「お前ら...........一応そいつ男だぞ?」
グレンが呆れた表情を向ける先には銀髪の少女と金髪の少女は小柄な赤髪の
「いいじゃないですか先生。今は
「そうですよ............これなら自然にくっつますしね」
そう言うと銀髪の少女と金髪の少女ははぴったりと赤髪少女にくっつく
赤髪の少女はと言うと.................
(あぁ......なんか違うよなコレ..........)
赤髪の少女〝イズ〟はそんなことをぼんやりと考えながら聖リリィ魔術女学院に行くため直通の鉄道列車が出る駅のホームにいた
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改めて赤髪の少女の名はイズ=ディストーレ。綺麗な赤髪を横にまとめサイドテールにしており、幼い顔つきに大人っぽさを醸しだたせている
ただ、性別は今でこそ〝女〟ではあるが元は〝男〟だ...............
そう、お察しの事だろうが彼女...........いや、彼の正体は〝ナハト〟だ
イズと言う偽名は姉のイヴからとり、ディストーレの姓はイヴの母型の姓を借りたものだ。いささか安直ではあるがよほどのことがない限りいくら赤髪のままとはいえイグナイト家とのつながりはわからないだろう
「二人とも私は一応グレン先生の言う通りなんだよ?流石にこの状況は...........」
イズ........ナハトは女性の振りをしながらそう二人に言うと.............
「もう!いいじゃない私達って親友、でしょ?ならこれくらい普通だわ」
「うん!イズは私たちの親友なんだからこうして仲良くしたくなるのは普通だよね?」
二人はそう言うとそのまま背丈の低くなったナハトにひしっと抱き着くと頬ずりし始める。二人ともナハトの女体化した姿が可愛らしくて若干元が男であることを忘れかけているようにも見える
「や、やめてよ//////二人とも!人目があるってばぁ////////」
ナハトは女体化の影響か何故か恥ずかしさを表に出しやすくなってしまっている。そのためこうして二人にくっつかれればすぐに赤面してしまう。それもまた二人を暴走させる要因でもあるのだろう。そんなナハトを見た二人は..................
「ふふふ..........赤くなっちゃってイズってば可愛いんだから」
「うんうん!イズってほんとかわいいなぁ。ほら~なでなで~」
「くすぐったいってルミアぁ//////////って、キャッ!?システィはどこ触ってるのよぉ~/////////」
ナハトはルミアを習いシスティーナのことを愛称で呼んでいるのだがその当人と言えば.............
「ふっふっふ...........いいではないか、いいではないか~.........って、アレ?どうしてだろう?幸せな感触なのに悲しくなってくる............そっか胸がないからか...........イズみたいに可愛くて胸も大きくなりたいなぁ.............グスッ.......」モミモミ
「もぅやめてぇえええ/////////////////!!!!!」
まるでナハトをペットか玩具の様に愛でる二人。あの帝国でも最強格に上がるであろう魔術師の威厳もくそも何もなくなっていた
しかもシスティーナに至っては勝手にナハトに宿った豊満な果実を揉んで勝手に悲しみに暮れているあたりもうカオスでしかない
「............お前らホントに大丈夫かよ」
そんな光景を端からリィエルと一緒に見ているグレンは呆れながらそんな感想を零していた
「.............ごめんグレン」
「.........んぁ?」
すると突如隣にいたリィエルは膝を抱えて俯いたままグレンに謝罪の言葉を口にしたのだ
「どうしたんだよそんなしょぼくれて?」
「だってみんなに迷惑かけてる...........ナハトも困ってる.......」
「いや、アレはなんというか.............白猫たちの暴走だからお前は関係ねぇよ」
いい意味でも悪い意味でも純粋すぎるリィエルはナハトの様子を見て自分のせいと勘違いしているようだった。だが、アレに関しては............ナハトが悪いのか?とにかくリィエルの責任ではないのは確かだ
「でも..............」
「いいんだよ誰にだって得意不得意がある。それはナハトや白猫みたいないわゆる天才型だってそうだ。それに元はと言えばお前の成績の悪さをどうにかしてやれなかった教師である俺やルミアの護衛任務を万全にこなさなくてはいけないナハトの責でもある。お前はそうだな........短期留学を楽しんでそれでちゃんと課題をこなせさえすればいいんだ」
グレンは俯いているリィエルにいつものように頭を力強く、それでいて優しく撫でる。そんなグレンの言葉を受けリィエルの表情に柔らかさが戻る。
「まぁ、そうだな............お前が自信を持てるように俺達の誰にも頼らずに友人の一人位作ってみろ。そうすりゃお前も自信が持てるし俺もアイツ等も少しは安心するだろうさ」
「友達...........私にできる?」
「出来るさ。こんな俺にだっているんだぜ?ならお前にできないわけがねぇ」
