MCU『ブラック★ロックシューター』   作:おれちゃん

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Chapter1:発見

―カルフォルニア州、セコイヤ・キングスキャニオン国立公園―

 

「はーせっかくの観光地だってのに、俺たちはセコセコ仕事かぁセコイヤだけに」

「黙って働けシャオミン。そう言う仕事だろうがよ。ロスコル、何か反応はあるか?」

「微弱な電磁波……ガイガーカウンターが作動しています。通常じゃありえない数値のガンマ線ですね」

 

 ブロンドヘアの短髪をした隊員がセンサー類をチェックし、他隊員が周囲を警戒しながら進行していく。あたりはセコイヤの大木が生い茂り視界が悪い。恰好こそかなり好き放題していているが、その動きは滞りなく互いの隙をカバーするプロの動きだ。

 

『P.S.S.コール。不審な光が見えたとの情報だがGPSによるとその辺りの筈だが』

 

 通信機から指令の声が届く。

 

「ん……おいこりゃ、その痕跡かも知れねえぜ」

「おっお手柄! さっすがフォボス隊長! これで露出癖さえなければ」

「ハハハ言えてる!」

「うるせえぞタンクトップが好きなだけなんだよ!!」

 

 セコイヤの大木が根元からへし折れたモノが続いている。公園の管理者が見たら悲鳴を上げながら悶絶していたことだろう。徐々に被害が大きくなり、地面にめり込んだ大きな金属物体が存在していた。

 

「火災にならなかったのは幸いだな。で、何だこりゃ? こういうのはロスコルが得意だろホレ。アハズ達は周囲を警戒」

「了解」

「人使い荒いですよ全く……っと隕石かと思ったら機械だなコレ」

 

 焼け焦げ破損しているが、装甲で構成された何かだ。ならば誰かしらが作ったものではあるのでどうにかなるだろうとフォボスとロスコルがしばらくの間鉄塊を調査していると、隙間がスライドして取っ手が現れる。

 

「引いたら爆破しないよな」

「……まあ大丈夫だろ。やれ」

「なんでちょっと下がるんです!?」

 

 ぶーたれつつも取っ手を引く。プシュ、と圧縮空気の解放される音と共に冷気が噴出した。装甲が左右にスライドしさらにハッチが開き中からカプセルが排出され、ゴインと小さな音を立てた。

 

「おいおい核弾頭でも入ってるのか………おいおいなんだこりゃぁ」

「女の子? とりあえず出してやらないと」

「そうだな出してやれ。P.S.S.コール。目標物を発見。アハズ達も戻ってこい」

『了解』

 

 ロスコルがカプセルを開くと液体が排出される。内側に寝かせられていたのは十六歳程度の少女だ。ゴホッと口から養液を吐き出し呼吸を始めたことから、命の危険はないとロスコルは判断し自身の上着パーカーを脱いで広げ、そこへ少女を寝かせる。黒い髪に……やせ型の肢体は黒いビキニのようなものとホットパンツ、手袋にブーツを着ている。特に目立つのは腹部の。

 

「……バーコード? いや見られていいもんじゃないな」

 

 パーカーの裾をめくって少女の肢体を隠す。

 

「P.S.S.コール。合流します。北北西、見えてます」

「ああ見えてる。とりあえず病院の手配をしねえといけねえな……P.S.S.コール。S.H.I.E.L.D.に医療機関の手配を」

『あい分かった手配をしておく』

 

 全員が集合し担架を用意しようとしたところで突如鉄塊に異変が起きる。

 

「オイオイオイなんださっきまで静かだっただろ!?」

「総員戦闘態勢! ロスコル、ちびっ子を抱えて隠れてろ!」

 

 装甲が一部分離しそこから足が飛び出し、少女が収まっていたものが変形したのだ。四足の獣ロボようになったそれがP.S.S.部隊に襲い掛かる。ロスコルは少女を抱えて大慌てで離れ大木の陰に隠れた。

 アサルトライフルの弾丸が直撃するが装甲にはじかれ効果を成していない。

 

「手榴弾!!」

 

 投げられた手榴弾が足で弾き飛ばされ明後日の場所で爆発した。

 遠距離攻撃は無くその重さから動きは鈍重だが馬力が違う。巨大な木を平気でへし折りその腕を振り回しているのだ。と、背中から一本何かせり出してきた。細い筒が六本束ねられたものである。それがゆっくりと回転を始め、見ていた全員が鼻水を垂らしそうになった。

 

「ミニガンだ―――!!」

 

