このままでは......)
【
(これでどうだ!!)
俺は自身の最高火力たる業火でエレノアを仕留めたと確信したその瞬間。
〝パリーン!!〟
ガラスの破砕音のような音とともにナハトの起動していた【第七園】含む【
「は?」
俺は突然のことに素っ頓狂な声を出していた。自分で解除したわけではなく
「誰だ!?姿を現せ!!」
すると足音がコツコツと聞こえ人影が歩み寄ってくる。
「凄いね君は.............まさかエレノアを追い込むなんて」
そういったのはとんがり帽子をかぶった少年だ。帽子が目深かにかぶられて顔が見えないが声は少年のそれだと感じた。
「何者だ?どうやって俺の魔術を?」
俺がそう問いかけると意外なとこから答えが言われる。
「〝大導師様〟、お助けくださりありがとうございます。」
「気にしないでエレノア。君に死なれるのは困るからね」
エレノアが言った言葉の意味を理解した俺は驚愕のあまり呆然とする。
(こ、この少年が............大導師.....だと?なんでこんなとこ...........いや、それどころじゃ.......)
俺は目の前の少年が俺の発動させた魔術を停止させた手法は分からない。だけどわかることは相手は格上............いや、そんな言葉じゃ言い表せない。
「ナハトだったね?そう警戒しなくても何もしないよ。ただ、うちのエレノアが危なそうだったから手を出させてもらったのさ。そして君に贈り物があってね」
俺は混乱しているが努めて冷静なふりをして対応する。
「優しい上司ですね?それで自分が貴方を攻撃しないとでも思っていますか?」
俺はそう言いながら【奇術師の世界・幻月】の発動のため懐から月のアルカナを取り出す。幻術にかけてさえしまえばあとは記憶を漁り放題なうえ、こちらが相手の命を握れる。だが.................
「ありがとう。でも無駄だよ?」
俺はカードの術式を読み取り発動させようと思ったができなかった。
「...........は~、やっぱりだめですか.............まぁ、無防備で出てくるわけないですよね」
「ふふ、話を聞いてくれるかい?」
「聞きますよ。と言ううか聞かざるおえないでしょうに.............」
「さてまずはもう一度称賛を。よくエレノアをここまで追い込んだね。並大抵のことではないよ」
「それはどうも。で、さっき言っていた贈り物と言うのは?」
「うん、そっちが本題なんだけど.............これを君に渡すよ」
そう言って大導師を名乗る少年は懐から一本の夜空のような濃紺の小さな〝鍵〟を掌の上に乗せ差し出す。
「鍵?なんの鍵ですこれ?」
「それは悪いけどいえない。ただ言えるのは君の
「どういうことだ?」
「いつか.............うん、いつかきっとわかるよ。それよりルミアのとこに向かったらどうだい?僕たちはこのまま帰らせてもらうからさ」
俺は少し黙考する。ここで黙っていかせるべきかここで仕留めるべきか。だが...............
「(仕留めるのは無理だな............)なら先に行かせてもらう」
「うん。またどこかで」
俺はそのまま大導師とエレノアを放置して走り出す。
(今度会うときは仕留める………精々首洗って待ってろ!!)
俺は内心今度こそはと思いながらもらった鍵を懐に忍ばせすぐにルミアを助けるために向かう。
この〝鍵〟が................この〝出会い〟が、どんな『運命』にナハトを導くのか誰にもわからなかった。
今回はここまでです!もう少し進んませたかったのですがこれ以上は長くなりそうだし次回以降が切り悪くなりそうなのでここまでです。自分で書いててあれですがナハトが強すぎて正直エレノア殺しちゃいそうでひやひやしながら書いてました。ここでエレノア退場はさせられませんからね。また今回注目は原作でも有名なあの鍵をナハトも持つことにしました。これをうまく使って話を盛り上げられるようにしますのでこれからも楽しんでもらえば幸いです。
あと、大導師に今回やったようなことが本当にできるかはわからないですがこれぐらいできるでしょうと言うことでお許しください。
お気に入り登録、評価をしてくださりありがとうございます!今回もここまで読んでくださりありがとうございました!
再計:システィーナのヒロイン追加について
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