「ん.................」
漸く完全ではないがリィエルらしくなってきたことに安心するグレン。そして少し離れたところで騒いでいたナハト達もそんな様子を見て笑みを浮かべるのであった
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「はぁ.......はぁ..........//////////いいですか先生?列車の出発は11時ですから今からどこかウロチョロしないでくださいね?」
「わーってる.............てか、お前災難だったな」
「そう思うなら助けてくださいよ.............」
激しいスキンシップから解放されたナハトの頬はわずかに赤くなっており息も荒かった。ただ、解放されてもなお両手はがっちり二人に捕まれているあたり簡単には解放されていないようだ
「ねぇ、リィエル。あの制服を着ているのが今回行く聖リリィ魔術女学院の生徒よ」
するとナハトの手をがっちりつかんでる一人のシスティーナが制服を着ている集団の方を見てそう言った
「ん。皆楽しそう」
「あそこは基本全寮制の学院だけど短期休暇で帰省していた生徒が学院に帰るころじゃなかったかな?」
「そうよイズ。ちょうど学期の中間短期休暇だったみたいよ」
「二人とも詳しいね?」
「私は事前に色々と調べてきたからね。これくらいは出回ってる情報だから」
「私はウェンディから聞いたわ。あの子何人か知り合いが聖リリィ魔術女学院にいるらしいの」
そんなことを話していると、蒸気機関が汽笛を鳴らす。
黒鉄でできた重厚な造形に、頭部の煙突から大量の煙を吐き出す雄姿に、システィーナ達は圧倒されリィエルに至っては目を輝かせていた
「凄いわね........これは........」
「うん.............人は魔術に頼らなくてもここまでできるっていう叡智の結晶」
「かっこいい..........」
各々がそれぞれの感想を抱くそんなシスティーナ達。
すると....................
「「.........ッ!」」
リィエルとナハトはバッ!っと勢いよく振り向く。ナハトに至っては両隣の二人をかばうようにしていた。そんな二人の行動に三人は不思議そうにしていると............
「ひゃあぁぁぁぁぁぁ!?」
突然振り向かれたことで、驚いたのか、少女は眼鏡をかけなおし硬直する。その少女は聖リリィ魔術女学院の制服を着ており、他の生徒達と同じように旅行鞄を肩にから下げていた
「ん......間違えた」
「そう..........だね」
二人はそのまま威圧を解くと少女のほうを向くのをやめる。そんなことを急にした二人に対しグレンは
「おい、お前ら!いきなりビビらせてどうするんだ!」
「............本気で言ってるなら相当鈍ってんますね先生。油断しすぎじゃないですか?」
「は?どういう..........ってそれより大丈夫かお前?」
「は、はい!大丈夫です!」
(あの女子生徒鍛えてる............見た感じだからわかんないけどどこかで似たような人を見たことがある気がする)
ナハトはグレンの注意に対して心底呆れたように返した。いくらなんでもあんなわかりやすい〝殺気〟にも気づかなくなったとなれば呆れるのも仕方ない。
そしてナハトはいまだに目の前の女子生徒に対しての警戒心は解いていない。ナハトの目算では近接戦闘のできるタイプの部類だと彼女を一瞥して判断する。今回の〝黒幕〟側かは別として無視できない存在だろう
「えっと.............初めまして。私エルザと言います。聖リリィ魔術女学院に通ってるのですが皆さんのことは見たことがなかったので声を掛けてみたのですが」
「そうだったのか.........俺達はな」
そうしてグレン達は自己紹介や目的などを彼女に話していく
「そうだったんですね!それでは、学院に着くまでご一緒してもよろしいですか?学院のこと色々とお教えできると思います」
「良いのか?悪いな」
エルザの提案と同時に、蒸気機関の汽笛が鳴る。どうやらそろそろ出発するようだ。グレンたちは乗り遅れるわけにはいかないのですぐに乗り込んでいく。
ナハトは一番最後に乗り込むのだが最後に周囲を一瞥した後もう一度エルザの背中を見る
(周囲にこちらを敵視する者はいないだろう..........だとすると殺気を向けたのは恐らく彼女。それも正確に言えば俺達にではなく〝リィエル〟に対してだった気がする)
ナハトはそんなことを考えながら事前にイヴから聞いた連絡について思いはせるのであった
**************
ナハトが女体化した日の夜。ナハトはイヴと情報の確認のために連絡を取った
『ナハト........いえ、イズだったかしら?』
そんな笑いをこらえるような声で通信機越しに聞いてくるのは勿論イヴだった
『姉さんの馬鹿.......俺が女になる必要あった?よく考えれば俺が普通に潜入するくらい造作もない気がするんだけど』
『そんなの私がおもしろくないじゃない...........さて、それはひとまず置いておくとして貴方は今回の件どう考えてるかしら?』
(面白いからと言い切ったな姉さん........)
