MCU『ブラック★ロックシューター』   作:おれちゃん

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Marvel's THE AVENGERS
エージェント・シェパード?


「おはよう。マリアさん」

「ええ、おはようステラさん」

「怪我してる。何かあった?」

「ええ、ちょっといろいろあってね。ロスコルはいるかしら」

「朝ごはんを作ってる。中に入る?」

 

 ステラがいつも通り届けられた新聞を読んでいると、いつもと違い徒歩でマリアがやってくる。顔などに絆創膏などをしていたので心配しつつ、中に連れて行く。

 

「ステラー、今日はスクランブルエッグとコーヒー切れてるからホットミルクで我慢ブフゥあちゃちゃちゃちゃ⁉︎」

「お父さん。マリアさんが来た」

 

 ステラがマリアを伴ってやってくると動揺したロスコルがホットミルクを腕にこぼした。

 

「それで、ヒル副長官。本日はこんな平社員にどんなご用件で?」

「ステラさんの力を借りたいのだけれど」

「それならヒル副長官。聞く相手が間違ってます」

「なんのお話?」

 

 ステラが氷嚢を作ってロスコルに持ってきてくれたのでそれを赤くなった所に当てつつマリアと向き直る。

 

「しかし貴方はステラさんの保護者で」

「ええ、俺はステラの父親です。だからこそステラの意志を尊重したい、彼女は俺なんかよりずっとずっと上等な人間だ。間違えることはあっても間違えを認められる、そういうね。ステラ、ケチャップ掛けすぎじゃないか?」

「でもお父さん。今日のは味がしないよ」

「ヤッベ調味料入れるの忘れたごめんステラ」

「……」

「ゴホン、さておき自分も勤めてるS.H.I.E.L.D.の副長官からの頼みな訳でして、信用はしてるって事です。コレがクイーンズあたりの悪ガキからの誘いだったら叩き出してますよ」

「成る程……良い父親をやっているようね」

 

 マリアがロスコルの覚悟に満ちた目を見て微笑んだ。そうしてロスコルから朝食を食べるステラに向き直る。

 

「ステラさん。お話があります」

 

 口のものをミルクで嚥下して朝食を脇に退ける。

 

「はい、お話はなに?」

「貴女の力を貸してほしい」

「良いよ。でも、悪い事なら手伝わない」

「大丈夫、世界を救う事よ」

「わかった。翼と剣なら持っていける。銃は……S.H.I.E.L.D.の人に取り上げられちゃった」

 

 ステラが寝巻きを脱いで押し入れの中に入ると胸部しか隠してないようなインナーに短パン、ブーツを履いてその上から星のあしらわれたパーカーを着たスタイルで出てきた。

 

「あの、ロスコルさん?」

「いえ違うんです。あれが彼女の一丁羅らしくてあれが良いんだそうなんです」

 

 そこからさらに黒と白のツートンにペイントされたウィングを引っ張り出してきて腰に装着し、ブーツにも後付けで爪先のガードが取り付けられた。ロスコルが床下に潜ると単一素材で作られたブラックブレードを持って来てくれた。

 

「それでは副長官権限で只今より貴女をエージェントに任命します」

「わかった……わかりました。副長官」

 

 前にロスコルがやっていたのを思い出して敬礼してみるステラにマリアが苦笑する。

 

「というかステラご飯食べ終わってないぞ」

「あっ……食べる!」

 

 慌てて振り返ったステラの翼の先が植木鉢をひっくり返す。

 

「ステラ……次からは家の外でつけるようにしような……」

「……ごめんなさい」

 

 食事を終えてハンバーガーとスパゲッティばかり食べないようにと言うロスコルの心配事を聞いて行ってきますの挨拶をすると近所の公園まで案内された。そこに停まっているのはクインジェットである。

 

「二年ぶりくらい」

「ふふ、サービスが無いのはごめんなさいね」

 

 乗り込むと運転手にお願いしますと挨拶をしてステラは椅子に座ろうと翼をぶつけてから、翼を左右に広げて無理やり座った。この翼、ステラの思うがままに動く可動翼なのだ。

 暫く空の旅を楽しんだステラは空母の上に降り立った。

 

「ではエージェント・シェパード、後続が来るからそれまでは自由に見学しててね。私は用があるから」

 

 マリアを見送ったステラは周りの整備士に奇異の目で見られつつも邪魔にならないように避けて辺りを観察していた。

 新たにクインジェットがやってきたのでハッチが開くのを出迎える。

 

