MCU『ブラック★ロックシューター』   作:おれちゃん

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ワカンダ決戦

「やあステラ。無事目覚めたのは知っていたが、よかった」

「はじめまして、国王陛下」

「……」

「……?」

「……ステラ、パンサー、パンサーよ」

「あ、黒猫さん?」

 

 オコエがステラを見てからじっとりとした目でティチャラの方を見た。

 

「攻撃はどれほどのを?」

 

 少し誤魔化すように対面を終えて歩き出しながらティチャラは問う。ヴィジョンはワンダとピエトロと共に先にシュリの研究所に行ってもらう。

 

「あーかなり大々的な攻撃です陛下」

「戦力は?」

「王宮の衛兵、ボーダー族、ドーラミラージュ、そして」

 

 現れたのはバッキーだ。

 

「半分いかれた百歳の男」

 

 復活したバッキーにスティーブが熱い抱擁をした。

 

「元気かバッキー」

「ああ、まあこの世の終わりにしてはな」

「あれ? 私は?」

「ナフェ?」

「うっわステラじゃん来るなんて聞いてないよ!」

 

 二人の影から出てきたナフェがステラを見てバッキーの影に隠れた。

 

「大丈夫、殺したりしない」

「言い方が物騒なんだけど!?」

「こいつは罪を償っている最中だが、世界の危機だ。使っていこう」

 

 バッキーとナフェが合流しシュリの研究所でヴィジョンの状態を確認してマインド・ストーンの取り出しを始めようとしたところ、タイミング悪く大気圏外からの侵入者を検知した。

 地球そのものが侵入を拒むかのような大気の圧縮断熱に耐え空から流星が降り注ぐ。一発目、ヴィジョン直上を狙って降ってきたものワカンダの誇るバリアに阻まれ大爆発を起こし崩壊する。それ以外のものが続々とバリア近傍の森に落着し、まるで尖塔のように直立した。

 

「今すぐストーンの破壊を」

「動かないで、手元が狂う」

「ワンダ、ヴィジョンからストーンが取り出されたならすぐ様破壊しろ。いいな」

「わかった」

「時間を稼ぐ。国民を避難させ防御を固めるんだ。彼には盾を頼む」

 

 研究所の皆が一斉に動き出す。

 

「今はハルクには変身しない。今度の強敵に勝つには僕とハルク二人で協力する必要があるんだ。だからそれが来るまでは……僕はこれで戦う」

 

 ワカンダの戦力がホバー艇に乗り込んでいく中バナーはコンパウンドから拝借してきたモノのなかで少し埃をかぶっていたハルクバスターマーク2を身に纏う。

 

「トニーはすごいな日頃の訓練の成果だなぁ」

 

 最初ホバー艇から大きく遅れをとったバナーが走っている間に動きに慣れながら決戦の場にヒーロー達が集っていく。

 バナーの前にステラ、ローディ、サムが空から着地した。その後ろでアーマメントに座ったナフェが待機する。整列するワカンダの戦士達。

 中心にいるのはスティーブ、バッキー、ナターシャ、ティチャラだ。

 掛け声で戦意を高めるジャバリ族の長エムバクとティチャラが熱い握手を交わす。

 

「よく来てくれた。共に立ち上がろう」

「当然だ、兄弟」

 

 バリアを隔てた先に二人の人物が現れた。ニューヨークで戦ったブラック・ドワーフ、ヴィジョンを襲ったプロキシマ・ミッドナイトだ。剣でバリアに触れスパークと斥力に阻まれる。

 そこへこちらを代表しスティーブ、ティチャラ、ナターシャの三人が赴いた。

 

「どうも? 降伏に来たのかしら、もう一人は?」

「お前たちの血であがなう。ストーンはサノスのものだ」

「それは宣戦布告ととって良いか」

「宣戦布告? 良いや違う。これから始めるのは虐殺だ」

「ここは我が国ワカンダ、サノスは血を流し、チリと消える」

「血ならいくらでも流してやる」

「ステラ、やれ」

 

 プロキシマとスティーブが手をあげたのは同時だった

 

 ステラが歩み出て左目から青紫色の炎を吹き出す。イノセント・カノンランスを構えると砲身を包むようになっていた三つのフレームが開き、下側のランス部分がそのまま地面に突き刺さる。パチリと一度スパークを出して開いたフレームと同等の太さのビームが放たれた。

 バリアを貫いてなおその威力は衰えず、突き立った尖塔の一つに直撃し大爆発を起こす。

 

「良い開戦の狼煙だった」

「よくやったステラ」

「トニーがすごいの作ってくれてたおかげ」

 

 ビーム発射の熱量で赤くなったフレームを閉じて元の状態に戻しステラがカノンランスを構える。

 

「今ので降伏するって?」

「いやそれはない」

 

