魔術競技祭当日。俺達二組は開催までクラス全員の起用という手法から「やる気ないクラス」と他クラスの生徒並び学院教師陣は評価してきたわけだがふたを開けると....................
「先頭集団が最終コーナーに差し掛かった!な、なんと!ここで二組のロット君が追い上げる!そして、そして二組のロット君がそのまま抜いたぁぁぁぁぁぁ!まさかの二組が三位だぁぁぁ!!」
二人で一人のチームを作り敷地内に設置されたコースを一周ごとにタッチしながら何度も回る”飛行競争”の競技。序盤は先頭集団に話されていたものの安定的なペースで飛び続けて三位をキープ。これには会場は大盛り上がりだ。今年のダークフォースだなんて声も聞こえてくる。そしてペース配分に重きを置けとアドバイスしたグレン先生は....................
「(うそぉん)」
まるで信じられないといった顔だった。いや先生がそんな顔してどうするんですか..........
「先生の指示ですよね?こうなるってわかってたんですね!」
システィーナは想像以上の結果をたたき出すことになったであろう先生の采配に感心しているのか先生をキラキラした目で見ている。まぁ、先生はまさかここまでうまくいくなんて思ってないんだろうけど。
「お、おう!当然だろ?体力勝負となる”飛行競争”において重要なのはペース配分というのは当然だからな。ペースさえしっかり守ってれば相手が簡単に自滅してくれると思っていたがあまりにも簡単な采配だったな!ㇵッハッハッハッ」
当然のごとく強がる先生。だけど冷や汗流れてるの見えてるんだよなぁ。そして、先生のその言葉に触発された生徒たちは先生についていけば勝てると信じ切る始末。先生内心「そんなハードル上げないでぇ」とか思ってそうだな。
だが案外それは事実だったりする。続く競技”魔術狙撃”のセシル、”暗号解読”のウェンディの活躍によりさらに総合成績を上げていく。
「だが、どうにも他クラスとの地力の差がなぁ~」
そうだ。善戦してるとはいえグレン先生の言う通り地力の差でどうしてもあと一歩順位が上がりにくい。そしてそうこうしていると俺の出る”バトルロワイアル”が近づいてきた。あまり目立つことはするのはよくないんだろうがとにかくいい流れをつなげるためにも確実に勝たないとな。
「おい、ナハト!次はお前だろ?大丈夫だとは思っているがしっかり一位とって来いよ?」
「安心してくださいよ先生。しっかり一位とってくるんで待っててください」
俺はそう言って応援席から席を外し通路に出る。あんまあり目立つのはよくないんだけど今更の気もするししっかりやらないとな。
俺はこれからの試合のことを考えていると通路の途中にルミアがいた。
「ルミアこんなとこで何してるんだ?」
「ナハト君を待ってたんだよ。ナハト君に言いたいことがあってね」
「俺に言いたいこと?何かあったのか?」
俺が心配になりそう聞くと首を横に振り俺を見つめる
「ナハト君のこと応援したかったの。頑張ってねナハト君!ナハト君が勝つこと私”信じてる”から!」
「!」
”信じてる”か...............そういえばあの時の”約束”の時も同じようなことがあったっけ
「あぁ、ありがとうルミア!ちゃんと一位とって戻ってくるからな」
俺はそう言うとお互い笑いあって競技の準備のため別れた。
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「さぁ、今からの競技は”バトルロワイアル”だ!各クラスから一人を選出し最後の一人になるまで争う競技!注目は一組ハインケル君と二組ナハト君でしょうか。ハインケル君は決闘戦にも選ばれており学年でもトップレベルの成績を誇ります。対してナハト君は成績は優秀ではあるもののハインケル君ほどではないのですが、彼のクラスは二組とのことです!今大会ダークフォースの二組の送り込んだナハト君がどのような展開を引き出すのか注目です!これは面白い試合になりそうだ!!」
(まぁ、成績は手抜きしてるしその評価は妥当だな。とりあえずスタート位置は自由だから真ん中行きますかね)
俺は競技前の前評判を軽く聞き流してスタート位置に向かう。普通なら真ん中なんて良い的になるが俺からしてみれば都合がいい。
「全選手位置についたようですがナハト君はわざわざ真ん中にいるようです。あれでは他のクラスから格好の的になるが何かの作戦か?」
俺のそのスタート位置に他クラスや観客からふざけているのかと怪訝に思われているようだ。それらを適当に無視しているとそろそろ始まるようだ。
「それでは競技を開始したいと思います。...................競技、始め!!」
その合図の瞬間。俺を取り囲んでいる他クラスの生徒が俺めがけて魔術の詠唱を開始する。予想通り全員が俺狙いのようだ。だから.............
