MCU『ブラック★ロックシューター』 作:おれちゃん
爆発につられたチタウリ達が周囲のビルにとりつき咆哮をあげる。周囲を囲まれているが、負ける気はしない。
ハルク、ホークアイ、ソー、ブラックウィドウ、ブラックロックシューター、キャプテン・アメリカ、アイアンマン。
アベンジャーズがここに集結したのだ。
2012年、ニューヨーク。ロキが招いたチタウリとの決戦が行われる最中の街の一角にトニー、スティーブ、スコット、ステラが姿を表す。
スティーブの服装が2012年当時の服装に変化した。ステラの服も当時らしく前側が全開になり見える白いお腹にはにシング・ラブに付けられた傷跡がある。今となっては流石に前全開は恥ずかしいのでステラはパーカーの前を閉めて、姿がわかりにくいよう髪を服の内側に入れてフードを被った。
「よし、ステラはドクター・ストレンジの所にタイムストーンを、僕とトニーにスコットはマインドストーンとスペースストーンを奪取する」
ガッシャンガッシャンという音に視線を向けると先でチタウリ相手にハルクが自動車を使ってボコボコにしていた。バナーが見たらちょっと恥ずかしがりそうな暴れっぷりである。
「各自、自分自身に会わないよう気を付けろ。面倒ごとになる」
「バックトゥーザフューチャーのお約束だね」
各自が行動を開始する。スティーブ達は三人で当時のスタークタワー内部に潜伏し、セプターと四次元キューブを狙う。ステラはドクターストレンジからタイムストーンを受け取った後はそのまま現代へ戻る予定だ。ギリギリまで低空飛行をして当時のアベンジャーズの目となっているクリントの視界に入らないよう注意しながら、ギリギリのところで急上昇。サンクタムの屋上に着地する。
「滑りやすいから気をつけて。ワックスをかけたばかりなの」
とりあえず屋内に入ろうとしたところで後ろから声をかけられた。ステラが振り向けばそこには黄色い特徴的な服を着た女性が立っていた。ステラは知らないが、彼女こそ魔術師達の頂点、
「急に来てごめんなさい。わたしはステラ、ドクターストレンジはどこ?」
「彼、スティーブン・ストレンジなら二十ブロック先で手術をしています。来るのが五年早かったわね。可愛らしいお嬢さんが彼になんの用?」
「わたしが欲しいのは、それ」
ステラが指さしたのはエンシェント・ワンが首に掛けたアガモットの目だ。映像で見たドクターストレンジがタイムストーンを封印しているアイテムである。
「ああ、成る程。でも渡せません」
「お願い。みんなを助けるために必要なの」
「無理と言っていますが?」
「……だったら力ずくでも、渡してもらう」
「おやめなさい」
「渡して、ロスコルやみんなが帰ってくる為には必要なの」
近づくステラを言葉で制止するが聞く耳を持つ様子はない。
そのまま奪おうとしたステラの胸に向け放たれた掌底を掴み、アガモットの目に手を伸ばすが、振れた瞬間指にやけるような激痛が走り思わず手を離してしまった。すかさずエンシェント・ワンが距離を取りミラーディメンションを展開してステラを閉じ込めようとした所、ステラがブラックブレードを振れば次元が裂けミラーディメンションが打ち破られる。
これには流石のエンシェント・ワンも想定外だったようで、ステラへの警戒を強める。
「この石を失えば、この世界は闇の勢力に対する対抗手段を失います。たとえ命に変えても奪われるわけにはいきませんね」
「使ったら返すから」
エンシェント・ワンが扇の魔術を両手に持ち臨戦態勢を取る。無力化は難しく、これ以上は殺し合いになるという判断だ。
「使ったら返す? どういう意味ですか?」
ステラは刀を下ろす。戦わずに済むならそれに越した事はない。
「バナーが言ってた。使った後、元の場所に戻すまでが作戦だって。だからわたしが借りても、すぐ誰かが返しに来るから石がなくなるのは少しの間だけ。
エンシェント・ワンが意味を理解して目を見開く。しかし構えは解かない。
「成る程、理解はしました、ですが貴女達が成功するという保証はありません」
「わたし達を信じて」
ステラが胸に手を当て嘆願するもエンシェント・ワンは首を横に振った。
「私は至高の魔術師として、賭けでこの世界を滅ぼすわけにはいかないのです。タイムストーンを管理する義務がある。」
