MCU『ブラック★ロックシューター』   作:おれちゃん

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エンドゲーム

「やった! サノスをやったぞ!」

 

 サノスの軍勢を押しとどめていたサムが叫んだ。サノスが死んだ事が徐々に波及し敵の統制が乱れ出す。

 

「一人も逃すなナフェ、残れば残っただけ後々禍根になる」

「わかってるっつーのもう!」

 

 半壊したアイアンパトリオットからウォーマシンをのぞかせながらローディが逃亡する敵達を倒していく。ナフェも頭のアンテナが一本へし折れアームも壊れて何処かへ行ってしまったがアーマメントを精度を落としつつも操りサムとローディの二人と共闘して倒していく。

 

「おいまずいぞ空の奴が離脱する! 誰か止めろ!」

 

 正面側を炎上させているサンクチュアリⅡが徐々に高度を上げている。上空へ射出されたドロップシップ類も続々と母艦であるサンクチュアリⅡに戻っており、このままでは逃亡を許してしまう。

 だがアベンジャーズ達ももうそれを追うだけの余力はない。残されたワカンダやサカールの船が必死に追撃をかけているがその効果は殆どないようだ。

 

「おいなんだ?」

 

 ローディのセンサーが上空から飛来する高エネルギー反応を検知した。

 それに空を見上げていると離れかすみ始めていたサンクチュアリⅡが突如大爆発を起こした。爆発は下に突き抜けそこから眩しく輝く光が徹底的に船を破壊し自重を支えられなくなり真っ二つに折れながら海に落着、衝撃波と質量物の落下で発生した津波が海面を揺らす。

 

「ナイスだぜ! ダンバース!」

「俺はグルート!」

 

 下で見ていたグルートと共にロケットも大騒ぎだ。

 墜落で発生し迫る津波をストレンジや魔術師達が魔術で押さえ込むことで被害はゼロで済んだ。

 ドロップシップを続々と破壊する光の存在。キャプテン・マーベル、キャロル・ダンバースがフォトンブラストを放ちドロップシップを圧壊させ高速で逃げるチタウリライダーを殴って撃墜する一騎当千の活躍を見せ、同じく空を飛ぶローディやサム達と連携をとる。

 暫くの掃討戦が続いた後、ペッパーがトニー達の元へ着地する。瓦礫の平坦な所には気絶したトニーとステラが寝かせられている。

 

「二人とも大丈夫?」

「ええ、命に別状はないわよ」

「おいバナー、アレやって起こせ。ほら十年前くらいにやったろ」

「え、なんだいそれ」

「あーあの時はまだハルクだったな。ガオッて感じで脅かすんだよ」

「ええ……が、がおー」

 

 

 バナーが脅かすような感じでハルクモードになってみる。とタイミングよくトニーとステラが目を覚ます。

 

「……おいどうなった? グリーンジャイアント、何やってんだブルース?」

「……うん……?」

「トニー! ステラ! よかった!」

 

 ペッパーがトニーとステラを起こして抱きしめた。抱きしめられつつトニーとステラは顔を見合わせていると。ソーの「サノスは仕留めた」という言葉に安堵の息を吐いた。ペッパーのレスキューアーマーがトニーのアーマーとガチガチ音を立てているが気にする余裕は誰にもない。

 

「ああ、ペッパー、心配かけたな」

 

 そこへ空からキャロルが着地する。

 

「サノスをやったようね」

「おいくるのが遅いぞ、もっと早く来てくれよ」

「それは本当にごめんなさい。あとで詫びの品でも持ってくるわよ。でもまぁ、私がいなくても勝つとは思ってた」

 

 キャロルがステラにトニー、周りにいるアベンジャーズ達を見渡す。タイム泥棒作戦の連絡と共に大急ぎで向かっていたキャロルだが途中で難破船を見つけてしまい救助に時間を取られてしまったのだ。それにまさかキャロルも2014年のサノスが来襲していたなど想像だにしていなかったのだ。サノスがくるとわかっていたなら伝手を使って難破船は任せてキャロルは急行していた。

 だが自分がいなくても勝っていたというのは彼女の心からの賞賛だ。

 

「そりゃ殺し文句だ。掃除が大変だぞ」

 

 墜落したサンクチュアリⅡを見てトニーがため息を吐いた。そうして周りに集まってきていた仲間達の視線が自分に集中していることに気付く。

 

「そういうのの締めはキャプテンがやるべきだ、ほらキャプテン」

 

 ペッパーに助け起こされたトニーが安堵の笑みを浮かべているスティーブにに場所を譲った。敵を退けたアベンジャーズの仲間達が彼を中心に円を組んだ。

 

「みんな、よくやってくれた。犠牲にしたものは多い。大切な仲間を僕達は失った、だが、敵は退けた。五年前、居なくなった皆が帰ってきた。僕達の……勝利だ」

「あとはこれを元の場所に戻せば全部完了」

「パワー・ストーンも回収してある」

「陛下、クイーンズの坊や、よくガントレットを守ってくれた」

 

 ガントレットとストーンを受け取ったトニーが残ったナノテクアーマーを使って簡易的な保存用BOXを作成して切り離す。

 

「……なあ所で、クリントの奴はどうした? こんな時まで家族サービスで来なかったのか?」

 

 ピエトロが冗談めかすように肩を竦めた。家族が大事なのは承知しているので別に貶める意図も何もない。後で自分の武勇伝を聞かせてからかってやろう程度の軽い意図だった。

 

