遺跡探索のメンバーを決めて早一週間。その間に探索組はグレン先生による野外活動についてのあれやこれやを詰め込まれた。なぜか俺も教える側になったのはいいが、グレン先生より俺のほうがみんなに教えていた気がする。まぁ、それがセラねぇにばれて怒られてたしそこまで気にすることではないからいいだろう。
さてそんなことを考えてる俺ナハトはと言うとまさに今現在遺跡に向けて走る馬車の二階でルミアとシスティーナと景色を見ている
「風が気持ちいわね二人とも!」
「そうだねシスティ!」
「あぁ、それに景色も悪くないな」
俺たちの目の前には大自然の景色が広がっていた。フェジテは都会のためなかなかこういった自然に触れる機会は少ない。そのためかなり貴重な体験と言える。
「全く...............こんなにいい景色なのに先生たちは..............」
そう言ってあきれられている先生たちは下で玩具のメダルで賭け事をして遊んでいた。
ついさっき軽く見た感じ先生は大人げなくバナードさん仕込みのイカサマをしてるようだが豪運のテレサに負けまくっているようだ。ギイブルも持ち前の思考力を発揮させようとしているようだが全く歯がったっていないようだ。
(アレはテレサの運がよすぎるのもあるけど、表情を読んだり場の空気を把握するのがうますぎるんだろうな)
確かに運がいいのは確かだがそれ以上に何かがあるんだろうと考察していた。
「まぁ、そう言ってあげるなよ。これもこれで楽しみ方の一つだろ?」
「そうかもしれないけど...............これを見るともったいないって思っちゃうわよ」
「ふふふ、システィの気持ちはわかるよ!これは確かに見ないともったいないよね!」
「まぁ、確かにこんな景色普段は見れないよな..............ん?」
システィーナの意見に同意しているとふと違和感を感じて記憶の中の地図を思い出し周囲の地形と照らし合わせるために周囲に気を配る
「?どうしたのナハト君?」
「ちょっと待ってくれ.................アレが...........ここで........それで......」
「ナハト?ぼそぼそ呟いてどうしたの?」
ルミア達はナハトが突然ぼそぼそ呟きながら少しの間周囲を見渡しているので何がどうしたかと思っていると........
「やっぱり..........予定の進路と違う」
「「え?」」
ナハトは些細な景色の変化と記憶の地形図を頼りに進路が変更されていることに気づく。なぜこんなことになっているのだと考えていると........................
「! チッ!動くのが遅れた!」
ナハトは舌打ちをしてすぐさま時空間魔術で愛剣を取り出す。それと同時に遅れながらシスティーナも何かが近づく気配を察知する。
「何?.............何か来る?」
「え?二人とも一体............」
「「きゃあぁぁぁぁぁぁ!」」
ルミアが何か言いかけた瞬間下からウエンディだと思われる大きな悲鳴が聞こえる。
「ルミアはすぐにリィエルに声を掛けていつでも戦えるように準備させて。システィーナは皆に注意を促して無理に前に出ず自衛に専念して」
それだけナハトは矢次に指示を出すと二階から飛び降りていった。システィーナはもルミアも緊急時なのは分かったが何があったのかと思いナハトが飛び降りた先を見ると...............
「し、シャドウ・ウルフ!?」
ルミアよりもシスティーナがいち早く襲撃者の正体を理解する。数は数十体の群れで馬車の周囲を囲むように獲物を見る目でこちらに睨みを利かせていた。すぐに不味い状況と理解した二人はナハトの言う通りに動き始めた。
「な、なんなんだアイツ!」
「あ...........ぅ.........魔獣........」
「どうして..........わたくしが........こんな目に........」
皆一様に普段見るはずのない魔物に怯えていた。当然である、ほとんどの生徒が温室育ちで実戦経験やまたはそれを見たことあるものはいない。だが、ここでこの魔獣に対して恐怖を抱くというのは非常に不味い。
「みんな恐怖を感じちゃダメ!」
システィーナは急いで駆け付けそう言った。だが、目の前の生徒たちを見て遅かったと気づく。
(シャドウ・ウルフは『恐怖察知』の能力が..............このままじゃ皆が!)
