ロクでなしとチート主人公   作:graphite

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ナハト「お家帰りたい.........」

 

圧倒的なまでの差を見せつけイズの勝利で終わった模擬戦.............

 

イズはその模擬戦で少しでも自分に恐怖を抱いてもらい節度ある距離を保てればと考えていた。なので結構見た目的にも技術的にもエゲつめな複合改変魔術【ショック・ブルーム】を使用した。

 

これで少しはと思っていたのに、だ.............

 

なのに、だ!

 

「お~い!イズ!私にあの花吹雪みてぇな魔術教えてくんねぇか?」

 

「イズさん。私にあのようなスマートな戦い方を教えていただけませんか?」

 

その後ろにはその二人の生徒たちが率いる派閥の生徒たちが多数集まっており目を輝かせてイズの言葉を待っている

 

そう、今日も今日とてイズはコレットとフランシーヌに両サイドをがっちりつかまれてます。大変柔らかく、その数十倍痛いです。

 

結果は御覧の通り、だ~れも避けてはくれませんでした。寧ろ余計気に入られました。もうヤダ.............だって、こうなると——

 

「イ~ズ~?」ダキッ

 

「鼻の下伸ばしちゃだめだよ?」ダキッ

 

ぬっと間に入ってさらにイズをがっちり拘束するものが現れる。言わずながシスティーナとルミアである

 

まるで夫の浮気現場を目撃して浮気相手や夫もろとも直接罰を下さんが如く二人は威圧的にイズとコレットらに牽制する。そうしてここからフランシーヌたちと喧嘩するまでがワンセット。いろんな意味で辛い...........

 

(おっかしいなぁ~あんだけ無双すれば絶対に怖がられるの間違いなしだと思ったのに、どうしてこうなったのさ?俺何処で間違えた?)

 

因みにだが授業自体はまともに受けるようになった。何でも俺の戦闘や先生の言葉に感化されたの事らしい。できれば怖がってもらえるともっと助かるのに...........

 

「おい!またアンタラかよ......アンタラは邪魔なんだどっか行ってくれ」

 

「コレットもですわ!イズさんが迷惑がってますわ!!」

 

「貴女もよ!!イズは私達といるの!!」

 

「行こう?イズ」

 

(俺の意思はどこにもないんだな........特務分室の執行官なんだけどなぁ)

 

特務分室は帝国の先鋭.......それも特に強い個性を持った者たちがひしめくのだ。その先鋭の一人がこの様だ。言ってしまえば無様この上ない。アルベルトにでも見られれば説教ものだ...........

 

(さて、この状況も解消したいがそれよりリィエルだ。アイツはどうかなと..........)

 

目下この状況はどうにかしたいのではあるが、それよりも重要なのはリィエルのこの短期留学の成否だ。そのために自身を取り合う彼女たちを尻目にリィエルの様子を窺う

 

「その本上下さかさまだよ?」

 

「.......気づかなかった」

 

「えぇ........それってちゃんと本読んでないんじゃ........」

 

「違う。ちゃんと本は読んでいた」

 

「じゃあ内容は理解できたの?」

 

エルザとリィエルがそんな感じで中々に微笑ましいやり取りしてるがリィエルをよく知る者からすれば聞くまでもない問だ。そんなもの...........

 

「全然わかんない。でも、なんか力がついた気がする」

 

リィエルはこと体を動かすことに関しては非常に物覚えがいい。それはつまりは体で覚えるというのが得意なのである。例えば直近で言うとダンスなんかもそうだろう。だが、勉学..........頭を使うことはその分感覚の差異からか苦手であるように見える。ナハト個人の見解だが直感的な部分に長けてるリィエルだからこそ考えをまとめそれを形としてなす勉強はめっぽう向かないのだろう

 

だが——

 

「ねぇ、リィエル。もし本当に頑張るつもりだったら私と一緒に勉強する?私がわかる範囲で教えてあげようか?」

 

「!」

 

エルザはそう屈託のない笑みでリィエルにそんなことを提案するのだった。これはある意味リィエルにとって勉強以上にいい影響を与えてくれるかもしれない提案だ。

 

だが、リィエルは悩んだ。かつて兄に依存していたが、今では少しは変われたと昔から知るグレンやナハトやセラはそう感じてるし、リィエル自身もそう思っている。だがそれはあくまで彼らにおんぶにだっこの状態ありきでの話だ。彼らがいるからクラスメイト達にも興味を持てたし、エルザの事も好意的に考えられている。

 

だが.............