「こんにちは」

「えっ……ああ、コレはご丁寧に。こんにちは、お嬢さんは……迷子かな?」

「わたしはステラ。エージェントになった。よろしく」

 

 差し出された手を見て男が少しの間考え込む。

 

「……怖く無いのかい? エージェントなら知っているだろう? 僕のことを」

「……?」

「え、知らないの?」

「ええ、私も彼女の事は知っていたけれど……エージェントになったの? あ、私はナターシャ」

 

 後から降りてきたナターシャが驚いたような顔をしている。それを見てバナーは本当に知らないのだと確信した。

 

「あー知らないならなおの事僕に触れないほうがいい。僕は危険人物だからね」

「危ない人は自分のことを危ないって言わないよ」

「まいったな……これも君たちのの策略? 事情を知らないかわいい子を僕の傍に置いて抑止する気かい?」

「わたしは世界を救ってってお願いされたから、手伝いに来ただけ」

「ええ、私達もその為に来たの」

 

 ステラはもう一度バナーとナターシャに向け手を差し出す。

 

「それなら、みんな仲間」

 

 バナーとステラが握手をする。華奢で今にも折れてしまいそうに見えるのに、バナーはその手に熱と力強さを感じていた。

 そこへさらにクインジェットが着陸してくる。

 後ろのハッチが開けば二人の人物が下りてきた。ナターシャもそちらに歩いていく。

 

「荷物を運べ」

「了解」

 

 甲板の作業員に指示を出しながら二人が下りてくる。

 

「エージェント・ロマノフ、キャプテン・ロジャースだ」

「よろしく」

「どうも。ブリッジで呼んでたわ。調査始めるって」

「では後程」

 

 キャプテンアメリカ、スティーブ・ロジャースとS.H.I.E.L.D.のエージェント、コールソンである。少し名残惜しそうにブリッジへと駆けていくコールソンを二人は見送った。

 

「氷漬けの貴方を見つけたとき、大騒ぎだったのよ? コールソンは気絶しそうだった。キャプテンアメリカのカードにサイン頼まれなかった?」

「僕のカード?」

 

 スティーブが初耳と言った顔をしている。

 

「貴重品よ。コールソンの宝物」

 

 喋りながら歩を進めていくとその先でステラとバナーが談笑をしていた。

 

「神経接続かい? 滑らかに動くね」

「ううん? 腰に繋いでるだけ」

「本当だ。動力源が見当たらないけれど一体どう言う仕組みなんだい?」

「わたしもわかんないけど使えるから使ってる」

 

 その様子は外見から言って親子ほど歳の差があるように見える。

 

「……バナー博士の子供まで連れてきたのか?」

「いいえ、彼女はS.H.I.E.L.D.のエージェントよ。私も初耳だけど」

「バナー博士!」

 

 隣のステラに疑問を思いつつもスティーブはバナー博士に声をかける。

 

「ああ、やあどうも」

 

 気軽に握手をする様子にステラがバナーの方を見ているがあえて突っ込まない。

 

「来るって聞いてましたよ」

「キューブを探せるんですって?」

「僕について聞いてるのはそれだけ?」

「他の事に興味はない」

 

 ステラも握手を求めて手を差し出せばスティーブはしっかりとその手を掴んだ。

 

「君は?」

「ステラ。世界を救う手伝いをしに来た」

「成る程、心強い。だが君にはまだ早いかもしれないな」

「……?」

 

 心配をしてそんな事を言うスティーブと意味を理解してないステラの間に沈黙が通り抜けるが、バナー博士が間を取り持った。

 

「みんな、そろそろ中に入った方がいいわよ。呼吸が辛くなるだろうから」

 

 三人が首を傾げるとガコンガコンと音がし始め、周りが慌ただしくなる。

 

『デッキの安全を確保せよ』

 

 艦載機を固定したり甲板作業員が動き回る中、船の端へと歩んでいく。少し船体が沈み込むような動きを足が感じ取った。

 

「コレは潜水艦か?」

「成る程、僕を金属コンテナに入れて海に沈めようって?」

「沈んだら死んじゃうよ?」

 

 そんな事を言っている三人の目の前で巨大なタービンが海面から姿を現し高速回転を始めた。顔を見合わせつつバナーが「これなら潜水艦のほうがマシだったねと苦笑した。

 その後ナターシャにブリッジへと案内され浮上していく空母『ヘリキャリア』の上で三人はただ驚くばかりだった。

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