シャドウ・ウルフは魔獣と知られているのだが魔獣と普通の獣は別物である。何が違うと聞かれれば簡単な話魔獣には特別な能力があるのだ。今回シャドウ・ウルフが有しているのは『恐怖察知』と言うもので自身に対して恐怖しているかどうかで狙っていい標的なのか定める能力だ。これだけなら大したことないのではと思うかもしれない。だが、シャドウ・ウルフは一度標的を定めると勇猛果敢になってどんな攻撃にもひるまずに向かってくる習性がある。これがあるため恐怖を感じてしまうと非常に危険なのである。
「ルミア!リィエルは?」
「ダメ!寝ちゃってて起きない!」
(ってことは戦えるのはナハトだけ..............ナハトなら一人でも.......ダメだ!..........みんなを守りながらじゃ........それなら私も加勢して...........)
ナハトがいくら強いとはいえこの状況下では厳しいものがあると考えていた。ナハト自身も何人かが恐怖に怯えていることに気づいてるため無闇に攻めに出れない為やりにくいと感じていた。システィーナは恐怖を理性で抑え立ち向かうしかないのではと考えていた。
だが、システィーナは忘れていた。この場に戦えるのはナハトだけではないことを..........
「おい!犬っころども!!俺の生徒に手を出そうとはいい度胸じゃねぇか!」
そう勇んで派手に表れてきたのはグレンだった。
(そうだわ!グレン先生も戦える!)
これならいけるとシスティーナは考えていた。
だが........................
「お前らは俺が直々に倒してやるぜ!トオゥッ!!」
グレンは掛け声とともに馬車から前方宙返りにひねり三回と言う非常に無駄な演出を加え馬車の外に華麗に降り立ったかのように思えたが...........................
〝ゴキッ!!!〟
「「「................................」」」
生々しい音とともに着地したグレン、そしてその場にいる者全員が無言でしばらくそのままでいた
そして..............
「い.................痛ぇぇええええええ!?足挫いちまったぁぁぁぁぁぁぁ!?」
(あの大馬鹿ヒモ先生が!!何やってんだよあんた!?)
ナハトは心の中で普段の三倍くらいは強めに突っ込む
するとシャドウ・ウルフの群れは絶好のカモが来たといわんばかりに瞳をギラつかせグレン目掛けて一斉に襲い掛かる。
「大変!先生が!?」
ルミアが悲鳴じみた声を上げる。だが、ナハトはこの間合いなら間に合うと確信していた。
ただ、一つ上げるとすればこのわざわざ面倒ごとを増やしたグレンのこと果たして助けるべきなのかは甚だ疑問だった
「フッ!!」
ナハトが短く鋭い声とともに動き出すと同時、ルミアとシスティーナの後方から一つの影が飛び出し二人にとって聞きなれない詠唱を始める
「《罪深き我・逢魔の黄昏に・汝を偲ぶ》」
「「「ぎゃんッ!」」」
ナハトと突然飛び出した影が襲い掛かってきた魔獣を一太刀のもとに斬り捨てる
斬られたシャドウ・ウルフは鮮血をまき散らし勢いのまま弾け飛んでいく様を見ながらナハトはもう一人の正体を見抜く。何せあの白魔改【ロード・エクスペリエンス】を使える者に心当たりは〝一人〟しかいない
(あの二人ともすごい剣技!..........でも、一体あのあの御者さん何者?)
システィーナは突然すさまじい剣技で切り倒した御者に対して何者だと怪しむ。また、剣技もすさまじいが何より御者が握っている剣に注目した。システィーナの素人目で見ても美しく、そして業物であることがわかる。素材も最高級品である魔法金属『
「.............