 

『まぁ、そうだな............お前が自信を持てるように俺達の誰にも頼らずに友人の一人位作ってみろ。そうすりゃお前も自信が持てるし俺もアイツ等も少しは安心するだろうさ』

 

不意に出発するときにグレンに言われた言葉を思い出す。

 

そして——

 

「.........ん。わか.......った。勉強...........教えて?」

 

リィエルはいつものように無表情のように見えるが心臓はバクバクと鳴り緊張状態である。

 

「その...........よろしく。え、えっと......エル、ザ?」

 

「!」

 

子虫の羽音よりも小さな声でそうリィエルが頼み込んでくる様子にエルザは一瞬ぽかんッとするもすぐに満面の笑みを浮かべリィエルの手を握り「こちらこそ!」と答えていた

 

 

(なんだ........リィエルちゃんとやれてんじゃん)

 

そしてそんなリィエルの様子を見ていたナハトは安堵したように微笑みながらそう考えていた。もしもの時は自分でリィエルに勉強を教えるつもりでいたがあの様子では大丈夫だろう

 

(エルザに関してはまだ少し気になることはあるが............まぁ、〝今〟のリィエルなら大丈夫か)

 

ナハトはいまだにエルザの事を警戒しているがきっと今のリィエルなら問題ないと考える。勿論いざと言う場合にはすぐに動けるようには準備も警戒も怠らない

 

そう、怠らないのだが..............

 

「ちょっと!イズ聞いてるの!!イズは私達と一緒にいるわよね?」

 

「イズさん早くこちらへ。そのような野蛮な方々は放っておいて一緒にお茶をしながらご教授いただけませんか?」

 

「お前自分の事棚に上げてんじゃねぇよ!!テメェらのせいでイズが困ってるんだろうが!!」

 

「コレットさんもイズが困ってるから離れて?あとイズは鼻を伸ばしちゃだめだよ?」

 

この自身を取り合う4人の少女たちをどうにかしたい

 

字面だと男冥利に尽きるかもしれないが実際にあってみると分かるだろうが幸せどころか割と恐ろしくすらある

 

(早く男に戻りてぇ.........もう明日から分身に学校行かせようかな?)

 

分身を使ってサボるという若干グレンらしい思考なるナハトであった

 

 

**************

 

 

 

学校が終わった夜。ナハトは浴場に行かず手ごろな寮の庭のはずれに模擬剣をもって出てきていた

 

グレンは.........

 

『浴場に行ったら今なら女子生徒に背中流してもらえるかも!?』

 

とか言って行ったが俺からすればいつ体が戻るかわからない状況でそんなことできやしないし、ルミアに出くわして軽蔑されて嫌われたら嫌..........って、べべべべ別にルミアどうのじゃなくて人としてそれは犯罪と言うわけで決して好きだから嫌われたくないという気持ちも無きにしも非ずではあるが.............

 

(..........俺.........誰に言い訳してんだよ?.........さっさと剣振って忘れよう)

 

そんな事を内心で考えている自分に呆れつつルミアを完全に意識してしまってる自分が恥ずかしくなり剣を振り始める

 

ナハトにとって剣を振ることは鍛錬の意味もあるが精神統一や考え事をするのに思考がクリアになっていいという意味もある

 

剣を振りながら今回の裏側の事情なんかに思考を巡らしていると.........

