ロクでなしとチート主人公   作:graphite

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派閥と女の子の玩具

 

 

列車での移動が開始してしばらくのこと、状況はカオスだった

 

 

「イズさんは私達と一緒にお茶会するのですわ!貴女たちは引っ込んでくださいまし!」

 

「うるせぇ!イズはアタシ達と一緒に行くんだよ!引っ込んでやがれ!」

 

(もう嫌だよぉ...............)

 

イズ(ナハトは)両腕を金髪縦ロールお嬢様と制服を着崩しアクセサリーを身に着けたちゃらちゃらした女子生徒たちに引っ張られていた。その周囲にはその二人が従えているような女子生徒達もおり、彼女達もまたイズを引き込もうと躍起になっていた。

 

 

どうしてこんなことになったか、それは数刻前にさかのぼる..........

 

 

***************

 

 

列車内に入るとグレンやナハト達はその内装に感嘆のため息を零す。この列車は進行方向から左側に複数の個室があり右は通路と言う構造を取ったコンパ―トタイプと呼ばれるものだった。

 

だが、グレンたちが最初に入った車内は構造が違い、車両全体が一つの空間となっているオープンサロンタイプの車両だったのだ。そして通常通路のある右側にはカフェテーブルなどの調度品などがしつらえられておりお嬢様たちのちょっとした社交場となっていた。

 

「いやぁ...........流石はお嬢様用の列車だな..........こんな贅沢な使い方している列車他にねぇぞ?」

 

「そうですね。このような列車に乗れるなんて私達運がいいですね?」

 

そんな会話をグレンとイズ(ナハト)が話していると申し訳なさそうにするエルザ

 

「え、えっとレーン先生?大変言いにくいのですが..........」

 

グレンもナハト同様女体化するにあたっての偽名を考えてあり、それがレーン=グレダスだ。そしてグレンは申し訳なさそうにするエルザを見て首をかしげていると..........

 

「お待ちなさいそこの方々!!」

 

「ん?」

 

そんな声が響くとグレンたちの周囲を少女たちが取り囲む。

 

当然、全員が聖リリィ魔術女学院の制服に身を包んでおり良家出身者特有の居丈高なオーラ―を醸し出している。そしてその先頭に立つおそらく自分たちに声を掛けたであろう少女は特に高貴なお嬢様オーラを放って佇んでいる。

 

「あん........?なんだ、お前......?」

 

「見かけない顔ですわね貴女方...............って................」

 

グレン達を値踏みする彼女の視線はある一点で固まった。それは.............

 

「.......そ、そこの赤髪の貴女!お名前を聞いてよろしくて?」

 

「わ、私ですか?えっと..........イズ=ディストーレです。今回短期留学生として参りました」

 

イズが混乱しながら自己紹介をすると少女はずいっと前に出ると............

 

「決めましたわ.......イズさん!貴女、私達白百合会に参加しませんか!」

 

「え?」

 

「貴女ほど可憐な女性を私は知りませんわ!まずは是非とも私達と一緒にお茶でもいかがでしょうか?」

 

(名前も知らない相手にいきなりよくわからない会に参加しろと言われても困るんですが!?)

 

この時グレンはこの光景を見て思った.............イケメンは女になってもモテると言う事。そして、ギャップのせいか男の時よりも原著に現れるのだと言う事を。

 

(成程な........ルミア達が単にナハトのことが好きだからと言うわけじゃなく単純にコイツが可愛いからおかしいのか...........確かに、どう見ても可憐な美少女だもんな今のナハト)

 

そんなことをぼんやりと考えてる一方で当のナハトは..........

 

「ち、ちょっと待ってください!私、貴女の名前も知らないですし、その白百合会のこともわからないんですけど.........」

 

「これは!失礼いたしましたわ。貴女があまりにも可憐で礼を失していました......私はフランシーヌ=エカティーナですわ。そして白百合会というのは我が学園最大派閥ですわ。貴女に相応しい集いだと長である私が保証いたしますわ!」

 

興奮気味に誘い掛けるフランシーヌ。周りの少女たちもフランシーヌに同調し始め是非ともなどと言い勧誘し始める。ナハトは正直遠慮願いたいところだが、断って変な軋轢を生むのも好ましくない。どうにか言葉巧みに躱せないかその方法を模索していると...........

