MCU『ブラック★ロックシューター』   作:おれちゃん

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本日二話目ですご注意ください


ブラックオーダー

 戦局はややワカンダの側に傾いていた。ソーとステラの大火力で数の暴力を薙ぎ払っているのだ。

 そこへ地響きが届く。尖塔の立つジャングルから地面が膨らみバリアを突き抜け巨大な丸鋸の集合体のようなものが姿を現した。ブースターを全速でふかしステラがカノンランスでそれを受け止め火花を散らすが、左右が分離し他にも続々と姿を表し大暴れを始めた。味方のアウトライダーも構わず殺しながら動いているが使い捨ての駒故に被害が甚大になるのはワカンダ側だ。

 

「サム! ナフェ! 側面を狙え!」

「やってみる!」

「もうやってるっての!」

 

 サムとナフェが側面から攻撃を集中し破壊していく。火花を散らしながら受け止めていたステラが逆手でエネルギーを纏いながらブラックブレードを振り抜きそれを真っ二つにする。慣性に従って土砂を撒き散らしながら地面に倒れた。

 着地後馬鹿みたいな量で群がってくるアウトライダー達を蹴り切り撃ち抜いていくが量が量なので他を構う余裕がない。適当にカノンランスをぶっ放すとフレンドリーファイアの危険もある。

 その先ではブラックパンサーに襲いかかるダークドワーフにむけバナーがビームを放ちながら殴りかかる。だがいなされ片腕を逆にもぎ取られた。そこから緑色の腕が装甲を突き破って現れた。

 

「ハルク!? まだだ早……いややるしか無いか! やるぞ!

 

 ハルクバスターが内側から弾け中からハルクが飛び出してくる。ハルクバスターのプランを考えた当時のトニーが見たら大爆笑しそうな光景だ。ダークドワーフの顔面をアッパーでカチ上げ吹っ飛ぶダークドワーフが腕にくっつけたピッケルに引っ張られ二人は巨大丸鋸に轢かれる。

 がさすがの耐久、回るその側面にくっついたまま近接戦を続行した。

 二人の激突のパワーで内部の機構が破綻し巨大丸鋸は横転、群がってくるアウトライダー達も鎧袖一触にしながらしかしダークドワーフのタフネスも凄まじい。殴りピッケルのブースターで飛ばされたハルクがバリアに接触し背中が焦げた。ピッケルをへし折りバリアから離れる。

 それを少し見てから笑みを浮かべ咆哮を上げる。ハルクが飛び上がる。あまりにもわかりやすい攻撃にダークドワーフがカウンターを合わせようとした時、ハルクはその顔面ではなく、少し手前の空間で両腕を叩き合わせた。

 

ハルクスマッシュ!

 

 衝撃波が周りのアウトライダーを吹っ飛ばし少し離れた所で戦う人々の耳に少しダメージを入れた。最もダメージを受けたのは当然ダークドワーフだ。

 

(ちょっと違くないかいハルク? でもこれで整った! やろう!)

 

 平衡感覚を潰されたダークドワーフの顔面を数度殴打。そのまま頭を掴んでハルクは全力疾走する。そしてバリアにその頭を押し付けながら駆けずり回る。ダークドワーフが暴れるがその抵抗は先ほどよりか弱い。衝撃波のダメージが抜けておらず、その程度の攻撃で怯むほどハルクは弱くない。頭が完全に焼き切れ、事も切れたダークドワーフだったのを武器にぶん回しステラに群がっていたアウトライダーズを空に向け吹っ飛ばす、それに合わせ上に向けてステラが砲撃を乱射し敵を消しとばしていく。

 

『陛下、敵の攻撃より負荷が掛かってます止めさせてください』

「構うな、ここで負けたらバリアも何も無いんだ」

 

 外れたいくつかがバリアに衝突したりでかなり負荷をかけているらしくティチャラにバリア担当のオペレーターから苦言が来ていたがそれを宥めてティチャラも戦いを続行する。

 

 別の場所ではナターシャとオコエを轢こうとした丸鋸集合体が赤いオーラに包まれ宙に浮く。そこにいたのはワンダだ。全力でサイコキネシスを操り、横向きにしてアウトライダーの大群を一気に轢きなぎ払う。

 

「なんでもっと早く来ないの?」

 

 オコエがそんな事を言ってるのをワンダは笑ってごまかした。

 

「現場に現れた。今よ」

 

 それを遠くから確認したプロキシマが通信を送る。

 それを受け取ったコーヴァス・フレイヴがシュリの研究所に姿を表す。護衛をしていた衛兵を斬り殺そうとして、しかし突如体が宙を舞い、打撃を連続で食いながらシュリの脇を抜けてガラスを突き破って森へ落ちていく。

 

「ピエトロ、あと十分持たせて頂戴!」

「昼寝ができるぜ? よっそこのあんた。速すぎて見えなかった?」

 

 地面に落ちたコーヴァスの脇に立って肩を竦めて煽る。槍が突き出された頃にはそこにはおらず反対側から蹴飛ばされる。

 

「将来の義弟の為にもお兄ちゃん頑張らなきゃいけないんでね、ま、そこそこ頑張らせてもらうよ」

 

