MCU『ブラック★ロックシューター』   作:おれちゃん

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ソコヴィア防衛戦

 大慌てでアベンジャーズは装備を整える。ステラはバナーとナターシャと共にクインジェットに積まれていたバイクや不要な物を下ろした。少しでも軽くし早く到着するためだ。

 準備をしているスティーブに、デバイスにF.R.I.D.A.Y.をインストールしていて暇なトニーが声をかけた。

 

「無事には帰れないかも知らない。あのブリキの兵隊を一匹でも逃したら悲惨な事になる」

「幸い明日は暇だ。だがまあ、」

「本体は僕が相手する。アイアンマンをお待ちだ」

「ええ、あなたを一番憎んでます」

 

 ソーと話を終えて通りかかったヴィジョンの言葉にトニーが微妙な顔をした。

 フル装備をした一同がクインジェットの座席についている。マキシモフ兄妹もアベンジャーズタワーの服装を使って着替え、皆を乗せてクインジェットは夜の闇をソコヴィアに向けて飛んでいた。

 

「……ウルトロンは我々が怪物だと言う。世界の為にならないと」

 

 機内でスティーブが宣言する。

 

「奴が正しいかどうか、この戦いでわかる」

 

 何が待ち受けているかは分からない。アベンジャーズ自体は戦いの準備は整えた。だがソコヴィアの人々は別だ。ウルトロンの成そうとすることが世界の破滅なら、防いだとしても余波でソコヴィアに致命的な被害が出る恐れもある。それは避けねばならない。

 アベンジャーズはまずソコヴィアの人々を避難させることから始めた。ワンダが人々の意識を誘導し、スティーブが持ち前のカリスマで先導し、ナターシャがバナーと共に軍の暗号を解析し命令書を書き換え、ピエトロが実力行使で、皆が出来る限りのことをして避難を促した。

 それでも一つの国の都市部、夜が明けても避難は終わらない。鐘の音が街中に響く。

 ウルトロンが待ち構える礼拝堂にトニーが降り立つ。

 

「罪を懺悔しにきたのか?」

「どうかな、時間ある? 出前を頼んでるんだ待たないと」

「食事の要らない分、お前よりはある」

 

 トニーの後ろに着地音、そちらを振り向けば今までと色の違うウルトロンの姿があった。

 

「あー、なんかステロイドでも打った? ヴィブラニウムの。なんかこう、昔よりめっちゃムキムキマッチョになってる」

「時間稼ぎのつもりか? 皆を守るための」

「まあ、それが任務だ。お前にも教えたろう?」

「私には私の考えがある。やり方は、私の自由だ」

 

 礼拝堂の中心が掘り抜かれ、謎の装置が現れる。ヴィブラニウムで出来ている何かだが、用途はわからない。F.R.I.D.A.Y.の解析で地下七百メートル下まで構造物として存在している事はわかる。

 

『ヴィブラニウムでできています。装置の機能は不明』

 

「なんだ? 時間稼ぎは自分だけだと? 終わりだトニー、私が平和をもたらす」

 

 ウルトロンの宣言とともに、街のあらゆるところから大量のウルトロン・セントリーが湧き出してきた。地面から川から池から車の下からビルからマンホールから、節操なしである。

 アベンジャーズの面々も逃げ遅れた人々を庇いながら応戦の姿勢を取る。ステラも対空砲火のようにヴォルカノンモードのロックキャノンをばら撒き空のセントリーを牽制する。

 

「私の後ろから出ないで」

 

 翼を意図的に左右に広げ後ろの市民の盾とする。

 セントリーの光弾をブラックブレードで切り払い飛んできた奴に弾をばら撒き初段が命中した時点でもう光弾の豪雨から逃げられず穴だらけになり撃墜、放たれる光弾の密度が高すぎて一つのビームのように見えるほどだ。

 ちなみにヴォルカノンモードはトニーが洒落を効かせて毎分千八百発の低レートモード、毎分三千九百発の高レートモードを使い分けられるようになっている。威力はロックキャノンモードの十分の一程度だが、破壊力をそこまで求めないなら今セントリー軍団を穴だらけにしているように効果は非常に高い。発射ペースが早すぎて傍目にはビームを撃っているようにさえ見える。

 

『ステラ、僕も空にいるから間違えて撃つなよ』

「赤いから大丈夫」

「さて僕も、怪物は怪物なりに、みんなを守らないとね」

 