 プロキシマが忌々しげにそれを見ながらもジャングルからそれ以外の無事だったドロップシップから大量のアウトライダー達が湧き出し、ワカンダのバリアに接触していく。

 サムとローディが空を飛び戦闘態勢を整え、ティチャラが掛け声をかけ戦意を高めていく。

 アウトライダー達が無理やり抜けようとどんどんとバリアに押し寄せる。後ろから押され人間なら容易く圧死するような状況でも構わず押されていき、バリアを抜けそうになるとバリアがそれらを切断する。

 

「不味いって障子紙みたいに破られちゃうよ」

 

 ナフェが心配そうにしているが障子紙のように突き抜けていったシング・ラブがおかしいだけである。事実バリアを無事抜けたアウトライダー達は全体の百分の一以下だ。

 ボーダー族が防壁を展開し抜けてきた敵達に光弾を当て倒していく。バナー、ステラ、バッキー、サム、ナフェ、ローディもそれに加わり駆逐していくが、バリアに沿ってどんどんと外側のアウトライダー達が広がっていく。

 

「キャプテンまずい、後ろに回り込まれたらヴィジョン達じゃ対処しきれないぞ」

「なら後ろに回り込ませなければ良い」

「けどどうやって?」

 

 苦渋と決断をするようにティチャラが口を開く。

 

「バリアを開ける。合図したら、北西のセクション17を開けるんだ」

『陛下、確認願います、バリアを……開けるのですか!?』

「合図したらな。ステラ、もう一度頼めるか?」

 

 再びティチャラが掛け声をすれば、防壁を作っていたボーダー族がそれを止め、ヒーロー達も含め全員が突撃態勢を取った。

 

「ワカンダ最後の日か」

「ならば歴史に残る……尊い戦いを」

「ワカンダ!! フォーエバー!!」

 

 叫びと共に一斉に戦場を駆け出す。駆け下りる途中、ティチャラが合図を出した。

 バリアが縦に割れ、開かれる。雪崩れ込むアウトライダーの先にステラが地面をえぐりながら着地、再びの極大ビームが放たれ雪崩を押し返して消し飛ばす。川の水が蒸発し両端のバリアに干渉するほどの熱量。

 真っ赤になったイノセント・カノンランスを元に戻すステラの脇を抜け川を飛び越えティチャラとスティーブがアウトライダーに殴りかかった。続いてバナーのハルクバスターやボーダー族が、ドーラミラージュ、衛兵、ジャバリ族が殺到して大乱戦が始まった。ステラも赤くなったカノンランスを振り回して敵をぶったぎりぶん殴りで戦う。

 ナフェは空からアーマメントの隊列を構築し迫る敵達をローディと共に弾幕を張って迎え撃った。

 

「どのくらいかかるシュリ!」

『まだまだよ兄さん』

「急いだ方がいい!」

 

 ローディが発生させた爆炎の中からピッケルのようなものが投擲されナフェの乗るアーマメントにぶつかりナフェがバランスを崩して落ちたのをローディがキャッチ。

 

「……ありがとう」

「構わんさ」

 

 アーマメントに戻ったナフェが小さく礼を言った。大乱戦に紛れてブラックオーダーの二人がバリア内に侵入したのだ。過熱状態から回復したカノンランスをヴォルカノンモードで起動しスコールの如く光弾を吐き出して敵を駆逐する。

 そこへ虹色の光の束が降り注ぐ。何事かと皆がそちらに気を取られれば内側から雷を纏った斧、ストームブレイカーが投げられアウトライダー達が爆散していく。消えた光の束から現れたのはソーだ。敵に向い雷を纏う様はまさしく雷神。その後ろにはロケットとグルートが続く。

 

「サノスを……呼んでこい!」

 

 振り下ろされた一撃は辺りを吹き飛ばし、伝う雷が敵を打ち滅ぼした。

 光線銃を撒き散らすロケットに多数の敵、そこへステラが着地しロケットを引っ掴んで上空へと飛び上がりカノンランスをぶっ放す。

 

「のうおぁ!? うおりゃぁぁあ!」

 

 カノンランスに負けじとロケットが光線銃を撃ちまくり着地、そこに迫った敵にバッキーが左手のサイバネティックアームでパンチ、地面に突き刺さって動かなくなった。

 ステラがロケットの方を見ている。

 

「おい、言うなよ言うんじゃないぞ」

「……アライグマ?」

「誰がアライグマだぶっ殺すぞ!!」

「……ごめんなさい」

「おい何やってるんだ戦え」

「本当に、ごめんなさい」

「後で侮辱罪で賠償金じゃぁ!」

 

 掴んでいて暴れるロケットを下ろして飛んでいくステラにロケットは吠えながら鬱憤ばらしと言わんばかりにアウトライダーをバッキーと共に銃を撃ちまくった。

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