 ピエトロの速度に対処しきれないコーヴァスが一方的に攻撃を受け続ける。速度差が凄まじすぎてフェイントで騙すことすら困難なのだ。そんな状態がしばらく続いてコーヴァスが持っていた槍も弾かれた。

 

「まじおたくら硬すぎなんだよな。殴ってるこっちが痛くなってくるよ」

 

 手をフルフルさせるピエトロを忌々しそうな目でコーヴァスが睨む。ピエトロが止めと言わんばかりに背後から顔面を殴った瞬間、その手を掴まれた。急制動が掛かりピエトロの肩が軋む。

 

「油断したな……あれだけ見せられれば、掴むことは容易い」

 

 余裕を見せているがコーヴァスからしても完全に賭けであった。耐久力を生かして背後から頭を殴られる場合のみに完全に集中して狙っていたのだ。そして短剣をピエトロの足に突き刺す。

 

「これでもうご自慢の速度は出まい」

「どうかな?」

 

 やせ我慢気味に笑いながらもピエトロが高速移動で殴り飛ばし、転倒する。その前にやってきて槍をわざわざ手に取りピエトロの顔面に突きつけた。

 

「さて、死ね」

「知らないのか? 倒す前の舌舐めずりは負けるんだぜ?」

 

 それに応えるように引き、突き出された槍がドーラミラージュの持つヴィブラニウム製の槍で阻まれる。いたのはヴィジョンだ。鮮やかだった赤色の体は燻んでいるが、その目に宿る意思は強い。

 

「お前、ストーンはどうした?」

「いえ知りません、私は、私です。大丈夫ですかお義兄さん」

「やめろそう言われるとなんかむかつく」

 

 立ち上がりピエトロが笑う。

 槍同士が激しくぶつかり合うが技量で勝るのは当然コーヴァスだ。ヴィジョンが借りたドーラミラージュの槍ごとヴィジョンを森の外へ吹き飛ばす。

 

「石がそこにないなら、お前に用はない」

 

 上の研究所から見下ろすシュリの顔を見て、コーヴァスが邪悪な笑みを浮かべる。

 ピエトロがそこへ足から血を吹き出しながら槍を奪い高速移動で全力で蹴り上げる。そして森から飛び出し太陽の光を浴び、ヴィジョンのストーンが失われた額へ当たり一帯の太陽光が集中して空がわずかな間暗くなる。陽光が戻れば山吹色に輝くマインドストーンと似た石がその額へ収まった。

 その額からビームが放たれる。太陽の力を集約した破壊光線だ。それを空中で躱すこともできず手で無理やり防ごうとするが両手を貫通しさらには胴体も焼き貫いて火の玉となって森に落下する。

 ヴィジョンが以前つけられた傷を抱えて伏せた所にびっこを引いてやってきたピエトロと拳をガツンとぶつけ合って笑った。

 

『兄さん石が取り出せたよ! ワンダを連れてきて!』

「ワンダ出番だ! シュリのところへ向え!!」

 

 シュリがティチャラに通信を送りティチャラが皆に指示を出す。

 サイコキネシスで飛び上がろうとしたワンダの足をプロキシマが掴み地面に叩きつけた。

 

「行かせると思うか、お前はここで死ぬ」

「いいえ」

「ここで死ぬのはお前よ」

 

 嘲るように脳震盪を起こしてふらつくワンダに剣を突きつけるプロキシマの元へ、オコエとナターシャが駆けつけて武器を構えた。

 プロキシマが怒りながら武器を振るう。技量はやはりサノスの部下というだけあり凄まじく、異星人ゆえの膂力の高さもあって数の利が意味を成していない。遠方ではローディ達が巨大丸鋸を破壊する為に奮闘している。ロッドを分割しバトン二本にしたナターシャが殴りかかる。電流もモノともせずに反撃してくる様は人の姿をした怪物だ。オコエも蹴り飛ばされ槍の防御を貫かれて地面を転がる。

 足払いで蹴りの軸足を払い倒れさせるとロッドを押し込みウィドウズバイトを叩き込もうとするが膝蹴りで腹を蹴り飛ばされ悶絶、立場が入れ替わり逆に首に剣を突き立てられそうになるのを必死で防ぐ。

 そこへ赤いオーラがプロキシマを覆い空へ投げ飛ばされた。そこへハルクがやってきてパンチ。さらに吹っ飛んだプロキシマはバリアに突き刺さり、バリアによって上下真っ二つになり絶命した。

 三人は少しばかり地面に座って笑いあった。

 

「はーあいつほんと最低。ワンダ、行くわよハルク! バナー! 手伝って!」

「えっちょっと待ってああああああ!?」

 

 未だふらつくワンダの為ハルクを呼ぶ。ハルクに抱えられたワンダが悲鳴を上げながらシュリの待つ研究所に向かって行った。

 

「……後でひどい目に遭わされそう」

「……私ならひどい目に遭わせるね」

 

 ナターシャとオコエが苦笑しあってまた戦いに戻る。

 上位者の消失で戦局はワカンダ側に完全に傾くこととなった。




二十一話のシング・ラブがおかしいのがわかるバリア性能
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