「《疾風よ》」
俺は短く一説で唱えた《ラピッド・ストリーム》で上空に回避する。すると先ほどまで自身にいたところに他クラスの放った魔術がぶつかり合っていた。中心にいたのは上空に回避するため。そして他クラスを補足しやすいと考えたためだ。
俺はそのまま上空で態勢を整えて魔術を発動させる
「《雷精よー踊れ》」
俺は自分以外の他クラス五人に目掛けすぐさま放射線状に《ショック・ボルト》を放つ。五つの閃光はそのまま他クラスに襲い掛かる。だが、おそらくこれだけじゃ《エアスクリーン》やその他魔術などで対応され仕留めきれないだろう。だから俺はここでもう一つ手を打つ。
「《狂い咲け》」
俺が追加でそう詠唱すると各クラスが対抗するために術を唱えている目の前で《ショック・ボルト》が大きくはじける。
「「「なッ!?」」」
突如大きく弾けたことによる音と閃光によって他クラスの奴らは驚き詠唱を途中でやめてしまう。それだけ隙ができれば十分で、俺は空中から着地するまでの間に詠唱を完成させ、着地と同時に魔術のトリガーを引く。
「《風よ・風よ・吹き荒れろ》」
俺は《ゲイル・ブロウ》の即興改変の黒魔改《ストーム・ブロウ》で俺を中心として全方位に風が吹き出し先ほどの隙のせいで次の魔術を唱える余裕のない他クラスの連中はみな吹き飛ばされ全員壁際まで飛ばされたことにより俺の勝利が確定した。これが俺が中心を陣取ったもう一つの理由で一発で確実に全クラスまとめて場外にするための行為だった。
「試合終了!!勝者二組のナハト君だぁぁぁ!試合時間はわずか一分にも満たない一瞬で全員を場外に吹き飛ばしての勝利だぁぁ!」
そのコールに会場全体は大いに盛り上がる。二組の応援席を見上げるとクラスの奴らも大騒ぎだ。まぁ先生たちは勝利を信じてくれていたようで当然だといわんばかりの表情を浮かべていた。
そしてルミアも笑顔で俺に手を振っていた。
だから俺も笑顔で手を振りそれにこたえる。
(ちゃんと勝って来たぞ。信じてくれた通りにな)
俺はそのまますぐに自身のクラスの応援席に戻った。
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俺が応援席に戻るとクラスの男子どもにもみくちゃにされた。うれしいのは分かったからもう少し落ち着いてくれと俺が思いながら過ごしていると落ち着き次の競技にみな注目する。次はルミアの精神防御か.........まぁ、順当にいけばルミアの一位が確定だろうな。ただ、《マインド・ブレイク》すら使われるという競技に参加させるってのは思うところはあるけどな。
そんなことを考えているとシスティーナが心配そうにグレン先生に声をかける。
「ねぇ、先生。今からでもルミアを変えませんか?さすがにあの競技は危険ですよ。」
するとギイブルも口を開く。ただ、彼は別に彼女を心配してのことではなく………
「確かに彼女をここで使うのは合理的ですね。彼女は白魔術には秀でてますが黒魔術はそうでもない。ここで彼女を切り捨てるのは合理的ですね。」
その言葉にシスティーナはさらに不安になる。だが............
「大丈夫だよシスティーナ。それとギイブルも勘違いしてるみたいだな。この競技はルミアの勝ちだよ。そうですよねグレン先生?」
「どういうことですか?」
俺の発言にシスティーナはどういうことかと先生に聞く。ギイブルも何を言っているんだという表情をしているものの先生のほうを向く。
「ナハトの言うとおりだ。《マインド・アップ》ってのは素の精神力を強化する魔術だ。要するにルミアみたいに肝が据わったやつにはめちゃくちゃ効果あるんだよ。それにアイツの肝が据わってるのは親友のお前が一番知ってるだろ?」
そう先生がシスティーナに聞くとシスティーナは笑顔を浮かべ頷いていた。最後には親友としてルミアを信じることにするようだ。
(まぁ、俺も心配で競技前に変わろうか聞きに行ったりしてたんだけどな)
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<回想>
俺は競技を終えた後次の競技に出るルミアに声をかけに来ていた。いや正確には変わらないかと聞きに来たのだ。
「あ!ナハト君お疲れ様!それに一位おめでとう!」
「ありがとうルミア。ルミアの応援のおかげだよ。それにルミアが信じてくれたわけだしね」
そう言うとルミアは照れたように笑い「どういたしまして」といった。
「なぁルミア..................次の競技俺と変わらないか?さすがにあの競技は危険すぎる気が.............」
「フフッ。大丈夫だよナハト君?私もねクラスのために頑張りたいんだ。それにね...............」
そう言って途中で区切ると俺に一歩近づいて俺を上目遣いに見上げるてくる。あまりにも至近距離なせいで心臓が何だかうるさいような気がする。
「ナハト君に私のいい所見せたいんだ。だから応援してくれないかな?」
笑顔でそう言う彼女を見て俺は.........