誰なのかわかったグレンは頭を掻きながらそうぼやく
「ちぇ...........俺の出番ないじゃねぇか............おいナハト。あとはお前ら二人に任した」
「
すると御者とナハトは視線を交わすとすぐに視線を戻し敵を見据える。
そして視線を戻してすぐ二人の姿は一瞬にして消える
「「「「ギャンッ!?!?」」」」
すると次にナハト達の姿を捕らえたときには斬り終えた姿を背に、数体のシャドウ・ウルフは息絶えていた。
するとそのまますぐさま二人はさらにスピードを上げ掃討していく
システィーナたちは目の前で何が起こっているかわからなかった。ナハトの姿はしっかりではないが鋭く光る剣光とともに確認できるが御者に関してはあのナハトを上回るスピードで掃討していっている。
2人がすさまじいスピードで倒していくためシャドウ・ウルフは単独では敵わないと察知したのか連携して二人を取り囲む。だが二人ともそれがどうしたといわんばかりの冷静さのままで相手を見据えている
「あの御者さん..........あのナハトよりも強い..................」
システィーナの信じられないという感想に訳知りのグレンが返答する
「そりゃさすがにあのナハトでも分が悪いさ...............」
「先生あの剣士のこと知ってるんですか?」
「あぁ、嫌になるほどな..........それと言っとくがあれは剣技なんかじゃねぇぞ?」
「え?剣技じゃない?」
「あぁ、アレは白魔改【ロード・エクスペリエンス】。物品に蓄積された思念・記憶情報を読み取り自身へ一時的に憑依させる魔術だ」
グレンはそのまま二人の蹂躙劇を見ながら淡々と語っていく
「あの剣は、かつて帝国最強と謳われたの女の生前の愛剣なんだそうだ。あの剣に宿る記憶を読み取りあの剣本来の主の技を一時的に借りてるのさ」
「な、そんな滅茶苦茶な!」
「今のアイツに勝てる奴はいないな............(まぁ、ナハトが後数年したらどうなるかはわからんが)」
すると二人を取り囲んでいたシャドウ・ウルフは残すところ二頭のみとなっていた。そして当の本人たちはと言うと............
「さてナハトどちらが早いか勝負しようじゃないか?」
「本気ですか?勝てる気がしませんが?」
「魔術使えばいい勝負になるだろ?」
「そうですかね?..........でもまぁ、かの帝国最強の剣士にどこまで届くか興味ありますし乗りますよ」
「フッ、そう来なくっちゃな」
2人は突然勝負しようなんて言い出すくらいの余裕溢れた会話をし始めていた。そして勝負することが確定したナハトは突然左手に握っていた剣を空中に高く放り投げるとをシャドウ・ウルフに左手を翳し右手の剣を限界まで引き絞り突きの構えを取る。
対して御者もナハトが構えたのを確認すると腰を据え敵に対して油断なく構える。するとナハトが呪文の詠唱を開始する。
「《千の雷よ・千の鳥よ・鋭く囀れ》」
するとナハトが詠唱し終えると甲高い鳥の囀りの如く、ナハトの右手から白雷の弾ける音がする。システィーナは学院に来たテロリストを倒すのに使った魔術だと思い出していた。
ナハトが呪文を完成させると二人は視線を交わしタイミングを計る
二人と二頭の間に一瞬の静けさが訪れる
そして................
「セリャアァァ!!!」
「フンッ!!」
二人がそれぞれの掛け声の下同時に動く。
ナハトは白雷を弾けさせながら白い流星の如く剣閃で敵を貫かんと駆ける
それに対して御者は今までで最速の斬り込みで銀の剣閃を引きながら一直線に駆ける
魔獣も襲い掛からんと構えていたが二人のあまりの速さに何もできず硬直し
そして.......................
〝ドパッ!〟〝ドパッ!〟
一切の反応することを許さずに攻撃された魔獣は悲鳴すら上げることもできず、鮮血があふれる音だけを残し絶命した
「ふぅ~いやぁ~負けるかと思ったぞナハト?」
「やっぱり凄すぎますよ『エリエーテ』さん。今のならいけると思ったんですけど...............」
どうやら勝負に勝ったのは御者のほうだったようだが最後のはシスティーナたちは完全に見ることのできない領域での勝負だった。
ナハトは悔しそうにそう言いながら技を出す前に放り投げた剣はナハトが立っているその場に落ちてきたのを空中でつかみ取り二振りについた血を払うとを腰に吊った鞘におとしこんでいた
「
ナハトがそう言うと御者はローブを取って姿を見せる。
その姿はとても美しく誰もが見惚れてしまうような美貌の持ち主だが、その美貌はどこか言葉にしがたい異様な雰囲気すら感じさせる麗しい女性の姿だった。
そして、そんな女性の姿は当然皆誰しもが知る唯一の第七階梯セリカ=アルフォネアその人だった。
「どういたしまして。お前の動きとその魔術素晴らしかったよ」
「ありがとうございます」
二人が何でもないような会話をしているが................