 

「あれ?イズさん?」

 

「エルザ?」

 

後ろから刀を持って現れたのは昼間リィエルと一緒にいたエルザだった

 

「イズさん素振りですか?」

 

「えぇ、そう言うエルザも?」

 

「はい。日課なんです。それに剣を振ってると落ち着きますから」

 

「それは私も同じね」

 

そう笑みを交えて話しているとナハトは自然とエルザがもつ刀に目が行った。帝国で東洋の刀を使うものは珍しい。ナハト自身刀を使う者は一人しか知らない。

 

(確かサキョウさんも刀使ってたっけ。剣術とか少しだけ手ほどきされたからな............)

 

特務分室で剣を使うのは基本的にナハトともう1人、元・執行官No,10《運命の輪》サキョウ=スイゲツ=ヴィーリフだけであった。ナハトの基本的な剣技はゼーロスの教えがメインだが少なからず彼の教えも影響していたりする。もっともナハトの場合はいろんな剣技を複合させ自分がやりやすいようにしているためほぼ我流に近いわけであるが............

 

(確か二年前天の智慧研究会の掃除屋に奥さんと共に殺害されたんだよな...............って、ヴィーリフ?...........確かエルザの姓も.............あとでアルベルトさんか姉さんに調べてもらおう)

 

よくしてくれた人でもありその最後があまりにも酷く、当時は結構研究会に対して頭に来たと思い返してたところでふとエルザと姓名が同じことに気が付く。刀使いは珍しいので何か繋がりがあるかもしれないと心に留めていると..............

 

(なんか熱いな...........前にもこの感じあったような.............)

 

エルザと共に剣を振ってからそこまで時間がたっていないのに無性に熱く感じていると体の異変に気が付く

 

(あれ.....なんかメキメキ音がするって........まさか!?)

 

小さくメキメキと音が鳴り始めたところで事の重大さに気が付く

 

そう望んだとおり〝男に戻り〟つつあるのだ

 

こんなところで男に戻っては拙いと直ぐにナハトは行動する

 

「わ、私授業の課題するの忘れてたのを思い出したので先に戻りますね!」

 

「え?今日って課題なんて出て.....「そ、それじゃあまた明日!お休みなさい!!」........ってイズさん!?」

 

イズは適当に今考えた言い訳をしてそのまま鍛え抜かれた俊敏さで駆けていた。エルザはそんな様子に驚き呆然と立ち尽くすとしばらくしてとても真剣な..........それこそ執念すら感じられる表情で剣を振り始めるのであった

 

 

****************

 

ナハトは一旦部屋に戻ると直ぐに女体化が解けた。久しぶりの本来の身長に感動しつつも今はそれどころではないと言い聞かせ直ぐに【セルフ・イリュージョン】で先程までのイズの姿にすると浴場へ駆ける。

 

(多分先生も解けてるはずだから早く行ってフォローしないと!!!)

 

寮内を駆け抜け直ぐに浴場に辿り着き、風呂場に入った瞬間だった——

 

「《きゃああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ》!!!!!」

 

「先s.....「ふべらっ!?」ちょ、まっ......ッ!?」

 

入った瞬間にすでに先生は男に戻っていると確認できるや否やシスティーナが悲鳴を呪文に改変させる無駄に高等なテクで放たれた【ゲイル・ブロウ】によって吹き飛ばされたグレン。そしてそれにナハトは突然の事で捌けずグレンと共に吹き飛ばされる

 

(もう嫌だ..........お家帰りたい..........)

 

この短期留学始まって何度思った事だろうか。ナハトはグレンの下敷きになりながらそんなことを考えずにはいられなかったのだった

 

 

 

 





すいません!遅くなってホントすいません!!今回はいつもより少し短めですがキリのいいところなのでここできらせてもらいます。さて、遂に来月待望のロクアカの画集が発売されますね!自分はゲーマーズの豪華版を既に予約してるのですが届くのが今から楽しみですね!それに加え新刊も確か6月に発売なのでそれを含め来月はロクアカの月ですね!

今回もここまで読んでくださりありがとうございます!またお気に入り登録、評価、コメントをしてくださりありがとうございます!次回以降はもう少し早く出せるよう頑張ります!

再計:システィーナのヒロイン追加について

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