MCU『ブラック★ロックシューター』   作:おれちゃん

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 DVD発売から一週間経ったので投稿します。
 ブラック★ロックシューター新アニメ企画でこの文を書いている時は歓喜に震えていました


幕間(フェーズ4)
ブラックウィドウ:ポストクレジットシーン


 とある墓所の一角。ここに眠る男に会いに、エレーナはやってきた。一度でいいから会っておきたかったのだ。

 

「や、こんにちは」

 

 連れていた犬にお座りをさせ墓石の周りにお供えされたぬいぐるみやフィギュアなど倒れてしまっているモノを直していく。

 

「いつか会ってお礼を言いたかったんだ。姉さんや私達の命の恩人。来るのが遅いなんて文句は言わないでちょうだい? こっちにも色々予定が詰まってたんだ……まあ、ありがとう」

 

 墓石には鷹の目(ホークアイ)の二つ名と共にクリント・バートンと刻まれていた。

 失われた半分の命を取り戻す為命を懸けた戦士にして、姉と同じ初めの七人(オリジナル・アベンジャーズ)の一人。顛末は姉から聞いていた。

 目を瞑り、黙祷を捧げる。

 どれほどやっていたか。しばらくして黙祷を終えたエレーナは、墓所から出ようと飼い犬をつれて歩き出す。すると遠くの方から徐々に重厚感のあるエンジン音が近づいてきて近くで止まった。

 

「あー、私もああいうイケてる音の車に乗り……ひょふぅ!?」

 

 ここへ乗りつけてきた中古のバンのことを嘆いていると墓所にやってきた人物にエレーナは変な声を上げた。そんなエレーナを気にする様子もなくその人物は花束を持ってエレーナの脇を通り抜けようとする。

 

あ、あの!

 

 首が振られて艶やかな二房の黒髪が揺れ、空のように透き通った青の瞳がエレーナを見つめ、首を傾げた。

 

「?」

ファ、ファンです。不躾なお願いですが握手してもらってもいいですか……!

「いいよ」

 

 得心いったようで差し出された手にエレーナは両手で握手をした。想像していたよりもあまりにか細く、艶やかな手だった。

 

「ありがとうございます!」

「大丈夫、でもあまり騒いじゃダメ」

「あ、はい」

 

 そうして自分のバンの脇に止められた大型トライクにテンションを上げつつもバンに乗り込んでエレーナは思わずガッツポーズをした。

 

「やったー! 偶然だったけど今日休暇でマジ良かったー!」

 

 ちゃんと注意を守ってバンに入るまで黙っていたエレーナだったが中に入ったので騒いだ。飼い犬も少しうるさそうに耳を伏せていた。

 

「さーて休暇だしこの勢いでどこに遊びに行こうか! 悩むなぁ〜……ってげ、姉さん」

 

 携帯電話のバイブレーションに気付き取り出せば、姉からの着信だった。

 

「はいこちら、エレーナ・ベロワの携帯番号でございます。ただいま電話に出ることができま……はいはい分かってるってどうしたの? 何妙にテンション高いって? 今さっき有名人と握手してもらったからね……はあ!?」

 

 テンションが急転直下した様子のエレーナが電話を続ける。

 

「私休暇中なんだけれど! インナー・サークルなんて訳わかんないの調べさせといてそれより優先事項ができたからそっち手伝えって何!? ……いやそもそも給料低すぎでしょ! いや身内価格って普通身内ならもっと高い給料出しなよ身内だから安くていいってのは私側から言うことだから姉さん!! ハー、わかったよ手伝えばいいんでしょ手伝えば、情報送ってよ、あと車買い替えたいんだけど……え、マジ? やった! カタログも用意しといてよね!」

 

 そう言って電話を切ると携帯電話に情報が送られてくる。フードを纏う謎の人物、巧妙に隠しているが、骨格は女性的な印象があった。エレーナの姉が作ったプロファイルはまだ不明な点ばかりだ。これからエレーナが調べるのだから当然である。ただ一つ名前だけはわかっていた。

 

「ローニン……ねぇ」

 

 そう呟いてエレーナはエンジンをかけ、休日を返上して仕事に向かった。

 

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