 

 

「何やってんだよ白百合の奴らはよぉ!そんなちび1人にやけに...........」

 

大きな声とともにこちらもまた多数の生徒を引き連れた少女が乱入する。

 

フランシーヌ達とは異なり、その集団の女子生徒たちは制服を微妙に着崩し流行のアクセサリーを身に着け髪を染めたちゃらちゃらしたような雰囲気を纏っていた。そしてそれを率いる生徒は腰まで届き黒髪に、切れ長の瞳が特徴的で、随分と男前な美少女だ。そしてそんな美少女はイズをちびと言ってその顔を見て固まった............

 

(あっ.........なんかもうこの後どうなるかわかった気がする.......)

 

イズは内心これからの展開を悟る。

 

「............なぁ、お前ウチの黒百合会に参加しないか?」

 

(まじか~)

 

またも目を付けられ派閥に勧誘される。イズもう何も考えたくない............

 

「悪いな~最初ちびって言っちまって。よく見れば滅茶苦茶可愛いじゃんかお前!気に入ったぜ!そんな堅苦しい自分勝手な奴らほっといてアタシ達と一緒に楽しもうぜ、な?」

 

「すいません.......私はイズ=ディストーレです。まずはお名前を聞いても?それと黒百合会と言うのはもしかして.........」

 

「お?名乗ってなかったなアタシはコレット=フリーダ。黒百合会ってのはアタシ達の派閥さ!気のいい奴らがいいからそっちの奴らよりも楽しめると思うぜ!」

 

そして同様にこちらの派閥の女子生徒達もコレットの勧誘に賛成のようでイズを引き入れようとする。

 

コレットも同様に気のよさそうな笑みを浮かべながらイズの左腕をつかむと強引にそのまま連れていこうとする。そんなところで.......

 

ガシッ!

 

「お待ちなさい、コレット!イズさんは私達と一緒にお茶をするんですわ!貴女達は引っ込んでくださいまし!」

 

右腕を今度はがっしりとフランシーヌがホールドするとコレットに噛みつく

 

「うるせぇ!イズはアタシ達と一緒に行くんだよ!引っ込んでやがれ!」

 

そしてコレットも掴むだけでなくフランシーヌ同様がっちりとホールドし、言い返すのだ

 

周囲の女子生徒達もお互いに掴みかからんとする状況でどう見ても地獄絵図になる一歩手前といった状況となっていた

 

 

**************

 

これが冒頭の状況になるまでの過程である。周りも今にも暴れだしそうでナハトも不用意な発言ができないうえ逃げるのも余り手荒な真似はしたくないためどうしようかと半ば思考を放棄しかけていた。

 

(もう嫌だよぉ...............姉さん助けてぇ)

 

帝国最強格の魔術師がこの様だ.........状況がどれ程の物か察していただきたい

 

するとそこで遂に二人の少女が動く..........

 

「待ちなさい!貴女達!」

 

凛と響く声に周囲の者たちは目を引かれるととそこには堂々とたたずむ銀髪の少女と金髪の少女がいた

 

(ルミア!システィーナ!助けてくれるんだな!)

 

二人を見たナハトはまるで救世主でも見るかのように目を輝かせる。二人はそんなさなか、渦中の中心たるナハトに向け踏み出しそして............

 

 

〝ヒシッ!〟

 

 

(ん~?なんで二人は俺に抱き着いてるのかな?助けに来てくれたんじゃ...........)

 

二人は同時にイズの正面と後ろから抱き着くとこう宣言する

 

「「イズは私たちのよ!引っ込みなさい!!」」

 

「「「「何ですって(何だと)~~!!!!」」」」

 

三つ巴の戦争の開始の合図かの如くその場にいる女学院の生徒たちが大きな声を上げルミア達に睨みを利かす。ルミア達がしたのは助けではなく火に大量の油を注ぐそんな行為だった。

 

「えっと........ルミア、システィ?」

 

「安心してね?イズは私たちがたくさん可愛がってあげるからね?」

 

「そうよ!私達大・親・友だものね!さぁ、一緒に生きましょ!」

 

(あらやだぁ~この子たち暴走してらっしゃる........どないしましょうか.....)