「(あぁ、これは止められないや)わかった。危ないと思ったらすぐに助ける。だからがんばれルミア!応援してる」
そう言って俺はそのまま当然の流れのごとく無意識に彼女の頭手を置きやさしくなでる..........
「ってごめん!勝手に頭なでて!そ、それじゃあ応援してるから頑張れよルミア?」
そのまま俺はそそくさその場を離れる。さすがにこのままいるのはなんか憚れる気がしたからだ。
そうしてナハトが離れた後。ルミアは頭を両手でおさえ、顔を真っ赤に染めてその場に座り込んでいた
(うぅ~私が攻めたつもりなのにやり返されちゃった///////)
ルミアはチャンスと思い狙ってナハトとの距離を詰めて意識させようとしたのだ。(ある意味では成功している)だが、その後の頭なでなでの思わぬカウンター攻撃により撃沈したのだ。だが..........
(でもナハト君のなでなで気持ちよかったなぁ~......が、がんばったらまたしてくれるかな?/////)
当然満更でもないうえ、がぜんやる気が出たルミアがいたのだった。
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さっきまでのことを思い返していると競技の準備が整い説明っが始まろうとしていた。
「ただいまより精神防御の競技を開始したいと思います。今年も第六階梯のツェスト男爵にお願いいたします!」
「さて、さっそく競技を開始しよう。私の華麗な魔技にどこまで耐えられるかな?」
そう言って競技が始まる。いきなり《マインド・ブレイク》を使うわけではなく、まずは《スリープ・サウンド》などから始まっていく。それでも《マインド・アップ》を唱えた終えている生徒の一部が魔術にかかり寝ていく。
「昨年覇者のジャイル君がいますからね。恐らくは選手の温存のためでしょう。そんな中、二組のルミアちゃんがどこまで耐えられるか期待ですね男爵」
「そうだな….....可憐な少女がどれだけ精神操作呪文に耐えられるか.........いたいけな少女の心をどのように汚染しつくしてやるか実に楽しみだ!!」
そういい視線を向けられたルミアは顔を少し引きつらせ後ずさっていた
「少しは自重しやがれエロ男爵!!!」
司会者の突っ込みと会場にいるすべての人間が汚らわしいものを見る目で競技を見ている中、二組の応援席では..........
「おいナハト落ち着けって!!」
俺、ナハトはグレン先生とセラねぇとシスティーナに取り押さえられていた。
「は・な・せ!!これじゃあの汚物を処せない!!」
俺は両手に取り出した獲物を持ち斬り込もうとしていた
「クッソ!こっちは三人がかりなのになんつう力してやがんだよ!」
「抑えてー!ナーくん!!」
「落ち着くのよナハト!こんなとこじゃダメ!せめて闇討ちじゃないと!」
若干一名ナハトの味方がいるような気もするが三人は必死にナハトを押さえつける。
そうやって騒いでいるといつの間にか残りはルミアと五組のジャイルだけになっていた。
「だがジャイルってのも半端ないなぁ~正直ルミアに任せとけば余裕だと思ったが...............おい!いい加減落ち着いたかナハト!万が一は分かってるだろ?」
「えぇ、確実に首を取りますよ。確実にね?」
「ちげぇよ!だから.................」
「冗談ですよ。いえ、これ以上あれな発言するなら”アレ”使って痛めつけるのもやぶさかではないですが、ルミアとはちゃんと約束しているので危なくなったらすぐに向かいますよ」
「わかってるのはいいんだが................たかが〆る程度にお前”アレ”使う気なのかよ...........」
「ナーくんったら............」
「?あれって何ですか先生?」
「ん?あ~それは......っと今は試合だ。そろそろ佳境だろうしな」
先生は俺の”切り札”の一つについて言いかけるが試合の意識を戻す。その時ちょうど試合会場では《マインド・ブレイク》に入ろうとしていた。
ここで少し《マインド・ブレイク》についての説明が入った。長々いうのもアレなので簡単に言えば精神操作系の魔術で一番やばい術だ。決まってしまえば一瞬で廃人と化してしまうレベルのものだ。俺と先生も慎重にルミアの状態を見極めようと集中して試合中のルミアを見つめる。
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試合は進み何度も《マインド・ブレイク》が使われるなか二人は耐え抜いていく
そんなルミアを見たジャイルは感心したように声をかける。
「女のくせになかなかやるじゃねぇか」
素直な賞賛だった。それに対してルミアも笑いながら「そうかな?」と答える。
「だがそろそろ限界なんじゃねぇか?棄権したらどうだ。」
「あははは......そうだねそろそろ限界かも。でも頑張りたいんだ!先生がみんなで勝とうって言ったんだ。だから私も頑張らないと。」
「それにいいとこ見せたいから」ボソッ
ルミアが自身の想いをジャイルに伝える。ただ、最後のは完全に無意識につぶやいてしまいる。それをジャイルだけが聞き取れていて................