「「「あ、アルフォネア教授!?」」」
ナハトとグレン以外は正体に気づいたのがフードを外した今だったので予想外の人物の登場にとても驚いていた
「やぁ諸君!元気にしてるか?」
屈託なく朗らかに笑いながらそうセリカは生徒たちに向け手を振る
「セリカお前どうしてついてきたんだよ?」
機嫌よさそうにするセリカにグレンこの場にいるすべての者の意見を代弁するようにが訝しみながら尋ねる。
「ふっ、な~に暇だったから自慢の息子の教え子の様子でも見に来ようと思ったまでさ」
「いやお前それ嘘だろ!?それだけならその〝剣〟持ってこなくていいだろ?」
なおも食い掛るグレンにのらりくらりとかわすセリカ
「だーかーら気まぐれさ.............それより諸君すまなかったな。近道をしようと思ったがそのせいで怖がらせてしまったな」
セリカは流石に申し訳ないことをしたため生徒たちにしっかりを謝罪をした。するとすぐにセリカさんは「さっさと行くぞグレン」と言うとそのまま一人で馬車へ何にもなかったように乗り込んだ。
「たっく................アイツは本当に仕方ねぇやつだなぁ」
そう言い頭ガシガシと掻くともうどうとでもなれと言わんばかりにグレンは戻っていくので生徒達もそれに続いていく。だが、ナハト以外はセリカの前と言うせいかやや緊張した様子で馬車に戻っていった
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セリカさんが加わってからのだが馬車の空気はどうにも重たい。
皆セリカさんに対して委縮してしまっているのだ。確かにみんなの気持ちもわからなくはない。絶世の美女ともいうべき容姿なのにもかかわらず、かつて戦略兵器扱いされた《灰燼の魔女》と恐れられるほどの圧倒的戦闘力を誇るのだ。この場にいる全員がかかっても勝てることのできない絶対的強者であるためリンの様に怯えてしまうのは分からなくはない。だが、この人はかなりフランクで話しやすい人なんだけどな..........
「あ、あのアルフォネア教授聞いてもいいですか?」
「ん?フィーベルか。なんだ?」
「え、えっと先程の戦闘何故魔術を使わなかったんですか?アルフォネア教授なら魔術を使ったほうが簡単に倒せますよね?」
「........?いや、あの位置で私が
その言葉にみんながぞっとしていた。
すると.................
「そうですよね~使うとしても俺も【千鳥】くらいしかみんなを巻き込まずに使える魔術ないですし。ただ、あれも一対一特化だから結局魔術なしのほうが早いんですよね~」
「そ。ナハトは近接戦闘に特化した魔術があるからまだしも本来なら私もナハトもあの場なら
「お、おう............ところでナハトその【千鳥】ってのはさっきの奴だよな?」
カッシュが先程の魔術について聞いてくる
「あぁ、そうだぞカッシュ。俺が改変させて作った魔術だ。と言っても魔術っていうのも変な技だけどな」
「ナハトのあの技は見たことがあるけどなんで変な技なの?」
すると一度見たことのあるシスティーナが妙な言い回しに疑問に持つ
「だってアレ雷で強化しただけのただの突きだし。何なら誰でもやろうと思えばできるぞ?おススメはしないけど」
「見たとこ凄く強力な技みたいだけどなんでお勧めしないの?」
するとルミアがそう問いかける。それに答えたのはナハトでなくセリカだった
「だからさ。アレは隙が大きすぎるからカウンターに対処できる腕と目がないと逆に絶好の的になるからさ」
「そ、だから一対一特化型の魔術なんだ。アレを当てるためには無理やり隙を作るかのろまな相手じゃないと危なくて使えたもんじゃない.............」
(((ならなんで作った................)))
「それはそうとセリカさんなんかもう少し面白い話してあげたらどうです?きっと皆セリカさんのお話聞きたいでしょうに」
「ん~面白いか...............なら邪神共ぶっ飛ばした時の話はどうだ?」
(((なぜそれがおもしろいと思った!!)))
「あ~あの話ですか。結構為になりますよね!」
(((何のためになるんだよ!?)))
「だろ?あ~でもみんなには刺激強くないか?」
「あ~確かに.............ホント面白いのに..............」
(((二人が凄く怖いんですけど!?)))
「さて、おふざけはほどほどにしてグレン先生の幼少期の話とかはどうですか?さすがに軍時代あの時のことは言うべきじゃないにしろそれ以外の話なら皆も楽しめるんじゃないですか?」
「はははは、確かにおふざけはここまでとしておこう。それにいいアイディアだナハト。聞いて驚け諸君!あれでグレンは幼少期はそれはそれは可愛かったんだぞ?」
(((やっぱりこの人グレン先生の師匠だ..............と言うかナハトはふざけないで!!!)))