試すように問いかけるイヴ。それに対して真剣な声でナハトは答える
『明らかにリィエルを狙った第三者の思惑........そうだね『
『
『へぇ........流石はナハトね。私もそうじゃないか睨んでるわ。最近件の組織が動いているという噂も聞くしね........だとしたら貴方も狙われる可能性はなくもないだろうから気をつけなさい。まぁ、もっとも奴らごときが私の自慢の弟をどうこうできるとは思えないけれどね』
ナハトの魔力特性は研究者なら誰もが羨むだろう代物。だからこそ狙わねかねないだろう。と言ってもイヴはどうにかなるとは考えていないようだった
『それはありがとう.........まぁ、俺を狙ってくるってなら返り討ちにして情報を引き出すのに丁度いいでしょ?実体の分かってない組織の情報は欲しいところだし』
『えぇ、生きて捉えられれば最高ね。ただ、別にそこにこだわらなくていいわ。今回はその短期留学をこなすことだけ考えなさい。正直この件で得られる情報なんて知れているものだと思うわ』
『わかった姉さん。最善を尽くすよ』
『ふふふ。期待してるわよ。それじゃあおやすみなさいナハト』
『お休み姉さん』
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「イズ?早くしないと乗り遅れちゃうよ?」
ルミアの声で回想から意識を戻されるナハト。どうやら考えに集中しすぎたようだ
「今行くよルミア」
(何がともあれ俺も『
ここ最近イグナイト家当主を支持するものが帝国内で増えている。それに対して陛下側を支援する人間が減ってきている現状だ。元々あの男は自分こそが王に相応しいとかそんな呆れた考えの持ち主だからこそ自ずと目指すところはわかってくる。
だが、それにしたって不自然なことも多くある。その一つが『
(まぁ、あの男が何考えているかなんて関係ない。姉さん達を苦しませたアイツだけは屈服させてやるさ.........)
こうして裏に渦巻く不自然な思惑の中、彼女たちの短期留学が始まるのであった
今回はここまでです!そして更新が遅くなり申し訳ありません!バイトがまたふざけたシフトのせいで大変で中々更新できませんでした。愚痴になりますが、自分は週3希望なのです。しかし、先週は週5だった上5連勤とかもあって「俺社員じゃないですけど?」と思わず言いたくなるレベルでした。店長が変わってから週3希望のシフトが守られたことがないような気がしてならないので今バイトをやめるか検討中です。てか、辞めたいですw
さて、愚痴はここまでとして今回は列車移動の前のエルザとの初対面となります。次回からはあの濃いキャラを登場させていくつもりです。この女学院編はコメディ要素ありで如何にもロクアカらしいお話ですが、このころからイグナイト家の思惑が見え隠れしていたのかなと思うと面白さだけでなく深く練られた素晴らしい作品だと改めて思わされました。そして今月にはルミアとグレンが出会ったあの日の話を収録された追想日誌が出ますね!ルミアがメインヒロインなこの作品でも絶対に書こうと考えているので楽しみにしていただけると幸いです
それでは今回もここまで読んでくださりありがとうございます!また、コメント、お気に入り登録、評価をしてくださり本当にありがとうございます!
再計:システィーナのヒロイン追加について
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