不思議な空間だ
夜空に浮かぶ銀光を輝かせる大きな満月と色とりどりに輝く星々
そして足元は沈むことのない海のような水面
そして、それは星の海とも表現できるようなもので、
星屑が夜空と同じように溢れ返りそうだった
すると〝声〟が聞こえた
不思議な〝声〟だ
どこかで聞いたことがあるようでないようなそんな〝声〟
――
強くなりたい。大切な人を...................
大切な人たちが悲しまなくていいように守ることのできる強さが欲しい
――では
太陽みたいな力。先を照らす力の事.................
多分一般的にはそうなんだと思う
でも俺は少し違う気がする
〝夜〟のように優しく包み込むようなそんな力だと思う
――どうしてそう思う?
〝月〟が優しい幻想を届けて
〝星〟が人々をまるで悪いものから守るように照らすから
そして、そのすべてを〝夜の闇〟が生み出す
俺はそういう〝夜〟のように強くなりたい
――そうか......................
『やはり
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「ん................あれ?俺何か変なこと話してたような.................」
ナハトが目を擦りながらふと目を覚ますとそこはテントの中で両隣にクラス内でも特に話すカッシュとセシルが寝ており少し離れたところにギイブルと先生が寝ていた。
(ん~なんか変に目が覚めたな..............)
ナハトは先程の夢のことを思い出そうとしても靄がかかったように思い出せないでいた。誰かとただ不思議な場所で会話していただけのような気もするしはたまた独り言だった気もするせいで妙な気分で少し落ち着かないでいた。
(なんだか気味悪いな............まぁ、いっか。顔でも洗いに行くか.................)
こうしてナハトは近くの川辺に向けて歩き出す
濃紺の〝鍵〟を無意識に握りしめて.........................
これがナハトの遺跡調査6日目の朝だった
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6日目はとうとう遺跡最深部にある大天象儀場プラネタリウムに来ていた
綺麗に磨き抜かれた半球状の大部屋の真ん中には謎の巨大な魔導装置が鎮座し、その傍らには黒い石板のようなモノリスが立っている。
この魔導装置は
「私は見たことないが随分すごいらしいぞグレン?」
「あ...あぁ、そうなのか?」
セリカさんはグレン先生にそう言う。セリカさんはいつも通りなのだが先生はなぜか様子がおかしい
(昨日の覗き騒動での傷が痛むのか?)
前日の深夜に俺やカッシュ達は男子用のテントで軽く遺跡内の考察について話していた時グレン先生は風呂に行ってくるといいテントを出ていったのだ。
それ自体は別に何の問題もなかったのだ。グレン先生はここまで資料をまとめたりと忙しくセリカさんが見つけた天然温泉に入れていなかったのだ。因みに前日にはカッシュが覗くとか言い出したのを聞いたのでルミアたちが見られる前に〆ていたりする。
そして俺達はそれからも意見交換に集中していたためある集団が温泉に向かうことに気づかなかった。そしてしばらくするといい時間だしねるかと言うところで二つの悲鳴が聞こえた。
一つは女性の声で、一つは野太い男の声
もうお分かりだろうが先生は事故で女子を覗いてしまったのだ。まぁ、対処の使用はいくらでもあったの事なので先生にも幾分かの非はあるだろうがそれでも相当きつく〆られたらしい
「先生様子が変ですが昨日の傷が痛むんですか?」
俺は何かあっては遅いと思い直接聞いてみた
「いや、そりゃ痛むがそうじゃねぇんだ」
「?そうなんですか?では、他に何かあったんですか?言いたくないなら別にいいですが」
「...............悪いな少し話せねぇや。まぁ、特に何かあるわけじゃないが心配してくれたのにすまんな」
「いいですよ。一応何かあったらいけないと思っただけですから」
そうやって俺が先生と会話していると........
「あの先生?折角『タウムの天文神殿』に来たんですから
そう提案してきたのはシスティーナだった
「はぁ?星空ぁ?めんどくせぇなぁ~................」
グレンは昨日のこともあり少し身構えながら心底だるそうにそう言う
「まぁまぁ、そう言わずにいいんじゃないですか?相当綺麗だということですし」
ナハトはシスティーナの援護をするようにそうグレンに伝える
「お願いします!私はどうしてもここの
とても必死に頼み込むシスティーナ。あまりにも真摯な姿はまるで星を見ること以外に何かほかの目的があるのかと思うほどだった
するとそれに援護したのはセリカだった
「まぁいいじゃないか。ここの数少ない名物なんだからな」
そう言われるとようやく仕方ないという感じではあるが
そして、次の瞬間世界がかわる
「「「「「...............!?」」」」」
空間内に映し出される色とりどりに輝く無数の星と惑星。そして銀に輝く月。
圧倒的な臨場感と迫力に一同は押し黙る。
ただ..................
