ナハトはサキョウとの戦闘を終えるとエルザに真実を語り始めた
「エルザ。君はマリアンヌに多分だけどイルシアが名前を変えて学生やってるとか何とか言われたんじゃないかい?」
「はい........でも、今になって思えばそれは違うんですよね?」
エルザも今となって考えれば戦闘中にもリィエルが何かを伝えようと必死になっていたのを思い出す。そして、イルシアとの関係も妙な言い回しもしていたというのにも関わらず復讐に捕らわれていた自分が冷静になったとたんに後悔に苛まれていた。
「あぁ。リィエルはイルシアじゃない.........ただ、リィエルはイルシアを元に生まれた存在、『Project : Revive Life』唯一の成功例なんだ。だから容姿は瓜二つでも本質は全く違う別の存在なんだ」
この事実はきっとエルザに酷く重たくのしかかるだろう。だが、このことを隠すほうが余計彼女を苦しめる........そうナハトは考え伝えた
「.........でも.......でも何でマリアンヌは彼女を必要としたんですか?」
「アイツは
マリアンヌの素性についてはイヴにエルザ周りの調査を依頼したことで分かったことである。まさかエルザの叔母とは思わなかったが調べてみるとかつて起きた
また、サキョウの存在は『Project : Revive Life』なしには存在しえないのだから彼女の話を信じるのなら天の智慧研究会はもう既にそれを為し得る手段を手に入れたようだ。最も遠征学修の時を考えれば当然ともいえるだろう。
(ただ、確かにリィエルが必要なのかが不思議なんだよな...........マリアンヌが天の智慧研究会でのことを知らないだけかもしれないが狙うのはルミアでなくてリィエルなのが妙に引っ掛かるんだよな。考えすぎかもしれないがリィエルは他の成功例とは何か違うのか?)
確かに、リィエルは貴重な成功例ではある。だが、天の智慧研究会がその技術を確立させたのは恐らくルミアの異能?あってこそだ。繋がりのあるとされている
「そう........だったんですね」
「後はマリアンヌに協力してる生徒もいるみたいだけど彼女たちは恐らくマリアンヌに
ナハトはこの場に来るまでに不自然に周囲を警戒している生徒を片っ端から気絶させてきた。流石に女子生徒相手に記憶を覗き見るのは気を引けたのでしなかったがこの学院の立地なんかを考えたりすれば容易に推測は出来た。
そして恐らく、そろそろ先生たちも異変に気が付くか本体がここに先生たちを連れてくるだろう
そんな事を変えている度丁度いいタイミングで先生たちが訪れた
「エルザにナハト無事か!?」
「無事ですよ.........さて、役者も揃ったことですし反撃開始と行きますか」
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ナハトはことのあらましをざっくり説明するとこれからの行動指針について伝え始める
「リィエルを攫ったマリアンヌは一部のここの生徒達と共に鉄道でこの閉鎖的空間から逃げるつもりのはずです。恐らく今頃鉄道は出発したばかりなので幸い今から追いかければ間に合います。俺一人で追う........そう言いたいところですが..........」
慢心しているわけではないがナハトは一人で十分対処可能だと考えているが当然——
「俺も行く!」
「私も行くわ!」
「リィエルを助けないと!」
わかっていたことだがグレン、システィーナ、ルミアの3人はそう言って聞かないだろう。
因みにだがリィエルが襲われた理由なんかは適当に魔力特性が目的だとか何とか言って誤魔化しながら伝えた。ナハトについてもこうなっては隠すのが難しいとイズの正体含めきな臭いうわさのあったここの調査に派遣された軍のものとあながち嘘ではない事情を説明したのだが............
「い、イズさんが...........お、男なんて..........うううううう、う、嘘です、わよね?」
「.........................」呆然
フランシーヌとコレットはこの様である。あまりの動揺振りに少しだけ罪悪感を感じてしまう。
「二人ともすいません。任務とはいえ騙してしまって..........ただ、とりあえずはそのことは後にい今からマリアンヌを追いたいと思います」
「だがナハト...........お前どうやって追いかける気だ?流石に白猫はまだ【
そう、間に合うためには【
..........最も、〝人〟の足ならばだが
「空を飛んでいこうと思います」
「は..........?」
グレンは何を言っているんだコイツと言う顔で見てくるがナハトは至極真面目な話である。
「《いざ来たれし・翼持つ誇り高き風の朋友・我汝の契約を此処に果たせ》」
ナハトは不意に呪文の詠唱を開始し、右手で複雑な印を結びそのまま右手を地面につけるとその手から輝く魔力の線が縦横無尽に地面を走り五芒星の魔術法陣を形成する。
その法陣が虚空に『門』を開き、一騎の大鳥が翼をはためかせ現れる
美しい紅の飾り羽根に、飾り尾羽。流線的なフォルム、雄々しき翼。
そう................
