MCU『ブラック★ロックシューター』   作:おれちゃん

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ニューヨーク決戦

『ステラ、後ろの影からお客さんが来てるぞ』

「わかった」

『わーお、ヤンキースの四番打者張れるなステラ』

 

 ビル上から変わらず砲撃を続けるステラの影から迫るチタウリをバートンが捕捉し知らせ、飛びかかってきたチタウリを砲身でぶん殴って吹っ飛ばす。バートンは自分が立つビルをチタウリが飛び越えてホームランされていくのに口笛を吹いた。

 

『スターク、尻にぞろぞろ着いてきてるぞ』

『とりあえず大通りから離す』

『奴ら小回りが利かない。角に誘い込め』

『それいいねぇ了解』

 

 バートンの的確な管制にトニーが角のギリギリを飛びチタウリ達をマニューバキルしていく。

 

『いっちょ上がり、まだいるか?』

『ソーが六番街で相手している』

『誘ってくれればいいのに』

 

 六番街へ向けトニーは加速する。

 

『おいキャプテンとナターシャがやばいぞ、誰かあれどうにかできないのか?』

 

 グランドセントラル駅前で戦う二人に向けリヴァイアサンが一匹向かっていく。その背にはチタウリまで載せ二人を圧殺する気満々だ。

 

「任せて」

 

 ステラがビルの隙間を縫って飛んできて街灯を曲げながらその側面に着地しスティーブ達の前に出る。

 両端のビルを破壊しながら迫るリヴァイアサンにロックキャノンを向ける。先程リヴァイアサンの装甲を抜ききれなかったのを見ていたスティーブが歩みでた。

 

「いいんだステラいったん退くぞ」

「大丈夫、任せて」

 

 ステラがロックキャノンを両手で保持し持ち手の部分を捻ると基部が青く発光しながら高速回転をはじめ、砲口からはビームでなく岩の如き巨大な光弾が発射される。

 一発程度ではリヴァイアサンの装甲が赤く融解する程度だ。だがそのロックキャノンは大砲ではなく、機関大砲とでもいうべき代物だ。

 ステラの左目から青い炎が燃え上がる。ブースターをカウンターにしてロックキャノンの反動を打ち消す。

 放たれる光弾はあまりの連射速度にビルの谷間を青く輝かせた。ちょうど空に穴を開ける四次元キューブの光の様に。

 その発射速度、秒間二十発。分間千二百発はS.H.I.E.L.D.のメンバーも使用していたM4ライフルを上回り、威力はその比ではない。

 突っ込んでくるリヴァイアサンの装甲が受けたエネルギーに耐えられず溶け、そこに更に攻撃が加わり、真っ向から削り取る。死んでなお慣性で突き進んでくるが木っ端微塵に破壊した。

 

「……すごいな」

 

 粉々になったリヴァイアサンを見てスティーブは思わず呟いた。

 左目に灯った火が消えステラは息を吐いてスティーブにサムズアップをした。

 

「待って、いくら戦ってもキリがない。あの通路を閉じないと」

「ステラ、今のあそこの穴にできるか?」

「できるよ」

 

 ステラが再び瞳に火を灯し十秒くらいあの穴に向け光弾を発射してみるが、出てくるチタウリ達が吹き飛ぶ程度で穴が少し波打つ様な感じがするのみで効果はない様に見えた。

 

「どんな兵器でもびくともしないな……」

「あれは結果よ。元から絶たないと」

「上に行くには乗り物が……ステラ、前みたいに抱えて飛べるか?」

「できるよ」

「ちょうどいいわステラ。上に行くのを手伝って」

 

 ロックキャノンをスリングで肩にかけて胴体を抱えられると思って背を向けたナターシャをステラがお姫様抱っこした。

 

「ちょっとこれ恥ずかしいんだけれど?」

「これならナターシャが銃を使える」

「成る程?」

「気を付けて!」

 

 翼を開いて飛んだステラ達を見送ってうじゃうじゃと湧いてきたチタウリの相手をスティーブは再開した。

 空を飛ぶステラをチタウリ達が追いかけ始める。ステラが光弾を回避しながらナターシャが抱えられたまま後ろに向けて銃を撃つ。二人を援護する様にトニーが現れ後ろのチタウリを多数撃墜、そのまま着陸してスティーブとの連携攻撃で敵を一掃するとホークアイのビルをよじ登る敵まで倒し八面六臂の活躍をしている。

 リヴァイアサンの上ではハルクとソーが好き放題大暴れし致命傷を負わせ墜落。

 ステラ達がそのままスタークタワーへ近づこうとしたところでロキが現れた。光弾が一発ステラの背中を直撃する。

 

「痛い!」

「ちょっと大丈夫!? ホークアイ助けて!」

『任せろ』

 