(あれ?なんだか既視感があるような..........ないような?)
ナハトはそれを見て既視感があるような気がしていた。
(でもまぁ、星空なんて別にほかでも見たことあるしそう言うことだろう)
だが、どこかで見た星空に気っと似ているだけとすぐにそう感じたのは頭から抜け落ちていた
そしてしばらく皆それを眺めるとセリカさんがそろそろ作業しようという声がかかり各々の担当に分かれ作業に入った
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しばらく各々が調査に専念していると..............
「アルフォネア教授!少しいいですか?」
「ん?システィーナ。どうしたんだ?」
「その..........お願いがあります。」
システィーナは思い詰めたようにそうセリカに懇願する
「どうか...........あの
システィーナが今回この調査にこだわりを持った理由
それは亡き祖父との会話と遺作である『考察:タウムの天文神殿の時空間転移魔術について』のことである。
ナハトがここに来る前にも気がかりであった論文と言うのもこれであり、今回ここにグレンが来ることになった要因でもあるものだ。
この論文は当然学術的価値が評価されるものだが..........何か決定的な一手にかけるのである。
だが第七階梯に至った唯一のセリカなら何か見つけられるのではと思いシスティーナはセリカに懇願したのだ。
「............分かった。調べてみよう。だが、あまり期待するなよ?」
そういうとセリカは件の
(もしこれで何か見つかれば.............それに先駆けたお祖父様の研究は全部、再評価される.........大いなる先見の目を有した、偉大なる魔術師として...........ッ!)
システィーナの祖父、レドルフ=フィーベルは偉大で天才的な魔術師である。
だが、晩年レドルフの論文は学会内でそれほど高い評価をされなくなってきている。
それはひとえに決定的となるものに欠けるからである。
だがそれはシスティーナにとって許し難いことだった。
尊敬する祖父が過小評価されるのは我慢ならないのだ。
(アルフォネア教授なら...............ひょっとして.........)
淡い期待をしながら毛㏍が出るまで待機するシスティーナ
そして小一時間ほど経つとセリカは立ち上がる
「...................ダメだな」
そう言って申し訳ないように謝るセリカ
「私もできる限り念入りに調べたんだがわかったのは
「そ、そうですか..........」
システィーナはあのセリカでさえなにも見つけることができなかったということから尊敬する祖父が間違っていたんだと理解してしまった。勿論そんなわけないと言いたい。だが..............
(あのアルフォネア教授でも...................それに...........)
悔しいのだ。セリカに何もかもが負けていることが。
祖父の正しさを自分で証明できずセリカに頼らざるおえない自分が悔しい
そして何よりナハトが自分のことを魔導考古学の専門家として頼ってくれたのに今回なんの役に立てていないことが悔しいのだ。
そしてそのナハトは一人でどんどんと調査を進めていっているのだ。偶に聞いてくれることもあったのだがほとんど全てを一人でどうにかしてしまっている。ナハトの過去は知ってるからこそきっと一人でできることを増やしていったからこその賜物だというのは頭では理解している。それでも悔しくて仕方ないのだ
(悔しいな..........何もかもあの二人に勝てないなんて...............)
すると....................
「システィーナ?どうしたんだそんな悲しそうな顔して?」
するとちょうど劣等感を感じていた相手に声を掛けられる。そのため少しだけ素っ気なくなってしまう
「ナハト............ごめんなさい何でもないの.........」
「....................」
そしてナハトは少し無言で考えると
そっと手を頭に乗せ優しく撫でる
「え?ナハト?」
「システィーナがどうしたのかは俺は分からないけど..............こうすると落ち着くだろ?俺も姉さんにやられるとすごい落ち着くんだよ..............まぁ、この年でこんなこと言うのは恥ずかしいけど」
ナハトが癖のようになってしまうのは二人の姉の影響である。自分がそれで落ち着くために無意識化でルミアやシスティーナにしてしまったりすることがあるのだ。
(あぁ、ほんと情けないな...........先まで悔しくて仕方なかったのに............こうされてうれしく感じちゃってる)
システィーナは悔しくて仕方なかったのに徐々に心がうれしさで満ちていく。
「も、もういいわ//////////そ、その、ありがとうナハト」
すっかりさっきまでの悔しさはなくなり嬉しさと気恥ずかしさで一杯になっていた。
「そっか...........それじゃ向こうでやらないといけないことあるから行くよ」
そう言ってグレン先生がいるほうにナハトは行ってしまった
(ホント敵わないな......................)