 

もうナハトの思考はかなり異常なとこまで来ているのか脳内の言葉使いがあからさまにおかしくなり始めていると........

 

「離しなさい貴女達!イズさんが困っているではないですか!」

 

「親友っていうくせして困らせてんだから笑えるぜ!フランシーヌもお前ら離れやがれよ!」

 

「「絶対いやっ!!」」

 

がっちり美少女四人に囲まれ密着されるという世の男子ならこの中で死んでもいいと言える状況でナハトは.........

 

(あぁ~.........柔らかい幸せ痛い痛い痛い痛い痛い×10.........)

 

幸福の倍くらい痛みを感じていた。その細腕のどこにそんな力があるのか不思議になるくらいの力で抱きしめられホールドされて体が痛みに軋む

 

グレンも男として羨ましい筈のナハトの状況にどこか恐怖を覚え身を震わせる。リィエルは頭をかしげ、エルザはあまりのカオスな状況に苦笑いを浮かべるのが限界だった。

 

ナハトはもう天に召されるのか.........そうくだらないことを考えていたが、まだ彼を神は見捨てていなかった

 

 

ガタンッ!!

 

 

列車が突如揺れる。風にあおられたか何があったか知らないがナハトに好機が訪れた。腕にしがみついてたフランシーヌたちは幸運にもバランスを崩しその手に入っていた力が緩む。

 

(チャンス!)

 

その瞬間、一瞬だけナハトから意識がそれた瞬間に自身にがっちり抱き着いて離れないルミアとシスティーナと共に【飛雷神】で移動する。

 

「あれ?イズさんはどこに?」

 

「イズがいねぇだと!?どこ行った!?」

 

周囲の女子生徒たちが探す中イズたちはと言うと.........

 

 

 

 

グレンの背後に気配を殺してルミア達と共にいた。

 

「........お前逃げだすだけに【飛雷神】使ったのか......てか俺にマーキングしてあったのか」

 

「仕方ないでしょ?それとマーキングしたのは先生が迷子になったら困るからですよ。文句ありますか?」

 

「.......お前と言いアルベルトと言いお前ら俺のおかんか?」

 

「前にも言いましたがそれは絶対に嫌です。エルザさん今のうちに自分たちが使える座席まで案内してもらえませんか?」

 

「ねぇ、酷くない?」

 

グレンのツッコミを無視してエルザに声を掛けるナハト。ここ最近ナハトのグレンに対する扱いがぞんざいになってきているのはきっと気のせいじゃない

 

「えっ?.......いつからそこに.......あっ、はい。わかりました」

 

ナハトのこの固有魔術を知るグレンはともかくエルザは突如自分たちの所に現れたイズに驚くも騒ぎにこれ以上巻き込まれたくないのかすぐにグレンたちを連れこの場を後にした。

 

 

因みに移動中はずっとルミアとシスティーナは離してくれませんでした。なんでも鼻の下を伸ばしていたからとの事.........

 

(伸ばしてないからね?俺が好きなのはあくまでルミアでルミアにくっつかれて大変幸せで.........心頭滅却心頭滅却煩悩退散煩悩退散ブツブツ...........)

 

これが今の月であった...........

 

************

 

 

「ねぇ、イズ。さっきの魔術よね?一体どんな魔術なのよ?」

 

三人掛けの席にナハトを中心に座りシスティーナが問いかける。

あの騒動から逃れたナハト達は後方車両に移るとようやく安息した時間を確保できた。まぁ、今だに両側を固められているが良しとしよう.........さて、今はシスティーナの質問か。ルミアも興味ありそうだしエルザは.........リィエルと話し込んでるみたいだし大丈夫かな?

