いつものクソ遅投稿&クソ短い回です。
もう年が明けちゃったよ………
「まずは風呂だな。入ったことは?」
「?」
美鈴たちへと食事を持っていき、
ついでに咲夜の紹介を終わらせた俺は
次の問題に直面していた。
────そう、風呂だ。
多分風呂も経験はないだろう。
「…………まぁ大丈夫か。溺れないようにすれば」
「?」
お嬢にやってもらうのも忍びない。
美鈴に任せるのが普通だろうが、
アイツは今は爆睡していることだろう。
起こすのに10分くらいかかったし。
それに妹様を風呂に入れた経験もある。
気を付けておけば大丈夫だろう。
「行くぞ」
「ん!」
喜んでついて来る咲夜に苦笑いしながらも、
2人で風呂場へと向かうのだった。
「…………ん」
あってはならない気配に、
風呂に向かう廊下で立ち止まる。
咲夜もそれに首を傾げているが、
実際はそれどころではない。
「?」
「侵入者か。良い度胸だ」
言葉通り、愚かな紅魔館への侵入者だ。
パチュリーの張り巡らせた結界によって、
一部を除いた者以外に侵入者の発見を知らせる。
美鈴への報告は切ってある。
今は咲夜もいるが、どうにかなるだろう。
寧ろちょうど良いかもしれない。
「咲夜、ついてこい」
「ん!」
何が始まるのか分からないが楽しそうな咲夜と
共に行先を変更、玄関ホールへと向かう。
「あぁ全く客人とは、新人の教育が進まないな」
侵入者にホールの階段上から言い放つ。
侵入者は突然現れたこちらに驚いているようだが、
関係ないのでそのまま、言葉を紡ぐ。
「またホールが血で汚れる。
お嬢に怒られるじゃないか」
「貴様は………吸血鬼ではなさそうだな」
「ご明察。俺は執事の十六夜 燎夜。
見ての通り、新人の咲夜の研修中でね」
どうやら教会の者のようだ。
十字架を模した剣を持っており、
月明かりが差すと騎士のような風貌なのがわかる。
教会の聖堂騎士。
執拗に吸血鬼を狙い殲滅する吸血鬼狩りのプロだ。
「番人……いや、番犬と言った所か?」
その言葉に、思わず身体がザワつく。
身体が赤熱し、全身の毛が泡立つ。
全く、苛立つことを言ってくれる。
「…………犬、と言ったか」
「番犬と言ったが?くく、犬、犬か」
全速力で地を蹴った。
騎士の頭を掴み、大理石の床に叩きつける。
「が─────ッ!!?」
「犬とは、笑わせる」
「!?」
だってそうだろう?
捕食者は怯える獲物を前に、嗤うものだから。
「ならば喰らってくれよう
その骨も血肉も、魂さえも」
背後に大きく跳び退き、距離を取る。
両腕を脱力させ地面に垂らし、
そのまま身体中に力を込める。
骨が変形して軋み、筋肉が肥大化して隆起する。
全身の毛が逆立ち、急速に伸びていく。
丁度いい玩具が目の前にあるのだ。
憂さ晴らしに全力で行かせてもらおうか。
「!!?」
「狼、男………!」
『イヌ科ではある。あながち間違いでもない。
だがお前が間違えたのは、その犬の力量だ』
大きく踏み込む。
夜闇の中でも輝くような銀色が月夜は映える。
牙をガチンと鳴らし、火花を散らす。
『後悔するといい。
最も、死ぬまでにそんな暇があれば良いがな』
「─────!」
「チッ……!」
吠える。
ガタガタと紅魔館の窓が震え、
衝撃が強風となって咲夜を足止めする。
『新人の前だ。
格好良い所を見せるとしようか』
白銀の爪を振るい、騎士へと襲いかかる。