生徒たちはここまで心の内での反応することにやや疲労を感じるもグレン先生の過去に興味があるため耳を傾けた。そんな生徒たちを見ながら慈しむような笑みを浮かべセリカさんは話始めるのであった
話の最初はまずはグレン先生が宮廷魔導師団に所属していた頃のセリカさんに任務の時に拾われたことからだった
そこから最初のうちはグレンに世話されていたとか、拳闘や魔術を教えたことだったり、はたまた『メルガリウスの魔法使い』の〝正義の魔法使い〟にあこがれていたことなどを話していった。本当にその思い出が大切なんだと感じさせる声音で語り続ける。
するとセリカさんはおもむろに紅い石のペンダントを取り出す
「これはグレンが私の誕生日にと言って、私が教えた錬金術で作った赤魔晶石だ。こんなのもらっても困るのにな..........だが、これをもらった瞬間のは私は.........」
そう言ってとても大切そうに握りしめ胸に抱く。生徒たちは皆本当に先生の事が大切なんだと思い心が温まるのを感じた。
「それからのことはアイツの名誉のために伏せさせてもらうが..........ちょっと不幸なことが重なってしまってな............それから何事もやる気をなくしてしまったようになってそれが長く続いた............」
(すいませんセリカさん......................俺が力不足なせいであの人を............)
ナハトにとってもそれには思うところがある。自分がもっと強ければと後悔した出来事でもある
「だから今アイツがバカやってられるのはお前らのおかげなんだ。私がどうやってもアイツをあんな風にしてやれなかった............本当にありがとう」
皆の心にその言葉が響いた。いや響かないわけがないのだ。あの優しく温かい表情で話した後でのお礼なのだから。
それからはセリカさんは話は終わりと言ったように今回自身で持ってきたグレン先生との思い出の一つである『メルガリウスの魔法使い』に視線を落とした。
それからはまだぎこちない部分はあるもののセリカさんに話しかけて談笑したりと最初とは見違えるほどに空気が明るくなった
「よかったですね皆セリカさんと仲良さそうで」
そう言って御者をするグレンに話しかけるナハト
「................別に俺は気にしてなかったしーアイツは傍若無人で破天荒で我儘で悪戯好きで嘘かホントかわからないこと言うし破天荒な奴だけど...............それだけの奴じゃねぇんだ」
グレンは何かを隠すように言い訳を言うときみたいに口を開く
「(照れてるんだな...........)そうですね.............セリカさんいい人ですよね」
そう言うとナハトはそのままグレンの隣に座った
「..........たまに..........たまに優しい時もあるし、赤の他人の俺に拳闘や魔術を教えてくれて..........女手一つで母親代わりに俺のことを育ててくれた奴だから..........感謝してるんだ」
「.............」
「もし、俺を拾ってくれたのがセリカじゃなかったらとっくに家を出ていってただろうさ.......」
それはすごくわかる気がした。だって.............
「俺も...........俺にも先生の気持ちわかる気がします..............もし俺の姉さんが...........イヴ姉さんじゃなかったらとっくに自殺してた気がします」
「そうか..............」
(そして...........もう一人。俺とイヴ姉さんにいつも優しさと温かさを向けてくれた〝リディア姉さん〟にも本当に感謝しかない)
ナハトには〝本当の姉〟は二人いる。一人はもう会うことのできない人だが厳しいあの家で彼女にどれほど救われたか...........
だからこそ俺はいつの日か
絶対に
〝イグナイト家を潰す〟
今回はここまでです。今回は少しの戦闘シーンとセリカの親子の絆の描写です。今回ナハトに使ってもらった【千鳥】ですがあの有名作品ナルトのサスケやカカシが使う忍術です。詠唱からしてわかりやすいですよね?それにしてもやっぱり【千鳥】って名前からしてすべてがかっこいいですよね!特にサスケが中忍試験で我愛羅に対して使ったときとか滅茶苦茶かっこよくて好きなシーンの一つです。
さて今回もここまで読んでくださりありがとうございました!また、お気に入り登録、コメント、評価をくださり本当にありがとうございます!
再計:システィーナのヒロイン追加について
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賛成
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反対