 振り回す様に斉射される弾丸を各々が木々に隠れてやり過ごす。世界有数の巨木の群生地だから何とかなっているが当たったら死ぬ人間にはたまったものではない。

 

「P.S.S.コール! 撤退する! フランクオイ火力支援要請だ! 意味わかんねえのが暴れてるぞ!」

『本名出すな馬鹿モン! しかし了解したクインジェットをそちらに送る』

 

 そんな大暴れする機械から離れたところで身をひそめるロスコルの腕の中で少女が動いた。

 

「……?」

「おっ起きたかお嬢さん、ちょっと待っててくれよ緊急事態なんだ」

「おじさん、誰?」

「おじさん……そりゃないよ……こちとらまだ独り身なんだから……。あ、俺はロスコル。お嬢さんは?」

「私……私は……ステラ」

「ステラちゃんか、いい名前だお嬢さん。少しここでじっとしていようか」

 

 背後では盛大にミニガンがまき散らす切れ目ない発射音と着弾音が響いている。肩にかかっていたパーカーを改めて着たステラが音にひかれて立ち上がる。

 

「あちょっと危ないってって力強いな!?」

 

 木の陰から飛び出そうとするステラを引っ張りなんとか留める。ひょっこりと出した頭を押さえて隠そうとするが力が強くてビクともしない。その青い瞳はジッと戦闘を繰り広げるP.S.S.のメンバーたちを見つめていた。

 

「あの人たちは、敵?」

「違う違う、あいつらは仲間さ。お嬢さんを守ってるんだ。だからもう少し辛抱を」

「仲間。なら、助けないと」

「ちょちょちょちょ!? お嬢さんあはははちょっとやめてくすぐったい! あっそこはだめだって! ってあれ!?」

 

 ロスコルをまさぐったかと思うといつの間にやら装備していた手榴弾やら弾薬やらが無くなっていることに驚愕する。見やれば自分のアサルトライフルと手榴弾を手に持ったステラの姿があった。

 

「いやお嬢さん待ってぇ!!」

 

 そんなロスコルの悲鳴を置き去りに少女、ステラは駆けだした。

 

「P.S.S.コール!! お嬢さんがそっち行ったぞぉ!!」

「なんで!?」

「ワッツザファ●ク!?」

 

 尋常ではない速度で走る少女が走ったまま照準を定めて撃つが当然装甲にはじかれる。それを見るや手榴弾を投球。野球ボールの如き勢いで投げられた手榴弾がロボの関節に衝突した瞬間ステラがそれを狙撃し爆発、足が一本吹き飛びロボが転倒する。ステラは倒れるロボの下側をスライディングで抜けると背後側に居た隊員に迫る。

 

「えっなんだ早!?」

「あの爆発するやつ、頂戴?」

「あっハイ」

「いや渡すんじゃねえよドガエフ!!」

 

 フォボスがキレるがステラはそしらぬ顔でロボの背中側、彼女が収まっていた開口部に向けありったけの手榴弾を投げ込み、ハッチを蹴り閉める。

 内側で大爆発が起き、ハッチと共に足も根本側から吹き飛び沈黙した。

 

「おいおいどういうこっちゃ……」

 

 その場にいた隊員が警戒しながらアサルトライフルを放り捨てたステラを取り囲んで銃を構えた。

 

「……? 仲間なのにどうしてこっちに向けるの?」

「おいまてやめろお前ら! お嬢さんに助けてもらったんだろうが!」

 

 ロスコルが飛び出してきて隊員とステラの間に割って入った。

 

「……それもそうか。オイ、てめえら銃を降ろせ。すまねえなお嬢ちゃん。だが、お嬢ちゃん何者だ?」

「私? 私はステラ」

「いやそうじゃねえんだが……まあいい。P.S.S.コール。CP、火力支援は中止だ。撤退の輸送だけ頼む」

『こちら了解。何があったんだ?』

「積荷のお嬢ちゃんがダイナマイトガールだっただけだよ」

 

 やってきたクインジェットに全員が乗り込み、飛び立つ。

 用意された座席に各々座っているが、ステラはロスコルの脇に座っていた。

 

「おいおい懐かれたなロスコル」

「茶化さないでくださいよまったく」

「どこに行くの?」

「ああ、S.H.I.E.L.D.って組織の病院だよ。お嬢さんに怪我がないか検査するんだ」

「それって痛い?」

「痛くないさ。終わったらみんなでご飯でも食べに行こう」

「ごはん、わかった!」

「まるで娘と父親だな。まあロスコルは独身だがね」

「アハズさんそれは言っちゃダメでしょ!」

 

 ロスコルのツッコミに機内は笑いに包まれるのだった。

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