桜の木の下で、あの星に誓う ~ヒナギクversion~ 作:アメざいく
(ハヤテ・・・信じなさい。最後に笑うのはきっと、ひたむきで、真面目なひとなのですから・・・)
「違うっ!!」
頭の中に現れた金髪の少女を追い払うように、少年はそばにあった木の幹を殴る。
(結局、世の中ずるい奴が勝つんだよ!!真面目に頑張ったって、手に入るものなんか、何もないんだ!!)
えっと・・・これでも主人公です。一応。
「・・・でも、これからどうするかな・・・。」
そうつぶやいた少年の片手には、『1億5千万円』と書かれた借用書が握られていて・・・。
(・・・親から押し付けられた借金・・・。借金取りのヤクザに捕まらないうちに、どこかで返済しないとだけど・・・。)
世間はクリスマス。雪が降る中、あっちのほうで、カップルがイチャイチャしている。
だが・・・そんなことは、少年には関係ない。
(まいったな・・・、雪まで降ってきちゃったよ・・・。ほんとにどうしよ・・・。)
その直後・・・少年は、誰かに肩を叩かれる。
「え?」
少年が振り向いた先にいたのは・・・
桃色の髪が特徴的な、ひとりの少女。
「・・・こんなところで、いったい何をやっているの?」
「え?・・・まぁ、いろいろと・・・。」
「ふ~ん・・・。ま、いいわ。なんか困ってるみたいだし、わたしんち、来る?」
「へ?」
(・・・なかなか広い家だな・・・。)
少女に手を引っ張られ、少年は少女の自宅へとやってくる。
「あ、あの・・・名前は?」
「え?わたしの?」
意を決して、少年は少女にそう質問する。
「わたしは桂ヒナギク。で、あなたは綾崎ハヤテ・・・で、あってる?」
「え?なんで僕の名前を知って・・・。」
「いや・・・さっき、あなたが持ってた書類に、そう書いてあったから・・・。」
「・・・見られてる・・・。」
見られてました。
「にしても・・・あんな雪の降る中、どうしてあそこにいたのか・・・教えてもらえる?」
「・・・実は・・・かくかくしかじかで・・・」
「・・・な~るほど・・・。で、あそこにいたと。」
「えぇ、まぁ・・・そういう事です。」
「・・・ハヤテ君、ちょっと待ってて。」
「え!?ちょっ・・・ヒナギクさん!?」
そう言い残して、ヒナギクは去っていく。
そして、戻ってきたヒナギクが持っていたのは・・・ジュラルミンケース。
「?これは?」
「1億5千万円。」
「!!」
驚いた拍子に、ハヤテは手に持っていたティーカップを机に落とす。
「え!?って言うかなんで!?」
「いや・・・困ってる人は放っておけないって言うか・・・。ほら、これで借金返しなさい。」
「え?でも・・・」
「もちろん、『タダであげる』って事じゃないわよ。」
(やっぱり・・・。)
やっぱり。
「わたし、実は、この近所にある『白皇学院』の生徒会長なのよ。」
・・・・・・ん?
「えっ!?生徒会長!?」
「うん・・・。まぁ、そうは言っても、メンバーが足りなくって・・・。生徒会の副会長になってくれると助かるんだけど・・・どう?お願いできる?」
そう言って、ヒナギクはハヤテにパチッとウィンクする。
「へ?・・・も、もちろんですっ!!」
こうして・・・物語がはじまる。