MCU『ブラック★ロックシューター』 作:おれちゃん
脳内にはフェーズ4
BLACK★ROCKSHOOTER/HOLLOWS
みたいな幻覚が見えてるので書けたら良いと思っています
[ステラの帰宅]
「ただいま!」
ボロボロになったステラが帰宅すると、ロスコルが飛び出してきてステラを抱きしめた。何故か腰に湿布が貼られているが、どうやら帰ってきた瞬間椅子がズレていたせいで腰を打ったらしい。
周辺近所も未だお祭り騒ぎのように大騒ぎだ。
「ステラ! こんなにボロボロになって……!」
「お父さん……お帰り!」
「ああ、ただいま! 五年、五年かぁ、ステラは変わりないな」
一瞬で過ぎてしまった五年と、服がボロボロになっている以外あまり変わらないステラの姿にロスコルの頭は若干混乱していた。
それから何か思い出したかのようにステラが少しの間ロスコルをギューと抱きしめてから離し、もう一度ギューと抱きしめた。離してしばらく両手を握ったり開いたりワキワキさせていると、突如ドバッと滝のように涙を流した。
「わぁぁぁあステラ!?」
「ロスコルがかえってきたぁぁぁ!」
「時間差号泣!? ほーら大丈夫だステラ俺はここにいるからなほらほら」
ロスコルが優しくステラの頭を撫でる。ロスコルにとってはわずかな時間でもステラにとっては五年なのだ。五年分の涙が溜まって飛び出してしまったのだろうとロスコルまで思わず泣いてしまった。
「ほら今日はお祝いだ! 好きなものいいっぱい食べてお祝いしよう! あ、ステラお父さんがいない間食事大丈夫だったか? 偏ってなかったか?」
「……P.S.S.やロスコルの事を思い出して寂しかったから……ハンバーガーほとんど食べてなかった」
タイム泥棒作戦の際に食べたのが久しぶりのハンバーガーであった。
「もういっぱい食べよう! 十個でも二十個でも好きなだけ食べようステラ!! 」
ロスコルが号泣した。大量のハンバーガーを食べながらステラはこの五年であったことやタイム泥棒作戦、クリントのことなどを泣いたりしながら全部話した。
後日ロスコルはステラの付き添いでクリントの葬式にも出ることとなる
[ブリュンヒルデとラブ]
「おいラブ、アンタいつの間に消えてたんだ?」
アスガルドからの増援メンバー達がニューアスガルドに帰還し勝利の宴を開いているところへラブとザハがのんびり帰ってきた。ブリュンヒルデの脇にヒョイと座ったラブが余っていたジョッキに並々とビールを注いで一気に飲み干した。
「今の酒は良いものだな」
「人の話聞いてる?」
「聞いてるとも。前にも言っただろう? 私は本来死んでいたはずの存在、ステラにバレると八つ裂きに……いやむしろ周りの奴らにボコボコにされそうな気もするな。それで逆にステラとブルースが止めに入るパターンだな。だから先に帰らせてもらったわけだ」
飲み干したジョッキにジュースとアルコールを混ぜて甘い酒を作り今度はそれをちびちびと飲みだした。
「じゃあなんであそこへついてきたんだ?」
「それは簡単さ。好奇心に勝てなかった」
「まじかアンタ」
「仕方ないだろう楽しそうだったんだから。おっと好奇心は猫をも殺すなんて言うなよ。実際好奇心で死んだ身だからね」
少し飲んだだけで速攻で顔が赤くなったラブがグラスをスッと出してきてブリュンヒルデのグラスと当たって乾いた音を立てた。
「で、その好奇心の赴くままに悪さしない……かは五年一緒に過ごしてもわからないわね」
「失礼な、これでもなるべく自重してる。ネットゲームで複製アカウント作ってコーグに粘着して煽ってるくらいだな」
「何やってんのさ」
「ボイチャが代わってソーが脅してきたときは腹を抱えて笑ったものだ」
「いや何やってんの? アンタもソーも」
ケラケラと笑うラブにブリュンヒルデは溜息を吐いた。その視線の先ではソーがコーグとミークと一緒にバクバクピザやら油物を食いまくっている。バナーとロケットに連れられていってから少し痩せたと思ったのだが元に戻っていた。
「まぁ、今の観察対象はお前だブリュンヒルデ、是非私が退屈しないように過ごしてくれ」
「五月蝿いよ、ここから叩き出してやろうかしら」
「怖い怖い。いやぁ脆弱だがこの体も良いものだ。酒に酔える」
「どこが脆弱だか。大剣振り回して大暴れしてたくせに」
傍の地面に適当に突き刺された肉厚の大剣を見つめる。ラブは肉厚の部分を太ったソーに皮肉混じりに喩えて『キングソー』と呼んでいるそれは並の膂力では扱える代物ではない。
「いやぁでも、良い死だった。道半ばで潰える悲哀、志を折られる絶望、希望に満ちた死もいいがあんな死も素晴らしかったぞ。サノス」
ラブは満点の星空にグラスを掲げ、サノスへ形ばかりサノスの死を悼んだ。
[トニーとストレンジ]
「おいドクター、そう言えば僕に誰が指を鳴らしたか聞いてきたな。アレの意味は?」
戦いを終えたストレンジの近くを通りかかったトニーが問えば、ストレンジは他の魔術師達に指示を出してトニーの方へ向き直った。
「もう終わったことだから言うが、サノスに勝つ確率を七百万分の一と言っただろう。アレは正確ではない」
「何?」
「正確には千四百万分の二だ」
「なんでわざわざ約分した?」
「別の道があると思ってしまえば突き進めない。スターク、もう一つの勝利の可能性はお前が指を鳴らしサノス達にデジメーションを発動させ命と引き換えにサノス達の禍根をすべて断つ道だ」
「それは……ゾッとしないな僕にそんな自己犠牲精神あると思うか?」
「あるとも。お前は仲間や家族の為ならやる男だ。そしてそれはバナー博士が指を鳴らして皆を取り戻した場合のパターンだ。その時千四百万分の二と聞いていたお前はわずかに躊躇う。ほんの僅かなためらいがサノスへの敗北と繋がるのを何万と見た」
途方もない話にトニーが息を吐いた。
「だが、まあ、生きていてよかったよスターク」
「やめろ男のそういうのは気持ち悪いぞ」
ストレンジが青筋をたてた。
「人が労ってやってるのになんだその言い草はこのクソ野郎……」
「なんだとこのヒゲ野郎……まあ、勝ったんだ、それは水に流すとしよう。近くにスーパーガールがいるからな、いがみあってると怒られる」
少し冗談めかしながら離れたところにいるペッパーやステラを横目にトニーが肩をすくめ、右手を差し出した。
「思惑はどうあれ、なんだ、命を助けられたのは事実だ。感謝するよドクター・ストレンジ」
その様子にすこし面食らったストレンジは握手を返す。
「こちらこそ。世界を救ってくれて感謝する、トニー・スターク。そして、アベンジャーズ」
二人が辺りを見る。アベンジャーズ・コンパウンド跡地で夕日に照らされるアベンジャーズ達の姿がそこにはあった。