ロクでなしとチート主人公   作:graphite

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敵からの助言

 

各場所での戦闘が終了したころ。分身ではない本体のナハトはというと.......

 

(アイツ等~遠慮なく戦いやがったからに~)

 

会場ではナハトとルミアのペアがトップで本選出場を決めたところと同時期であった

 

分身のナハトの魔力は本体であるナハトがすべて賄っているのだ。そのため三人の同時戦闘の魔力を賄っているせいで内心しんどさMAXだった。

 

「?ナハト君どうしたの?少し顔色悪いけど.....」

 

「(やべッ!)大丈夫だよ........ただ、システィーナ達と同点での本選出場となるときついものがあるな~って」

 

ナハトは努めて元気なふりをする。ぶっちゃけすぐにでも寝込みたいところだがそういうわけにはいかない。意志を強く持っておかなくてはいけない

 

「..........うん。やっぱりさすがだよねシスティ達」

 

「だな、こりゃ俺も少し舐めてたよ..........気合い入れなおさないとな」

 

「うん!頑張ろうナハト君!私に『妖精の羽衣(ローベ・デ・ラ・フェ)』着させてね?」

 

「あぁ、任せろ。絶対にルミアに着せると約束する」

 

2人でまた決意を新たにしていると.........

 

「ふふ、どう?私たちもやるでしょ?」

 

「ん。私たち負けない」

 

どや顔をしてシスティーナとリィエルが来た

 

「いや、ホント強すぎ..........こりゃ、うかうかしてられない」

 

ナハトは内心かなりしんどいのは当然として焦りを感じていた。このまま優勝まで行けばルミアの安全はほぼ確保されると言える。だが、もしこの本選で決勝前にシスティーナのペアと同じグループになれば負ける気は当然ないが確実に勝てるという自信もない。もし負ければルミアに他の男どもが殺到するのは目に見えてる。

 

「ふふ~ん!このまま今年の『妖精の羽衣(ローベ・デ・ラ・フェ)』は私のものかしら?」

 

そう言って得意げなシスティーナはナハトに煽るとそれに反応したのは始まる前と同じくルミアだった

 

「それは違うよシスティ」

 

そう言ってルミアはあの時と同じようにナハトの腕を取るとぎゅっと抱き着き悪戯っぽく笑みを浮かべる

 

「だって私とナハト君が負けるわけないもん!だって私達息ピッタリなんだから!ね?ナハト君」

 

ナハトはそのルミアの満面の笑みを見て少し見惚れて..........

 

「あ.....あぁ、さっきも言ったけど必ず俺がルミアに『妖精の羽衣(ローベ・デ・ラ・フェ)』着せてあげるよ」

 

「うん、信じてるよナハト君。一緒にがんばろ!」

 

そう言って更に見せつけるようにナハトと密着するルミア。今日のルミアは結構テンションが高い。きっと会場の雰囲気にあてられてるんだろうか

 

「むむむ、むむぅぅ~~~~!何よ!私だって負けないんだからね?」

 

「ふふ、こっちこそ!」

 

仲良く火花散らす二人の傍らにナハトは

 

(それにしても盛り上がり凄いなぁ~..........だが、ザイードはいつ仕掛ける気なんだ?会場外は一人を除き仕留めきったが何故ザイード以外が出張ってくる必要があった?囮か?だとしたら何か仕掛けを済ませてるのか?.........いや、向こうも俺と言う存在に加え姉さんの目を盗んで怪しい行動なんてできるわけがない.......クソ、上手くまとまらない)

 

ナハトが相手の行動の裏を読もうと思考を巡らせていると緊急事態に気が付く

 

そう、隣にルミアがいない(・・・・・・・・・)ことに

 

「ッ!ルミア.........ルミアはどこに!」

 

ナハトはすぐに会場内を探そうと走りだそうとすると―――

 

「ご安心を、ナハト様」

 

ナハトの腕をそっと引く一人の淑女がいた。彼女は

 

「!エレノア!?何故........いや、今は貴方に構ってる時間は......」

 

「安心してください、《魔の右手》がこの機を狙うことは決してありませんわ」

 

ナハトを止めたのはあの帝国内部に入り込み長らくその正体を悟らせなかった天の智慧研究会第二団(アデプタス)地位(オーダー)》エレノア=シャーレット。

 

「..........何故そう言い切れる?第一何故お前らの仲間の作戦を漏らそうとするお前の発言を信じなくてはいけない?」

 

「確かにそうですわね.........でも、貴方様ならお分かりですよね?この間合いでは私では貴方様にはどうあがいても勝てないことを........それでどうか信じてはもらえないでしょうか?」

 

確かにこの間合いならたとえエレノアが暗器などを所持していてもナハトなら負けないだろう。そういう意味ではエレノアは今命がけで自身と接触していると言える

 

「...........分かった。だが用もなく貴方が危険を冒してまで接触するとは思えない。用件はなんだ?」

 

「ふふふ、まずは信じていただけたようで安心ですわ。用ですが.......そうですね、せっかくなので踊りながらというのはどうでしょう?」

 

ナハトは少し考えるが今この場で打てる手は限られる。ならばここは提案に乗るのもまた一つだろう。それに.......

