桜の木の下で、あの星に誓う ~ヒナギクversion~   作:アメざいく

1 / 10
#1 聖夜の夜

 

(ハヤテ・・・信じなさい。最後に笑うのはきっと、ひたむきで、真面目なひとなのですから・・・)

 

「違うっ!!」

 

頭の中に現れた金髪の少女を追い払うように、少年はそばにあった木の幹を殴る。

 

(結局、世の中ずるい奴が勝つんだよ!!真面目に頑張ったって、手に入るものなんか、何もないんだ!!)

 

えっと・・・これでも主人公です。一応。

 

「・・・でも、これからどうするかな・・・。」

 

そうつぶやいた少年の片手には、『1億5千万円』と書かれた借用書が握られていて・・・。

 

(・・・親から押し付けられた借金・・・。借金取りのヤクザに捕まらないうちに、どこかで返済しないとだけど・・・。)

 

世間はクリスマス。雪が降る中、あっちのほうで、カップルがイチャイチャしている。

 

だが・・・そんなことは、少年には関係ない。

 

(まいったな・・・、雪まで降ってきちゃったよ・・・。ほんとにどうしよ・・・。)

 

その直後・・・少年は、誰かに肩を叩かれる。

 

「え?」

 

少年が振り向いた先にいたのは・・・

 

桃色の髪が特徴的な、ひとりの少女。

 

「・・・こんなところで、いったい何をやっているの?」

 

「え?・・・まぁ、いろいろと・・・。」

 

「ふ~ん・・・。ま、いいわ。なんか困ってるみたいだし、わたしんち、来る?」

 

「へ?」

 

 

 

(・・・なかなか広い家だな・・・。)

 

少女に手を引っ張られ、少年は少女の自宅へとやってくる。

 

「あ、あの・・・名前は?」

 

「え?わたしの?」

 

意を決して、少年は少女にそう質問する。

 

「わたしは桂ヒナギク。で、あなたは綾崎ハヤテ・・・で、あってる?」

 

「え?なんで僕の名前を知って・・・。」

 

「いや・・・さっき、あなたが持ってた書類に、そう書いてあったから・・・。」

 

「・・・見られてる・・・。」

 

見られてました。

 

「にしても・・・あんな雪の降る中、どうしてあそこにいたのか・・・教えてもらえる?」

 

「・・・実は・・・かくかくしかじかで・・・」

 

 

 

「・・・な~るほど・・・。で、あそこにいたと。」

 

「えぇ、まぁ・・・そういう事です。」

 

「・・・ハヤテ君、ちょっと待ってて。」

 

「え!?ちょっ・・・ヒナギクさん!?」

 

そう言い残して、ヒナギクは去っていく。

 

そして、戻ってきたヒナギクが持っていたのは・・・ジュラルミンケース。

 

「?これは?」

 

「1億5千万円。」

 

「!!」

 

驚いた拍子に、ハヤテは手に持っていたティーカップを机に落とす。

 

「え!?って言うかなんで!?」

 

「いや・・・困ってる人は放っておけないって言うか・・・。ほら、これで借金返しなさい。」

 

「え?でも・・・」

 

「もちろん、『タダであげる』って事じゃないわよ。」

 

(やっぱり・・・。)

 

やっぱり。

 

「わたし、実は、この近所にある『白皇学院』の生徒会長なのよ。」

 

・・・・・・ん?

 

「えっ!?生徒会長!?」

 

「うん・・・。まぁ、そうは言っても、メンバーが足りなくって・・・。生徒会の副会長になってくれると助かるんだけど・・・どう?お願いできる?」

 

そう言って、ヒナギクはハヤテにパチッとウィンクする。

 

「へ?・・・も、もちろんですっ!!」

 

 

こうして・・・物語がはじまる。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。