「ふ、
「この子で追います。空戦型なので速さは折り紙付きです。軍の空戦型のだってコイツに勝てる奴なんてそうはいない凄い奴なんですよ」
そう誇らしげにナハトは首元をかきながら伝える
「この子ならデメリットなしに5人は乗れます。十分ですよね?」
ナハト達が早速乗り込もうとしていると......
「待ってください!イズ.......いえ、ナハトさん。私も連れて行ってもらえないでしょうか!」
「アタシも頼む!イズ.....じゃなくてナハト!」
フランシーヌとコレットが同行を求める。正直言って許可できないところだが..........
「............グレン先生にその辺の判断は任せます」
「いいのか?」
「移動手段は別にこれだけってわけじゃないですし、何人来ようと戦闘に関しては俺がメイン張るのはほぼ確定事項のようなものですし学生相手なら確実に守り切れます。勿論学生以外の協力者なんかが居る可能性も考慮する必要がありますがその点は先生の判断次第で構いません」
グレンは腕を組み黙り込む
少し考えこむと厳かに口を開け二人に問う
「お前たちは..........『何者』だ」
(成程........)
ナハトはその真意を知り本当に小さく口端に笑みを浮かべた
そして彼女達に更に問いかける
「言ってみろ、フランシーヌ、コレット...............お前たちはいったい何者だ?ただの『魔術使い』か?それとも『魔術師』か?」
すると二人は顔を見合わせ――
「『魔術師』ですわ!」
「『魔術師』だぜ!」
二人は同時に力強い笑顔で答えるとグレンは満足したように口を開く
「よし!なら行くぞお前ら!リィエル助けえ、マリアンヌをボコって思春期こじらせちゃった痛い連中に、きっつーい教育をかましてやるぜっ!」
そう言ってグレンに
「エルザ。君も来てくれ」
「でも..........私は..........」
エルザは勿論行こうと考えていた............のだが、先のナハトの戦闘とリィエルを誤解していたことにより少ししり込みをしていた
「.........これは対等な『魔術師』として君にお願いしている。俺は君の腕を見込んで頼んでいるんだ。それに何かあっても一人や二人.......何なら全員分のミスのなんて俺が完璧に支えてやる。それに助けたいだろ?リィエルの事」
ナハトの問いかけに少し悩み込むエルザ。だが、答えは単純だった
「助けたい..........もう、間違えたくない」
「そっか........それともう一つ」
「?」
「親父さんは俺が相手した剣士の中で間違いなく2番目に強かった.............1番は完全に人外過ぎてあれだけど間違いなく親父さんは最強と言って差し支えなかったぜ」
俺がそう言うとエルザは目から涙をこぼし力強くうなずいた。
そのままエルザはグレン達と共に学院から
そしてその様子を見届けているとシスティーナが問いかける
「ナハト。私たちはどうやって追いつくのかしら?」
「山を最短ルートで抜ければ間に合う。事前に調べておいたから間違いない」
ナハトは事前にあらゆる事態を想定してこの隔離された学院からの脱出手段なんかを多岐にわたって用意していた。そのナハトからすれば一つ程度移動手段がないなんて屁でもなかった。
「なら、ナハトがルミアを抱えて【
システィーナはどうやら自力で行くつもりだがそれでは消耗が少し激しい
「いや。もう一体召喚する.........《いざ来たれし・大地を雷鳴の如く走駆する朋友・我汝の契約を此処に果たせ》」
またナハトが印を結び扉を開けるとそこから現れたのは通常の狼よりも一回りも二回りも大きい雷狼だった
「こいつは雷狼。俺達が【
森は足場が多い分逆にルート選択なんかで結構集中力が要求されるため疲労がたまりやすい。ナハト達特務分室メンバーはまだしもまだ学生のシスティーナには少しばかり厳しいものがある。
そうして俺、ルミア、システィーナの順で乗り込んだのだが........