 

(さっきから姉さんに連絡がつかない。恐らくは手を打たれてるか.......わずかでも情報を引き出せる可能性に賭けるしかない)

 

「ふふふ、貴方様のお姉さまにも連絡は着きませんでしょ?何か別のことに夢中なのかもしれませんわね?グレン様や王女様には少しの間貴方様から離れるように人払いの暗示を掛けさせてもらいました。この空隙の間付き合ってもらえませんか?」

 

姉さんが気になるが今は目の前の彼女の技量を流石と言うしかない

 

隠形と偽装、人の心の隙間をつくのは長年陛下の側近で密偵をしていただけのことはある。これに関してはセリカを超える魔術師と言えるだろう

 

「わかった........踊ろう。気は乗らないが」

 

ナハトがそう言うとエレノアは手を差し出すのでその手を取りナハトのリードでエレノアとのダンスが始まる

 

「それで、一体用件は?」

 

ナハトは早速その話題を切り出す。それに対しエレノアは妖しい笑みを深めて答える

 

「ふふ、貴方方がザイードの手のひらで踊らされているのでそれがおかしくて、一つ助言を」

 

「.......助言だと?」

 

「えぇ、私もとしても王女を今殺されるのは少々計画が狂うのです。ですから聡明な貴方様にに助言をと思いまして」

 

そのまま二人は踊り、ナハトは踊りの振り付けでエレノアを抱き寄せる

 

「つまりザイードは姉さんを出し抜いての暗殺が可能と言いたいのか?姉さんの支配領域は完璧なはずだ」

 

「えぇ、本当に完璧ですわ。ですが完璧だから故に気づかないのです。このままいけば『妖精の羽衣(ローベ・デ・ラ・フェ)』が王女の美しい死に装束になるでしょう」

 

冷酷に淡々とエレノアがそう言った

 

(優勝しなければいけないんじゃないのか............いや、もしくはそのどちらかでもいいのか?だが『妖精の羽衣(ローベ・デ・ラ・フェ)』を着て踊るのは大勢の目の前だ。その中でも暗殺が可能という事か?)

 

ナハトはその言葉の意味を考え相手の手段を想定するもわからないでいた

 

「ふふふ、それではナハト様。助言ですわ。王女の命運を握るもの、それは......『目で見れば概ね五つの階段であり、目を瞑れば概ね八つの階段であります。沿って走れば、その幽玄なる威容に、人は大きく感情を揺さぶられることでしょう』......さてその心は?」

 

「.......どういう意味だ?」

 

「ご活躍期待していますわナハト様。ナハト様ならこの答えに辿り着けると思います。何かと察しがいい(・・・・・)貴方様なら、きっと」

 

 

言うだけ言うと彼女はそのまま人混みに消えていった。流石に追うわけにも行かないのでそのまま立ち去るのを見届けた

 

(目で見れば5つ階段.......目を瞑れば8つ階段........そして感情を揺さぶる.........なんだ?何かが引っかかるような.........)

 

ナハトはこの空間にあるものでエレノアが与えた助言に沿うものを考察するがあと少しで出そうな解答に頭を悩ます。

 

(それに何故『妖精の羽衣(ローベ・デ・ラ・フェ)』が死に装束になるんだ?右手で触れることが必ずしもの要因ではないと言う事か?だとしたらなぜ〝魔の右手〟なんだ?)

 

ナハトは助言と彼の異名も踏まえてその手段を考察する。

 

(まず間違いなく魔術を使ってるのは確かだろう.........死因はバラバラ、だけどその数ある中で物理的な手段で大人数のいる中で暗殺を可能にする魔術..........だとしたら恐らく魔術の系統は幻術やそれに近いもの..........周囲の認識か自身と凶器に対するそれを操作してその隙に殺すってのが今考えられる一番現実的な魔術を用いた場合の手段だが........術を掛ける手段がわからない)

 

ナハトは推測で魔術の系統を絞り込みそれで可能な方法を探る。だがそれでもいろいろな課題や現実性などを前にアレでもないこれでもないと考えては否定するを繰り返す

 

(もしだ..........もし俺がこの空間で暗殺する術を使うとして違和感なくできるとしたらどうやる?ダンスに誘う?食事を進める?もしくわ.............)

 

ナハトが考えこんでいると明るい声でナハトを呼ぶ声が聞こえる

 

「ナハト君!お待たせ、ご飯食べよ?」

 

ルミアが料理をのせたお皿を持ってこちらに歩いてきた

 

「ほら、飲み物もあるわよナハト」

 

「ん。苺タルトナハトの分も持ってきた」

 

システィーナが飲み物、リィエルは自分の好みではあるもののデザートを持ってきてくれた

 

「......ありがとう三人とも。いただくよ」

 

ナハトは三人から受け取り三人で食事を始める

 

そんな中、先程つながらなかったイヴにナハトは連絡を試みる

 

『姉さん、今大丈夫?』

 

『問題ないわ。どうかしたかしら?』

 

『さっきエレノアが俺に接触してきた』

 

『エレノア?あのエレノア=シャーレットかしら?......私のところには何も反応はなかったわよ?』

 

『やっぱり対策されていたみたいだね........それで奴はこのままいくとルミアが殺されると言った。姉さんを疑うわけじゃないけど問題は起きていな?』

 

『安心なさい。問題は何一つないわ。それより聞いてナハト。あともう少しですべてが終わるの。すべて私の思い通りに..........ね?』

 

ナハトの言葉を聞いても揺らがないイヴの自信

 

信頼を置く姉の言葉に普段なら頼もしく聞こえるはずのそれが何故か今のナハトには不安で仕方なかった

 

 

 

 




今回はここまでです。そろそろこの社交舞踏会編も終わりが見えてきましたね?終わりが見えてきたということで次は聖リリィ魔術女学院のお話が近づいてきましたね。あの話はグレン女体化という最高のネタもあったりと面白いですよね!そしてお察しの通り本作品もナハトが............なんてことがあると思うので残り僅かの社交舞踏会編も次回の聖リリィ魔術女学院編も楽しみにしていただけると嬉しいです!

そして今回もここまで読んでくださりありがとうございます!また、コメントやブックマーク、いいねをしてくださり本当にありがとうございます!

再計:システィーナのヒロイン追加について

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