システィーナは先程とは違う感情でそんなことを考えているとふと一つだけ二人に一矢報いる方法を思いついた。
そしてそれを伝えるため彼女はある人物のほうへ駆けていった
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「にしてもホントなんもねぇな.......................」
グレンはこれまでの調査結果を簡単にまとめた手帳をぱらぱらとみてそう呟いていた
「まぁ、それでもやりつくした感はあるな」
するとセリカがそれに対して言葉を返す
「そうですね...................これだけ調べてないとすると本当に何もないんでしょうね」
そう言って近くで作業していたナハトが返す
「まぁ、これだけ調べれば学院のやつも『何もなかった』って納得するだろ................それにしてもあいつらには感謝しないとな」
グレンはこれなら十分だろうと結論づける。そして、その結論を出すのに至った協力してくれた生徒たちに感謝を抱いていた
すると突然今までに聞きなれない音がする
「お、おいなんだ!?ナハト何が起きてる?」
するとグレンは索敵結界やらなんやらを張っているナハトに問いかける
「わ、わかりません。特に害をなすようなことは感じないですが.................って!先生!
ナハトの結界などはすべてクリストフのものを参考にしていることをグレンは知っている。だからこそ害がないことを信じる。だがそれ以上に今は
(何だアレ!?.............さっきはあんな動きしてなかったじゃねぇか!?)
呆気にとられる一同の前で
そしてそれは徐々に加速しながら回転していきやがてすべての星々が狂ったように暴走回転し、銀線となって無数の同心円を描き――
やがて動きを止めていくと星が消える――
「何!?」
すると北側に蒼い光で三次元的に掃射された『扉』が出現していた。その『扉』の先がどこの空間につながっているかわからないがそれが異様であることは確かだ
そしてそれを発現させたのは..................
「う、嘘............ホントに?」
「先生おかしいですよ.........こんなのありえない」
「あ、あぁ..................あのセリカが調べて何もないといったのをあの二人が何故.............」
ナハトとグレンはありえないはずの事態にどうしてかと理由を探る。資料にもこんな現象を起こす術式がないことは証明されている。
そしてついに二人は思い至る何が要因なのかを.................
「先生もしかしてルミアの.............」
「十中八九そうだろう.............だが、それでも一体あれは.........」
そんなことを考えていると生徒たちは裏腹に盛り上がっていく。
そしてもう一人..................セリカはと言うと..................
「ほ、星の............回廊..........そうだ!《
すると後ろにいたセリカが血走った眼と息を荒げさせてその『扉』を《星の回廊》と呼び見ていた
そしてそのセリカの顔色はとても悪く、冷や汗を大量に浮かべている
「せ、セリカさん!?大丈夫ですか?」
「お、おい!どうしたってんだ!?それに《星の回廊》って一体何なんだよ?」
ナハトとグレンは心配して駆け寄ろうとする。だが、
そんな二人をセリカはふらふらとかわして扉に吸い込まれるように歩いていく
〝『駄目だ!!
(え?誰が.............?)
するとナハトに突然何かを警告する〝声〟を聞く。だがそんなことを発する人はその場には見当たらない
だが、そんなことよりもと思いセリカのほうを向くナハト
そこでその警告の意味を察する
なぜなら..................
セリカは得体のし知れない『扉』の先に向かおうとしているからだ
「なっ!?..........セリカさん!!」
「おい待て!セリカ行くな!!」
グレンとナハトはセリカを止めに手を伸ばすだが....................
「...........ッ!」
セリカはそのまま突如勢いよく走り始めた。
ナハトが謎の警告通りすぐに動けば間に合ったが〝声〟に気を取られ反応に遅れた。
そしてグレンもまさかそんな得体のしれない場所に突き進むなど想定外なため遅れる。
2人が遅れた結果......................
セリカは『扉』の先へはいって行ってしまった
「「なッ......!?」」
グレンとナハトはすぐに連れ戻せば何とかと思い自身らも入ろうと走り始める。
だが、直前で非情にも『扉』は消えてしまいそこには何もなくなってしまった。
「セリカ..............セリカああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
そしてその場に響いたのは彼女の息子であるグレンの大きな叫び声だった
(クッ........!俺があの〝声〟通りに動けばあるいは..........だが一体あれは.........?)
