MCU『ブラック★ロックシューター』   作:おれちゃん

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ソウル偵察戦

 フューリーの叱咤激励を受けた一行は、バナーの予測とチョウ博士と連絡が取れないことからソウルの研究所へ偵察に向かうチームと、核ミサイル発射コードを守る謎の存在を調べるチームに分かれることとなった。

 偵察にはスティーブ、バートン、ステラ、ナターシャ。

 調査にはトニーが向かい、調査が終わり次第合流。

 バナーはどちらも向かないのでタワーに戻って待機である。

 

「あーステラ。流石に街中の偵察でロックキャノンは無理がある。ぼくが作ったアレを使えクインジェットに備えてあるからな。ヴォルカノンパッケージに続く自信作だ」

「ありがとう」

 

 クインジェットに乗り込んでいくステラ達をローラ達が見送った。

 偵察の為スティーブが遺伝子研究所へ乗り込むとそこはもう惨劇の跡となっていた。そこに残された瀕死のチョウ博士からウルトロンが細胞再生クレイドルと共に逃走したことを知らされる。

 

『みんな聞いてたか?』

「聞いてた、プライベートジェットが一機、乗客名簿無しで待機中」

「キャプテン、研究所から一台トラックが出てきた。ステラ、ロックキャノンで狙撃用意だ使われる前にぶち壊しちまえ」

「わかった」

『ダメだ! 下手をすれば街中で爆発の大惨事だ。ウルトロンを引っ張り出す』

「ならキャプテン、もう直ぐ下を通過するぞ。ステラも降下準備だ」

 

 スティーブがトラックに乗り移るとビームを発射して荷台の扉を破壊しながらウルトロンが出てきた。

 

『いいぞ奴はご機嫌斜めだ、もっと怒らせてやれ』

「やーいサナギロボット……その……えーと、バーカバーカ」

「罵倒の語彙力が足りないぞステラ。こういう時は●の●●野郎お前の母ちゃん●●●って言うんだ」

「何教えてんのよバートン??」

「悪かったって」

 

 公開通信でウルトロンに罵倒を入れつつ、大通りに出たトラックを追いクインジェットの進路を合わせる。

 

「ステラ、降下用意。3、2、1、行ってこい!」

 

 ステラがハッチから飛び出し、大通りに足をついてから腰の翼を広げ飛翔した。

 

『ステラ、男の子が忘れ物よ。持っていってあげて』

 

 途中に落ちているスティーブの盾を拾う。上空から二人のナビゲートを受け陸橋下を走行するトラック上で格闘をしているスティーブへ盾を投げ渡した。障害物代わりに持ち上げられたアスファルトを蹴って飛び上がり避けると、トラックに乗ったウルトロンセントリーが飛び出しステラを追いかけ出す。

 

「いいぞステラ注意を引け」

 

 ブラックブレードと共にホルスターから取り出されたのは大型拳銃である。

 引き金を引くと光弾が吐き出されセントリーが回避、着弾したトラックの天井に穴が開く。トニーが作ったステラの護身用拳銃で、威力を弱めバッテリーを排除して無理やり小型化した為外部からエネルギーを供給せねばならないある種ステラ専用拳銃である。威力は相対的に低いが牽制には十二分に使える代物だ。

 ウルトロンとスティーブが並走していた電車に突っ込み無防備となったトラックにクインジェットが接近する。

 

「ナターシャ、無茶するぞ。中のクレイドルの固定を外してきてくれ」

「何する気?」

 

 トラックの上につけ降りたナターシャがトラック内に入り込んでベルトの固定を解除にかかる。

 

「キャプテン、ウルトロンの相手しててくれ」

『もうしてるだろ!』

 

 戻ってきたウルトロンセントリーに追随してステラもやってくる。トラック後ろを飛ぶクインジェットに狙いを定めたセントリーにステラが拳銃を連射、加熱限界に達した銃が赤くなった銃身を冷却する為普通の銃のスライドが後退したような格好になる。

 一発が推進部に当たりバランスを崩したセントリーを踏みつけ路面に叩きつければトラックがセントリーを轢きバラバラに破損した。

 その際にタイヤがバーストしトラックが大きく左右に揺れ、固定を解除されていたクレイドルがナターシャごと荷台から飛び出して路面を滑る。

 

「ちょっと予定とちがったな……」

 

 バートンがクインジェットのハッチを開けながらバックで超低空飛行、滑るクレイドルがそのままアスファルトと擦れ火花を散らすハッチに掬い上げられ格納部に突っ込まれ座席が折れつつもそれをクッションに急停止、上に乗っかっていたナターシャが慣性で床に投げ出される。後ろを見たバートンと投げ出されたナターシャの目があった。

 

「……お帰り」

「……ただいま。死ぬかと思ったんだけれど?」

「結果オーライだ。キャプテン、クレイドルを確保した」

『そのままスタークの所に持って行け! ウルトロンがそっちにいったぞ!』

 