「でも……ドクターストレンジはサノスに石を渡したって」
ステラの言葉を聞いたエンシェント・ワンが目を細める。
「なんですって? ストレンジが?」
「うん、自分からサノスに渡したってトニーが言ってた」
「……なぜ?」
「わからない。でも貴女にそんなに信用されてるなら、意味のないことはしないと思う」
しばらく思案していたエンシェント・ワンがため息を吐いて、魔術を消し構えを解く。
「どうやら……わたしの判断ミスね」
アガモットの目を開き、内に封印されたタイム・ストーンをステラに差し出す。
「ストレンジは優秀な魔術師です。石を手放したなら、勝算があっての事のはず」
受け取ったステラが石を握りしめる。そこへエンシェント・ワンが両手を添えた。
「どうかお願いねステラ。私達の世界を」
「任せて。絶対に持って帰ってくるから」
予定通りステラはその場でタイムトラベルで現代へ飛んだ。その飛んだ後をエンシェント・ワンは祈るように見つめていた。
その頃、スタークタワーに隠れるトニーが様子を伺う。
今は丁度ロキが皆に囲まれている所だった。
「ステラちゃん髪の毛もさもさしてるね」
「ああ、ペッパーにケアされる前だからな。それにしてもスティーブ、忘れてた。あのコスチューム尻がやばいなダサいぞ」
『見た目はどうでもいいだろう』
「俺はいいと思うよ? アメリカのケツって感じがする。てかステラちゃん見た目まじ全然変わらないじゃん変わったのは髪の毛くらい?」
「あぁ、まあ当時からステラの事はティーンエイジャーって呼んでたんだが……信じるか? 推定だがあそこにいるステラは三歳だ。今十四歳でやっと本当にティーンエイジャーだよ。おっと」
エレベーターからS.T.R.I.K.E.チームが姿を現しセプターを回収していく。
「あいつらは?」
隠れたトニーにスコットが問う。
「S.H.I.E.L.D.の特殊部隊。だけど一人除いてみんなヒドラだ」
「なんで気付かなかったんだ? どうみても悪人顔だろ。残り一人は?」
「新人類を名乗る強化人間」
「ダメなやつじゃん」
「うるさいな声だけでかいぞ」
そうしている間にもセプターの収納を終えて、S.T.R.I.K.E.チームがエレベーターから撤収していく。
「スティーブ、セプターが行ったぞそっちは任せた。ほらスコットいけ!」
「アウチ!」
『任せろ。いい考えがある』
小さくなったスコットが指で弾き飛ばされ過去のトニーの頭髪の中に潜む、そうして怪我の応急処置を終えてエレベーターに乗り込んでいきブザーを鳴り響かせるステラの様子を見てトニーはナノテクアーマーに身を包んで外に飛び出した。
『ねえトニー、なんか喧嘩みたいになってきてるけど大丈夫か』
「大丈夫、想定の内だ。ソイツはS.H.I.E.L.D.の理事ピアース。ソイツもヒドラ」
『ヒドラ多すぎない?』
エレベーターに先行してトニーは特殊部隊員の装備をして一階ロビーの警備をしているフリをしていた。そこへ後から来たアベンジャーズとS.H.I.E.L.D.の面々が主導権を握ろうと争いを始める。
「そろそろビッグイベントが来るぞ。いやぁアレは痛かった、今でも覚えてる。キューブの入ったカバンに潜伏だ」
『了解』
掴みつかまれしている所の近くの外にステラを抱えたハルクが降ってきた。着地の衝撃で窓ガラスが木っ端微塵になり取っ組み合っていた面々が吹っ飛ぶ。
「今だ!」
『それっ!』
全員がハルクの方に注目する中スコットがケースを蹴飛ばしてトニーの方に滑る。ロキが見ているが口を塞がれているので何も言えない。さも当然のように受け取ってトニーは建物から退避。スコットもそれに続く。
後ろでの騒ぎをトニーは聞き流して少し離れた人気のない場所に移動し車の中でスコットと一緒に待機する。
そこへスティーブがセプターの入ったケースを持ってやってきた。
「やぁ。どうだった」
「問題なしだ」
「褒めてくれキャプテン」
「よくやった二人とも」
車の割れたサイドガラスからケースを出して見せびらかす。車から降りようとして立て付けが悪くなったのか開かないのでトニーは窓から体を出すとスティーブに引っ張られて車外に出た。
「ステラの方も上手く行ったみたいだ。この時間での任務は完了、戻るぞ」
三人がスーツに包まれ、量子のサイズとなって現代へと帰還していった。