 

「まず二人とも私の魔力特性(パーソナリティ)についてから話したほうがいいよね?」

 

「そう言えば聞いたことがなかったね。なんか随分珍しいものだっていうのは言ってたけど」

 

「そう言えばルミアとはそんな話したね.........私の魔力特性(パーソナリティ)は『万象の支配・創造』。この世の全てに作用することが可能で、未知の法則や自分だけの法則を造りだすことができるそんな魔力特性(パーソナリティ)なんだ」

 

「んなッ.........」

 

システィーナはあまり並外れたそれに絶句する

 

「言い忘れてたけどこのことはオフレコでお願い。一応機密情報だったりするから」

 

「..........なら言わないでよ」

 

ナハトに対してもうある程度驚きが振り切れたのかシスティーナが力なくぼやく

 

「説明に必要だからね.......さて、さっきの魔術の名称は【飛雷神】。時空間魔術で既存の時空間法則と私個人が編み出した独自の空間法則を掛け合わせているの。つまりはここで『創造』が必要になるの」

 

「でも何で法則を造ったの?」

 

ルミアがそう問いかける。確かに既存の法則があるならそれだけでいい筈と思うのは当然だろう

 

「それだと色々と問題があってね。既存の法則だけじゃ転移する速度や呪文の長さ時空間転移のリスクが大きくなるんだ。元々時空間魔術で人が移動するには相当な魔力操作と適正が必要なんだ」

 

「あ~そう言えば下手な時空間魔術で体がバラバラになった魔術の実験があったとか聞いたことがあるわね」

 

「そう.......安全性や利便性も踏まえてもどうしても独自の法則を生み出してやるのが手っ取り早かったんだ。もっともこの法則を生み出すというのもそう簡単にはいかなくてね.........この魔力特性(パーソナリティ)の活用はかなり苦労したんだ」

 

「相変わらずイズは凄いね!」

 

「.....////コホン!まぁ、これが大まかなこの魔術の裏側だね。効果自体は私が魔力を付加してマーキングした場所に私が直接あるいは間接的に触れているものを飛ばしたり私自身が移動することができるの。そして最大の特徴は無詠唱で使えること」

 

ルミアに褒められた嬉しさを誤魔化す様に咳払いして今度は効果についてまとめる

 

「無詠唱も凄いけど間接的にと言うとどう言う事かしら?」

 

「私の魔力の一部が物や人にくっついてればいいの。私の魔力が僅かにでも物体或いは人に残留していればそれを感知して触れてなくても意のままに飛ばせるんだ」

 

そんな固有魔術説明会をし終えて他愛ない会話をしていると、三人ともそれぞれの意味の疲れから寄り添いながら眠りについた。

 

 

そんな中、ナハトはこれからの短い新天地での生活の平穏を願うのだが.............

 

 

勿論叶うわけなどなかった

 

 

(いや、待って?超真面目なお願いだから叶ってよ!?)

 

 

 

 

 




今回はここまでです!すいません時間がかかりました!バイトの疲れで中々執筆が進まず、気晴らしによう実の方を書いたりしていたら遅くなってしまいました。バイトの方に関しては4月一杯で辞められるように店長に相談してみたいと思ってます。当初の予定よりも明らかに長い勤務時間をさせられているわけですし親にも心配かけてしまってますしね............良い人が多い分シフトを決めている店長には残念です。

さて、個人の愚痴はここまでとしてまたもナハトには女の子の玩具になってもらいました。いやぁ~自分は百合とか最初はあまり好みではなかったんですが最近は割とありなのでは?と思うようになってきているあたり昔野球の事しか考えてなかったのに人って変わるものだなと思わされてしまいます。ナハトの現在の容姿は書いた通りイヴの容姿を幼くした感じですね。イヴの妖艶さもいいですがそれを子供っぽくしたら絶対可愛いと思いませんか?そんな美少女がいたら周りが放っておかないのはもはやそれは自然の摂理!ナハトにはまだまだこの短期留学で沢山女子の玩具として活躍してもらうので良しなに。

そして実はなんですがここ最近液タブを購入してみました。実はデジタルイラストに挑戦してみたいと思いまして少しずつ練習をしていく予定です。上手くなったらこの作品の表紙絵やアール=カーン戦のイラストなんかも描いてみたかったりしています。絵をpixivの方に投稿するとしてもだいぶ先になるとは思いますが色々と挑戦していきたいなぁと考えているのでこれからもよろしくお願いします!

あとがきが長くなってしまいましたが今回もここまで読んでくださりありがとうございます。またいつもコメントやお気に入り登録、評価をしてくださり本当にありがとうございます!

再計:システィーナのヒロイン追加について

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