 ウルトロンが猛スピードでクインジェットめがけビームを撃ちながら追いすがってくる。それを横から突っ込んで妨害しステラがウルトロンと共に高架に衝突した。

 その隙にクインジェットは上空へ飛び上がり離脱、アベンジャーズタワーのトニーの元へ全速力で向かう。

 高架から抜け出したウルトロンが空の彼方に消えるその噴射炎を睨みつけながら溜息を吐いた。

 

「全く……勘弁してくれ。そう最悪、悪い冗談だ。ストラッカーの研究を見たぞ、双子の強化人間計画の前身の計画。人類を進化させる礎になる計画の完成品が何故同じく進化を促す存在の私と敵対する?」

 

 抜け出して着地したステラに仰々しく両腕を広げながらウルトロンが問う。ステラ自身にその計画やプロトタイプの事はわからないが、記憶の断片にあるギブソン博士やロキが言っていた紛い物の意味に関連した事柄なのははわかる。

 例えどうであれ、ステラの答えはひとつだ。

 

「仲間の敵は、わたしの敵」

 

 クワっと機械の顔とは思えないほど人間的にステラに向け激昂した。

 

「仲間? 仲間だと⁉︎ そんな不確かなものの為に私の邪魔をする気か?」

「邪魔をするんじゃない。あなたを倒すの」

「仲間仲間と言うが、その仲間同士が敵対したらどうするつもりだ? 人の繋がりは脆い、そう正に人そのものの脆さだ。そんなものに賭けてお前は齎される永遠の平和を砕くつもりか。よく考えろ? お前も、私も、正に振り上げられた神の拳そのものだ。人類を革新させ世界を守る、な」

「わたし達、人は困難に立ち向かえる力がある」

 

 ステラの瞳から青い炎がチリ、と溢れる。

 

「人が求めるものは立ち向かう事じゃない。安寧だ、それでは世界は平和になる事はない。どうやら平行線の様だな、有機物と無機物では作られた目的が似ていても話は合わないらしい」

 

 ウルトロンの赤い目が、怪しく光る。

 

 ウルトロンのビームを刀を盾にして防ぐ。反射した光線が倒れたトラックを真っ二つにし爆発炎上。ステラの放つ光弾がウルトロンのボディを赤く焼き、振るわれた刀の刃に触れぬようウルトロンが白刃取りをし火花を散らす。捻りてこの原理で空中に刀が放り出されウルトロンの抜き手を皮一枚で躱しパーカーの裾がはじけ切れる。

 小脇に掴んだ腕を関節技の要領で捻り地面に叩きつけウルトロンが飛ぼうとしたところを自分の足でアスファルトを踏み抜いて固定し、人間ではありえない角度で向けられた腕のビームを咄嗟に腕を掴んでずらす。ビームを放ったまま無理やりステラに照準を向けようと力を込めるウルトロンの意地がステラの頬をかすめた時、空から降ってきた刀を逆手にウルトロンの胴の中心を刺し貫いた。

 動力部が損壊したウルトロンが機能を停止しビームも停止。ステラは頬の傷を拭って息を吐いた。

 

「ステラ!」

 

 そこへスティーブが走ってやってくる。粉まみれでボロボロだが大きな怪我はないようだ。だが後ろからついてきた二人を見て三人にステラが拳銃を向けた。

 

「止まってスティーブ」

「待てステラ、今はそれどころじゃない」

「ダメ。操られてるかもしれない」

「操ってない。大丈夫よ、ごめんなさい信用できないかもしれないけど」

「そうだよ、まあ落ち着けって」

 

 ワンダとピエトロの双子がスティーブと共に弁明するが、ステラは銃を下ろさない。スティーブも長い付き合いのなかで殆ど見たことのない顔をステラがしていた。怒っているのである。

 

「どうすれば信用してもらえる?」

「スティーブ、こっちにきて」

 

 杖による洗脳の解除方法を以前ナターシャから聞いたことがあるステラは、杖由来の力ならワンダの精神操作も同じ解除方法と考えて対処することにした。

 近づいてきたスティーブの側頭部を刀の腹で思いっきりぶん殴ったのである。ヘルメットがぶっ飛んでそのままスティーブは半回転、頭からアスファルトに落ちて盾の端がガインと音を鳴らして胴体の支えになってしまい逆さM字開脚のような状態になって止まった。スティーブはソウルに来てから最大のダメージを負う羽目になった。

 後ろでマキシモフ兄妹が「わーお」「うわぁ……」と小さく声を上げている。

 

「……ステラ、意図はわかるんだが……もう少し手加減してくれ」

 

 バコンと背中の盾が外れ仰向けになったスティーブがふらつきそんなことを言いながらも起き上がり盾を拾い直すと、しっかりとした目でステラの方を見た。

 

「僕は操られていない。双子はとりあえず大丈夫だから至急タワーに行くのを手伝ってくれ」

「……ごめんスティーブ」

 

 悲しそうな顔をしてステラは殴ったスティーブの頭を撫でた。

 

「ワンダも、疑ってごめん」

「いえ、それだけの事はしたもの」

「仕方ない事だ気にするな。急いで向かうぞ」

 

 ステラがスティーブを抱えて空を飛び、ピエトロがワンダを抱えて高速移動飛行機を確保すべく空港へ一同は向かうのだった。

 

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