(やばい.........ルミアに後ろから抱きしめられるとマジでヤバい////////)
背中にとても柔らかい感触が押し付けられこんな時だというのに無性に意識してしまう。これが惚れた弱みと言う奴だろうか。
「.........二人とも結構揺れるだろうからしっかり捕まってろよ」
「うん!」
「わかったわ!」
二人の確認をするとナハトは雷狼に指示を出し夜闇を駆けるのであった
(ナハト君が照れてる気がする..........嬉しいな♪)
*******************
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
森の木々をかき分け雷の如く大地を蹴り、走駆するはナハトの雷狼。凄まじい速さと勢いにシスティーナの悲鳴が木霊す
流石に空を飛ぶほうがショートカットになる分飛ばし気味になってしまっているので少し申し訳なくもあるが
「悪いシスティーナ!もうちょっと頑張ってくれ!」
「結構........速くて私も少し怖いかな?」
「ルミアもゴメンな」
「うんうん、むしろこうして抱き着けて嬉しい.....なんて////」
抱きしめる力を込められたことにより必然的に背中に伝わる感覚が強まりナハトの声が上ずる
「お、おう////////」
付き合うまで秒読みの男女かと言うやり取りに速さと揺れでおっかなびっくりなシスティーナもジト目で二人を見て露骨に機嫌を悪くする
「何よ......ルミアばっかりデレデレしちゃって......私だって........」
風切り音で掻き消されその独り言は誰にも聞かれてはいなかった。
そうこうしていると森が明け視界が一気に広がると鉄道を確認できる。どうやら事前調べ通りちゃんと間に合いそうだ
「二人とも。最後尾に乗り移るからそのつもりで。ルミアは俺が抱えて飛び移るからシスティーナは飛び乗る準備を」
「うん!」
「わかったわ!」
二人に指示を出し了承を得たのを確認しつつ鉄道に雷狼を合わせる。その途中で上空を確認すると
限界まで雷狼を寄せたことを確認し飛び移るよう指示を出す
「システィーナは飛んで」
俺が合図を出すとシスティーナは危なげなく飛び乗る。まだ少しおっかなびっくりしてるところはあるのは否めないが着実にその才能に裏付けされた能力を伸ばしていっている。
「それじゃ少し失礼するぞルミア」
ナハトは揺れる背中の上で器用に立ち上がるとルミアの膝裏と肩に手を添えお姫様抱っこするとシスティーナと同じく一切の危なさげも感じさせずに乗り移る。先生たちも順番に乗り移ったのを確認し全員揃ったことを確認する。
「んで、ナハト。リィエルの位置は?」
当然わかってんだろと言わんばかりの問いかけだが実際にわかっている。
「それなら多分もうきますよ」
「は?」
そう怪訝そうにしていると.........
ドコンッ!!
少し後ろから鈍い音がしたと思うと天井に穴が開きそこから.........
「あれ?皆来てたんだ」
ひょこりと顔出すリィエルがいたのだった
「ほら、立派に一人で脱出してきましたよ」
リィエルは力業で戒めを強引に千切りこの場に出てきたのであった
後に語るのだがリィエルは
「なぁ.........俺ら助けに来た意味あったのか?」
グレンのそんな呆れた声と共にリィエル救出作戦.........改めマリアンヌとっ捕まえよう作戦が開始されるのであった
次回8巻の内容は最後となると思います!なるべく早く更新できるように頑張ります。
さて昨日発売のロクアカの画集は皆さんは購入されましたか?自分はゲーマーズで限定版を購入してちょうどこれをかいている途中できました。中はまだざっとしか目を通してませんがボリュームも内容も最高ですよね!タペストリーも早く飾りたいですし、夏発売の二巻目も楽しみです!買っていない方がいればぜひ購入して楽しんでほしいと思います。
もうすぐ激動の9,10巻の内容には入れますが原作通りルミアにとっても本作主人公ナハトにとっても大きなターニングポイントにもなる回になる予定なので自分自身でも書くのが楽しみですし、読んでくださる皆さんにも楽しみにしてもらえればうれしいです!これからも頑張るのでどうかよろしくお願いします!
また今回もここまで読んでくださり本当にありがとうございます!お気に入り登録、評価、コメントなど本当にありがとうございます!
再計:システィーナのヒロイン追加について
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