「……ピエトロ、クリントは死んだ。ストーンを手に入れる為、お前や仲間達を助ける為……家族を取り戻す為に」

「おいおいどういう……どういうことだよ! ふざけるなよあのおっさんがよ、年寄りがカッコつけやがってスタークそれを貸せよ。俺が指を鳴らしてさっさと生き返らせてやる」

「無理だ。そもそもあのエネルギーにお前は耐えられない。そしてソウル・ストーンがある限りクリントは戻らない」

「わたしは……みんなと一緒に帰ってきてってバートンにお願いした。でも……家族を頼むって、帰ってきてくれなかった」

 

 詰め寄るピエトロをヴィジョンとワンダが抑える。二人とも、いや皆が悔しそうな顔をしていた。ピエトロが座り込んで地面を叩く。

 

「そりゃぁないだろ、オッサン……!」

 

 その場のヒーロー達は皆クリント・バートンへ向け各々の祈りを捧げた。

 後日状況が落ち着いた頃、バートン家にて静かな、小さな葬式が開かれた。アベンジャーズの初期メンバーにマキシモフ兄妹、S.H.I.E.L.D.関係者など関係者のみが集まった。

 悼むための遺体すら無い、空っぽの棺には彼が生前愛用した道具や子供達との思い出の品が置かれている。改めて夫が帰ってこないことを自覚したローラがナターシャに縋り泣く。彼らからすれば突然のことだ。平和な家族団欒の場から突然クリントを失い心の整理がついていなかった。

 クリントの手紙は愛する家族への謝罪とただひたすらの家族への愛を。最後にはこう綴られていた。

 

『俺はどこからでもお前達を愛し、見守っている。鷹のように』

 

 葬式を終えたのち、ソーはニューアスガルドをブリュンヒルデに託しガーディアンズオブギャラクシーと共に宇宙へ飛び出した。

 他の面々は数日もせず次なる仕事、いや責務を果たすため準備を始める。復活したピム博士協力の元、小型の量子トンネルを製造、六つのインフィニティ・ストーンを、後勝手に持ってきたムジョルニアを元の時代に戻す任務にはスティーブが選ばれた。トニーも志願したがピム博士が超全力で拒否した。

 

「いいか、石を元に戻すだけだ。無事帰ってこい」

 

 バナー、バッキー、サム、シャロン、トニー、ステラが見守る中、タイムトラベルを開始する。たかが十秒、とても長い十秒の別れだ。

 

「よしカウントダウン、三、ニ、一」

 

 量子トンネルが再度開きスティーブが姿を表す。少し古い軍服姿で帰ってきたスティーブが量子トンネルの台から降りる。

 

「成功か?」

「ああ、成功だとも」

「良かったこれで万事解決だな」

 

 サムが手を叩いて喜んだ。そんなサムの前へスティーブが盾を外して歩み寄る。

 

「どうしたんだキャプテン」

「僕も、自分の時間を生きてみようと思ったんだ。それで向こうに行っている間、誰に託そうかずっと考えていた」

「おいおい待ってくれキャプテン」

「君だ」

 

 サムを正面からスティーブが見つめる。その覚悟を受け取れるのは自分自身だけだとサムが表情を引き締める。

 

 差し出された盾を受け取りサムが左腕に装着する。

 

「どうだ?」

「借り物みたいだ」

「今はまだそうだろう。だがいずれ君の血肉と、体と一体になる」

 

 スティーブとサムが硬く、硬く握手を交わす。そんな二人の肩に手を置くのはバッキーだ。

 

「スティーブ、サポートは任せておけ、年寄りは年寄りらしく自分のことだけ考えてればいい」

「年寄りはお前もだろバッキー」

「俺はコールドスリープされてたからな」

「それを言ったら僕だって氷漬けのキャプテン・アイスさ、なあトニー?」

「急に僕を巻き込むんじゃ無い」

「スティーブ・ロジャース」

 

 サムが姿勢を正し、スティーブへ敬礼する。

 

「キャプテン・アメリカとこの盾に誓って、未来へと繋いでいかせていただきます」

「ああ、頼んだ。サム」

 

 噛み締めるようにスティーブは頷く。

 

「まあそうとも、年寄りはお役御免ってわけだ。僕も今度こそ本当に引退だ、色々やることが多い。ステラは何かしたい?」

「わたしは……一度学校に行ってみたい!」

「そりゃいい、変なボーイに引っ掛かるなよロスコルが人殺しになっちまう」

「所で」

 

 サムがこっそりとスティーブの耳元で内緒話をする。

 

「過去に戻れたならペギーさんとかとイチャイチャするとかするつもりは無かったのか?」

 

 サムとスティーブがシャロンの方を見つめる。

 

「そんなつもりは無かったさ。まあ、内緒ということで」

 

 近づいてきたシャロンとスティーブが手を繋ぎバイクに乗り込む。サムが温かい笑みでそれを見送った。

 

 

 

 S.H.I.E.L.D.の基地、ペギー・カーターは今日も激務の合間に休息をとっていた。日も暮れてしまい溜息を吐いていると背後に人の気配を感じた。

 

「ペギー」

 

 その声に驚き振り返るととスティーブが立っていた。

 

「やだ、幻覚でも見ているの?」

「そういう事で構わない。ペギー、僕は僕の時間を生きる。僕は未来で……君を待っている。ありがとう、君にただ感謝を伝えたかった」

「待っ」

 

 扉から出ていったスティーブを追いかけるように扉を叩き開ければ、廊下には誰もいない。ペギーは天井を仰ぎ見て、気合を入れ直すのだった。




EDのアレはバートンだけが背を向けていて
バートン→ナターシャ→ステラ→ソー→バナー→スティーブ→トニーの順になると思います。
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