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ナハト達は緊急事態なため野営場に戻った。その道中誰もがみな意気消沈としていた。
そして戻るとすぐにグレンはシスティーナ、ルミア、リィエル、ナハト以外の生徒たちを無理やり別のテントに待機するように伝えあの
「助かるナハト」
ナハトは念入りに音声遮断結界を張る。万が一にもここからの話を聞かれるのはまずいからである
「いえ..............準備はできました先生」
「あぁ..................それで説明してくれるか?」
「はい...............」
それからシスティーナとルミアによって何があったかの説明を受ける。それはナハトとグレンが考えていた推論通りルミアの異能によってアシストを受けたシスティーナがもう一度
だがそうなるとルミアの異能は......................
「先生やっぱりルミアの異能は〝『感応増幅能力』〟なんてものじゃない。もっと別の凄まじい何かですよ」
「え.........?」
「あぁ、俺も前々からおかしいと思っていた............ルミアお前の異能は恐らく『感応増幅能力』とは別物だ」
そう言われるルミアはどういうことか全くわからないと言う様子だった。
遠征学修の時
「ごめんなさい先生私のせいで.............アルフォネア教授が..................」
「違うよシスティ.............私が何の相談もなくやったから..............」
2人は涙を浮かべ取り返しのつかないことをしてしまったと落ち込んでいる
「大丈夫二人のせいじゃない..............コレハオレノセイデモアルンダカラ」
ナハトはぼそりと何かをつぶやき二人の頭を撫で落ち着かせる
「先生............俺とセリカさんを助けに行きますよ」
「は?馬鹿言うな!行くなら俺一人が................」
ナハトはセリカ救出を提案し、二人で行こうと伝える。だがグレンにとってナハトがいくら自分より強いとはいえ〝生徒〟だ。容認できず反対しようとするが.................
「先生がもし戦闘しざるおえない場合になったらどうするんですか?先生はそこまで強くないうえ継続戦闘能力も特務分室一ないといっても言いはずですよ。そんな先生一人で本当にセリカさんを助けられますか?」
「そ、それは................だ、だが.........!」
グレンもナハトの言い分が正論なのはわかっている。それでも................
「まだいいと言わないんですね................ならはっきり言います」
「え........」
するとナハトは一旦息を吸うと先程よりも強い視線をグレンに向ける
「犬死がお望みですか?」
「ッ...........!」
「先生一人じゃ最悪セリカさん共々犬死ですよ。それに俺は先生が心配するほどやわじゃない」
(そうだ.............確かにナハトの言う通りだ............だが.....!)
それでもグレンは思い悩む。どうするべきか激しく悩む。
「なら軍人として命令しましょうか?それとも幻術かけられたいですか?」
ナハトはもうなりふり構うもんかとここぞというばかりに畳みかける。
「俺一人で行ってもいいんですよ?本来俺と先生が組むには少し相性が悪いです。俺一人のほうがかなり戦いやすいのは分かりますよね?それでも俺は先生と行くことを提案してるんです。その意味わかりますか?」
そう、ナハトの戦闘スタイルはセリカに似たところがある。そのためグレンと組むのは少しどころか非常に相性が悪い。それにかかわらずグレンと行こうとする理由。それは................
「俺一人じゃセリカさんを助けられる可能性は恐らくそんなに高くないからですよ」
「ッ.............!」
そう、ナハトをもってしてもどうなるかわからない。むしろ助けられない可能性のほうが限りなく高いのだ
「だからこそメインは俺が............そして支援をグレン先生がしてください。そうすれば少しは確立があがるはずです」
そう、それでも少しなのだ。未知の領域に踏み込むのだから当然でもある。勿論より確率を上げる方法はある。だがそれはナハトはしたくないと考えている
「................すまないナハト..............力を貸してくれ」
すると苦渋の決断と言ったようにグレンは頷く
「そんな申し訳ないようにしないでください。俺は軍人ですから当然のことなんですよ」
そう伝えるとナハトは振り返りルミア達に指示を出す。
「ルミア達は『扉』の開閉を頼む。一日に.............そうだな三回開閉をしてくれ。明日の朝に一回、昼に一回、そして最後に夜に一回。それでもし俺と先生が帰てこなかったらフェジテに帰ってくれ。リィエルはみんなを守ってくれ」
「待って私たちも.............「ダメだ!」...........ナハト.........」
システィーナ達もついていこうとするがナハトが遮る
「今回は危険すぎる。俺も先生もどれほど余裕があるかわからない。リィエルがいてもだめかもしれない。だからシスティーナたちを連れてはいけないんだ」
だが〝彼女〟だけは
「ねぇ、ナハト君。................ナハト君は確立を上げる方法まだあるよね?」
「これが最善だ。これ以上は........「嘘だよね」...........ルミア..........」
ルミアは俺に嘘をついているという。彼女の言うことは正しい。どうしてわかるのかはさておきそれでもその方法だけは取りたくない。なぜなら...............