 回避行動をしながら光弾を躱し、ロキから逃げつつスタークタワーを目指す中、ナターシャがバートンに助けを求めた。

 屋上から笑みを浮かべ、ステラ達を追いかけるロキに狙いを定める。放たれた矢は違う事なくロキに迫るが、それをロキはたやすく掴んだ。

 が、それもバートンは織り込み済みで矢が大爆発を起こしてチタウリの乗り物が破壊され転落する。

 ステラがスタークタワーの壁に足をついてそのまま駆け上って装置の置かれた場所に登りナターシャを下ろす。

 

「ナターシャ、あとはお願い」

「ちょっとステラ! あなた背中大丈夫なの?」

 

 ステラが背中を見せる。パーカーに穴が空いて、背中に血が滲んでいるが重症というほどではなかった。

 

「痛いけど、大丈夫。今戦わないと、下の誰かが怪我をしちゃう」

 

 再び左目に蒼火を灯し下に飛び出していくステラと飛び上がってきたハルクが交錯するときにハイタッチをした。

 そのまま好き放題泳ぐリヴァイアサンの背に着地すると砲身をその背に押しつけ連射、砲撃が装甲を破り内部をぶち抜くと中央から大爆発を起こしてステラも爆発の余波を受けて飛ばされビルの窓を突き破った。

 戦ううちに徐々にアベンジャーズは劣勢に追い込まれ出す。

 快調に砲弾を吐き出し続けていたロックキャノンが連射速度を徐々に減退させ、基部の回転も止まってしまう。ビームすらも出なくなり、チタウリの攻撃を防ぐ盾程度の役割しかなさなくなったそれを左手に持ち変え鈍器としてなぎ払い右手でブラックブレードでチタウリを切るが反撃を受けて地面に押し倒される。

 腰のブースターが点火し馬乗りになっていたチタウリを跳ね上げ立ち上がる。跳ね上げたチタウリはハルクが飛んできて掴み、空から光弾を撃つライダー達にぶん投げた。

 ブースターも既に出力に任せた飛行をする余裕はなく、回避のために一瞬点火し加速する程度が精一杯まで追い込まれていた。

 

「ハルクありがとう」

 

 ハルクがなんとステラに向けサムズアップをした。

 それを見てステラも笑ってサムズアップを返した。

 

「ハルク! わたしを投げて!」

 

 それを聞いて拳を開いたハルクの手のひらにステラの足が乗った瞬間ハルクが全力で腕を振りステラもその中でジャンプし超加速、陣形を崩していた敵へ切り掛かり、切るとその残骸を足場に更に他の敵へジャンプ、切るを繰り返すが、ジャンプしたところを打ち落とされ地面に叩きつけられる。

 更に増援が現れ、空を飛ぶ十数機のライダー達の銃口がステラを向いていた。

 

「っ!! ハルク!?」

 

 一斉射撃に晒されそうになるステラをハルクが庇った。

 地形すら変えてしまう様な猛攻撃の爆風にさらされる中ハルクは怯む事なくステラを守る。

 ステラが絞り出す様に歯を食いしばりロックキャノンを両手で血が滲むほど握りしめる。

 

「……ッ! っゔ!! 動いて!!」

 

 ぎ、ぎ、と鈍く動作したロックキャノンから光条が吐き出され敵の陣形を袈裟斬りにする様に薙ぎ払う。そこで乱れ、滞った敵の射撃を見逃さずハルクが自動車やバイクや電柱や街頭やタイヤをぶん投げまくり撃墜し、その場を切り抜けた。

 

『今通路を塞ぐ、みんな聞こえてる⁉︎ 通路を塞げそうよ!』

『やれ!』

『いや待てミサイルが来る。あと一分もない』

 

 その頃海上から飛来するミサイルをトニーが追いかけていた。どうやら核ミサイルらしい。ここで爆発すれば例え穴は閉じても大惨事は免れない。

 

『捨てるにはいい穴だ』

『スターク……戻ってこれるのか?』

『……』

 

 スティーブの問いにトニーは軽口も返さなかった。

 ステラとハルクは疲れ果てた顔でミサイルを押すトニーが穴に入っていくのを見送った。二人を包囲する様にチタウリがまたやってきたが、突如全てが動きを止めて倒れ伏す。

 空を見てハルクが走り出した。ステラもそれを追いかけようとするが飛べないのでハルクが先に行ってしまう。光が途絶え、空の穴が閉じると、そこに残される様にトニーが落下してくる。

 それをハルクがキャッチし、グランドセントラル駅前に落下していくのを見た。ステラが到着するとよっこらせと立ち上がったトニーがかったるそうな顔をしている。

 

「やぁステラお疲れ様、シャワルマ食ったことあるか? これ終わったら食べに行こうきっとうまいぞ」

「ステラ、よくやった」

「お前もなかなか見事だったぞ」

 

 スティーブもステラの肩をバンバンと叩く。ソーもスティーブもハルクもトニーもみんなズタボロである。

 ステラも緊張の糸が切れたのかロックキャノンを引きずりながらスタークタワーへ向かう。

 

 

 

 

 

 アベンジャーズ全員に囲まれたロキが、観念した様に苦笑する。

 

「あがいても無駄なら……酒をもらおうか」

 

 それはロキなりの敗北宣言だった。

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