「ハンっ.....なるほど男か?」
「えっ.....//////もしかして今口に出てた?/////」
ルミアは否定するものの完全にそうだとジャイルはほとんどそうだろうと確信していた。というよりもそもそも試合前のルミアとナハトのやり取りをたまたま見かけているので聞くまでもなく確信していたりする。
だが、そのあとも何ラウンドも試合は続いていく。
そうしてついに......................
「っぁ.................!」
「あああぁぁぁっと!ついにルミアちゃんがふらついて膝をついてしまった!!!」
「やめるかね?」
そう変........ではなくツェスト男爵は問いかけルミアはそれに大丈夫だと答えようとするが...............
「棄権だ!二組はここで棄権する」
そうグレン先生は大きな声で告げる。その傍らルミアをナハトとシスティーナが介抱しようとする。
「先生、ナハト君、システィまだ私は................」
「十分だルミア。だから無理しないでくれ。これ以上は危険だ。約束しただろ?危なくなったら助けるって。」
「そうよ。凄いわルミア!あなたはすごく頑張ったの!かっこよかったわルミア!」
俺とシスティーナはルミアを称える。ルミアはジャイルに勝てなかったのが悔しいかもしれない。でもルミアの頑張りは称賛されるべきものだ。だから俺たちはルミアをこれ以上無理をさせるわけにはいかない。
「そういうこった。だからルミアお疲れさん。それとすまなかったなこんなきつい競技に参加させちまって。まさかこいつみたいなやつがいるなんて思いもしなかったぜ」
そういうとちょうど勝者であるジャイロに会場すべての目が行く。だが俺は少し違和感を感じた。
「あれ?なんかジャイルの様子変じゃないですか?」
なんというか生気がないというか、心ここにあらずといううか、堂々としているようで何かが欠けているように見えた俺は思わず声を上げる。
そうして司会者がジャイルを確認すると.............
「な、なんと!ジャイル君が立ったまま気絶しているぅぅぅ!!!えーこの場合はどうするべきでしょうか男爵?」
「う~む。.............棄権したとはいえこのラウンドを耐えられなかったジャイル君の負け、対して耐えることはできたルミア君が勝ちだろうな。」
そう男爵が宣言した瞬間。会場は割れんばかりの歓声が包み込む。
「凄いわルミア!!大勝利よ!!」
「やったなルミア!!」
俺とシスティーナは親友の勝利に大喜びしていると遅れながらルミアも自分の勝ちだと理解して
「やった................やったよふたりともぉぉ!!」
そう言ってルミアは俺とシスティーナに抱き着いてきた。
「「ちょ、ちょっとルミア!?」」
俺たちはたじろぐも今回頑張ったのはルミアなので俺とシスティーナは顔を見合わせ「まぁ、これくらいはね?」と目で会話しそのままルミアに抱きしめられた状態で落ち着くのを待つことにした。そして、落ち着くまでの間は俺がルミアの頭をなでシスティーナが背中をさすり続けることになった。
(ホント、ルミアはすごい子だ。)
ルミアの印象をまた一つ改めることになる午前の部は幕を下ろした。
だが、この競技祭はこのまま平和に終わることはなかった。
俺たちがルミアたちと一緒にいる傍らで
ことは進んでいるのであった
次回はついに特務分室の二人の登場です。そして今回少しだけ触れたナハトの切り札ですが今回の事件解決のカギにするつもりです。まぁ、お分かりの方が多いと思うのでぶっちゃければナハトの固有魔術なのですがとある作品の弟思いの兄が使っていたものを参考にしたものにする予定です。ぶっちゃけその作品に出てくる技は結構好きなのでこの作品でも既に一度だけその作品を参考にしたものと言うかそのものを使用していたりします。今後もほかにも使う予定です。
次回はどこまで行くかわかりませんが、いつもこの駄作を評価してくれている少数の方々に感謝を!
再計:システィーナのヒロイン追加について
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