 ステラが対空砲をばら撒く轟音の脇でバナーが服を脱ぎ捨て歯を食いしばり力を込めれば、その体が緑に変色し、靴を脱ぐのを忘れてたので靴を破裂させ変身。咆哮を上げる。

 ステラが片手撃ちでハルクの方へ左手を掲げると、ハルクがハイタッチをし、ナターシャの方を見つめる。

 ナターシャがセントリーをぶち壊しながら笑みを浮かべた。

 

「さっヒーローになってきて!」

 

 ハルクは地表にいるセントリーをなぎ払いながら敵を求めて走っていった。ステラが対空砲を吐き出しながら市民を避難誘導していく。

 

『よし、ヴィジョンがウルトロンをネットから締め出した。もう逃げられないぞ』

 

 そこで異変が起きた。地震が起きたと思えばステラが守っていたエリアの先が宙に浮き始めたのだ。

 

「みんな、そのまま離れて!」

 

  浮いていない方に残された人々に指示を出してステラは浮き始めた方に飛び乗り落ちそうになる人たちを助け出す。

 ソコヴィアが、空に浮いた。

 

『見えるか? この美しさが』

『自然の』

『摂理だ』

『登り切れば後は落ちるのみ』

『アベンジャーズよ、お前たちは私の』

『隕石だ。私の剣だ』

 

 セントリーがそんな事を言っているので撃ち抜くが、代わる代わる現れ言葉を続ける。

 

『お前たちの過ちの重さでこの地球は砕ける。私をネットワークから締め出そうと、私の子どもをけしかけようと、無意味だ』

 

 ブレードで貫いてもその口は止まらない。

 

『戦いが終わった時、この世界に生き残るのは、金属だ』

 

 落下したバスに取り残された子どもをバスを両断して中から救い出し着地、そこにセントリーをぶち壊しながらピエトロが通りかかった。

 

「ねえ、この子を安全な所に」

「いや自分でやれよ」

「いっぱいきてるから……」

 

 空からいっぱいきたセントリーに向けステラが弾をまたばら撒き始めた。撃ち落とされていく敵を見てピエトロが肩を竦めた。

 

「わかった俺がやる」

 

 丁寧に子どもを抱えて走っていった。

 

『キャプテン、敵が行った』

『敵ならもう来てる……! まず街を安全に降す手を考えろ、スターク以外の全員は奴らと戦え。やられたらやり返せ、殺されても……戦い続けろ!』

 

 セントリーの集団に紛れウルトロンの本体がステラに迫った。濃密な弾幕の中を一体だけ光弾を弾きながら突っ込んでくる。ロックキャノンを可変させ大威力の光線を放つが盾にした片腕を赤熱化させたのみで、突進をロックキャノンの銃身で防ぐ。そのまま砲身でぶん殴ると、磁界のようなものでロックキャノンを引っ張られたのでそのまま放り捨て両手でブラックブレードを持ちウルトロンに斬りかかる。

 ガキン、とウルトロンの腕で防がられ、距離を取ろうとしたステラのツインテールの右房を掴み拘束。ソウルの時の意趣返しと言わんばかりにビームをステラに放とうとしたところを髪を自切して逃れた。

 右房だけ短くなったステラと残った髪を手の中でウルトロンがビームで焼き、嫌な匂いがたちこめる。

 ウルトロンは自分の腕に残された僅かな傷跡に溜息を吐いた。

 

「カタログスペックでは傷ひとつつかないはずなんだがな、全くタチが悪いアマゾンの蚊か何かか? まあ私に吸われる血はないが」

「……ペッパーに怒られる」

「私の話聞いてるか? 無視はよくないぞ」

 

 セントリーが援軍のように大量に地面に着地しステラを囲う、ロックキャノンを拾い直すが乱暴に扱ったせいでヴォルカノンパッケージが破損しロックキャノンから自動で脱落する。

 

「良いのか? それで撃つと周りに被害が出るぞ?」

 

 周囲には逃げ惑っている人々がまだたくさんいる。ウルトロン本体はそのまま悠々と何処かに飛び去りステラは撃たずに砲身と刀でぶん殴り切りまくりながらセントリーの相手をすることとなった。

 ステラに対しあえて空を飛ばず地上にいる事で貫通した際の被害を考えさせて撃たせない作戦であった。そこへどこからともなくハルクが突っ込んできてセントリーの包囲網に大穴を開ける。下のコンクリートごとウルトロンをちゃぶ台返しにして複数体空に投げ飛ばしそれをステラがロックキャノンで撃ち抜いて花火にした。

 刻一刻とソコヴィアは高度を上げ、破滅へのタイムリミットが迫っていた。

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