「ナハト君は私達三人がついてきたらもっと高くなると思っているよね?私の
「ナハト..............お前..............」
グレン先生も俺の考えていたこと気づいたようだ。ルミアの言う通り真っ先に思いついたことがそれである。どう考えても俺と先生だけでは戦力が不安だし治癒魔術は俺も先生も得意ではないから怪我を負えばたまらない。知識だってきっと足りない。彼女たちがいればかなり整った形で立ち向かえる。そして彼女たちはそれぞれ強い。だからこそ連れていけばとは思う。だが...........
「ダメだ................ルミアを..........システィーナを守れる保証がない。多分グレン先生を守るのもままならないかもしれない。だから..................」
彼女たちが傷つくならそのすべてを俺が背負う。大切な誰かが傷つくのは許容できない。あの時の姉さんの涙やセラねぇが傷ついたあの時みたいに大切な誰かがもう苦しむのは見たくない。だから................
「『誰が敵に回ろうと...........たとえ世界が敵だったとしても俺ががすべてのことから君を守るよ。』」
「ッ!」
ナハトはあの時約束したときのその言葉をそのままルミアに言われた
「あの約束は嘘だったの?そうじゃないよね?ナハト君はいつも頑張ってその約束を守り続けてくれた。.................なら
そしてそのままルミアは俺の方に歩いてくると両手を握る
「だからね...........ナハト君を信じる私を〝信じて〟欲しいな。それにナハト君は私が信じてくれたら〝どこまででも戦える〟んでしょ?ならナハト君は大丈夫。君は皆を守れるよ」
そうだあの〝約束〟は嘘なんかじゃない。嘘にしてたまるものか。たとえ自分がどんなに汚れ偽り塗れの屑だとしてもその〝約束〟だけは――
俺の希望で..............そして彼女は俺の光なのだから――
「..................そうだな、ルミアが信じてくれると言ってくれるだけで俺は不思議と力が湧いてくる。誰かが信じてくれるというだけで本当に――なぁ、ルミアいいかな?」
「何かなナハト君」
そう言うといつものように微笑み俺を見てくれる彼女がいる
「着いてきてほしい。.............ルミアがいないとダメなんだ」
「うん!どこまででも!」
そう言うと夏に咲き誇る向日葵がようなそんな眩しい笑顔を向けてくれる
「...............システィーナ、リィエル。お願いだ..............俺に手を貸してほしい」
ナハトはそうして腹をくくってシスティーナたちに頼み込む
「...............えぇ、良いわよ。そもそも最初から私を頼って欲しいわ............それにねナハト?私は守られてるだけの女の子じゃないのよ?貴方の背中は私が守るわ」
そう言いながら胸を張りながらいつものように強気で言い放つシスティーナ
「ん。ナハトは強いけど私が手伝う。それに私は皆が大切だから」
リィエルは今までそんなこと言うはずなかったのにそう言った。本当に大きく成長したと思っていた。
「先生」
「.................なんだ?」
「危険は承知です...............ですが彼女たちと俺達でセリカさんの救出に行きましょう。彼女たちがいいれば高い確率で..................いえ、〝絶対に〟みんな無事で帰ってこれます!」
「.................」
ナハトが強くそうグレンに向かって訴えるとグレンはナハトの覚悟を探るように見返し
そして...................
「はぁ~~~気は乗らない..................だがナハトの言う通りだろう.................お前ら..........俺に力を貸してくれ!あんなことしでかす奴でも................俺にとって唯一の..............母親なんだ。だから絶対に助けたい。......生きて〝六人〟で帰るぞ!」
「「「「はい!!(ん!)」」」」
するとそれぞれの準備に取り掛かる。
今から行くのは未開の地。各々が相応の覚悟して準備する
(それにしても気づいてのかねぇ~............)
グレンがそう考えて見つめる先にはナハトが諸々の魔道具を時空間魔術で取り出してシスティーナたちに使えそうなものや治療薬なんかをルミアと二人で手分けして手際よく整理している様子だった
(お前らのあの言葉.............〝プロポーズ〟そのものだぜ?)
今回はここまでです。次回はようやくあの場所にたどり着き奴と邂逅する...............そんなとこまで書きたいなと思います。今回は少しだけ鍵関係のことを書きましたが予定では炎の船編までは使いません。炎の船編も本当に好きな話で、グレンのあの固有魔術やそれに関する昔話、アルベルトの圧倒的な狙撃センスと言い本当に魅力的な話ですよね!
今回もここまで読んでくださりありがとうございます!またお気に入り登録、コメント、評価をしてくださり本当にありがとうございます
再計:システィーナのヒロイン追加について
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賛成
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反対